ONE FOR ALL9代目はボンゴレX世   作:鉄血のブリュンヒルデ

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アンケートへのご協力ありがとうございました!

総投票数465票との事で、多くの方にご協力頂いき大変喜ばしい限りです…!

今回の「デクのヒーロースーツについて」のアンケートにつきましては、241票で「原作のヒーロースーツVer.ボンゴレ」に決定しました!

ぶっちゃけデザインとかはあんまり考えてないので設定だけ盛りまくる感じにはなるかもしれませんが…。

というか多分盛りすぎて意味が分からないです。

高校生に持たせていい奴じゃありません。


絵は一応描いては見たんですが、ほぼトレースになるのであまり公に出すのはなぁ…という感じですので、劇場版第3弾「WORLD HEROES MISSION」の冒頭に登場した隠密スーツをイメージして読んで頂くとわかりやすいと思います。


補足ですが、デク以外のスーツの変化は轟が左半身を覆っていないくらいです。


…………………………


今回の投稿を前にUAが100000を突破しました!

こんな更新頻度ゴミな作品ですが、今後もお楽しみ頂けるよう、そして更新頻度を少しでも上げられるように頑張ります!


標的(ターゲット)No.32 纏え戦闘服(コスチューム)

ついに迎えた迎えた雄英での初めての授業。

 

教科は英語で、担当はプレゼントマイクだ。

 

ヒーロー活動以外ではラジオDJも務める彼の授業は一体どんなファンキーなものなのか!

 

 

「んじゃ、次の英文のうち間違っているのは?」

 

(((((普通だ)))))

 

 

よく考えたら当然だ。

 

ヒーロー科とは言え、必修科目の普通の授業がある。

 

 

そして、昼は大食堂が解放されてプロヒーローのランチラッシュが作る一流の料理を安価で食べることができる。

 

 

「白米に落ち着くよね!最終的にね!!」

 

 

配膳を受け取った時の言葉に麗日さんがご飯を美味しそうに食べながら同意していたのが印象的だった。

 

そして迎えた午後。

 

科目名はヒーロー基礎学。

 

ヒーロー科の必修科目であり、ヒーローになる為に必要な技術と知識を得る為の授業だ。

 

予鈴がなり皆が席に着くのと同じ頃、廊下からドタドタと大きな足音が聞こえてきた。

 

 

「わーたーしーがー!!」

 

 

聞き覚えのある声に、僕は教室の前側のドアを見た。

 

 

「普通にドアから来た!!!」

 

 

ドアが勢い良く開き、そこからマッスルフォームのオールマイトが登場した。

 

 

「オールマイトだ…!!

 

すげぇや、本当に先生やってるんだね…!!」

 

銀時代(シルバーエイジ)のコスチュームだ…!

 

画風が違いすぎて鳥肌が……」

 

 

クラスの中から動揺や歓喜の声が聞こえる中オールマイトは教卓の前まで歩いていき、ボディビルの様なポーズをとりながら説明を始めた。

 

 

「ヒーロー基礎学!

 

ヒーローの素地をつくる為の様々な訓練を行う科目だ!!

 

単位数も最も多いぞ!」

 

 

次に何やら腰のあたりをゴソゴソと漁り、一つのカードを取り出した。

 

そしてそれをこちらに向けて突き出し、そこには”BATTLE”と書かれていた。

 

 

「早速だが今日はこれ!!

 

戦闘訓練!!!

 

 

早々に実戦訓練か。

 

これは僕の前に座るかっちゃんが壮絶な笑みを浮かべているだろう。

 

 

「そしてそいつに伴って…こちら!!!」

 

 

オールマイトが手に持ったリモコンを押すと、教室の前方左側の壁から四つの棚が出てきた。

 

 

「入学前に送ってもらった”個性届”と”要望”に沿ってあつらえた…

 

 

戦闘服(コスチューム)!!!

 

「「「おおお!!!」」」

 

 

クラス内が興奮に包まれる中、僕は少しだけ不安になっていた。

 

というのも、話は今朝に遡る。

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

僕はオールマイトに呼び出されて、早朝の海浜公園の小さなコテージに来ていた。

 

 

「話って何ですか?」

 

「実はな少年、君のヒーローコスチュームについてなのだが…」

 

 

ヒーローコスチュームというと、正しくヒーローの証の様なものだ。

 

しかしそれは恰好をつける為だけではなく、自分の個性の特性をより引き出したり、または弱点を補うためのサポートの役割もある。

 

ヒーローになくてはならないものだ。

 

それに何か問題でもおきたのだろうか。

 

 

「もしかして、まだ完成していないとか?」

 

「いや、完成はしているんだ。

 

とても素晴らしい出来のコスチュームだ。

 

そう、出来が、よすぎる…」

 

 

出来が良すぎるとはどういうことか。

 

そう聞き返す前に、僕の脳裏にリボーンのニヤリと笑う顔が過った。

 

 

「まさか、そのコスチュームを作ったのって…」

 

「そのまさかだ…」

 

 

最悪の想像が的中してしまった。

 

僕のコスチュームを作ったのは、ボンゴレの技術部門だ…。

 

 

「ヒーロー基礎学の授業の担当になった事もあり、事前に一年全員のコスチュームの概要をチェックしていたのだが、君のコスチュームを担当する業者が、聞き覚えのない業者でね。

 

調べてみたところ、どうやら最近雄英と契約したイタリアのサポートアイテムメーカーの日本支社だったんだ。

 

もしやと思いリボーン師匠に連絡し確認を取ったところ、案の定というわけさ」

 

 

今の会話でまた更に悩みの種が浮上した。

 

イタリアのサポートアイテムメーカーの日本支社?

 

つまり、ボンゴレはヒーロー事業にもその手を伸ばしているという事だ。

 

イタリア最大のマフィア、恐るべし…。

 

 

「生徒に渡すまでは学校側の機密扱いだからあまり詳しくは話せないけど、少なくとも性能が悪いという事は無い。

 

それと、仕様書と共に君宛の手紙も同封されているらしいから、それは抜き取って放課後にでも読むといい」

 

「分かりました、そうします」

 

 

 

…………………………

 

 

 

という事があった。

 

ボンゴレが作ったコスチュームか。

 

一体どんなものに仕上がっているんだろうか。

 

見た目が奇抜だったり、異常な性能さえしていなければいいかなぁ…。

 

 

「着替えたら順次グラウンド・βに集まるんだ!」

 

「「「はーい!!!」」」

 

 

オールマイトの号令で皆動き出し、男女それぞれの更衣室に向かった。

 

着替えや仕様書の確認の為に15分の時間が与えられ、更衣室についた僕はコスチューム用のアタッシュケースを開けた。

 

するとそこには、黒をベースとし緑色のラインが刻まれた服が収められていて、その上には仕様書とオールマイトの言っていた通り手紙が添えられていた。

 

僕はそれを取りまずは手紙を上着のポケットに入れ、次に裏に花と貝殻のマークの入った仕様書を読んだ。

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

-緑谷出久様専用ヒーロースーツ(テストタイプ)-

 

 

製作:ボンゴレビアンカ

 

 

基本装備

 

・スーツ本体

 こちらは上下セットとなっており、腰に専用のベルトを巻くことで激しい動きによる衣服のズレを軽減いたします。

 耐火、耐冷、耐水、完全防水、防刃、防弾など様々な耐久性能があり、緑谷様の体を(ヴィラン)の攻撃や災害発生時に生じる様々な事象から守ります。またこれらの耐久性能に関しましては全装備で同様の効果があります。

 

 

・フード型可変式ヘルメット

 普段はフードの様に襟に下がっている状態ですが、それを被りマスクと接続することで形状が固定されヘルメットとして使用ができます。

 その際にはフードに取り付けられたバイザー部分から正面を視認することができますが、マスクの機能を使用すればバイザーの中央に取り付けられた超高性能小型カメラにより通常時と同様の視界を確保することができるほか、視界内に様々なデータを映し出す機能がございます。

 

以下、バイザーの主な機能

(気温、湿度、天候、現時刻、スーツ耐久度の表示。

 サーモグラフィーモード、暗視モードの切り替え)

こちらの機能は必要とあれば更新が可能です。

 

また、ヘルメット状態の時には密閉状態となり、スーツ内に事前に取り込んでいた空気を注入することで十分間の真空状態や水中での活動が可能となっています。

 

 

・専用ベルト

 バックル部にはヘルメットモード用CPUが収められており、チタン合金により軽量かつ高耐久を実現しています。

 サイドにはそれぞれ2つずつのポーチが取り付けられており、左右1つずつに簡易医療キットを収納おり、それぞれもう1つのポーチは空となっていますのでご自由にお使い下さい。

 

 

・耐衝撃レッグアーマー

 内部からの衝撃を伝え、外部からの衝撃を半減させる弊社独自の素材、製造技術を用いており、緑谷出久様の拳への負担を最小限に留めることができます。

 また、スーツ本体の袖にあるコネクタと接続することで激しい動きによる脱落の危険性を軽減できるほか、ヘルメット使用時に耐久状態の確認ができます。

 

 

・耐衝撃アームアーマー、グローブ

 上記のレッグアーマーと同様の性能です。

 また、グローブとアームアーマーは取り外しが可能となっています。

 

 

 

・以下責任者コメント

 

 これらの機能はまだ試作段階であり、緑谷出久様のご要望に沿い常にアップグレードしていきますので、日本に常在している緑谷出久様専属担当の方にご一報ください。

 

 これからも弊社製品のご愛顧の程、よろしくお願いいたします。

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

……なんだこれ。

 

なんだこれ。

 

 

本当になんなんだこれは。

 

ボンゴレが作ったものだから性能面はとんでもないんだろうなとか考えてたけど、想像の斜め上なんてレベルじゃないぞ。

 

なんでフード被ったらヘルメットになるんだ。

 

なんで水中でも活動できるんだ。

 

というか真空状態にも対応って一体何を想定して作ったんだ。

 

そしてなんでモニター代わりになるんだ、どこのア〇アンマンだ。

 

 

…だめだ、突っ込みどころが多すぎる。

 

なんでこんな日に限ってリボーンはいないんだ。

 

この文句は一体誰に言えばいいんだ。

 

 

そうこう考えている内に、準備のための時間がもう無くなってきている事に気が付き、僕は慌てて着替え、先週の思い付きで持ってきた小道具を空いているポーチに入れてから外に出ていく皆の後ろに着いていく。

 

 

「恰好から入るってのも大切な事だぜ、少年少女!!

 

自覚するのだ!!

 

今日から自分は…ヒーローなんだと!!

 

 

ダメだ、オールマイトのありがたい激励ですら今の僕の動揺した心に響かない。

 

 

「さぁ!!

 

始めようか!!

 

有精卵共!!」

 

 

ごめんなさいオールマイト、今僕全く集中できていません。

 

 

「あ、デク君!

 

黒か!かっこいいね!

 

地に足ついていながら渋めだ!」

 

 

僕が遠い目をしていると、僕の背後からぴっちりとしたスーツを着た麗日さんが声を掻かて来た。

 

 

「それが麗日さんのコスチュームなんだ」

 

「要望ちゃんと書けばよかったよ…

 

パツパツスーツになった、恥ずかしい」

 

 

麗日さんは照れくさそうに頭を掻く。

 

見たところ、あまり目立った装備は無い感じかな。

 

うん、別に僕はこのくらいシンプルでよかったんだけどな。

 

便利じゃなくたって、最新鋭じゃなくたっていい。

 

こんなチート染みたスーツじゃなくたっていい。

 

…いや、よそう。

 

製作者の方々は僕の為を思って作ってくれたんだ。

 

しっかりと感謝して、そしてこのスーツに見合うヒーローになればいいんだ。

 

…いや、にしたってやっぱりおかしいよね。

 

しかしそんな事よりも、今は麗日さんのコスチュームだ。

 

 

「麗日さんの個性である無重力(ゼログラビティ)の特性を考えた理にかなっているとは思うよ。

 

麗日さんが自身を浮かせたときに空気抵抗を減らせるからね」

 

「おー、確かに!

 

でも私まで自分を浮かすの得意じゃないんよなぁ…。

 

長時間やってると酔ってまうし…」

 

「そこら辺を鍛える為のヒーロー基礎学さ。

 

お互いにそれぞれ頂いたスーツを生かせるヒーローになる為にがんばろう」

 

 

僕がそう言うと麗日さんは目を輝かせながら僕のに詰め寄る。

 

 

「すっごい!デク君先生みたい!」

 

 

すると、後ろにいたアーマー姿の人が「おぉ!」と声を上げて近づいてくる。

 

この声は飯田君かな。

 

 

「素晴らしい心がけだよ緑谷君!

 

そうだな、頂いたこのコスチュームを活かせるようになる事こそ製作に携わった方々への恩返しとなる!

 

君の言葉でより一層やる気が漲ったよ!」

 

 

飯田君は僕の手を取って上下に振る。

 

すろとそこに咳払いが割って入り、聞こえた方向を見ると困ったような表情を浮かべたオールマイトがいた。

 

 

「あの、緑谷少年、私より先生らしい事を言われると私の立つ瀬がないなぁ…」

 

「あ、すみません!」

 

 

オールマイトと僕のやり取りにドッと笑いが起き、それから改めてオールマイトは全体を見回し、そして満足げに頷く。

 

 

「いいじゃないか皆、カッコイイぜ!」

 

 

笑顔のオールマイトに、僕の隣の飯田君が挙手をした。

 

 

「先生!

 

ここは入試の時の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか?!」

 

「いいや!もう二歩先へ踏み込む!

 

屋内での対人戦闘(・・・・)訓練さ!!」

 

 

屋内での対人戦闘か。

 

ジャックたちとの戦いが正しくそうだったな。

 

 

(ヴィラン)退治は主に屋外で見られるが、統計で言えば屋内の方が凶悪(ヴィラン)出現率は高いんだ。

 

監禁、軟禁、裏商売…このヒーロー飽和社会、真に賢しい(ヴィラン)屋内(やみ)に潜む!!」

 

 

ふと気になり、僕はかっちゃんと轟君の顔を見る。

 

二人とも険しくも真剣な表情だ。

 

多分二人もあの日の事を考えているんだ。

 

 

「君らにはこれから”(ヴィラン)組”と”ヒーロー組”に分かれて2対2の屋内戦を行ってもらう!!」

 

 

オールマイトの言葉に、皆の間に緊張が走った。

 

 

「基礎訓練もなしに?」

 

「その基礎を知る為の実践さ!

 

ただし今度はぶっ壊せばオッケーなロボじゃないのかミソだ」

 

 

「勝敗のシステムはどうなります?」

「どの程度ぶっ飛ばしていいんスか」

「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか」

「このマントやばくない?☆」

 

「んんん~~聖徳太子ィィ!!」

 

 

汗を流しながらどうにか質問を汲み取ったであろうオールマイトは、腰の辺りから何やら小さな紙を取り出した。

 

恐らくカンペだろう。

 

 

「いいかい?!

 

状況設定は(ヴィラン)がアジトに核兵器を隠していて、ヒーローはそれを処理しようとしている!」

 

 

えらくアメリカンな設定だ。

 

流石アメリカで長年修行していたオールマイト。

 

 

「ヒーローは(ヴィラン)を捕まえるか核兵器を回収する事。

 

(ヴィラン)は制限時間まで核兵器を守るかヒーローを捕まえる事。

 

コンビ及び対戦相手はくじだ」

 

「適当なのですか?!」

 

 

飯田君が困惑しているので僕が補足をいれる。

 

 

「プロは他事務所のヒーローと急造チームアップすることが多いしそう言った事も想定しての事だと思うよ」

 

「そうか…!

 

先を見据えた計らい…失礼いたしました!」

 

「いいよ!!早くやろ!!」

 

 

それから出席番号順にくじを引いていき、各コンビが決まった。

 

A:僕、麗日さん

 

B:轟君、障子君

 

C:八百万さん、峰田君

 

D:かっちゃん、飯田君

 

E:青山君、芦戸さん

 

F:佐藤君、口田君

 

G:耳郎さん、上鳴君

 

H:蛙水さん、常闇君

 

I:葉隠さん尾白君

 

J:切島君、瀬呂君

 

こういう具合だ。

 

 

「すごい!縁があるね!

 

よろしくね!」

 

「うん、よろしくね」

 

 

皆が挨拶を終えるのを待ち、オールマイトは次に「HERO」「VILLAN」と書かれた二つの箱を取り出した。

 

 

「続いて最初の対戦相手は、コイツ等だ!

 

Aコンビがヒーロー!Dコンビが(ヴィラン)だ!」

 

 

Dチームって事は、相手はかっちゃんと飯田君か。

 

 

(ヴィラン)チームは先に入ってセッティングを!

 

五分後にヒーローチームが潜入でスタートする。

 

他の皆はモニターで観察するぞ!」

 

 

皆への説明を終えたオールマイトはかっちゃんと飯田君の前に出る。

 

アドバイスをするようだ。

 

 

「飯田少年、爆豪少年は(ヴィラン)の思考をよく学ぶように!

 

これは実戦!怪我を恐れず思いっきりな!

 

度が過ぎたら中断するけど…」

 

 

初めてのヒーロー基礎学、初めての実践訓練。

 

その相手がかっちゃんだなんて、これは相当気合を入れなきゃいけないな。

 

 

そうして僕達はそれぞれ準備に向かった。

 

 

 

…………………………

 

 

 

全体説明の後、指定された建物の中で天哉、勝己の二人は一通り建物の構造を確認し最上階へと赴いていた。

 

 

「訓練とはいえ(ヴィラン)になるのは心苦しいな…」

 

 

そう言いながら天哉は核兵器のハリボテの前に立った。

 

 

「これを守ればいいのか」

 

 

そう言って今度は室内を見渡す天哉に、勝己は腕の装備の確認をしながら近づく。

 

 

「テメェの個性について聞きてぇ事がある」

 

「なんだい?

 

今ならまだ時間はあるから答えられるが」

 

「テメェの個性はその足のエンジンだろ。

 

このスペースでどの程度スピードを出せんだ」

 

 

勝己に問われた天哉は改めて部屋を見渡し、難しそうな表情を浮かべた。

 

 

「俺の個性は徐々にギアを上げていくもので、その為にはそれなりの距離が必要だ。

 

この狭い空間ではトップスピードは出せないし、出すべきではないだろう。

 

今回の場合、緑谷君を相手にすると一歩で遅れてしまうだろう」

 

 

それを聞いた勝己は「そうか」とだけ答え、先程この階へと上がってきた階段へと向かう。

 

 

「だったらデクの相手は俺がする。

 

あの丸顔の方はここまで通すからテメェがなんとかしろ」

 

「丸顔……もしかして麗日君の事か?

 

意外だな、君なら両方一人で相手にすると言うとばかり」

 

 

天哉と勝己の付き合いは昨日からだが、それでも勝己の今日までの言動から天哉は勝己がこういう作戦を立てる様なタイプだとは考えていなかった。

 

しかし、勝己は天哉の言葉を意にか返さずに説明を続けた。

 

 

「丸顔のペアが他の奴ならそれも考えたが、アイツのペアはデクだ。

 

認めんのは癪だが、アイツはこのクラスで唯一今の俺と同レベルだ。

 

それに、個性に関する考察力と応用の利かせ方はムカつくがアイツに軍配が上がる。

 

そんな奴相手に二対一仕掛けたら、下手すりゃ二人とも抜かれる。

 

そのぐらいアイツはクソ厄介なんだよ。

 

だったら、テメェで対処可能そうな丸顔を通して、俺が確実にデクを抑える」

 

 

爆勝己の説明が終わったところで、天哉は顎に手を当てながら答えた。

 

 

「しかし、この建物の構造上、このフロア以外に開けた場所は少なく、君も力を出し切る事は難しいんじゃないか?」

 

「だからこれ着てんだろうが」

 

 

そう言って勝己は親指を立てて自身のコスチュームを指した。

 

それに対して天哉は「なるほど」と頷き右手を差し出す。

 

 

「実に素晴らしい作戦立案だ。

 

よし、君の案がベストだと信じ、俺は全力でその作戦を遂行するよ。

 

爆豪君、改めてよろしく頼む」

 

「…あぁ」

 

 

勝己は返事だけを返して階段を下って行った。

 

 

同じころ、勝己たちのいるビルの麓で出久とお茶子はビルの見取り図を見ていた。

 

 

「造り自体はすごくシンプルだね。

 

それ故に遭遇ポイントを向こうに操作されやすいのが難点かな」

 

「でも、二人の個性は広い場所でこそ活きるものだし、屋内戦なら私たちの方が有利なんとちがう?」

 

「うん、個性だけを考えたらね。

 

でもかっちゃんが個性に制限がかかる状況を想定していないとは思えない。

 

寧ろその状況すら利用してくるかもしれない」

 

 

お茶子と話しながらも出久は頭の中でビルの構造と対戦相手の二人の個性からどんな作戦をとられるか、またそれにどう対処するかのシミュレーションを続けていた。

 

 

「ビルの構造上、加速に距離を要する飯田くんは唯一開けたフロアである核のある最上階の守りで、かっちゃんは下階で僕達を迎え撃つ。

 

これが考えられる中で一番可能性が高いかな」

 

「爆豪君って粗暴そうに見えるけど、結構策士なんだね…!」

 

「確かに荒っぽく見えるけどね。

 

それは自分を大きく見せる為でもあり、自信の表れでもある。

 

自分の才能も個性も信じてはいるけど疑ってもいる。

 

誰よりもプライドが高く、誰よりもプライドに縛られない人だよ。

 

そんな人だから、僕は憧れたんだ。

 

だからこそ、勝ちたいんだ」

 

 

そう語る出久を見ながらお茶子は「おぉ!」と声を上げる。

 

 

「男のインネンってやつだね…?!」

 

「ごめんね。

 

僕の個人的な感情で麗日さんには関係ないのに」

 

「あるよ!コンビじゃん!!

 

よーし、私も頑張るぞ!!」

 

 

そう言って麗日は右腕で力こぶを作るようにポーズを取り、それに出久は笑みがこぼれた。

 

 

「そうだね、一緒に頑張ろう。

 

それじゃあ作戦を説明するね」

 

 

それから時間ギリギリまで2人は作戦について話し合い、そしてついに開始の時を迎えた。

 

 

「それではAコンビ対Bコンビによる屋内対人戦闘訓練

 

スタート!!

 

 

オールマイトの開始宣言と共に出久とお茶子はビル内へと侵入した。

 

 

((勝つのは俺達/僕達だ!!))

 

 

出久と勝己の雄英高校での初めての勝負は、今始まる。




次回予告!

出久「まさか最初の授業からかっちゃんと当たるなんて…。

入試前は中々かっちゃんとのトレーニングはできなかったし、今のお互いの実力を図るには絶好の機会だ。

今僕に出来る全力を尽くして、麗日さんと二人で勝つんだ!

次回『標的(ターゲット)No.33 デクVSかっちゃん2』


更に向こうへ!Plus ultra!!」
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