ONE FOR ALL9代目はボンゴレX世   作:鉄血のブリュンヒルデ

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アイデアが全く文章にできない今日この頃

それはそうと、皆様あけましておめでとうございます。

今年は何とか、もっと投稿ペース早められるように頑張ります


標的(ターゲット)No.28 襲撃者“スカル”

リボーン達からの警告と拒絶から一夜、どうやらリボーン達はこの島の守りに徹するべく僕達とは別行動をとる様だ。

 

無論皆にはそれらしい理由を話して誤魔化していたけど。

 

結局僕はあの後答えを出せなかった。

 

リボーンや活川さんがジャックを上回る強者と言った敵なんて、今の僕とは次元が違いすぎる話だ。

 

昨日リボーン達に色々言われて、僕は改めてジャックとの戦いを振り返った。

 

今思えば、ただ相性が良かっただけに思える。

 

ジャックがあの指輪……確かジャックリングと呼んでいたそれを身につけてからの戦いは、単純なパワーは拮抗していたし、技巧も含めればジャックの方が優っていたのかも知れない。

 

僕はただ、ジャックがあの死ぬ気モードに慣れる前に決着をつけられただけで、それもリボーンが言うには僕の死ぬ気の炎がジャックのオーラを浄化したからだかららしいし、つまり僕は自力では何も成し遂げられていないって事だ。

 

死ぬ気モードは確かに僕の内に眠っていた力かも知れないけど、結局はリボーンがいないと使えない力だ。

 

(イクス)グローブだってレオンが生み出してくれたもので、それが無ければ僕はジャックに太刀打ち出来なかった。

 

結局、僕一人じゃ何もなしえていない。

 

昨日からずっとこんな考えが僕の頭を埋めつくしている。

 

 

「なぁ、緑谷」

 

 

そんな時に、前を歩いていたはずの轟君から声をかけられた。

 

 

「姉さん達が食べたいらしいから、今から爆豪と俺さポップコーンを買いに行く事になったんだが、お前も来てくれ」

 

「え?……あぁ、うん行くよ」

 

 

轟君は分かるけどかっちゃんが行くのは意外だと思いながら、僕は2人に着いていく。

 

屋台に買いに行くと思っていたんだけど、2人はどんどん人の少ない場所に歩いて行く。

 

こんな所にポップコーンの店があると思えないんだけど、一体2人は何処へ向かっているんだろう。

 

すると、店の裏の路地に入った所で2人は立ち止まった。

 

 

「えっと、2人ともどうしたの?

 

ポップコーンを買うんじゃ?」

 

「すまねぇ緑谷、ポップコーンを買ってきてくれって頼まれたのは本当だけど、俺達の本命はそれじゃないんだ」

 

「ど、どういうこと?」

 

 

こちらを見る轟君の目はまるで心配している様で、かっちゃんはイライラした顔でこちらを見ていた。

 

 

「テメェが何か隠してる事なんざとっくに分かってんだよ」

 

 

かっちゃんは僕を睨みながらそう言う。

 

結構頑張って隠してたんだけどな…。

 

 

「お前の親や炎達を心配させたくない気持ちは分かるけど、俺達にくらい話せよ。

 

俺達、友達だろ?」

 

 

轟君は真っ直ぐと僕を見る。

 

けど、僕は迷っていた。

 

轟君とかっちゃんに、この事を話していいのかどうか。

 

話せばまた2人を危険に巻き込んでしまうのではないか、と。

 

僕が悩んでいると、かっちゃんが僕の胸ぐらを掴んだ。

 

 

「どうせテメェの事だから、俺らを巻き込むとかそんな事考えてんだろうが。

 

舐めんのも大概にしろや」

 

 

いつもの激しい怒りじゃない。

 

とても静かに、僕に怒りを向けている。

 

それはある意味で、普段以上に恐ろしく感じた。

 

 

「確かにこの前の戦いじゃ役に立てなかったけど、それでも一人で思い悩むよりマシだろ」

 

 

轟君も怒りでは無いけれど、強い感情の篭った目で見つめてくる。

 

 

「………二人とも、ごめん。

 

二人を舐めていた訳でも、信じていなかった訳じゃないんだけど……。

 

分かった。話すよ」

 

 

 

それから僕は船に乗っていた時から感じていた違和感の事、そして昨日のリボーン達との会話の内容を話した。

 

それを聞いてかっちゃんは苛立ったように拳を握りしめ、轟君は汗を流した。

 

 

「じゃあ何か?

 

俺達は戦力外だから大人しく守られてろって事か?」

 

「いや、でもあの二人が警戒するレベルなんだろ?

 

確かに俺達じゃ足手纏いになるだけかも知れねぇ…」

 

 

轟君の言葉にかっちゃんは更に苛立ちを強く見せる。

 

 

「だったらテメェらはそうやって後ろに隠れてろ。

 

俺は誰がなんと言おうが行く」

 

 

かっちゃんはそう言って僕達に背を向けた。

 

 

「待ってよかっちゃん!」

 

 

咄嗟に引き止めようとかっちゃんの肩を掴む。

 

 

「うっせぇなぁ!」

 

 

かっちゃんは怒りの籠った目で僕を睨む。

 

 

「テメェらはただの旅行のつもりで来たんだろうが、俺はこの島に強くなる為に来てんだよ!」

 

「ど、どういう事?」

 

「あのガキが態々女医を連れてまで本島から離れた島に俺達三人を連れて来るなんざ、明らかにただの旅行じゃねぇだろ。

 

それなら俺達を鍛える為の環境があるはずだと踏んだから俺は来たんだ。

 

そして鍛えて、テメェらとやり合うだけじゃ感じれねぇ何かを感じた。

 

だってのに、襲撃者なんていう鍛えた力を試す絶好の機会に、お前らは弱くて邪魔だから引っ込んでろだ?

 

ふざけんのも大概にしろや!」

 

 

かっちゃんの怒りの言葉を聞いて分かった。

 

この怒りは、かっちゃんを止めようとした僕達にでも、邪魔だと言ったリボーン達に向けたものでもない。

 

リボーン達に戦力にならないと判断された自分に対してなんだ。

 

 

「……かっちゃん、僕は」

 

 

どうにかして説得しようと、僕は言葉を探す。

 

その最中、爆音は響いた。

 

 

 

ズドオォォォォォンッ!

 

 

 

突然響いた爆音に、僕の脳裏にジャックに襲撃された時の事が過ぎる。

 

 

「い、今の音は?!」

 

「まさか、襲撃が始まったのか?!」

 

「クソが!」

 

 

動揺する僕と轟君。

 

かっちゃんだけが冷静に爆音の発生源を探っていた。

 

 

「と、とりあえず僕達は母さん達の所に行こう!

 

こんな状況で僕達が離れてるのはマズイよ!」

 

「テメェらだけで行け!

 

俺は襲撃者をぶっ潰す!」

 

 

かっちゃんは掌から細かな爆発をバチバチ起こして体を臨戦態勢に切り替える。

 

 

「だから、僕達はリボーン達の邪魔になるかもしれないって言っただろ?!

 

それにリボーン達が戦場に出るなら、僕達が母さん達を守らないと!」

 

「ンなもんテメェらだけで十分だろうが!」

 

 

僕の言葉も聞かず…いや、聞いたからこそかっちゃんは正確に戦力を分析して僕達だけで十分だと言ったのか?

 

だとしても、かっちゃんを行かせる訳にはいかない。

 

僕達はまだ子供で、力の使い方を覚えただけの素人なんだ。

 

どうにか留まって貰おうと必死に言葉を探す。

 

そんな中、ランド内の各所に設置されたスピーカーからアナウンスが鳴る。

 

 

『敵襲!敵襲!

 

皆さん避難所へ避難してください!

 

避難所はマフィアランドの象徴(シンボル)のマフィア城です!

 

尚、ランド職員は迎撃態勢にシフト!』

 

 

マフィア城って、あの城か?!

 

だったら炎さん達も近い場所にいるし、今すぐ急げば僕達も間に合う!

 

 

「聞いただろ爆豪!

 

ここの職員が戦うって言ってんだ!

 

俺達が戦う必要なんかねぇだろ!」

 

 

轟君はそう言ってかっちゃんの肩を掴むけど、かっちゃんはそれを振り払う。

 

 

「ンなもん知った事か!」

 

 

そして更にそこに追い打ちをかける様なアナウンスが響く。

 

 

『現在当ランドの職員が対処にあたっていますが、敵勢力の数が多くこちらが押されています!

 

そこで只今当ランドの責任者により、来園者の個性使用が解禁されました!

 

皆様の中で腕っぷしに自信のある方はご協力ください!』

 

 

かっちゃんはアナウンスを聞いて口角を上げる。

 

 

「だとよ。

 

これで俺が行く理由は十分だろ」

 

 

そう言ってかっちゃんは爆破を使い飛び去ってしまう。

 

 

「おい、爆豪!!」

 

 

轟君は叫ぶがかっちゃんは爆音でそれが聞こえないのか、それともそもそも聞く気がないのか、気にする事は無くどんどんと離れていく。

 

 

「……行っちまった。

 

こうなった以上、俺達だけで皆のところに行くしかねぇな」

 

「そうだね…」

 

 

僕と轟君は仕方なく二人だけでマフィア城へと向かう。

 

かっちゃんはきっと大丈夫だ。

 

かっちゃん自身も強いし、きっと戦場には活川さんやリボーンもいるはずだし。

 

そう言い聞かせながら、僕はマフィア城の中へと入る。

 

中には多くの人がいるが、多くは女性や子供だった。

 

 

「母さん達は……」

 

 

僕と轟君は辺りを見回す。

 

もしかして逃げ遅れているのかと不安に思い始めた頃、ふと後ろから声がかけられた。

 

 

「あっ、緑谷」

 

 

振り返るとそこには炎さんが立っていた。

 

 

「あ、炎さん、無事だったんだね!」

 

「もう、大袈裟だよ。

 

まぁ放送聞いたときは驚いたけど。

 

皆は向こうにいるよ」

 

 

僕は炎さんに連れられて母さん達と合流した。

 

どうやら誰も怪我はしていないみたいだ。

 

 

「いやぁ、それにしても凄い事になってるわね。

 

敵対マフィアとの戦争だなんて」

 

 

かっちゃんのお母さんはそう言って周りを見る。

 

……ん?いや、待て。

 

今なんか凄い事言わなかったか?!

 

 

「え、知ってるんですか?!」

 

「えぇ、さっきオレガノさんから聞いたのよ」

 

 

僕は母さん達の後ろに立つオレガノさんを見る。

 

同意する様にオレガノさんは頷き、そして母さんも頷きながら答えた。

 

 

「ホント、凝った設定よね」

 

「え?設定?」

 

 

母さんの予想外の発言に、僕は一瞬訳が分からなかった。

 

 

「えぇ、そうでしょ?」

 

 

僕はオレガノさんを見た。

 

オレガノさんは微かに笑い、僕を見る。

 

そこで、僕は一つ確信を得た。

 

 

「あの、オレガノさん、聞きたいことがあるんです。

 

少し向こうで話しませんか?」

 

「えぇ、構いませんよ」

 

「轟君も来てくれる?」

 

「え?あぁ、いいぞ」

 

 

オレガノさんは未だ笑ったまま、轟君は少し戸惑いながらも僕の後ろに着いて歩く。

 

そしてもの陰に入った所で、僕は振り返った。

 

 

「オレガノさん、それじゃあ質問です」

 

「えぇ、なんでも聞いてください」

 

 

オレガノさんはこれから何を聞かれるのかが分かっているかの様に僕を見る。

 

 

「あなたは、マフィアの……ボンゴレファミリーの関係者なんですか?」

 

 

僕の質問に驚きを見せたのは轟君だった。

 

 

「緑谷、お前何言ってんだ?」

 

「この旅行はリボーンが仕組んだ僕達を鍛える為のものだ。

 

きっと船の中やこの島でのVIP対応は、この旅行自体がリボーンがボンゴレの力を使って用意したものか、ボンゴレファミリー関係者ならこういう対応になるのかもしれない。

 

そんな旅行の案内をする人が、普通の人の筈がない」

 

 

それを聞いた轟君はハッとした様にオレガノさんを見る。

 

 

「確かに、言われてみればそうだな」

 

「答えてください、オレガノさん」

 

 

オレガノさんは尚も表情を崩さずに答えた。

 

 

「えぇ、私は確かにボンゴレと関係のある組織に属しています」

 

 

誤魔化しも何もなくオレガノさんはそう言った。

 

 

「母さん達に、これがイベントだと説明したのはなんでですか?」

 

「リボーンさんより、彼女らにはマフィア絡みの事は知られないようにと指示がありまして。

 

マフィアランドに連れてきておきながら、中々に無茶を仰る方です」

 

 

オレガノさんは困った様に笑う。

 

 

「あなたがボンゴレの関係者って事は、一応は味方だと思っていいんですね」

 

「えぇ、そうですね。

 

あなたがそう思えるのならば」

 

 

正直、完全には信用できない。

 

相手がマフィア関係者って事もあるし、それに目的がどうであれこの人は僕を騙していた。

 

不信感は拭えない。

 

だけど、この人は少なくとも皆をマフィアの世界から遠ざけてくれている。

 

それに今は僕の個人的な感情でどうこう言える状況でもない。

 

 

「一先ずは、信じます。

 

今はみんなの元を離れる訳にはいかないし、轟君もそれでいいよね?」

 

「あぁ、俺はお前がいいなら文句はねぇ」

 

「では皆さんの元に戻りましょう。

 

建物が頑丈とは言っても危険に変わりはありません」

 

 

僕達三人は揃って皆の元へ戻る。

 

皆はこれをイベント信じて疑っていない様子だ。

 

かっちゃんがいない理由を、イベントに参加しに行ったと言ったら信じてくれたし。

 

これなら、無事に終わりそうだ。

 

 

しかし、僕のそんな油断を断ち切る様に大広間に大きな声が響いた。

 

 

「おい、奴さん来やがったぞー!!」

 

 

どうやら城の守りをしていたらしい屈強そうな男性がそう言いながら大広間に入ってきた。

 

 

「くそ、最前線の奴らは何をしていやがる!」

 

 

もう一人の男性が入り、そして外から何やら爆発音が聞こえる。

 

まさか、かっちゃん?!

 

 

「緑谷、今のって」

 

「うん、もしかしたら」

 

 

轟君も僕と同じ考えらしく、僕は頷きながら答えた。

 

 

「うわぁ、凄い音だね」

 

「図分と派手な演出ね」

 

 

皆はイベントの演出だと思い、楽しんでいる。

 

周りの人たちも、さっき聞こえた言葉の中に「リゾート気分に飽き飽きしていた」「やっぱりマフィアはこうじゃないと」というものがあり、いい感じに母さん達の場違いなテンションも馴染んでいた。

 

 

「……緑谷」

 

 

そんな時だった。

 

僕の隣に立っていた炎さんが僕の服の袖を引っ張りながら話しかけてきた。

 

 

「炎さん、どうしたの?」

 

「私、嫌な感じがするんだ。

 

なんでか分からないけど、あの日襲われた時みたいに体が強張って…。

 

ねぇ緑谷、これ本当にイベントなんだよね?」

 

 

僕は炎さんの言った言葉に、何と答えればいいか分からなかった。

 

別に炎さんは何か確証があって言っているんじゃない。

 

きっと僕と轟君の雰囲気から近い何かを無意識に感じているんだ。

 

だからって、否定したところで炎さんの不安はきっと消えない。

 

唯一この不安を拭う方法は、一分でも早く炎さんをこの状況から解放することだ。

 

今この島側の戦力は、この城にまで追いやられている。

 

もしかしたら、リボーン達は何らかの理由で戦えなくなっているかもしれない。

 

なら、僕がやるべき事はなんだ。

 

僕ができることは、なんだ。

 

 

「……なぁ、緑谷」

 

 

悩む僕に、轟君が声をかけてきた。

 

 

「どうしたの、轟君」

 

「行って来いよ」

 

「…え?」

 

 

轟君の言った言葉がすぐには呑み込めず、僕は間の抜けた声を出した。

 

 

「もう敵は目の前まで来てる。

 

それだけこっちが圧されてるって事だろ。

 

リボーンも、活川さんも、爆豪の事も気になってるんだろ。

 

それに、皆が不安がってるのをお前は見ていられない。

 

違うか?」

 

「……轟君」

 

 

僕の中で、答えは決まった。

 

 

「もしもの時は、皆をお願い」

 

「任せろ」

 

 

轟君の返事を聞いて、僕は扉の方を向き歩く。

 

 

「待って」

 

 

それを、後ろからかけられた声が止める。

 

確認するまでもなく、それは炎さんだった。

 

 

「本当に、イベントなんだよね?」

 

「うん、そうだよ」

 

「外で起きてる爆音も、演出なんだよね?」

 

「うん」

 

 

炎さんはまだ不安そうに僕を見る。

 

僕は袖から炎さんの手を離す。

 

 

「ただのイベントだよ。

 

楽しそうだから、僕も参加してくるってだけ」

 

「……そっか」

 

 

炎さんはまだ納得はしていなさそうだけど、もう止めないと示すように手を後ろで組んだ。

 

 

「じゃあ、気を付けてね」

 

「うん、行ってくる」

 

僕は改めて扉へと歩く。

 

扉を護る二人の男性に外の援護に行くと伝えると、二人は「頼んだぞ」と言いながら僅かに開いた扉に僕を通す。

 

通路を抜けると、そこは正に戦場。

 

爆発痕、倒れる人、怪我人を背負い撤退する人。

 

その中に知り合いがいない事に安堵と不安を覚えながら僕は爆音と強者の気配のする方へと駆ける。

 

全身に5%の力を張り巡らせて森の中を早く、速く!

 

 

「死ねやァァァ!!」

 

 

その時、前方から聞き慣れた声の聞き慣れた言葉が聞こえた。

 

それと同時に響く爆音。

 

その正体は、やはりというか何というか、かっちゃんだった。

 

 

「クソがっ!全然減りやしねぇ!!」

 

「かっちゃん!大丈夫?!」

 

「アァ?!」

 

 

振り返ったその顔は正に鬼の形相。

 

まぁ、とりあえず怪我は無さそうで良かった。

 

 

「テメェ、出てきたんか」

 

「うん、皆は轟君とオレガノさんに任せてきた」

 

「オレガノってあのガイドの……そういうことかよ」

 

 

かっちゃんは舌打ちしながらも意識を森の奥から湧き出てくる敵に向ける。

 

 

「恐らく、コイツらの親玉はこの先だろうな」

 

「城の守りについてる人の負担を軽減する為にも敵は減らさないとだけど、これ以上ここに時間を取られる訳にも行かない。

 

どうしようか」

 

「正面突破だろ」

 

「言うと思った」

 

 

僕は足に力を込めながらクラウチングの体制を取り、かっちゃんはいつも通りの両手を後ろに向けた構えを取る。

 

 

「遅れんなよ」

 

「分かってる」

 

 

短く言葉を交わし、僕達は駆ける。

 

道中に敵を気絶させて行きながら、真っ直ぐに。

 

それはさながら障害物競走の様で、こんな状況だけれど僕はかっちゃんの隣を走るのが少し嬉しかった。

 

 

「オイオイどうしたァ?!ペース落ちてんぞ!」

 

「ご心配、どうも!」

 

 

さっきから何とか躱しているけど、銃を持った敵の攻撃が激しい。

 

ほとんどは撃つ前に気絶されてるけど、稀に間に合わない場合もある。

 

これがもし弾幕を張れるほどに増えれば、流石に対処しきれない。

 

そんな事を思いながら駆けていると、いきなり視界に光が差す。

 

どうやら森の中の木のあまり生えていないエリアに出たみたいだ。

 

そして目の前にはランド側と襲撃者の戦闘が繰り広げられていた。

 

 

「かっちゃん!行くよ!」

 

「分かっとるわ!」

 

 

僕達は同時に飛び出し、敵を全員気絶させる。

 

終わったと思った所に、物陰に隠れていたのか、もう一人の襲撃者が僕に飛び掛かる。

 

僕がそれに反撃しようとしたその時、襲撃者の首から下が凍り付いた。

 

 

「これって」

 

「悪いな緑谷。

 

アトラクションなら俺も行って来いって言われちまって、断るのも不自然だから出てきちまった。

 

皆はオレガノさんと、合流したもう一人の仲間の人に任せてきたから安心しろ」

 

 

轟君の登場には驚いたけど、どうやら大丈夫らしい。

 

それにどうやらここは今ので最後だったらしく、皆は歓声を上げている。

 

 

「よーし片付いたぞ!」

 

「お前ら子供なのにやるなぁ!」

 

「こりゃあ、コイツらのいるファミリーの将来は安泰だろうよ!」

 

 

大柄な男達の大袈裟な笑い声。

 

しかしそれを遮る様に轟音が響いた。

 

それは段々と近づいて来て、そして目の前の木々が薙ぎ倒されてその姿を表す。

 

 

「なんだコイツ?!」

 

「こ、これって、タコ?!」

 

 

目の前に現れたのは、4mはありそうな鎧を纏った巨大なタコだった。

 

 

「おい、あそこを見ろ!」

 

 

隣にいる髭の濃い男がタコの目の前の地面を指した。

 

よく見てみるとそこには、紫のおしゃぶりを首から下げてヘルメットを被った赤ん坊が立っていた。

 

 

「奴は、カルカッサファミリーの軍師スカル!」

 

「え?!あの赤ん坊が?!」

 

「間違いない!

 

あの紫のおしゃぶりはアルコバレーノの証!」

 

 

アルコバレーノって、確かジャックがリボーンにそんな事を言ってた気が……。

 

 

「アルコバレーノって、なんなんですか?!」

 

「アルコバレーノとは虹!

 

そしてマフィア界にいる七人の最強の赤ん坊を指す!」

 

「は、はぁ?」

 

 

さ、最強の赤ん坊?

 

ていう事は、コロネロもそのアルコバレーノ?

 

 

「このヤロー!」

 

「死ねチビがー!!」

 

 

僕が考え事をしていると、数人の男が手に持つ武器や己の個性で攻撃をしかける。

 

それに対して、スカルと呼ばれた赤ん坊はただ指をくいっと動かしただけだった。

 

すると背後の鎧を纏ったタコが弾丸をその触手で弾いた。

 

 

「まさかあのタコ、あの赤ん坊の指に連動して?!」

 

「そうか、聞いたことがあるぞ!

 

スカルは巨大なタコを意のままに操ることができると!

 

奴がそうだったのか!」

 

 

巨大なタコを操るって、そんな個性があるのか?!

 

僕が驚いている間に、数人の男を弾き飛ばしていた。

 

 

「クソが!舐めやがって!」

 

 

そう言いながらかっちゃんは爆破で空中へと上昇し、腕を交差させる。

 

 

「たこ焼きにしてやらァ!」

 

 

そして左右の手で交互に爆破を起こし、体を回転させながらタコに向かっていく。

 

かっちゃん、一撃で決めるつもりだ!

 

 

手榴弾着弾(ハウザーインパクト)!」

 

 

そして最大火力をタコにぶつける。

 

 

「これなら!」

 

 

これなら勝った。

 

そう言おうとした僕だったが、煙の中の大きな影が未だ動いている事に気がつき驚愕のあまり息を飲んだ。

 

 

「おいおい、今の爆豪の全力だろ?!」

 

「まさか、そんな!」

 

 

僕らは驚きながらも構えを取る。

 

かっちゃんはタコから距離をとって着地しながら様子を伺う。

 

そして煙が晴れたそこには、ほぼ無傷のタコが触手を畝らせながらこちらを見ていた。

 

 

「ほとんどノーダメージじゃねぇか!」

 

「うっせぇな!分かっとるわ!」

 

「言い争ってる場合じゃないって!」

 

 

僕は轟君を中心にしてかっちゃんと3人で挟み込む位置に移動した。

 

三人三様に構えを取り直し、タコを睨む。

 

足元にいるスカルの指の動きを見ればその動きを予測する事ができるけど、そんな事をしているとタコ本体の攻撃に出遅れてしまう。

 

かと言ってタコの動きを見て判断して動くなら、防戦一方になってしまう。

 

僕達の周りにいる人達はきっとこのタコに対して有効な個性を持っていないんだろう。

 

離れた位置から警戒しながら様子を窺っている。

 

その他にも怪我人や、それを引きずったり担いだりして戦線を離脱する人。

 

つまりもう、僕達しかいないんだ。

 

だけど、かっちゃんの最大火力をほぼ無傷で受け切る防御力を持つあのタコに僕達3人で対抗できるのか?

 

不安は数えたらキリがないけど、やるしかないんだ。

 

 

「コイツは、ここで食い止める!」

 

「アァ、やるぞ!」

 

「言われるまでもねェ!」

 

 

僕はONE FOR ALLを8%で体に纏い、かっちゃんは両手を後ろに向けて構えて火花を散らし、轟君は左右それぞれで冷気と熱気を纏いだす。

 

そしてタコが3本の触手を振り上げ、振り下ろすのと同時に僕達は動き出した。

 

まずは轟君が氷結で滑走しながら複数の氷柱を打ち出しす。

 

タコはそれを触手で叩き割りながら更に轟君に別の触手で追い討ちをかける。

 

それを僕が踵おとしで地面に叩きつけ、その隙にかっちゃんがタコの顔面に爆破を見舞う。

 

それで仕留めきれない事はわかっている。

 

僕はタコの触手を足場にしてタコに迫り、右腕のみONE FOR ALLの10%に引き上げる。

 

振り上げた拳をタコの側頭部に叩きつける。

 

タコ特有の弾力を拳に感じながら、僕は更に側頭部を蹴りながらその場を離脱する。

 

すると予想どりタコが触手で僕がいた場所に攻撃を加えてきた。

 

轟君がすかさずそこに氷柱を放ち、そこから放たれる冷気で更に触手を側頭部に氷つけて動けなくする。

 

そしてそれに苛立ったのかタコは轟君に触手を伸ばすが、轟君はそれを地面から射出した氷柱で打ち上げる。

 

かっちゃんがその隙をついてタコの眼前に飛び出す。

 

完全に意識の外からの登場に、タコの視線は完全にかっちゃんに向けられた。

 

かっちゃんは狙い通りとばかりにニヤリを笑いながら両手を広げてタコに向ける。

 

 

閃光弾(スタングレネード)!」

 

 

その掛け声と共に掌から閃光が放たれ、タコは目を瞑る。

 

僕はそれを合図にFULL COWLを10%に引き上げて真上に飛び上がる。

 

それに合わせて轟君が僕を追い越す高さの氷柱を作り上げ、僕はそれを蹴ってタコに迫る。

 

右足を振り上げて、そして勢いをつけて脳天に振り下ろす!

 

 

「MANCHESTER SMAAAASH!!」

 

 

タコの真上から踵を叩きつける。

 

衝撃に、地面に蜘蛛の巣の様なヒビが入る。

 

この攻撃はタコにも効いたのか、タコは何となく苦悶の様な表情を浮かべた。

 

 

「二人とも、畳み掛けるんだ!」

 

 

僕は二人を見ながらタコを挟んで轟君達の反対側へと着地した。

 

 

「おう!」

 

「命令すんな!」

 

 

轟君は動きの鈍った触手を氷で拘束しながら左手から圧縮した火炎を一直線に放った。

 

氷結により冷やされた大気が熱により膨張し、爆発を起こす。

 

それにより生じた突風をもろともせず、かっちゃんは轟君の真横を通り過ぎていく。

 

 

「合わせろ半分野郎!」

 

「あぁ!」

 

 

轟君はかっちゃんを包むように炎を螺旋状に放つ。

 

かっちゃんは手榴弾着弾(ハウザーインパクト)を放つ構えをとった。

 

まさか、二人の連携技?!

 

 

手榴弾爆裂(ハウザーエクスプロージョン)!」

 

 

かっちゃんは普段より格段に威力の増したそれをタコの顔面めがけて放った。

 

あの威力なら、もしかしたらやれるかもしれない。

 

けど、それでも更に畳み掛ける!

 

 

「DETROIT SMAAAAASH!」

 

 

二つの衝撃が、タコを前後から襲う。

 

かっちゃんの起こした爆発が収まるのを見て、僕は離脱する。

 

そして同じく離脱したかっちゃんと轟君の隣に着地し、煙が晴れるのを待つ。

 

 

「流石に、倒せたよな?」

 

「分からない。

 

でも、少なくともさっきよりはダメージは通っているはず」

 

 

僕が轟君の疑問に答える間に、煙はどんどんと晴れていく。

 

倒れていてくれと願う僕達の願いとは裏腹に、煙の晴れたそこには未だ健在のタコの姿があった。

 

でも明らかにさっきよりもダメージが残っている。

 

このまま行けば、倒せる。

 

だけど、もう僕達にそんな余力はない。

 

轟君の個性は使えば使うほど体に負荷がかかるし、かっちゃんも個性の反動がある。

 

もう残された手は、僕の自爆覚悟の100%だけだ。

 

だけどそれで倒しきれなかったら?

 

きっとこのタコはこのまま城を目指すはずだ。

 

そうなったら、あの中にいる人達全員が危機に晒されることになる。

 

どうすればいい。

 

一体僕達はどうすれば!

 

 

「なんだオメェら、出てきてたのか」

 

 

絶望しかけたその時、聞きなれた声が僕の耳に届く。

 

 

「っ?!リボーン?!」

 

「な、なに?!」

 

 

驚く僕に反応して、さらにスカルも驚いて声のした方を向く。

 

 

「ごめん、出てくるなって言われてたけど、やっぱり黙ってみているなんて嫌だったんだ!」

 

「あぁ、分かってる。

 

寧ろ今回はオメェらが危険を顧みず仲間の為に戦場に出る覚悟が備わっているかを見たかったから発破かけたんだからな。

 

所謂、試験だ」

 

「……え?」

 

「夏樹の時はお前達が行かざるを得ない状況だったが、今回は違ぇ。

 

自分達が戦う必要がない状況で、それでも仲間を守るために立ち向かえるか。

 

今回は合格だな」

 

 

なんだかもう、頭が追い付かないや…。

 

 

「じゃあ、もしかして今回の襲撃も仕込み?」

 

「いや、襲撃自体は本物だ。

 

だろ?スカル」

 

「なぜここにリボーン先輩が…?」

 

「せ、先輩?!」

 

 

スカルって、リボーンの後輩?!

 

ていうか赤ん坊に上下関係あるの?!

 

 

「おしゃぶりが光ったのに気が付かなかったのか?」

 

「あ」

 

 

またリボーンの変な知り合いか……。

 

 

「せっかく久々に会ったんだ。

 

一杯やるぞ。あのタコを刺身に」

 

「ば、バカ言うな!」

 

 

あのタコって食べれるんだ……。

 

 

「というより!

 

オレは今カルカッサファミリーのボスから命を受けている!

 

お前は倒すべき敵だ!」

 

「お前いっつも誰かのパシリだよな」

 

「パシリじゃない!

 

お前だけだ!!俺をパシリに使ったのは!

 

なめやがって!許さんぞ!」

 

 

スカルはそう言って右手を突き出し拳を握りしめた。

 

するとタコはそれに連動してリボーンをその触手で掴んだ。

 

 

「リボーン!!」

 

 

触手に振り回されながらも、リボーンは触手の隙間からスカルに銃を向けて3発放った。

 

 

「くっ?!」

 

 

咄嗟にタコでそれを防いだスカル。

 

だけど一発だけ防ぎきれなかったのか、左手から出血していた。

 

 

「左手を……流石の早撃ちだな。

 

少し油断した…。

 

だが片手があれば充分だ!

 

つぶしてやる!」

 

 

タコの触手が徐々に締まる。

 

相当に力が強いのか、リボーンはその手に持っていた銃を手から落としてしまった。

 

 

「リボーン!」

 

「どうだ!

 

もう昔のスカルではないんだ!

 

死ねリボーン!」

 

 

スカルはその手を更に硬く握りしめる。

 

このままじゃ、リボーンが!!

 

……って、あれ?

 

 

「うんしょっと」

 

「なっ?!」

 

 

タコの触手が締まる事はなく、タコは呆然とスカルを見ていた。

 

その隙にリボーンは平然と触手から抜け出して触手の上に立った。

 

 

「何をしている!

 

どーしたんだタコ!!」

 

「ソイツ戸惑ってるよーだな。

 

お前の左手のそんな姿、見たことねーだろーからな」

 

「ん?

 

!!デカっ?!」

 

 

スカルの左手はなぜか不自然なほどに膨れ上がっていた。

 

左手といえば、さっきリボーンが打ち抜いたのも左手だった。

 

 

「もしかして、特殊弾?」

 

「あぁ。

 

死ぬ気弾の派生のゲンコツ弾だ。

 

手の甲に撃つ事で手を肥大化させることができるんだ。

 

普段見たことのねーそれに、タコは命令の意味がわからずに動けねーって事だ」

 

 

そう言いながらリボーンはタコの触手からスカルに向かって飛び降りた。

 

 

「オレの番だぞ」

 

 

リボーンはそう言ってスカルを蹴り飛ばした。

 

 

「ギャ!!!」

 

 

スカルは悲鳴を上げながら木にぶつかった。

 

 

「リ、リボーン、相変わらず滅茶苦茶強い……」

 

「くそ…こうなったら…!

 

戦艦から城を砲撃しろ!」

 

 

な、砲撃?!

 

そんなことしたら皆が!

 

 

「リ、リボーン!

 

砲撃を防がなきゃ!」

 

「安心しろ、砲撃はできねーぞ。

 

コロネロも起きただろーからな」

 

「なっ、コロネロ先輩もここに?!」

 

 

海の方角を見ると、確かにコロネロのようなシルエットの赤ん坊が鷹に掴まれて飛んでいた。

 

 

「いくぜコラ。

 

SHOT!」

 

 

それからすぐに爆発音が聞こえ、海から黒煙が立ち上った。

 

 

[スカル様!全艦撃沈されました!]

 

 

スカルのメットの無線から船員らしき声が聞こえた。

 

 

「コロネロのライフルが火を噴いたな」

 

 

コロネロも滅茶苦茶に強かった…。

 

 

「ていうか今まで何してたの?!

 

活川さんもいないし!」

 

「だから言っただろ、今回はオメェらの試験だって」

 

「試験って……リボーンが言ったんだろ!

 

相手は僕たちが敵う相手じゃないから今回は出てくるなって!」

 

「あぁ、そのことで怒ってんのか?

 

敵が強いってのは嘘だ。

 

コイツ戦いに関しちゃ相当弱いぞ」

 

「え、そうなの?!」

 

 

聞いてた話と全然違う!

 

じゃあ、僕達が覚悟決めて挑んだのは何だったんだよ!

 

 

「そのくらいプレッシャーかけとかねぇとオメェら普通に出て来ちまうだろうが。

 

それじゃあ試験の意味がねぇからな」

 

 

なんかもう、色々と緊張が解けて一気に疲れた…。

 

 

「けど、じゃあなんで今出てきたの?」

 

「んなもん決まってんだろ。

 

オレのパシリはオレが締める。

 

それがオレのポリシーだ」

 

 

訳がわからないけど、まぁリボーンらしいや……。

 

ともあれマフィアランド側はカルカッサファミリーに勝利し、島に平和が訪れた。

 

 

 

そしてその夜、勝利を祝した(元々開催予定ではあったらしい)パレードが行われることになった。

 

マフィア関連の事が皆にバレたらマズいから、僕達は離れた所でバーベキューをすることになった。

 

用意された食材はどれも高そうなものばかりで、とりあえずそれはイベントの景品ってことで何とか誤魔化した。

 

 

「んーっ!どれも美味しわね!

 

ほら、皆もどんどん食べちゃって!」

 

 

かっちゃんのお母さんがどんどん肉を焼きながら僕達に配っていく。

 

代ろうとも思ったけど、どうにも高級な肉にテンションが上がっていてトングを手放す気がないようだ。

 

 

「俺、友達とバーベキューなんて初めてだ」

 

「うん、僕も」

 

 

僕と轟君はそれを見ながら話していた。

 

 

「俺達、守れたんだな」

 

「そうだね。

 

今回は守れた」

 

 

轟君は優しく笑い、僕も釣られて笑顔になる。

 

 

「俺、ちょっと姉さんと話してくるよ」

 

「うん」

 

 

轟君はそう言って冬美さんの方へ歩いて行き、それと入れ替わるように炎さんがこちらに歩いてきた。

 

 

「どうしたの?」

 

「ううん、別に。

 

ただ、緑谷がちゃんと帰ってきてくれてよかったなって。

 

変だよね、ただのイベントなのに」

 

 

炎さんはそう言って笑う。

 

何だか、炎さんには今回の事が見透かされていた様な気さえする。

 

ただ僕達の雰囲気からあの時に近い何かを感じてそう思っただけかもしれないけど。

 

けど炎さんの笑顔を見て、改めて守れたんだと実感が湧いた。

 

 

「ねぇ緑谷」

 

 

炎さんは、さっきよりもか細い声で僕の名前を呼んだ。

 

 

「どうしたの」

 

 

炎さんの顔を見ると、少しだけ赤くなっているように見えた。

 

 

「えっと、私ね!」

 

 

炎さんが何かを言おうとした瞬間、大きな音ともに空に大きな花火が輝いていた。

 

 

「うわぁ、凄いね」

 

 

それから程なくして、連続して花火が上がる。

 

ついそれに見惚れていた僕は、炎さんに視線を戻した。

 

 

「あ、話切っちゃってごめんね?」

 

「いいよ」

 

 

炎さんはそう言いながら苦笑いを浮かべた。

 

 

「それで、なに?」

 

「……私ね」

 

「うん」

 

「この旅行に来れてよかった。

 

誘ってくれてありがとね」

 

「あぁ、そのことか。

 

気にしなくていいよ」

 

「私がお礼言いたいだけだよ…って、そういえばあの時もこんな話したね」

 

「そういえばそうだね」

 

 

そういって二人で笑った。

 

それから僕達は他愛のない話をした。

 

皆とも色々な話をして、パレードが終わるまで笑い声が途絶える事はなかった。

 

そして翌日船に乗り、再び一泊二日の船旅を楽しんでそれぞれの日常へと帰っていった。




次回予告!

出久「なんか、旅行の間の体感時間が実際の経過時間と全然噛み合ってないや…」

リボーン「そうだな。

具体的にいえば十ヶ月くらいに感じたぞ」

出久「流石にそれは言い過ぎだと思うけど…」

リボーン「そんなことより、次回は一気に飛んで入学試験当日だ」

出久「ついに来たんだ…。

最高のヒーローになる為にも、全力で挑むぞ!」

リボーン「当たりめーだろ。

もし不甲斐ねー成績残しやがったら、ボンゴレ流超ネッチョリトレーニングだからな」

出久「なんかネーミングからしてヤバそうな予感!!」

リボーン「次回『標的(ターゲット)No.29 雄英入学試験』」

出久「更に向こうへ!Plus ultra!」

リボーン「死ぬ気で見ろよ」

デクのヒーロースーツについて

  • 原作のヒーロースーツ
  • 原作のヒーロースーツVer.ボンゴレ
  • ボンゴレ伝統のスーツ
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