ONE FOR ALL9代目はボンゴレX世 作:鉄血のブリュンヒルデ
「では、私からの訓練を今日から本格的にスタートしよう!」
ガリガリの姿、トゥルーフォームでオールマイトはそう言った。
「はい!
けど、ここは?」
ONE FOR ALLの継承から一夜明けて、僕達はある山奥の施設に来ていた。
「ここは場内であれば個性の使用が認められている施設でね。
ヒーローが新技を編み出す為等に使用しているんだ」
「ヒーローが使う施設?!」
ヒーローの使う施設で特訓出来るなんて………。
「と言っても、会員制のトレーニングジムなのだけどね。
今回は私の紹介という事で入会させて貰ったのさ」
オールマイトの紹介!
そんな、僕の為にここまでしてくれるなんて………。
「けど、こういう所って結構お金かかるんじゃないですか?」
「心配すんな。お前を鍛える為の予算は、俺がボンゴレ9世から預かってる」
僕が心配をしていると、オールマイトの肩に乗るリボーンがそう言った。
けど、ボンゴレから出る予算って……。
「おぉ。ボンゴレから!それは頼もしい」
オールマイトもノリノリだ。
けど、そう言えばオールマイトとボンゴレの関わりって、大丈夫なんだろうか?
ボンゴレファミリーはイタリア最大手のマフィアだってリボーンが言ってた。
そんな所とNo.1ヒーローが関わりを持つって少し不味い気もするんだけど。
「あの、オールマイト」
「どうしたんだい?緑谷少年」
ここは思い切って聞いてみよう。
これから関わっていくのに、疑心とかあったら失礼だし。
「もしかしたら、失礼な質問になるかもしれないんですけど……。
オールマイトとボンゴレの関わりって、一体なんなんですか?
正直、No.1ヒーローとイタリア最大手のマフィアの関係って、想像出来なくて……」
僕の言葉に、オールマイトは呆気に取られた様な表情になった。
「リボーン師匠、教えていないのですか?」
オールマイトは驚いた表情になってリボーンにそう聞いた。
「俺はデクに必要だと思った情報しか与えねぇんだ。
無駄な情報は混乱の元になるからな」
オールマイトは、リボーンが教えたものだと思っていたらしい。
まぁ、僕も聞かなかったし、そう思われても仕方ないか。
「とにかくそこら辺の話も中でしよう」
そう言ってオールマイトは僕を中に招き入れた。
そして個室の休憩室の様な場所に案内された。
「私とボンゴレファミリーの関係だったね」
「はい」
どうやらちゃんと聞かせて貰えるみたいだ。
一体どんな関係なんだろう。
「実はね、最初の出会いは十年前なんだ。
イタリアから応援要請を受けた私は現地で大型
その時に助けてくれたのが9代目率いるボンゴレファミリーとリボーン師匠だったという訳さ」
十年前の、イタリアからの応援要請?
初めて聞く話だ。
「その後イタリア政府からボンゴレについて聞いてね。
初めはマフィアだって知って
どうやら政府ですら手を焼く案件を引き受ける代わりにその存続を保証されているらしい」
イタリアでそんな事が……。
「その一件以降はイタリアに行く機会も無くお礼を言いそびれていてね。
そんな時だったんだ。
7年前に、ボンゴレである反乱が起こったんだ」
「反乱って事は、ボンゴレ内での争いって事ですか?!」
僕の質問に、オールマイトは頷いた。
「その反逆の時に、俺が俊典を呼んだんだ」
リボーンがオールマイトを?
リボーン自身があれ程の強さを持ってるのに、オールマイトを呼ぶ程の事態って、滅茶苦茶やばかったんじゃ?
「まぁ、私が到着した頃にはほとんどが終了していたのだがね」
「そうなんですか?
じゃあ、やっぱりリボーンが倒したの?」
「いや、その時俺は任務で日本に居てな。
俊典と一緒に戻ったんだ」
それじゃあ、誰がその反乱者を?
リボーンがオールマイトを呼ぶ程の相手を倒せるなんて、相当の強さだぞ?
「反乱を治めたのは、現ボンゴレファミリーのボス。
つまりボンゴレ9世だ」
「ボンゴレ9世……僕を次のボスに指名した人?」
「あぁ、その通りだ。
俺は決着が着いた後の残党狩りにしか参加してねぇから、どうやって退けたかは知らねぇがな」
ボンゴレ9世って、そんなに強かったのか……。
「そして、それから一年後に借りを返す為にボンゴレファミリーは俊典の宿敵であるオールフォーワンとの戦いに手を貸したんだ。
イタリア政府を通じて、日本の政府と警察に許可を得てな」
オールフォーワンとの戦いで、ボンゴレファミリーも戦ったのか。
「そこでまぁ、オールフォーワンに深手を負わせる事が出来たんだが、俊典もこのザマでな」
「面目ない……」
オールマイトとボンゴレが協力して、それでも完全に倒す事は出来なかったのか……。
僕にはそれと戦う運命がある。
その時僕は、勝てるんだろうか……。
「とにかく、今日は特訓だ。
ONE FOR ALLを一年である程度は使える様にしねぇと、雄英首席合格なんて夢のまた夢だからな」
そうだよな。
時間制限もあって、リボーンがいないと使えない死ぬ気モードじゃ、ヒーローになる所か、雄英に首席合格なんて………。
ん?……いや、いやいやいや。
「首席合格?!僕が?!
そんなの無理だよ!」
そもそも合格出来るかすら分からないのに。
それなのに首席合格だなんて、厳しい所の話じゃないよ。
「何言ってやがる。
ONE FOR ALLとボンゴレを受け継ぐんだ。
雄英の試験程度軽々乗り越えるくらいしろ」
「だから僕はボンゴレのボスになる気無いんだけど?!」
ヒーローがマフィアのボスなんて、前代未聞なんてレベルじゃないよ。
「いいからとっとと始めろ。
あと10ヶ月しかねぇんだぞ」
正論で丸め込まれてる気がするのは気のせいかな?
「まぁ、目標は高いに越したことはないさ」
オールマイトまで……。
けど、確かにそれくらい出来ないと、最高のヒーローになんてきっとなれない。
それから僕達は大きな体育館くらいはある建物の中に来ていた。
「まずは基本だ。
とりあえずあれを倒せ」
急に始まった特訓。
目の前にいるのは、ロボット?
「ボンゴレの技術部門が作った
つまり、あれ相手に模擬戦をしろってことかな?
「あの、リボーン師匠。
あのロボットは前に私の訓練でも使用したものですか?」
「あぁ。
だが、オメェのデータをとって前よりも硬く作ってある。
そう簡単に倒せねぇぞ」
「あ、あのロボットよりもですか?!」
なんかオールマイトとリボーンが話してるけど、よく聞こえないや。
まぁ、とにかく初めは回避を『標的ロック。死ネェ!』って、うおっ?!
ズドオォォォォォンッ!
ランチャー?!
一発当たったら今のでお陀仏だぞ?!
「ちょ、リボーン!
設定間違えて無い?!」
「間違えてねぇぞ。
そいつは俊典が最初に相手にした設定だ。
俊典はそいつなら瞬殺していたぞ」
そ、それならまだ……って!
「それはオールマイトならの話でしょ?!」
「ガタガタうるせぇ。
ちゃんと相手を見てねぇと死ぬぞ」
くっ、相変わらず滅茶苦茶だよ!
僕はどうにか攻撃を避けているけど、このままじゃ埒が明かない!
「何してやがる。
さっさと攻撃しやがれ」
「そんな事言われたって、避けるので精一杯だよ!」
そもそも近付く事自体が難しい。
あの大量の銃火器がギリギリ避けられるくらいで絶え間なく放たれる。
それを掻い潜るなんて……。
「何言ってんだ。
ONE FOR ALL使えばいいじゃねぇか」
それが出来ればもうとっくにやってるよ。
オールマイトのあのパワーに、体が耐えられるのか?
けど、もし使って、僕の体がその力に耐えられなかったら?
「難しく考えてんじゃねぇ。
その力はもうお前の物なんだ。
オールマイトの力だとか、継承された力だとかは考えなくていい。
ONE FOR ALLは、お前自身の個性なんだぞ」
僕自身の、力………。
『消エチマイナ!』
くっそ!こうなったら、やってやる!
「っ!」
ズドオォォォォォンッ!
「緑谷少年!」
「どこ見てんだ俊典。あっちを見ろ」
どうなった?全力で踏み込んで、間に合えと思いながら跳んだけど。
……足に地面を踏んでる感覚はない。
「っ、上手く行った!っけど、痛い!」
ダメだ。反動で足が思う様に動かない。
折れては無いだろうけど、これじゃあ戦えない。
けど、戦わなきゃ、やられる。
なら一か八か、やってみるしかない。
ちょうど近くに足場に出来そうな瓦礫がある。
これを蹴って、一気に距離を詰めて強化した拳で殴る。
ONE FOR ALLの力でなんとか足を動かして、僕は瓦礫を蹴って距離を詰めた。
「そうだ少年!今こそ叫べ!」
行くぞ。ONE FOR ALL!
「SMAAAAAASH!!」
僕の拳が、ロボットに直撃する。
ドゴオォォォォォンッ!
一瞬だけ抵抗感を感じたけど、それはいつの間にか消え失せ、破壊音と共に僕の拳がロボットを貫いていた。
…………………………
「いっててててて…」
「大丈夫かい?緑谷少年」
筋肉痛の様な痛みが全身を襲う。
あれだけの力を使ったんだから、仕方ないよね。
「何情けねぇ声出してやがる」
リボーンはそう思ってないみたいだけど……。
「まぁ、今回は上出来な方だろ。
もし半端な体でさっきの動きをすれば、間違いなく骨が粉々になってたぞ」
「骨が粉々?!」
流石はオールマイトの力。
やっぱりそうなっても仕方ない………。
けど、僕は今回この筋肉痛だけで済んでる。
リボーンが鍛えてくれてたおかげかな。
「だが、今のこの体たらくじゃ、戦闘じゃまともに使えやしねぇ」
「ま、まぁ、そうだね」
そこまではっきり言わなくてもいいじゃないか、って思ったけど、言ったら何されるか分かったもんじゃない。
「そもそもオメェ、ONE FOR ALLを毎回フルパワーで使うからそういう事になるんだ」
「え?」
リボーンは一体、何を言ってるんだ?
「まだオメェの体は出来上がってねぇんだ。
一々全力でぶっぱなしてたら、そりゃ反動が来るのも当然だ」
「つまり、ONE FOR ALLの出力を調整しろって事?」
「そういう事だ。
お前にわかりやすく例えると、爆豪の爆破なんかがいい例だ。
アイツは威嚇に使う小さな爆破や、攻撃用の爆破を使い分けてるだろ?
あんな感じで、力に強弱をつけるんだ」
かっちゃんの爆破………。
そうか、なるほど!
「やってみるよ!
さっきのロボット、もう一回出せる?」
「あぁ。在庫はまぁまぁある。
技術部門の奴らを泣かせる勢いでぶっ壊しまくれ」
そして僕はONE FOR ALLの出力調整の為に、2時間くらいロボットと戦い続けた。
今の所、使えてる力は5%くらいかな。
「よし。いいぞ。
それじゃあ次の段階だ」
「次の、段階?」
今やっと制御出来るようになったばかりなのに……。
「今のままじゃ、瞬発的に力を使えるだけでガチの戦闘じゃ全く意味をなさねぇ」
「確かに、その通りだけど、じゃあどうすればいいの?」
「さぁな。んなもん自分で考えろ」
言っときながら無責任な……。
「リボーン師匠。流石に突き放しすぎでは?」
「うるせぇ。
それなら先代継承者としてお前も何かアドバイスしやがれ」
「そうですね…………。
では緑谷少年。私からのアドバイスだ」
お、オールマイトからのアドバイス?!
一体何を言ってくれるんだろう!
「感覚だ」
「な、なるほど」
「全然ダメじゃねぇか」
そんなこんなで、また休憩所に戻って、僕はONE FOR ALLについて考えていた。
「済まない緑谷少年。私は割と最初からONE FOR ALLを使えていたから、どう教えたらいいのか分からないんだ」
「気にしないで下さい。
これは僕の問題でもあるんです」
訓練場での僕とオールマイトの会話だ。
やっぱり僕とオールマイトとじゃ、その辺に差が出てくる。
「うーん……」
最初の僕は、全力のONE FOR ALLで足や拳を強化して使っていた。
そしてその後は、力を制御して小さな力でダメージを与えて行くスタイルに切り替えたけど、それが正解で無いとすると……。
「ハァ……。
仕方ねぇ。一つヒントをやる」
「ヒント?」
流石にこのタイミングで滅茶苦茶な事言わないよな?
「言っておくが、ONE FOR ALLは必殺技じゃねぇんだぞ」
「………え?」
それだけ?
ONE FOR ALLが必殺技じゃないって、一体どういう事なんだ?
「個性ってのは、本来はその人間が元から持っている力だ。
お前は継承という超特殊な方法でその力を得たが、この世界のほとんどの人間が、息を吸う様に個性を使っている。
オメェ、息すんのに一々意識してるか?」
「してないけど……それとこれとどんな関係があるの?」
そもそも僕と普通の人じゃ、色々と違いがあると思うんだけど……。
「俺はオメェに言ったはずだぞ。
ONE FOR ALLはもうお前の力だってな」
ONE FOR ALLは、僕の力……。
呼吸をする様に、個性を使う……。
「………………使う?」
「気付いたみてぇだな」
そうか。僕は今日、ONE FOR ALL"を使う"って考えてたんだ。
さっきみたいに、一々それを意識して体のスイッチを一々切り替えて戦うんじゃ間に合わない。
なら、最初から全部付けていれば!
「そうだデク。ONE FOR ALLは使うもんじゃねぇ。
お前の中にあるものだ」
これなら、いける!
「リボーン!もう一度模擬戦がしたいんだ!
何かが、掴める気がする!」
「よく言ったな。
あぁ、ロボットの在庫を使い尽くしちまえ」
そして僕達はもう一度訓練場に戻ってきた。
「リボーン師匠。彼は辿り着いた様ですね」
「あぁ。少し遅すぎるくらいだがな」
ONE FOR ALLを全身で、使うんじゃない。
ONE FOR ALLは、僕自身なんだ!
「これが僕の、ONE FOR ALLだ!」
次回予告!
出久「やっと答えに辿り着いた!」
リボーン「俺がヒントを出してやったんだ。
答えられなかったら、脳天に風穴が空いてた所だ」
出久「冗談でもやめてよ!
とにかく次回は、僕のONE FOR ALLを完成させるんだ!」
リボーン「それと、次回はまさかのアイツの登場だぞ」
出久「まさかのアイツ?
少し気になるけど、時間だし、いつものやつ行こう!
次回!『
出久「更に向こうへ!Plus ultra!!」
リボーン「死ぬ気で見ろよ」