デュエル・マスターズ Call of Creature -神話の喚び声-   作:モノクロらいおん

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 オリ主のタグを付け忘れてて、運営から警告が来てビビった作者です。言い訳ではないですが、デュエマってカードゲームとして見てて、物語としてのデュエマと思って書いてなかったので、正直意識の外でしたね。


シーン2 御舟澪は4×10で匙を投げる

 カードショップへと向かう澪と木葉。デュエマから引退している澪はこの町のカードショップの場所なんて知らないし、デュエマ自体知らない木葉も同様です。なので2人とも、アテもなく町を彷徨うことになってしまったようです。ナビゲートの力が足りませんね。

 そんなこんなで無駄に時間をかけて、繁華街の外れ、路地裏の影の奥にある、やけにちんけな、しかし妙に繁盛しているカードショップを発見し、入店したのでした。

 

「というわけで、色々あったけどカードが買えたわ! いっぱいあるわね」

「金持ちが……流石に店のパック買い占めようとするとは思わなかったぞ」

 

 思い返しても恥ずかしい。そしておぞましいことです。

 カードショップの棚を指して「ここからここまで全部ください!」などと注文する客の対応をさせられた店員には同情するしかありません。

 ただ、カード支払いができない店舗だったので、結局買えたのは現金で購入できる分だけです。

 それでも、傍から見れば目を剥くほどの箱を積み重ねておりますが。

 

「お前、もう少し金の使い方考えたらどうだ?」

「え? 必要経費よ?」

「妹へのマウントが必要経費かよ」

「きちんと支払えるんだからいいじゃない」

「……そうだな」

 

 澪は、ひとまずこの場で木葉の金銭感覚を正すことを諦めました。

 ちょっと補足しますと、木葉の家はかなりの資産家であり、率直に言って、澪の言葉通り、お金持ちの家なのです。

 たくさんの愛情を注がれて育てられたのでしょうが、同時に甘やかされもしたのでしょう。お金の価値、金銭感覚については、かなりずれています。10箱以上のカードパックを購入してケロッとしてる程度にはずれています。

 

「で、ここからどうすればいいの?」

 

 隅のテーブルに着き、木葉は山盛りになった箱から顔を覗かせています。

 

「そもそもお前、どのくらいデュエマについて知ってるんだ?」

「カードゲームってことは分かるわ。2人でやるってのもわかるわ」

「他には?」

「このみちゃんが楽しそうに話すから、楽しい遊びってこともわかるわ!」

「……なんも知らないんだな」

 

 ルールは微塵も知らない。完全完璧な初心者であることを理解した澪。

 人にものを教えるのが得意なわけでもないので、どこから教えたものか、と少し悩んでいます。

 

「まあ、基本は対戦型のゲームだよ。40枚のカードを組み合わせて自分のデッキを組む。そのデッキで対戦するんだ」

「成程。そのデッキで自分らしさとかオリジナリティを出していくのね!」

「環境に上がったデッキなんてアーキタイプ決まってるから、お前が思うほどのオリジナリティは出ないがな。ほんの些末な差しかない……が、その差を楽しむのも一興だ」

「かんきょう? あーきたいぷ?」

「お前には恐らく縁のない話だ」

「そうなの?」

「とりあえずデッキを組むか。無知の状態からデッキを組むのが一番手こずるが、そのへんは俺が教えてやる。とりあえず使いたいカードを決めろ。最初はそこからでいい」

「使いたいカードねぇ……あら、これ可愛いわ!」

 

 カードの山を漁りながら、木葉は1枚のカードを拾い上げます。

 

「《春風妖精ポップル》だって。名前も可愛い! それに春風なんて、親近感を覚えるわね。澪君、私これ使いたいわ!」

「微妙なカード選びやがって……まあいい。そいつを生かしたいなら、とりあえずは自然文明を中心に、マナを伸ばせるクリーチャーっていうのを意識する必要が――」

 

 こうして、澪の指導の下、木葉のデッキ構築がはじまったのでした。

 その際に掛かった、木葉の理解力の乏しさに対する澪の努力については、まことに残念ながら割愛します。尺を取り過ぎてしまうので。

 

「デッキができたわ!」

「見事なまでの4×10の脳死構築の完成だな」

 

 そんなこんなで、木葉は40枚のカードを掻き集め、デッキを作り上げたのでした。

 細かい枚数調整やら色調整などという繊細なテクニックは木葉には通用しないので、面倒くさがった澪はもう10種類4枚ずつでいいか、と木葉の使いたいカードだけをチョイスさせ、半ば匙を投げました。文明も鮮やかな緑一色。ただ澪も久々のデュエマなので感覚が鈍っているのと、最低限まったく使い物にならないカードだけは省かせてはいるということだけは、彼の名誉としてここに記しておきます。

 

「早速対戦しましょう、澪君!」

「まずこのカードの山をどうにかしてからな。いやマジでどうするんだよこれ。俺、カードケースもなにも持ってないぞ」

「さっきそこで売ってたから、買えばいいんじゃない?」

「金は?」

「大丈夫!」

「本当アホだよな、お前」

「……ひょっとして、バカにしてる?」

「してる。気付け馬鹿」

「酷い! 酷いわ澪君!」

「うるさい店で騒ぐな。いいからとっとと買ってこい」

「はーい! 店員さーん!」

 

 ひょこひょこと大きな図体でやたら人懐っこく店員に迫る木葉。

 およそカードショップという独特の場所には似つかわしくない彼女は浮いているが、それを気にせずぐいぐい行くので、なんとも見てて危ういというか、恥ずかしいというか、なんとも言えない気分に苛まれる澪。

 

「……やっぱ乗るんじゃなかったな」

 

 澪は人知れず嘆息します。

 半端な怠慢と、金銭に釣られた自分を呪いたくなる澪だったのでした。




 考えるのが面倒になったらデュエマは4×10になる。
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