デュエル・マスターズ Call of Creature -神話の喚び声- 作:モノクロらいおん
「さぁ! はじめましょうか! 澪君!」
「……おう」
大量のカードをストレージに押し込んで、いざ対戦。
とりあえず先に、木葉に簡単ルールを教える。木葉の頭で理解できるのか不安な澪でしたが、デュエル・マスターズが児童向けホビーであることと、木葉の頭が最低限児童並みにあることが幸いしましたね。ひとまず基本的なルールだけはなんとか覚えさせることに成功しました。
そうしてやや拙いながらも、2人の対戦が始まります。
「えーっと、マナをタップして、手札からマナに置いて……いち、に、さんし……4マナ! 《春風妖精ポップル》を召喚するわ! やっと出せた!」
晴れやかに笑う木葉。使いたいと言っていたカードが出せて、たいそう嬉しそうです。
「で、1ターン待ったから攻撃できるのよね? 《シビレアシダケ》で攻撃よ!」
「シールドだな……トリガーはない」
「これでターン終了よ! 私が一歩リードね!」
謎のドヤ顔。それを冷めた目で見つつ、澪はターンが回りカードを引く。
「まぁ、とりあえず最初はそんなもんでいい。マナを溜めて、クリーチャーを召喚。シールドをブレイクしてとどめを刺す……基本はこれだけだ」
「わかりやすくていいと思うわ。楽しいし!」
「そのうち、リソースの管理やらトリガー考慮やら返しの展開予想やらで頭がパンクするから覚悟しておけ」
と言う澪も、久々のデュエマで、そのあたりの感覚は鈍っていることを感じています。
次にどのような手を打ってくるのか。なにが最善手なのか。いまいち把握しかねることでしょう。
もっとも、それは相手が超初心者で頭もアレな木葉だから、というのもあるのでしょうが。
それに初心者相手に読みもなにもありません。故に澪は、手なりに進めます。
「俺のターン、マナチャージ」
「あ、青色のカード」
澪のマナはここまで黒一色、闇文明だけでしたが、ここではじめて水のカードが見えます。
「お前のデッキは単色だから色事故なんて気にすることはないが、こうやって複数の文明を組み込んでいる場合、マナに置くカードにも気を遣わないといけないんだ。支払ったマナの文明と、使いたいカードの文明が合致しないと、カードは使えないからな」
「へぇ。大変なのね、澪君は」
「お前に言ってんだよ」
まったくである。他人事ではない。
「さて、3マナで《アクア・ソルジャー》を召喚。《飛行男》で《シビレアシダケ》を攻撃だ。お互いにパワーは1000、相打ちでどちらも破壊される」
「あぁ、やられちゃったわ」
「タップしていると、そうやって攻撃の的になる。攻撃する場合は注意しろ」
「はーい」
「それと……《飛行男》の能力発動。破壊された時、相手の手札を1枚、ランダムに捨てさせる」
「手札を? 澪君ってば酷い!」
「そういうゲームだ。とっとと捨てろ。右端」
「えーっと、これね!」
「俺から見て右端だ」
馬鹿に話を合わせるのは大変だな、とぼやきつつ澪はターンエンド。
「よーし、私のターン! 澪君、呪文っていうのは、使ったらすぐに効果があるのよね?」
「そうだな」
「じゃあ4マナで呪文を唱えるわ! 《マドウ・スクラム》! えっと、パワー5000以下のクリーチャーをマナゾーンに……」
「俺の場には《アクア・ソルジャー》だけだな」
「じゃあそれで」
「おう。で、《ポップル》はどうする」
「この子、攻撃せずに能力が使えるのね」
「だな。タップトリガーとかタップスキルとか言うが、まあ名前なんてどうでもいい。攻撃する代わりにタップすれば、マナが増やせる」
「せっかくだし使うわ。タップしてー、マナを1つ増やす、っと」
るんるんと笑顔でマナを増やす木葉。
たかだかマナをひとつ伸ばす程度で、なにを喜ぶことがあるのかと、澪は仏頂面でそれを見ています。
「あははっ。楽しいわね、澪君」
「……そうか」
――人生楽しそうだな、こいつ。
何気もなく、そんなことを思う澪でした。
「さて、俺のターン。ドロー……ん」
引いたカードを見て、澪は一瞬、思案。
短い思考時間で、結論を出した。
「……だらだらやってても仕方ないしな。魔王には程遠いが、こいつ相手ならこれで十分だろ」
マナチャージ。そして、溜まった4マナを倒しました。
たった4マナ。されども4マナ。
切り札とは千差万別。コストの高い重量級の大型クリーチャーが切り札となるのなら。
軽くとも変幻自在、小さくとも万夫不当。
それもまた、真ならざるとはいえども、切り札でしょう。
「魔王将軍様のお出ましだ――《憤怒の猛将ダイダロス》」
ちなみにDMCoCの世界では、カードプールはデュエプレ基準です。