フォーリナー、異世界へ侵攻す   作:策士なすび

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6:謎

遅くなりました。申し訳ないです。あとフォーリナー出ません。

 

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〜謁見の間〜

 

「帝国が...壊滅していた!?」

 

国王が驚きの声を上げる。それと同時に貴族達にもどよめきが広がっていく。

 

「はっ。使節団の情報によると、建造物が元の形もわからないほどに崩れ去っており、領内に入ったことすらしばらく気づかない程であったようです。」

 

「生存者は...」

 

王が詰まるような声で問う。

 

「まだ完全には調査しきれておりませんが、望みは薄いと思われます...」

 

「そうか...」

 

「分かった。他に何か情報はあるか?少しでも敵の情報が欲しい」

 

王は問いながら思案する。

 

(帝国が攻めて来たわけではないという事は、報告にあった魔導兵器は他国の物ということになる。しかし紫色魔法による魔導兵器は帝国と我が国しか開発に成功していなかった筈。だとしたらどこの兵器なのだ?...他の大陸にも使節を送らねばならないか。)

 

そこまで考えた所で臣下が報告を始める。

 

「はっ。まず帝都周辺の報告ですが、黄色魔法を行使した時のようなクレーターが複数見つかっております。しかしそのどれも黄色の究極魔法を行使したものよりも巨大で百メートル以上もの大きさがあったとのこと。」

 

「究極魔法を超える爆発だと?そんな魔法が存在するのか?」

 

「究極魔法は人間が反動に耐えられる最大限の魔法です。恐らく、人間が行使したのではなく、魔導兵器による物だと思われます。」

 

「究極魔法に耐えられるような素材すらまだ見つかっていないのだぞ。それが黄色魔法という不安定な魔法ならば尚更だ。」

 

「それともう一つ、帝都周辺では巨大モンスターの痕跡は見つからなかったとの事です。」

 

「では東の都を襲ったモンスター達とは無関係の存在が襲撃したのか?」

 

「それも含めて、現在調査を行っています。ただ、黒色のモンスターの痕跡があるため、少なくとも黒色や赤色のモンスターは帝国を襲った勢力と関係が有ると思われます。」

 

「現在のところ報告すべき事柄は以上です。引き続き調査を行います。」

 

「分かった。調査隊の人員も増やそう。健闘を祈る。」

 

「はっ!」

 

 

〜王の自室〜

 

「一体何が起こっているのだ!」

 

王の自室に怒号が響く。

 

怒りの矛先は現状何も分からない事と、何も分からない自分へ向かっている。

 

(まず例の魔導兵器だ。紫色魔法を用いた魔導兵器で技術的には帝国や我が国を上回っていただと!?そんな兵器聞いた事もない!そして帝国の壊滅...。幾ら進んだ技術を持っているとしても、生存者や難民を一切出さないというのはあまりに不自然だ。それほどまでに短時間に滅ぼされたというのか?それに究極魔法の規模を超えるクレーター。あぁ、本当に訳が分からん!)

 

「だが...」

 

「一先ずは、国を守る手立てを考えねばならん。会議を開かねばな。」

 

〜数時間後〜

 

「これより、モンスターおよび敵性勢力への対策に関する会議を始めます。」

 

議長の宣言により、会議が始められる。

 

「まず考えなくてはならないのは、敵性勢力の正体、そして次の襲撃場所です。」

 

「正体は他の大陸の巨大国家しかないだろう。それも、王国と帝国に並ぶ国など片手で数えられるほど少ない。見当を付けるのは簡単だと思うが。」

 

議長の出した議題に対して大貴族の1人が発言する。他の貴族も殆どがそれに賛成しているようだ。

 

「既に他の国家には使節を送っている。丁度、物資が運ばれて来なくなった国家があるからな。」

 

王自身もそれに賛同している。

 

「それでは、一先ず敵性勢力の仮の正体として他の大陸の巨大国家、ギール公国と決定す...」

 

「お待ちを」

 

議長が意見をまとめようとした時、1人の若い貴族が声を上げた。

 

「私の意見としては、敵性勢力は天上の国ではないかと考えます。」

 

「は?」

 

一同がその余りにも突拍子が無く、意味不明な発言に困惑する。

 

「何を言い出すかと思ったら、天上の国だと?ここは会議室だ!神の話をするならば教会へ行け!」

 

大貴族が怒号を浴びせる。自分の意見を弱小の若い貴族から否定された事に苛立ちを覚えたのだろう。しかし若い貴族は怯む事なく、

 

「いえ、神ではありません。天上の国です。」

 

「何が違うというのだ!」

 

「皆様は聞いたことが有りませんか?この空の上には、星々が浮かぶ広大な空間があるという話を。私はその星々の中の一つの国が攻めて来たのではないかと言っているんです。」

 

「そんな事が有り得るわけないだろう!不確定な情報を会議に持ち込むな!」

 

「ギール公国が敵だという事も不確定事項でしょう。」

 

「2人とも落ち着きなさい!」

 

ヒートアップしていく2人の議論を議長が静止する。

 

「これはあくまでも仮決定です。最も確率の高い国家がギール公国というだけであって、確実とは言えません。その辺りを誤解無きよう。」

 

「えー続いて、次の襲撃場所ですが...」

 

「南の都だと思われる。」

 

先程とはまた別の大貴族が発言する。

 

「南の都?王都への道が開いているのに、わざわざなぜ南の都を襲うのだ?」

 

「これはあくまで敵がギール公国だとした場合だ。大陸の南西に位置するギール公国からすれば、最も近くにあり敵の生産力の殆どを担う南の都とその周辺を襲うのが普通だろう。」

 

「西の都という事はないのか?」

 

「王国の貿易収入は公国が多くを占めている。わざわざルートを絶たなくても、公国が敵ならば貿易を止めるだけで西の都には大きなダメージが入る。」

 

「なるほど。」

 

「少なくとも、南の都が狙われる確率は高いだろう。王都の警備を薄くする事は出来ないが。」

 

「では北の警備を南に送ろう。それならば問題はあるまい。」

 

「では次に襲撃される可能性が高いのは南の都とし、北の都の警備の一部を南に回す事とする。よろしいですね。王よ。」

 

議長が会議をまとめる。

 

「うむ。そうしてくれ。」

 

会議が終了し、王がまず会議室から出る。

 

〜王side〜

 

自室に戻り今回の会議を振り返る。

 

(私もギール公国以外無いと思っていたが、まさかあのような意見が出るとはな。あの場で言えるはずもないが、正直興味がある。)

 

()()()()か...」

 

王の呟きは虚空へと消え去る。

 

「またやる事が増えそうだ。」

 

王は小さなため息を吐き、一時の休息を取る。

 

その時、人が見ることの出来る空の遥か彼方、天上で何かが動き始めていた。

 

 

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取り敢えず今回は終わりです。

帝都が滅んでいる事がバレてしまいましたね。

クレーターを作ったのはアイツです。作中では威力分かりにくいですけど、街を1つ消滅させる程の威力があるそうです。

正直クレーターがどのくらいの威力ならどのくらいの大きさのものが出来るのかあんまり理解していません。変なとこあれば言ってください。

次回は割と巨大なやつが出て来ます。お楽しみに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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