ONE FOR ALL9代目はボンゴレX世 作:鉄血のブリュンヒルデ
「ひ、ひどいよかっちゃん……。
な、泣いてるだろ?」
日差しの強い、ある夏の日。
俺は震えてる幼馴染の前に立っていた。
威嚇ように手を爆発させながら
イライラしながら、しかし余裕を見せる為に笑いながら。
「こ、これ以上は、僕が許さゃなへぞ!」
今のアイツは、酷く滑稽に見えた。
「フンっ」
もう一度、手の平から爆発が起こす。
これが、俺の"個性"。
「無個性のくせに」
そして幼馴染"デク"には、"個性"が無い。
「ヒーロー気取りか?デク!」
個性が無ければヒーローにはなれない。
誰もが知る現実だ。
俺も知っていたし、分かっていた。
そしてこの後、デクは何も出来ずに俺と連れ二人にボコボコにされる。
そうなるはずだった。
「僕は、ヒーローになるんだぁぁぁっ!」
デクの額に、炎が灯った。
その事にビビって連れの二人は逃げ出したが、俺は逆に苛立っていた。
(コイツ、個性あるじゃねぇか!俺を騙しやがったのか!)
そこから、俺はデクに殴りかかった。
デクも俺に殴りかかった。
そこからは、泥試合みてぇな状況だった。
結局は俺が勝ったが、俺もボロボロだった。
余計に腹が立った。デク相手にここまでボロボロになった事もそうだが、デクが個性を隠してやがった事だった。
その事を翌日問い詰めてやろうとしたら、デクの野郎は、その事を完全に忘れていた。
あの炎を出した事も、俺とやりあった事も………。
それが俺の知ってる幼少の頃の記憶。
…………………………
「…………クソが」
嫌な夢を見ちまった。
俺が、あのクソデクとやりあった日の事は、俺以外に誰も知らねぇ。
勿論やりあった相手であるデクの野郎もだ。
突発的に目覚めた個性のせいなのか、そういう演技なのか。
いや、アイツがそんな器用に人を騙せるとは思えねぇ。
「勝己ーー!!そろそろご飯食べないと遅刻するわよー!」
「うっせぇババァ!分かっとるわ!」
ちっ。もう考えるのはやめだ。こんな事考えると、またデクに会ってイライラするのがオチだ。
…………………………
「今日からお前を立派なマフィアのボスに教育してやる」
「だから、僕はマフィアになんかならないよ!」
今朝起きてすぐ、リボーンが僕に言った一言だ。
昨日の事を夢だったなんて思う暇もなく言われた一言。
「そもそも、僕はヒーローになりたいんだ。
マフィアなんかにならないよ」
そうだ。僕はヒーローになりたいんだ。
ヒーローに、ヒーローに……。
「"無個性"の癖にか?」
「っ?!」
やっぱりこの人も、個性が無い僕を馬鹿にするのか…。
そりゃそうだよね。この超人社会で、個性を持っていない方が、もはや異常なんだから……。
「けど、無個性の人がヒーローになれないなんて決まりは無いんだ!前例が無いだけで、可能性はゼロじゃ!「下らねぇ事を考えてんじゃねぇ」どわぁっ?!」
蹴られた?!ていうか本当にこのパワーは何なの?!
「いいかデク。ヒーローってのは命懸けだ。
誰かを、今まで会ったこともない奴を救う為に、命を懸けなきゃならねぇ仕事なんだ。
確かに前例が無いだけで、無個性はヒーローになれないなんて決まりはない。
だが、ヒーローが公的な職業になってからもう長い年月か立ってるが、その中で前例が無いって事は、無個性がヒーローになるのは、土台無理な話って事の証明なんじゃねぇのか?」
……………凄いなリボーンは。
僕が理解してて、けど知らないふりをしていた事を、こんなにあっさりと見抜いちゃうなんて……。
「まぁ、安心しろ。
お前には、個性以外の力が備わってる。
個性なんかに負けない、物凄い力がな」
個性に負けない、個性以外の力?
「それはなんなの?!教えてよ!」
「そんな事よりお前、早く支度しねぇと学校に遅れるぞ」
学校?……………わぁ?!
もうあまり時間無いじゃん!
「行ってきまーす!」
「いってらっしゃい。気をつけてね」
その後僕は何とか学校に間に合ったんだけど、リボーンの言葉が気になって、授業に集中出来なかった。
「はぁ……。
午後はちゃんと切り替えないとなぁ」
「あんな事で一々悩んでんじゃねぇ」
あんな事でって、自分で言っておいて何を………。
ん?
「なんでリボーンが学校にいるの?!」
「生徒の学校での姿を知るのも家庭教師としての仕事だからな」
いや、普通家庭教師は学校にまで来ないでしょ?!
僕がそんな心配をしていた時だった。
「助けてぇぇ!」
「っ?!」
なんだ今の声?!
助けてって、一体何が?!
「デク、あっちだ」
僕が声の出処を探していると、リボーンが学校の校舎を指さした。
「あれは?!」
同じクラスの女子?!
なんであんな、窓から落ちそうになってるの?!
「とにかく、ヒーローを呼ばないと!」
「そんな暇ねぇぞ。
アイツ、今にも落ちそうじゃねぇか」
本当だ。でも、どうすれば!
「お前が助ければいいじゃねぇか」
「そんな簡単に言わないでよ!
僕には個性が無いんだよ?!」
個性が無ければ、ヒーローになれない。
ヒーローみたいに誰かを助ける事が出来ない。
だから僕にはどうする事も……。
「そうやっていつも諦めてんのか?」
「え?」
リボーン、何を言って………。
「言っただろ。
お前には個性なんかに負けない力が備わってるって」
「そんなの、今まで使った事無いし、第一本当に僕にそんな力があるの?!」
「どうやら俺の出番の様だな」
「え?どういう事?」
リボーンは帽子に乗ってたカメレオンを手に乗せて…って、えぇ?!カメレオンが銃に変わった?!
「いっぺん死ね」
「え?」
「死ねば分かる」
「ちょ、ちょっと待って!」
バンッ!
リボーンの放った弾丸は空中で割れて、その中から飛び出した炎の様な物が僕の頭を直撃した。
その瞬間、僕は後悔した。
これで死ぬんだ。
何やってるんだ僕は。
死ぬ気になれば、彼女を救えたかもしれないのに。
その後悔が、僕の額に炎を灯した。
「It’s死ぬ気タイム」
"俺"の体が、熱いくらいに燃えている!
「死ぬ気で助ける!」
っ!手を離した!落ちる!
「いやあぁぁぁぁぁっ!」
「死ぬ気で受け止める!」
間に合えぇぇぇぇぇぇっ!
「きゃっ?!………あれ、私、助かった?」
よし!間に合ったぁ!
っ?!何を?!
……………"僕"が、助けた?
凄い!やった!僕が人を助けられたんだ!
「緑谷?!……って、なんでパンツだけ?!///」
「え?うわぁっ!本当だ!なんで?!」
いつの間に脱げたんだ?!ていうか僕の服どこ?!
「最後の最後で締まらねぇ奴だな。
ほら、お前の服だ」
「あ、ありがとう。
ていうか、僕の体、どうなってたの?!」
突然体が燃えるように熱くなるし、なんか、性格も荒くなってた様な……。
「それは死ぬ気弾の効果だぞ」
「死ぬ気弾?何それ?」
物凄い力って、もしかしてその死ぬ気弾っていうのが関係してるのかな?
「後で説明してやるから、とりあえず服を着やがれ。
そのままじゃお前変態だぞ」
「え?あっ、そうだった!」
それにしても、僕にあんな力があったなんて……。
これって、僕もヒーローになれる可能性があるって事だよね!
…………………………
「デクの野郎、結局個性あるんじゃねぇか!」
俺は最悪な程に苛立っていた。
今朝見た夢のせいで元からイライラしてた上に、今日のデクが起こした一連の流れだ。
「俺を騙しやがったのかのか。
あのクソナードが!」
俺をコケにしやがって……。
アイツは絶対許さねぇ………!
次回予告!
出久「まさか僕にあんな力があるなんて」
リボーン「あれがボンゴレに伝わる死ぬ気弾だ」
出久「死ぬ気弾………結局それはなんなの?」
リボーン「それは次回のお楽しみだ。
それに、次回は今日出てきたやべぇ奴がもっとやべぇ事になって出てくるみてぇだ」
出久「そういえばそのヤバい人って結局誰なんだろう。
気になるけどそれはまた今度!
次回!『
リボーン「更に向こうへ」
出久「Plus ultra!!……って、かっちゃん?」