弓使いだったのに気づいたら地上の月の兎になっていました 作:お〜い粗茶
【楓の木】の生産職、イズは人里にある鍛治場に来ている。
目の前では水色の髪でオッドアイの女の子のNPCが穴の空いた鍋を修理している。壁際には茄子色の傘が立てかけてある。
「わきちの作業なんか見てて何か楽しいの?」
「いいの、生産職のサガみたいなものだから」
修理を中断してNPC『多々良小傘』が聞いてくるがイズはそれを流す。小傘は修理を再開してから十分後には修理を終わらせる。
小傘は壁に立てかけてあった傘を持つと扉へ向かう。
「わきちは仕事終わったからここの鍵閉めちゃうよ」
そう言われてイズは建物の外に出る。小傘が鍵を閉めるとイズにある情報を教えてくれる。
「そんなに作る事を学びたいなら河童に聞くといいよ。わきちじゃ鍛治くらいしか出来ないしね」
イズが小傘に河童の居る場所を教えてもらうと妖怪の山の近くの玄武の沢という場所に河童達の住処があるそうだ。
イズは詳しい場所を教えてもらうとすぐに玄武の沢へと出発した。
かなりの距離を歩いて滝の前までやってきた。どうやらこの辺りが玄武の沢のようだ。イズがそこで少し休憩をしていると、水の中から女の子のNPCが出てくる。
「あんた、人間だよね。こんな所に来るなんて物好きだね」
NPCの見た目は外ハネが特徴的な青髪を、赤い珠がいくつも付いた数珠のようなアクセサリーでツーサイドアップにして、緑のキャスケットを被っている。
肩の部分にポケットが付いている水色の上着、そして裾に大量のポケットが付いた濃い青色のスカートを着用している。
靴は長靴のようなものを履いており、胸元には紐で固定された鍵がついている。背中には大きいリュックを背負っている。
「貴方が河童なのね!」
「おお、まぁそうだけど・・・」
「私を弟子にしてください!」
イズは現れたNPCに弟子入りを志願する。NPCは困惑しながら言葉を発する。
「とりあえずお互い自己紹介としようじゃないか。私は『河城にとり』」
「私はイズよ。お願いします!私を弟子にしてください、にとりさん!」
にとりは「弟子は取ってないんだよな〜」と言いながら頭をかく。するとイズの近くに置かれている緑色のリュックに目がいく。にとりも同じ物を背負っている。
「あんた、このリュックどこで手に入れた?」
イズは弟子入りを断られてションボリしながらリュックを入手した時の事を話す。するとにとりは少し笑ってからイズにこう言う。
「よし、分かった。弟子には出来ないが、私の仕事に連れて行ってやる。それを見ながら自分で学ぶんだな」
イズはションボリしていた雰囲気はどこ行ったのかのように機嫌が良くなる。
「ところでどんな仕事なんですか?」
イズがにとりに移動しながら聴くとにとりはこう言った。
「旧地獄の核融合炉の点検さ」
はい、イズさんもやばい事になりそうな雰囲気ですねw