ONE FOR ALL9代目はボンゴレX世 作:鉄血のブリュンヒルデ
トレーニングを初めてもう2年。
海浜公園でのトレーニングは約一年をかけて終わらせて、それ以降はリボーンから格闘術や基礎体力を鍛えるトレーニングをして貰って、今では個性無しの体育の授業ではかっちゃんと競り合う程になった。
リボーンのトレーニングは厳しいしキツイけど、着実に僕の力になっている。
けどまだ、死ぬ気の力を自分で引き出すには至っていない。
そのトレーニングも積んではいるんだけど、リボーン曰くまだ覚悟が足りないらしい。
それと最近は通学路でも走って基礎体力を鍛えている。
「デカい、ヴィランっ!」
ランニングをしていると、いつも近くを通る電車の駅のすぐ側の線路で
ちなみに僕はもう既にヴィランと遭遇した事がある。
けど、それはたまたまひったくりの現場に居合わせて、それを捕まえたり、そんな程度だ。
その時は警察からは注意と感謝をされた。
まぁ、確かにヒーローでも警察でも無いのにそんな事したら本当は危ないし、年齢によってはヴィジランテ判定されてしまう。
ちなみにヴィジランテとは、ヒーロー免許を持っていない者が個性を使用しヒーロー活動を行う事、またそれを行う人の事を指す言葉。
それは違法行為にあたり、ヴィラン程ではないけど刑罰もある。
ヴィジランテ判定されてしまったら、その時点でヒーローへの道が閉ざされてしまうから、それ以降はそういう行動は出来る限り避けてるんだけど。
その話をリボーンにしたら「ヒーローへの道が閉ざされたら、迷いなくマフィアのボスになれるな」って言われた。
そんな事を考えていると、巨大化?していたヴィランが暴れている最中に鉄道の設備の一つを破壊し、線路から落下してきた。
下には人がいる。このままでは死傷者が出る。
その時だった。
「ふんっ!くっ、ぐぅぅぅっ!」
生身でそれを受け止める人が、
「デステゴロだ!」
「腕っ節一つで正義を貫く!パンチングヒーロー!」
ヒーロー、デステゴロ。
この辺りで活動するヒーローの一人で、パワー型の個性を持ってる。
「はいはい。一応危険だからね。
下がって下がって」
「おぉっ!災害救助のスペシャリスト!バックドラフトも来たぁ!」
水を操り規制線を張るのは、同じくこの辺りで活動するヒーローのバックドラフト。
個性を使った放水等で火事の現場等では大活躍する。
「それにしても怪物化とかすげぇ個性。
何やらかしたんだ?」
「ひったくり。追い詰められて暴れてんだと」
「あの個性でひったくりって……」
僕はとりあえず野次馬の先頭に行き、どんなヒーローがいるのかを観察することにした。
「キャー!カムイー!」
すると近くから黄色い声援が上がった。
それと同時に、体が樹木で出来ているヒーローが現れた。
「シンリンカムイ!
人気急上昇の若手実力派!」
「聞いといて解説か兄ちゃん。
オタクだな?!」
「あ、いや、あっ、へへへ………」
ついいつもの癖で…………。
っと、恥ずかしがってる場合じゃなかった。
ちゃんと観察しないと。
シンリンカムイは自身の腕を樹木の根のように伸ばして
そうなるとシンリンカムイは当然引っ張られる訳だけど、彼は迷わずその腕を引き戻し、狙っていたかの様に駅の屋根に着地した。
「通勤時間帯に能力の違法行使及び強盗致傷。
まさに邪悪の権化よ!」
そう言ってシンリンカムイは自身の右腕を水平に横に伸ばして、その腕をまるで本物の樹木の様に幾つにも枝分かれさせる。
「あっ、出ますよ!」
「一発派手に見せろよ!樹木マン!」
出るぞ。シンリンカムイの必殺技!
「先制必縛!ウルシ鎖牢!」
腕を前に突き出して、腕の枝で
「キャニオンカノン!」
その瞬間、巨大な人影が
「え?」
シンリンカムイの間の抜けた声が聞こえた気がした。
「キタコレキタコレキタコレキタコレ」
「うおぉ……」
唐突に何処からか現れたカメラを構えた人達が一斉にシャッターを切り出した。
「本日デビューと相成りました。Mt.レディと申します。
以後、お見シリおきを」
決めゼリフなのか、Mt.レディはウインクをしながらそう言った。
「て、手柄が……」
シンリンカムイの悲しそうな呟きが聞こえた気がした。
「巨大化か。
人気も出そうだし凄い個性でもあるけど、それに伴う街への被害を考えると、割と限定的な活躍になって行くか……。
いや、大きさは自在か、それか……」
「おいおいメモって!ヒーロー志望かよ!
いいねぇ!頑張れよ!」
さっきの野次馬で少し話した人が、サムズアップをしながら笑顔でそう言った。
「えっ?あっ、はい!」
僕は元気よく返事をして、その人と別れて学校に向かった。
…………………………
「えー、お前らも3年ということで、本格的に将来を考えていく時期だ」
教室で、先生がそう話を切り出した。
「今から進路希望のプリントを配るが、皆……」
先生がプリントを掴むと、クラスの全員がゆっくりと個性を発動させていく。
「だいたいヒーロー科志望だよねぇ」
「いえーーーい!」
クラスの皆が個性を発動させながら叫んだ。
皆元気だなぁ。
「んーんー!皆いい個性だ!
でも、校内での個性の使用は、原則禁止な!」
まぁ、もうそこら辺の校則はあってない様な物なんだけどね。
皆使ってるけど、先生黙認してるし。
「先生ぇ!皆とか一緒くたにすんなよ……」
その時、かっちゃんがそんな声を漏らした。
「俺はこんな没個性どもと一緒に底辺なんか行かねぇよ」
まーた、かっちゃんが喧嘩売ってる……。
「そりゃねぇだろ!勝己!」
「そーだそーだ!」
「モブがモブらしくうるせぇ!」
あーもう、またこれだよ。
こういう所は治らないんだから……。
「あー、確か爆豪は雄英高だったな」
その瞬間、クラス中からザワザワと声が聞こえ始めた。
「え?」
「あの雄英って、あの国立の?」
「今年偏差値79だぞ?!」
「倍率も、毎度やべぇんだろ?」
まずいよなぁ。この話題確実に僕にも回って来るよなぁ…。
「そのザワザワがモブたる所以だぁ…」
止めるべき?
でも、ちょっとこのノリは関わりたくないなぁ…。
「模試じゃA判定。
俺は
いや、机の上に立ったら危ないって。
行儀悪いし。
「あのオールマイトをも超えて!
俺はトップヒーローとなり!
必ずや!高額納税者ランキングに名を刻むのだ!」
あーあ、もう。心にも無いことを……。
そりゃトップヒーローはなりたいんだろうけど、高額納税者は別に目的じゃないでしょ……。
「そういえば、緑谷も雄英志望だったな」
あ、まずい。
「えぇ?!緑谷も?!」
「うちのトップ2が二人とも雄英志望?!」
「何その胸熱展開!」
ほらもう、こうなる……。
「オイコラ、デク!
てめぇ個性の制御ちゃんと出来てんだろうなぁ?!」
「あ、いや、それはまだちょっと……」
個性っていうか、死ぬ気モードなんだけど……。
「お前よくその状態で雄英受けるなんざ言えたな!
あぁ?!」
「いや、だって」
「だってもクソもあるかぁ!
冬までに制御出来ねぇんならお前に雄英受けさせねぇぞゴラァ!」
いや、そんな事言われてもな……。
でも確かにかっちゃんの言う通りだ。
あと半年までにものに出来なきゃ、雄英に受かるなんて到底無理だ。
「うん。分かったよかっちゃん!
必ず完成させる!僕の力を!」
「啖呵切ったんだ。絶対だぞ」
獰猛に笑うかっちゃんを真正面に捉えるくらいには、僕は成長出来てるみたいだ。
「くっそぉ!お前らのライバル感堪らないなぁ!
先生もそんな青春したかったなぁ!」
「かっこいいぞ緑谷!」
「爆豪も頑張れよ!」
「み、緑谷ならできるよ!///」
「これで落ちたら恥ずかしいぞ二人ともぉ」
な、なんか、すごいな。
僕がこんなに多くの人から応援して貰えるなんて……。
「うっせぇ!受かるわ!」
かっちゃんに先越されちゃったな。僕も!
「そうだよ!絶対に受かってみせる!」
そこからは隣のクラスの先生に怒られるまで、僕達は沢山檄を飛ばしあった。
こんなに多くの人から応援して貰えてるんだ。
絶対に受かるんだ!雄英高校に!
…………………………
「おいデク。ノート見せろ」
「え?うん。いいよ」
放課後。僕とかっちゃんは教室に残っていた。
「今朝の事件、見てたんだろ?そこ見せろ」
「うん。このページだよ」
あの日からかっちゃんは、たまに僕のノートを見る様になった。
小さい頃から書き溜めてる「将来のためのヒーロー分析ノート」。
今では15冊目になる。
「今朝はMt.レディっていうヒーローのデビュー戦だったんだ」
その中には勿論かっちゃんの事も書いてある。
ていうかクラス全員分あるかな?
最近ではヒーローだけじゃなくて、街で見かけた個性とかもノートに書いて分析する様にしてる。
そのお陰か、学校で何人かが僕のノートを見に来て、中には自分の個性を分析してくれなんて言う人もいた。
別に僕は専門家って訳じゃ無いんだけどな。
「あの巨大化の個性の奴か」
「そうそう!ただ、もしあのサイズにしかなれないなら活動場所が制限されるって言うのが少しネックな所かな」
「まぁ、郊外なら活躍出来んだろ」
「そうだね。けど都心部での戦いを想定した場合どうなるんだろう」
放課後にこうやって二人でヒーローを分析するのは、もはや日課になっていた。
たまに他の人が参加したりする時もあって、僕は結構この時間が好きだったりする。
「あっ、そうだった。
僕今日はお使い頼まれてるんだった!
ごめんかっちゃん!今日は帰るね?」
「11番のノート貸せ。あの中に気になるのがある」
「あ、うんいいよ。
それじゃあまた明日!」
僕はかっちゃんにノートを渡して、教室を出た。
…………………………
僕はおつかいを終えて、いつもとは違う道で家に帰っていた。
「あっ、そういえばかっちゃんに爆破の使い方で提案があったんだけど…………。まぁ、明日でいいや」
この時、もし学校に戻っていたら、運命は変わってしまったかもしれない。
ニュルニュルニュルニュルニュルニュルッ!
「っ?!この感じ!」
こっちに悪意が向いている。
「Mサイズの隠れ蓑……。
鍛えてあるし、これはいいの見つけたぁ!」
「っ!」
右に躱す。左の壁から伝ってくるから、屈む!
「避けやがった?!」
「凄腕のヒットマンに鍛えられてるから、ねっ!」
僕は
隠れ蓑って言葉から察するに、アイツは体を乗っ取れるのか?
そうやって警察やヒーローの手から逃げてたとすると……。
「お前今まで、何人の人を隠れ蓑にして来たんだ!」
「ん?何人?さぁ、覚えてないなぁ!」
コイツ、やっぱりもう何人か被害者を出してるんだ!
出来るならここで抑えたいけど、あの流動体の体を掴めるとは思えないし、鍛えたとは言え僕の体は無個性のままなんだ。
どうする!ここで見逃せばまた被害者が出るし、それ以前にコイツが僕を見逃さない!
もしオールマイトみたく、拳で衝撃を飛ばせたら!
「っ?!」
しまった?!足元のヘドロに気が付かなかった!
「捕らえたぜガキィ!」
くそっ!ここまでなのか?!
ガコンっ!
不意に、金属がぶつかる音が鳴ったのが聞こえた。
「もう大丈夫だ少年!」
この、声は?!
「私が来た!」
オールマイト!本物?!
だとしたら!
「オールマイト!コイツは流動体だから、風圧で飛ばして!」
「ナイスなアドバイスだ!
いいとも。期待に応えよう!」
「TEXAS! SMAAAASH!!」
そして風圧でヘドロを飛ばして、それらを残らず手に持っていたペットボトルで回収して行った。
「少年!大丈夫だったかい?!」
「はい!それより、危ない所を助けて貰って、ありがとうございました!」
僕がお礼を言うと、オールマイトは「HA-HA-HA!」と笑った。
「何、それがヒーローって物さ。
しかし少年。以前どこかで………」
「え?いや、以前にどこかで会いました?」
「何処だったか………っ?!」
なんだ?オールマイトが少し驚いた様にこっちを見てる。
(思い出したぞ!
以前この街を訪れた時に出会った無個性の少年じゃないか!
オイオイ見違えたぞ全く!
随分と逞しくなったじゃないか!
いや、しかし私のあの姿がバレる訳にはいかない。
ここは少し申し訳ないが誤魔化さなければ)
「いや、私の勘違いだったみたいだ。
しかし、さっきの
まずい!いくらオールマイトと言っても、ヴィジランテ行動だと思われたら逮捕されるかも!
「いえ!僕は攻撃を躱してただけです!」
これでどうにか誤魔化せるといいけど……。
(いや、私でもギリギリ躱したんだぞ?
この少年、一体どんな特訓をしたんだ?)
「あの、オールマイト?」
「え?あぁ、済まないな少年。
そうだ。出会えた記念にサインでもどうだい?」
オールマイトのサイン?!
もし貰えるなら、これは家宝物だぞ!
「是非!」
「それじゃあ、何か書けるものを貸してくれるかい?」
「はい!」
僕は将来のためのヒーロー分析ノートを取り出して、一番新しいページを開いた。
「お願いします!」
「よしっ!それじゃあ!」
そしてオールマイトは力強く見開き一ページを使って大きくサインを書いてくれた。
「ありがとうございます!
一生大切にします!」
「HA-HA-HA!!そうしてくれると助かるよ!」
オールマイトはそう言いながらポケットにヘドロの入ったペットボトルを入れた。
「じゃあ、私はこれを警察に届けるので。
液晶越しに、また会おう!」
「はい!」
オールマイトは少し屈むと、驚異的なジャンプ力で去っていった。
「もう少し話したかったけど、忙しいよね」
僕はこの事を明日クラスの皆に話そうと思いながら、再び帰路に着いた。
その途中で少しお腹が空いたから何か食べて帰ろうと商店街に向かった。
ドカァァァァァァンッ!
「っ?!爆発?!
僕は慌てて走った。
今日は特売日の店があるから、人が多いはず!
そんな状態で
「なんで一日にこう何人も!」
オールマイトの存在によって、日本の
けど一日に複数の
とにかく行こう。
今回は何か、胸騒ぎがする!
そして僕は、そこで信じられない物を見たんだ。
「さっきの、ヘドロの
なんで?!さっきオールマイトが捕まえたはずじゃ?!
その時、僕の視界に、更に信じられない物が写った。
「…え、かっちゃん、なのか?」
かっちゃんが捕まってる?どうして?!
けど、それならさっきの爆発も納得いく。
あのヘドロの
なら、
考えろ、緑谷 出久!
個性の無い僕じゃ、あの
周りにいるヒーローに、相性のいい個性のヒーローはいなさそうだ。
じゃあオールマイトだ。
けど、オールマイトが何故か姿を表さない。
あのオールマイトが
いや、しないはず。
それなら、何か理由があるはずだ。ここに来られない理由が。
「……………賭けるのか。そんな小さな希望に」
オールマイトが何かしらの影響で足止めを食らってるなら、その間時間を稼ぐしかない!
「くっそ!」
足が、勝手に前に進んでいた。
でも、そうするしかないんだ。
相性のいい個性のヒーローがいない今、多分誰も手を出そうとしていない。
それにかっちゃんが人質なのも厄介だ。
ならいっそ、僕が囮になればいい!!
「っ?!馬鹿野郎!止まれ!止まれぇ!」
誰かの声が聞こえた気がした。
でも、もう止まれない。
ここで一歩でも止まれば、一瞬で
「
「っ?!お前、さっきのガキ!」
「デクっ?!」
よし、注意がこっちに向いた!
こういう時は、25ページ!
「いっけぇ!」
僕はバックを開けて
すると狙い通りに中身が散らばって
それと、ちょうど目に筆箱が直撃して
「ゲホッ!ごっ、うえっ!」
「かっちゃん!」
くっそ!やっぱり掴めない!
「何やってんだお前!
今のお前が来てどうにかなる相手か?!」
「そんなの、僕だってわかってるよ!
でも、君が、助けを求める顔してた!」
「しとらんわボケ!」
このままじゃ、せっかく作った隙が無駄になる!
どうする?!
「もう少しなんだから、邪魔するなぁ!」
「っ?!」
「無駄死にだ!自殺志願かよぉ!」
くっそ、ここまでか!
「よくやったなデク。ご褒美だ」
「っ?!」
この声、リボーン?!イタリアに戻ってるんじゃ?!
その瞬間、僕の脳天に衝撃が走った。
そして僕は後悔した。
何やってんだ僕は……。死ぬ気になれば、かっちゃんを救えたかもしれないのに………。
そして僕の額に、炎が灯った。
「死ぬ気で勝己を救う!」
「っ?!なんだこのガキ?!」
「っ!デク!」
ヘドロを掴めないなら、勝己を掴めばいい!
俺が勝己を助けるんだ!
「うおぉぉぉぉぉっ!」
俺は勝己の腕を掴んで、ヘドロから引っこ抜いた!
これなら、心置き無く吹き飛ばせるだろ!
「オールマイトォォォォッ!」
「情けない。
ファンがここまでやってくれたんだ!
もう一度、期待に応えよう!」
「オールマイトォォォッ!」
ヘドロが、オールマイトを襲おうとしている!
俺が止める!
「感謝するよ少年!
行くぞ
プロはいつだって命懸けぇぇぇっ!」
やれ!オールマイトォォォッ!
「DETROIT! SMAAAASH!!」
ヘドロは風圧でバラバラに飛んでいき、かっちゃんを掴んでいた僕は、オールマイトに掴まれて何とか吹き飛ばずにすんだ。
その後、オールマイトが起こした突風で上昇気流が生まれ、その日の天候を変えてしまった。
その雨のせいか分からないけど、僕の額の炎はいつの間にか消えていた。
…………………………
その後、散ったヘドロはヒーロー達に回収され、無事警察に引き取られたみたいだ。
そして僕はヒーローに怒られた。
君が危険を冒す必要は無かったとか、自殺行為だとか……。
確かにそうだ。僕はヒーローでも何でもない一般人だ。
ヒーローからしたら、守らなきゃいけない物が率先して死地に飛び込んで行く様なものだったろうし。
けどその後に、少しだけ感謝をされた。
僕が時間を稼いだからオールマイトが到着出来たとか、その他諸々。
正直あそこにオールマイトがいるかどうかは、賭けだったんだけどね。
「オイ!デク!」
僕がそんな事を考えながら歩いていると、後ろからかっちゃんが走って追いかけて来た。
「かっちゃん?どうしたの?」
「俺は、お前に助けなんか求めてねぇぞ」
その事か……。
あの時僕も夢中だったから何言ったかあまり覚えてないけど、それは覚えてる。
うん。絶対言うと思った。
「あんな
まぁ、平常時なら余裕だろうけど………。
「………けど、今日は助かった」
かっちゃんがちゃんとお礼を言うと、最近あまり珍しくなくなってきたなぁ……。
「けどなぁ!もうこんな恥は晒さねぇ!
借りは必ず返す!そんだけだ!じゃあな!」
怒涛の勢いで喋って帰っていった。
「まぁ、かっちゃんらしいや」
僕は改めて帰ろうとした時、振り返ったそこには、やせ細った男の人が立っていた。
「やぁ、少年」
この人何処かで?
…………あぁ!
「二年前の!お久しぶりです!」
僕がお辞儀をして顔を上げると、彼は面白そうな顔でこっちを見ていた。
「そうか。君からしたら2年ぶりの再会なんだな。
まぁ、かくいう私も昼まではそうだったんだが」
どういう事だろう?
君からしたらって事は、あの人と僕は一度会ってるけど、気付いてないだけ?
「それより少年。少し場所を変えて話さないかい?」
「え?まぁ、いいですけど」
男の人は、僕を2年前に出会った海浜公園まで連れて歩いた。
「あの、もしかして今日何処かでお会いしましたか?
すみません、僕全然分からなくて」
「すまないな。その時は違う格好をしていたんだ」
「あっ、なるほど」
それなら納得だ。
けど、結構特徴的だから会ったらさっきみたいに気付けたはずだけどな……。
「その時の姿になるとね」
そう言うと、男の人から蒸気が発せられて、その体がどんどん筋肉質になっていく。
「私がいた!ってね」
「…………へあ?」
嘘、だろ?
だって、さっきまであんなにガリガリで、っていうか!
「オールマイト?!」
「そう!私はオールマイ、ぐはぁっ?!」
「うわあぁぁぁっ?!」
血を吐いて元に戻った?!
こ、これって一体?
「すまない少年。驚かせてしまったね」
「い、いえ……」
ガリガリの姿からオールマイトの姿。
そして血を吐いて元に戻る…。
これってつまり……。
「オールマイトの体が、弱っている?」
「勘がいいな少年。その通りだ」
考えた中で、一番最悪の可能性が当たってしまった……。
オールマイトの弱体化……。
前々から噂はされていた。
最近活動の頻度が低いだとか、メディア対応が短くなってるとか、色々な噂があった。
そしてこのガリガリの体。
今までオールマイト最大の謎であったプライベート。
この姿なら、見つかる事は無いから、ある意味納得だ。
「実はな少年。
私は君に、質問と提案をしに来たのだよ」
「質問と、提案?」
オールマイトから、僕に?
一体何なんだ?
「君はもしかして、ボンゴレファミリーの関係者じゃないのかい?」
「…………………え?」
次回予告!
出久「なんでオールマイトがボンゴレの事知ってるんだ?!」
リボーン「さぁな。理由はお前が考えろ」
出久「ていうかリボーン!今日はイタリアに戻ってるはずじゃなかったの?!」
リボーン「急遽予定が変わってな。
それより、次回は遂にオールマイトの秘密が明かされるみてぇだな」
出久「っ!そうだよ!僕なんかに大切な秘密を…」
リボーン「シャキッとしやがれ。
相変わらずのダメデクだな」
出久「酷くない?!
ってもう時間が無いや!
次回!『
更に向こうへ!」
リボーン「Plus ultra。死ぬ気で見ろよ」