フォーリナー、異世界へ侵攻す   作:策士なすび

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2:襲撃

「申し上げます!」

 

謁見の間に軍団長の声が木霊する。

余程慌てているのだろう、息を切らしており、急いで伝えに来たことが分かる。

 

「お主がそれほど慌てるとは、何があった。述べてみよ。」

 

王が問う

 

「はっ!今朝判明した事ですが、東の都であるリトラルが、何者かの攻撃によって壊滅しており、生存者も僅かであるとのこと!」

 

「何!?」

 

あまりに唐突で信じられない報告による王の驚嘆の声と共に堂内がざわめく。

 

王国では全部で5つの大きな都があり、それぞれ東の都、西の都、北の都、南の都、王都がある。それぞれ注力しているものが異なり、例えば西の都は他の大陸との外交が盛んであり、それによって商業が栄えている。ちなみに、最も人口の多い地域である。そして東の都だが、これは今までの帝国との歴史もあり、軍事設備が多く配置されている地域である。中には、ワイバーンやグリフィンなどの、屈強なモンスターからなる空軍や、地竜や魔道戦車からなる陸軍など、一度戦争となればほとんどの戦場で勝利することが出来るほどの軍隊もあった。しかし、その東の都が壊滅していたのである。()()()()()()()

 

あまりにも異常な事態。こんな事は700年以上続く王国の歴史上でも初めての事だ。

 

「どういう事だ!?帝国が攻めてきたのか!?!」

 

王の声が少し荒くなる。これは仕方がないと言えるだろう。このような状況、どれほど豪胆な人間であろうと、驚き、冷静さを失うに違いない。それでも単に慌てるだけではないのが、彼が王たる所以だろう。

 

「いえ、それが...生存者の話によると、襲ってきたのは人ではなかったようです」

 

「モンスターにやられたというのか?東の都を壊滅させられるようなモンスターは私は知らないが...」

 

「おそらく、新種のモンスターであると思われます。生存者によると、そのモンスターは東の都のどんな建物よりも大きかったと...」

 

「何!?東の都の最も高い建物であれば30ミルはあるぞ!?それほどまでに巨大なモンスターなら、何故接近に気付かない?大きさからして、接近するまでに通信(メッセージ)を行使する程度の時間はあるはずだろう!」

 

「それが...東の都の中心から突如地底より現れたため、通信(メッセージ)を使う間もなかったとの事です。」

 

「地底から現れただと?それでは、今どこに居るかも分からないということか。まさか、もう既に王都の地下に居るかもしれないという事か?」

 

「それは恐らく無いと思われます。巨大なモンスターが現れる少し前から、地鳴りがしていたようです。現在のところ、王都の付近で地鳴りは起こっておりません。」

 

「そうか...」

 

(しかし何故、突然都の中心から出現したんだ?明らかに東の都を狙ったような行動...そのモンスターは使役されていたのだろうか...)

 

「使役されていた、という事はないのか?」

 

「私もそう考え、生存者に問うたのですが、使役したモンスターの額に出る紋が無かったとのことです。」

 

「そのモンスターは東の都からは離れたのか?」

 

「はい。東の都を壊滅させた後、また地底に潜り、東に進んで行ったとの事です。」

 

「分かった。今すぐ東の都に調査隊を向かわせよ。少しでも情報が欲しい。」

 

「はっ!」

 

 

         〜数日後〜

 

 

「失礼いたします!調査隊より、調査報告書を提出しに参りました!」

 

調査隊の指揮官がやって来る。

 

「おぉ!やっとか!入れ。」

 

「はっ!失礼いたします!」

 

ガチャリという音と共に、指揮官が部屋に入り、側近に報告書を渡す。

 

「...して、どうであった。」

 

「はっ!まず、街への被害ですが...ま、街の9割が壊滅、城壁も崩れ、都の中心一帯は...消滅していたとのことです。」

 

読み上げる際に余りの状況に言葉が詰まる。一体どんなモンスターがやってきたのだろうか。そのモンスターは我々で勝てるのだろうか。考えれば考えるほどそのモンスターがより強大に思え、恐怖が募っていく。

 

「そうか...」

 

ここまで来るともはや発すべき言葉も見つからない。

 

「次に、周辺地域の調査結果ですが、モンスターが潜った後と思われる空洞を発見しました。」

 

「...その空洞を調査することはできるか?」

 

危険なことだとは分かっている。空洞内でそのモンスターと鉢合わせれば、確実に命はない。だがそれでも、王国の未来の為に必要なことだ。

 

「了解しました。調査隊を編成し直し、即座に準備を開始します。」

 

「感謝する。」

 

「ありがとうございます。しかし、王や国の為に働くのは当然の事、我らは王の目であり、王の判断の助力をする事しかできません。」

 

「いやいや、お前達は本当に良くやってくれている。」

 

これは本心だ。彼らが居なければ帝国との講和も成立していなかったであろう。帝国の貴族への根回しなどにおいて、彼らほどの功労者は居ない。

 

「...ありがとうございます。」

 

 

数日後、調査隊は全滅する事になる。が、彼らはまだそれを知る由もない。

 

 

──────────────────────────

 

という訳で、第二話でした。

被害に遭っていたのは、村だけでなく、東の都も襲われていたんですねー。

段々とフォーリナーが王国に知られて来ました。

さっさと帝国に調査隊送れば、帝国の状況なんてすぐ分かるんですけどね笑。

ちなみに1ミルは地球の1メートルと大体一緒です。

フォーリナーとの戦闘は次の次くらいになりそうです。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

 

 

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