この先、ネタバレ注意となっております
(最低でも識ルート後、可能なら全ルートクリア推奨。あと、公式の蒼SSを読んで頂けると細かい描写が分かってもらえるかも?)
もし、そうでない方がいらっしゃいましたら、ここでブラウザバックをお勧めします。
(Special Thanks :エマさん)
誤字、脱字等でコメントありがとうございました♪
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(Special Thanks :エマさん)
誤字、脱字等でコメントありがとうございました♪
……雨の音が聞こえる。
……波の音が聞こえる。
うっすらとした意識の中で、僕は自分の身に起きたことを考えていた。僕はあの時津波に飲まれた……。
本当ならあの時死んでいた、はずだ。でも、現に僕は今こうして生きている。それはきっと
「羽依、里くん……」
大好きな人の名前を口にする。僕の胸がほんのりと熱を帯びる。
どういうカラクリかはわからない。ただ、あの時、羽依里くんは確かに僕の名前を呼び、僕を抱きしめてくれた。
(……まったく君ってやつは)
軽く悪態をついたりしてみるが体はまったく動かない。少しでも気を抜けば意識を失いそうになる。
ふと、遠くから僕を呼ぶ声が聞こえてきた。
「……き」
「……し、き」
「識っ!!」
(あぁ、空門と鳴瀬か……)
2人の声だと認識してまもなく、気が緩んでしまった僕はそこで意識を手放した。
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「ん……」
次に目を覚ました時、僕は見覚えのある場所で寝かされていた。
全身がひどくだるい。僕は状況を確認しようと体を起こそうとする。
「ここ、は……」
「まだ起きない方がいいよ」
(えっ……)
声がする方に顔を向けると鳴瀬と空門、僕の幼なじみ達が心配そうな顔で僕を見ていた。
どうやらここは鳴瀬の家の中らしい。
「ありがとう、君達が僕を介抱してくれたんだね。でも、島の人達はどうしたんだい?君達には避難誘導をお願いしてたはずだけど……」
「島民の避難誘導はすぐ終わったわ。アンタがあんなに派手に動いてくれたおかげ。ただ……ね」
歯切れの悪い空門の代わりに鳴瀬が口を開く。
「……あなたが死んだ未来が視えた。だから私達は急いで駆けつけてきたの」
そこで僕はようやく2人が震えてることに気づく。
「……僕が死んだ?」
「そう、本当ならあなたは死んでいた…んーん、それだけじゃない。私の見た未来では津波の犠牲者が出ていてもおかしくなかった。あなたに津波のことを伝えてから、私の未来視に雲がかかるようになった」
「教えて識……あなたは一体何をしたの?」
2人には僕が過去を改変していることは黙っていようと思っていた。僕が話すことで未来が変わることが怖かったから。今のこの状況が変わってしまうことは避けなければいけなかったから。ただ、鳴瀬の反応を見る限り、もう隠し通せないと僕は判断する。
「……わかった、全部話すよ」
そうして、僕は力の入らない体に鞭を打って僕が体験したことを全部話した。神隠しにあったこと、150年もの間不思議な空間にいたこと、ある日突然外に出られたこと、僕が行動するたびに古文書に記された過去が変わったこと。
そして……僕の大事な人のことを。
「そんなことが……」
信じられないといった表情の空門とは対照的に、鳴瀬はどこか納得のいった表情を浮かべていた。
鳴瀬は最初に躊躇いを見せたものの、意を決し語り始めた。
「そう……それなら私の未来視が不明瞭だったのも納得ができる。そして、この先の未来のことも」
そこで、鳴瀬は自分を落ち着かせようと呼吸を整える。
「本当はこんなこと認めたくない。でも、いつの未来を視てもそこにあなたがいないのよ識……」
(……なんだって?)
一瞬、鳴瀬が何を言ってるのか理解できなかった。
急にその場の空気が冷たくなった気がする。
身体の震えが止まらない。
鳴瀬は予見している。僕がもう長くないことを。今まで未来視が不明瞭だった理由が僕にあり、僕がいなくなることで未来が固定されるということを。
このまま生きられるかもしれない。そんな希望が失われ、僕は天を仰いだ。
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どれくらい時間が経っただろう。
いや、実際にはたいした時間は経っていないかもしれない。
ただ、僕にはこの瞬間が無限に続く闇のように感じられた。
そんな中、ふと空門に抱きしめられる。
「ばか……」
なんで抱きしめられてるかわからない。
ただ、理由を聞こうにも声がでなかった。
「なん、で……」
「……だって、アンタ泣いてるじゃない」
「あ……」
僕は泣いていた。空門と鳴瀬も泣いていた。
おかしいな。涙なんて過去に戻ってきた時に枯らしてきたつもりだったのに。もう泣かないって決めたのに。僕は涙を拭おうと腕を動かそうとして
……カラン
何かに触れた。
(あ……)
「……ハマグリの御守り」
それは僕の命よりも大切なもの。僕と羽依里くんを繋ぐたったひとつのもの。
これがあったから僕は頑張れた。それなのに、泣きつきたいはずの羽依里くんはもういない。
「う……うぁ……あ……あああっ」
「あああああぁぁぁぁぁっーーー!!」
身体のどこにそんな力が残っているのかというくらい僕は泣いた。
-----------------------------------------------------------------
「っく……ひっ……ひっく……ぐすっ」
「……少しは落ち着いた?」
空門が僕の背中をさすりながら優しく声をかけてくれる。
「……うん」
「ほら、これ大切なものなんでしょ?なら大事にもってなきゃ」
そういって空門はハマグリを僕の手に持たせてくれる。
「……うん」
「彼に会いたい?」
「会いたい」
なんでそんなことを空門が聞いてくるのかわからなかったけれど、僕は素直に質問に答えた。
だって、僕は羽依里くんに会いたくて仕方なかったから。
「そっか、じゃあ会わせてあげる」
そう言って空門は僕に微笑みかける。
「……へ?」
驚きのあまり変な声がでた。
空門は何を言ってるんだろう。いよいよわけがわからない。
僕達のやりとりを見ていた鳴瀬が苦笑いをしながら僕に空門が言ってる言葉の意味を説明してくれる。
「えっとね、あなたが目を覚ますまでの間に空門と話してたんだけど、あなたに何か恩返しできないかって。あなたは島を救った恩人だし、なにより私達の大事な友人だから」
「まず私の方だけど、直接何かって言うのは無理そうだから、鳴瀬家として神山神社を守り続けようと思ってる……海賊行為を行った神山家は神職を追われることになるだろうから」
鳴瀬のいうことは正しい。
海賊行為を行ったものが許されることは決してない。
たとえ、そこにどんな理由があったとしても。
それに、僕が死ねば神山の家を継ぐ人間がいないのは当たり前のことだった。
空門が鳴瀬に続く。
「私の方はさっき言ったとおりよ。アンタをその羽依里って男の子に会わせてあげる。
もちろん今すぐってわけにはいかないけれどね」
「今でこそ空門家は過去を識る一族なんて言われてるけど、空門の始まりはイタコなのよ。七影蝶に残る残滓を残された人々に伝えるうちに、ご先祖様が七影蝶を還すなんて役割を担ってしまったけれど、人の想いを伝えるのが本来のお役目ってこと」
「えっと、わかるようなわからないような…つまりどういうことだい?」
「端的にいうと七影蝶となったアンタを羽依里に会わせる」
「いやいや、そんなこと可能なのかい?」
「そもそも危険だから蝶に触れるのはやめるって言ってたじゃないか…
僕を探すってことは、つまり蝶に触れるってことじゃないのかい?」
あまりにも突飛した話に僕は空門を質問攻めにする。
「……そうね」
「実際、蝶に触れすぎることで眠りから覚めなくなった人もいる。近年、空門であるにも関わらず七影蝶が見えないという例も報告されるようになった。だから、本来なら禁止すべきことよ」
「でもね、アンタの想いを叶えてあげたい。そう思っちゃったんだから……仕方ないじゃない」
(あぁ、僕はなんて幸せ者なんだろう……)
僕の幼なじみ達は僕のためにこんなにも一生懸命になって何かをしようとしてくれている。その気持ちが何よりも嬉しくて、僕は満たされた気持ちでいっぱいになる。
「ありがとう2人とも…申し訳ないけどよろしく頼むよ……」
頷く2人を見て僕は大きく息を吐いた。
「……少し疲れた、かな」
「少し眠る?」
「……うん」
それを聞いた二人は僕を一人にしてくれる。
部屋が急に静かになった。
自分が長くないことを知らされた時は随分取り乱してしまったけれど、鳴瀬が神社を守り続けてくれて、空門が僕を導いてくれるならきっと大丈夫。だって二人が僕に嘘をついたことなんて今まで一度もないんだから。
ふと手の中のハマグリを見る。
ー羽依里くん、僕、キミとの約束を守ったよ
ー頑張ったんだ
ーでも、礼を言うのは僕の方かな
ーキミの言葉が僕を支えてくれた
ーキミの温もりが僕を支えてくれた
ーずっとキミが僕を支えてくれたんだ
ーそして最後の最後に、僕と手を結んでくれた
ー僕に触れたんだ
ーだから
ー今はキミが鬼だぜ
ー頑張って僕を捕まえておくれよ
意識が遠くなるのを感じる。
でも、悲しいことは何もない。だって羽依里くんにまた会えるんだから。あぁ、でも、捕まえてくれた時の願い事なんてあったっけ……。
「んへへ、待ってるぜ羽依里く、ん……」
そして僕は深い眠りへと落ちていった。
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『鬼の話を聞いて回ろう』
俺はその言葉通り、島の人達に鬼の話を聞いて回ることにした。
夏休みはもうすぐ終わり。そうしたら地元に帰らないといけない。
そんな焦りを覚えつつ、すぐに行動に移す。
「あの、ちょっとお聞きしたいことがあるんですが……」
「なんだい?」
「この島に鬼に関わるお話って何かあったりしませんか?ちょっと伝承について調べているんですが」
「あぁ、鬼姫のことかい?この島の人間なら誰でも知ってるよ。なんたって鬼姫はこの島を救ったんだから」
どんな些細なことでもいい。
鬼姫のことを、識のことを知りたい。
俺は思いつく限りの質問を重ねていく。
「……ありがとうございました」
そんなやりとりを繰り返す。
……何回も何回も。
この島に恐ろしい海賊鬼姫なんて存在しない、存在するのは心優しい鬼姫こと神山識という少女がいたという話ばかりだった。
「あいつ、本当にこの島を救ったんだな……」
そんな言葉を呟きながら、俺は焦りが増していくのを感じていた。
どれだけ聞いても鬼姫のことを深く知る人間がいない。
既に日も傾いてきている。この島には街灯が少なく、夜になると島の人間は家に入ってしまうため、夜になってしまうと聞きこみができなくなってしまう。
「……どうしたもんかな」
一日中歩き回って疲れた俺は、海岸に腰をおろし途方に暮れていた。
それと同時に思い出すのは夏鳥の儀の日に識が消えたこと(もっとも正しくは識以外の人間が消えていたわけだが)
島の人間が消えていた2日間、あいつはどれだけ寂しかっただろう。
どれだけ自分の気の迷いを悔いただろう。
それでもあいつは頑張ってくれたんだよな。
ここで諦めるわけにはいかない。
自らを奮い立たせ立ち上がる。
すると
「「おーい、モテない兄ちゃん(お兄さん)どうしたのー?」」
「……え」
ふと背後から聞き慣れた声が聞こえてくる。
俺が驚いて後ろを振り向くと子ども達が立っていて、子ども達は自分達が発した言葉に驚いていた。
「ご、ごめんなさい、なんで俺知らない人に失礼なこと言ったんだろ」
それを見た俺はふと思う。
あぁ、うみちゃんの時もそうだったけど、完全にあいつがいなくなったわけではないんだな……。
……確かめてみるか。
「別に怒ってないよ。ところでさ、鬼ごっこしないか?」
「んー、ちょうど遊び相手探してたし別にいいけど。みんなもそれでいいか?」
「いいよー」
「ありがとう。じゃ、最初は言い出しっぺの俺が鬼になるよ」
こうして子ども達にとっては初対面同士の、俺にとっては何度目かの鬼ごっこが始まった。
俺の方はというと当然、全員の癖やスピードは把握している。
1人目、2人目……難なく子ども達を捕まえていく。
「くっそ、この兄ちゃんはえー!!」
「でも、この兄ちゃんならまだなんとかなる気がする」
「よし、こうなったらアレやるぞ!!」
そして、全員が一斉に叫び始めた。
『うっきょおおおおお!!』
(……マジか)
予想はしていたし、期待もしていた。
あいつに懐いてたこの子達なら識のことが色濃く残っているかもしれないと。ただ、ここまで目論見どおりになるとは思っていなかったけど。
これなら識に届くかもしれない。
俺は子ども達とひとしきり遊んだ後、軽く挨拶を済ませ別れた。
「……今日はもう終わりかな」
既に日は落ちている。
これ以上の聞きこみを諦め、家路を急ごうと回れ右したところで人影が山の中に入っていくのが見えた。
(蒼……?)
祭事の期間中、島の人間が山に入ることは禁止されていると蒼が言っていた。
つまり、今の時期に山に入る人間は蒼以外ありえない。
ありえないはずなんだが、さっきの人影はどうも蒼とは違うような気がする。
(……追いかけるか?)
「いや、今気にするべきことはそこじゃないだろ鷹原羽依里。
それに、蒼から山に入るなと言われていたはずだ」
確かあいつには七影蝶のことでこっぴどく怒られたっけ。そんなことをふと思い出す。
そういえば駄菓子屋で俺と蒼と識の3人でいたとき、鬼について知っているかと蒼に尋ねたこともあったな。識がいなくなった今なら、あいつの返答も変わっているかもしれない。駄菓子屋はもう閉まっているし、明日改めて駄菓子屋で聞いた方がいいかもしれない。
「……帰るか」
人影が誰なのか確かめたい気持ちを抑え、今度こそ家路を急ぐ。
家に到着する頃には人影のことは忘れてしまっていた。
-----------------------------------------------------------------
ー山道ー
「あー……なんでこんな急に思い出すのよ……」
そんなことを呟きながら、私は吊り灯籠を片手に山道を練り歩きながらある蝶を探していた。
なんで、こんなことになってるかというと思い出したからだ。
空門家に伝わる蝶のことを、空門家のもうひとつのお役目のことを。
思い出すといえば、少し前にも同じようなことがあった。
あれは、羽依里が夜の山に入ってきた時のことだ。
私は羽依里がこの島に来るまで神山家の存在を完全に忘れていた。
それなのに、唐突に思い出した。
鬼の一族である神山家のことを。
「そういや、羽依里はなんで山に入ってきたんだっけ……」
空門の一族は基本的に物覚えがいい。物忘れは滅多にしないはずが、羽依里が来てからというもの物忘れが激しくなった気がする。
「何かやってるとしたら羽依里……よね」
羽依里が鬼の伝承について島中を聞いて回ってることは私の耳にも届いていた。ただ、私の記憶では以前にも似たことがあった。そして誰かと一緒にいた、そんな気がする。
考えことをしながら歩いていると、隣を歩いていたイナリが唐突に鳴いた。
「ポーン!」
つい考え事に集中してしまっていたらしい。
気づいた時には空門の神域に到着していた。
念のためにイナリに確認する。
「いるのね?」
「ポン♪」
イナリには蝶がいたら早めに教えてくれるように頼んでおいた。
言い伝えによると、私が探している蝶は小さくて、とにかく動きが早い。そして、吊り灯籠には絶対に寄ってこないという空門家泣かせの性質を持っているらしい。
目視による確認ができる位置まで距離を詰める。
(いた……)
御神木の周りをふわふわと飛んでいるのが見える。
小さいが今まで見たどんな蝶よりも眩しい光を放っていた。
吊り灯籠にも寄ってくる気配はないことを確認し、目の前の蝶が自分の探している蝶であると確信する。
(言い伝えどおりなら追いかけっこになってしまう。その前に決めないと)
イナリに目配せして御神木の反対側に回り込むように指示を出す。
そっとイナリが反対側に向かうのを確認し、私はさらに距離を詰めていく。
(あと、もう少し……)
運動にはそこそこ自信があるが、空門の言い伝えだと誰も蝶に追いつけなかったとされている。私は蝶に気を取られるあまり足元が疎かになっていた。
……パキッ
(しまった)
私はうっかり小枝を踏んでしまったことを後悔した。
蝶に逃げられる。
そう覚悟を決めていたが
(……逃げない?)
驚いたことに蝶は逃げなかった。
それはまるで私を待っていたかのように。
そこから動かず御神木の周りをふわふわと飛んでいる。
(……どういうこと?)
私は試しに右手を差し出してみる。
すると蝶はこちらに寄ってきて私の指に……触れた。
「っ……」
記憶が流れ込んでくる。
ーそれは少女の記憶だった。
自分のせいで島民を死なせてしまったという悲しみ。
全ての人を助けたいという強い想い。
どんな残酷な未来が待っていたとしてもくじけない心。
そんな少女の最後に残された想い。
それは
「羽依里……く、ん」
涙が頬を伝う。
愛する人に会いたいと、ただそれだけを少女は願っていた。
私は目を静かに開ける。
「そう……アンタだったのね」
私は思い出していた。
神山識と過ごした日々を。
私は識った。
過去に起きた鳥白島の出来事を。
そして……神山識の願いを。
目の前を飛んでいる小さな七影蝶を、私は眺める。
「……もう少し待ってて、羽依里を連れてくるから」
そういって私は蝶に微笑みかける。
小さな蝶は、頷くように羽を動かしていた。
-----------------------------------------------------------------
「……ん」
翌朝、俺はなかなか起きることができなかった。
昨日の疲れからか熟睡してしまったようだ。
見れば時計は8時をまわっている。
鏡子さんに挨拶しようと居間に顔を出すが鏡子さんの姿はなく、代わりにテーブルに書き置きが置かれていた。
『今日は島の寄合があるので適当に食べてね 鏡子』
どうやら鏡子さんは朝からでかけているらしい。
そういや、うみちゃんはどうしたんだろう?
昨日の朝から見ていない、どこにもいないところを見るともう帰ってしまったのだろうか。
ピンポーン……。
玄関のチャイムが鳴る。
(……こんな時間に誰だ?)
食べかけのカップうどんをそのままにして玄関に向かう。
玄関に現れたのは、蒼だった。
「おはよう羽依里。ごめんね朝早くに」
「おはよう、別に早朝ってわけでもないしこっちは大丈夫だけど。何か急用か?」
「そんなところ。で、非常に申し訳ないんだけど、今から私バイトでさ……この後すぐ行かなきゃいけないんだけど」
そういって、蒼はバツの悪そうな表情を浮かべたのも束の間、その表情にすぐに真剣なものに変わる。
「アンタに大事な話がある。夜、ちょっと時間貰える?」
「特に予定はないから大丈夫。また来てもらうのも悪いし、バイトが終わる頃に駄菓子屋に行けばいいか?」
「そうしてもらえると助かる。じゃ、私いくわね」
そう言って蒼は早々と去って行った。
しかし、大事な話ってなんだろう。心当たりがないのでやや不安になるが、考えたところで答えがでないことは明白だった。
「……今は鬼の伝承の聞き込みに専念するか」
蒼のバイトが終わるまでの間、俺は鬼の伝承についての聞き込みを続けることにした。
-----------------------------------------------------------------
「……ありがとうございました」
島の人にお礼を言って別れる。
昨日の子ども達の反応から、今日も何か収穫があると期待したが
「今日は収穫なし……か。おっと、そろそろ時間だな」
蒼のバイトが終わるのはそろそろのはずだ。
一度家に帰る余裕はなさそうなので、そのまま駄菓子屋に向かうことにする。
場所が駄菓子屋に近いこともあり、いくらも歩かないうちに駄菓子屋に到着した。
(蒼いるかな?)
店内を覗き込むと掃き掃除をしている蒼を発見する。
向こうもこちらに気づいたらしく、もう少し待ってての合図を送ってくる。俺は頷いて店の外のベンチで待つことにした。
待つこと数分。
蒼が店内から出てくる。
「おまたせ。じゃあ、行きましょうか」
「え?どこに行くんだ?」
「後で説明する。とりあえずついてきて」
蒼が山に向かって歩き始めたので俺も遅れないようについていく。
それから暫く黙々と歩き続けた。
そんな中、ふと蒼が俺を静止する。
「止まって」
「……おかしい。この時期に島民が山に入ることは禁止してるはずなのに」
そういって蒼は地面に視線を移す。
見れば、山へと続く道に足跡っぽいものが残されていた。
「獣の足跡ではないわね。これは……子どもかしら?」
蒼の言うとおり、その足跡は大人にしては小さいように見える。
「蒼どうする?もし小さい子だったら保護した方がいいんじゃないか?」
「そうね……でもその心配はなさそう。見て」
蒼が山の入り口を少し進んだところを指さす。足跡は山の入り口を少し進んだところで途切れていた。
「恐らく引き返したのね。このルートは私も普段使わないし、中に人が入れば草木が荒れるからすぐわかるはず」
それを聞いた俺は胸を撫で下ろす。
(……良かった)
「ところでさ、そろそろどこに向かうのか教えてくれないか?」
「あ…ごめんなさい。そういえばアンタを連れ出した理由を話してなかったわね。誰に聞かれてるか分からないから山に入ってからでもいい?」
俺が頷くを確認し、蒼は山の中へと入っていく。
山道を進む途中、昨日体験したことについて話してくれた。
空門家の成り立ち、神山識が現世に現れ過去の改変をしていたこと。
そして、識が俺に会いたいと願っていることを識ったと。
(識……)
泣きそうだった。
やっと識のことを覚えている人に会えたから。
識が俺に会いたいと願っていると分かったから。
「…………大丈夫?」
蒼が心配そうに尋ねてくる。
「……ごめん、大丈夫」
「そう……。話の続きだけど、アンタを連れてきたのは神山識の七影蝶に会わせるため。
私達が向かってるのは空門の神域。前にアンタが神山識を探してた時に連れて行った場所よ」
そこに識がいる。
でも、識の記憶に触れてその後どうする……彼女はもうこの世に存在しない、そんな彼女に俺は何を望めばいい?
考えがまとまらないまま、その後は特に会話もなく黙々と山道を進む。
30分程歩いただろうか。
蒼が目的地に着いたことを教えてくれた。
「今からアンタに識の七影蝶に触れてもらう。私とイナリが反対側からサポートするから、アンタは意地でも触れること。分かった?」
「分かった」
俺が頷くのを見て蒼とイナリが御神木を回り込むように移動を開始、暫くして、こちらも御神木をはっきりと目視できる位置まで移動する。
小さくて眩しい光を放つ蝶がふわふわと飛んでいた。
(あの蝶が識なのか……?)
そんなことを思いながら俺はハマグリの御守りを握りしめる。
ここで、俺はあることを思い出す。
(今って俺が鬼なんだよな。つまり……)
……蝶がこちらに向きを変える。
一瞬の沈黙のあと、蝶はすごい速さで飛び始めた。
まるで、鬼の俺から逃げるように。
それは俺と識の鬼ごっこだった。
「ま、当然逃げるよな!!」
なんとなく予想してた俺は間髪入れず全速力で追いかける体制にはいることができた。一方の蒼はというと
「ちょ……アンタ、どういうことか説明しなさいよおぉぉぉぉぉ!!」
かなりテンパっていた。
ごめん蒼……と心の中で謝りながら識を全力で追いかける。
俺達の長い鬼ごっこが始まった。
-----------------------------------------------------------------
「あいつあんなに早かったっけ……」
「……ちょっと早すぎ……何……アレ……」
俺達は揃いも揃ってグッタリしていた。
俺、蒼、イナリの2人+1匹がかりでも識を捕まえることができず、こちらは疲労が色濃く出ているのに対し、識は当然ながら疲れてる様子はない。
休んでは追いかけるを繰り返すこと数回。
このまま、永遠に続くと思われた鬼ごっこだが、あっけなく終わりを迎えることになる。走っている途中、俺が落としたおむすびに識が反応したのか速度が急速に落ちたのだ。
識の速度が落ちたのを確認した俺は間髪入れず全速力で距離を詰める。
「つかまえた!!」
俺の指が識にふれた瞬間、識の記憶が流れ込んでくる。
おもわずハマグリを握りしめていた。
-----------------------------------------------------------------
気づいた時、そこは目覚えのある白の花畑だった。
(……ここは)
忘れもしない。
ここは識を過去に送り出した場所だ。
見渡すとたくさんの蝶が飛んでいる。
俺はすぐに識の姿を探し始める。
ほどなくして御神木の近くに識の姿を見つけることができた。
識もこちらに気付いてるらしく、ゆっくりこちらに……いや、全力でこちらに走ってきていた。
「……識止まれ!! このままだと……うわっ」
勢い余って識に押し倒される形になる。
「……いてて」
下が花畑で良かったと安堵しながら俺は胸の中の識を見る。
識は声を押し殺しながら泣いていた。
……ずっと我慢してきたんだよな。
そんなことを思いながら俺は識に優しく言葉をかける。
「……識、もう我慢しなくていいんだ。俺はここにいるから。もう大丈夫だから」
「はい、り……くん……僕、は……」
「大丈夫だから」
もう一度そう言って識の背中を優しくさする。
「寂しかった……ずっと羽依里くんに会いたいって想いだけで頑張ってきたけど、本当にまた会えるのかなって不安だったよ……。うあああああぁぁぁぁぁっーーー!!」
声を上げて泣き始めた識を見て俺も我慢しきれなくなり目から涙がこぼれる。
「……もう絶対に離さない。だから、どこにもいかないでくれ」
俺と識は暫くの間抱き合っていた。
-----------------------------------------------------------------
それから俺と識は長い時を一緒に過ごした。
鬼ごっこをしたり、二人で寝っ転がってお互いの知らないことをいっぱい話した。
時には喧嘩もしたけどすぐに仲直りする。
幸せだった。
でも、そんな時間が永遠には続かないことを俺は識っている。
識がそうだったように、俺にもやらなければいけないことがあるから。
いつまでも逃げてちゃダメなんだ。でも……帰りたくない。
やっとまた会えたのに……。
「っ……」
危うく識の前で泣きそうになる。
「ねぇ、羽依里くん。僕を捕まえた時の願い事は決まったかい?」
唐突に識が俺に質問を投げかけてくる。
「……どうしてそんなことを聞くんだよ。ここでずっと一緒にいればいいじゃないか」
「僕だってそうしたいさ。でも君にも帰らなきゃいけない理由がある。違うかい?」
「それ、は……」
俺はそこで何も言えなくなってしまう。
認めてしまえば帰らなければいけない。
識とももう、会えない。
「いや、だ……」
俺にはその一言を振り絞るだけで精一杯だった。
そんな俺を識はギュッと抱きしめてくれる。
「……相変わらずだなぁ君も。でも、今回の羽依里くんの願い事だけは絶対に叶えてみせるから。だから、何でも言って欲しいんだ」
「何でも……いいんだな?」
俺の言葉に識は力強く頷く。
あぁ……、俺は無茶苦茶なことを言おうとしている。
こんなこと叶うわけないのに、言ったところで識を困らせるだけなのに……。
「識と一緒に生きて……いきたい」
言った。
叶うはずもない願いを。
さぞ困っているだろうと識をみる。
(え……)
識は笑っていた。
「おいおい、そんなに怯えた目で僕をみないでくれ。僕だって嬉しいんだぜ?君にそこまで想われていることが、さ」
「今度は僕が鬼で羽依里君を追いかける番、だから……」
すっと識が手を差し伸べてくる。
ここから一緒に歩いて行こうと。
俺は識の手をとり、2人で一緒に未来に向かって歩き始める。
ほどなくして目の前が白く染まり始める。
(クソッ……もう終わりなのかよ……)
「識っ!! 俺はいつまでも識のこと───」
俺の言葉はそこで途切れた。
-----------------------------------------------------------------
……虫の音が聞こえる。
周りと異なる時間の流れる場所。
俺は空門の神域に戻ってきていた。
「……羽依里っ!!」
蒼が息を切らしながらこちらに走ってくる。
「アンタどこにいってたのよ。蝶に触れたと思ったら体ごといなくなって……すごく心配してたんだから」
「……ごめん、識に会ってたんだ」
「そう……会えたなら良かったわ。でも、体ごと消えるなんてね。私でさえたった一度もそんなことなかったのに」
「あぁ、もしかしたら俺がこれを持っていたせいかもしれない」
そういって俺は手の中にあるハマグリを蒼に見せようとして異変に気づく。
「……ハマグリが……片方無くなってる」
手の中のハマグリは貝合わせの状態ではなく、識のハマグリが欠けた状態になっていた。
識は貝合わせを縁結びだと言っていた。
だとしたら俺はもう識に会えない、そういうことなのか……?
いや、そんなはずはない、そんなはずは……。
「……羽依里?」
蒼に声をかけられて我に帰る。
とりあえず、その場を取り繕わなければ……。
「いや、なんでもないよ。俺の気のせいだったみたいだ」
「……それならいいけど。もし何かあるなら何でも話しなさいよ?」
「ありがとう。本当に大丈夫だから」
そういって俺は話を切り上げるが2人の間に変な沈黙が流れる。
何か話さなければ……。
どう切り出していいものか考えていると
「ちょっと疲れちゃったし私帰ろうかな。羽依里はどうする?」
そう言って蒼は大袈裟に体を伸ばす仕草をする。
俺の気持ちを察したのか、蒼は自然な流れでフォローをしてくれたらしい。心の中で俺は蒼に感謝する。
「俺も疲れたし帰るよ」
「りょーかい」
(蒼っていいやつだよな……)
いや、蒼だけじゃない。
この島の人間は皆いい人達ばかりだ。
識が守った人達。
俺もこの島の一員になりたい。
次の夏も俺はここに帰ってこようと心に誓う。
「イナリ、帰り道の案内よろしくね」
「ポンポーン!」
蒼の合図で俺たちは山を降りていく。
こうして俺達の長い1日が終わった。
-----------------------------------------------------------------
翌日、昨日よりも遅い時間に目が覚めた。
カレンダーを見る。
俺がこの島に滞在できるのは今日も含めて残り僅かしかない。
カップうどんを一気に食べ、蔵にいる鏡子さんに挨拶を済ませた後、俺はおむすびを持ってすぐに聞き込みにでかけることにする。
聞き込みをする合間に昨日の出来事を思い出す。
幸せな時間
識との約束
消えたハマグリ
特に気になるのは消えたハマグリのこと。
貝合わせの状態がベストなんじゃないのか?
必死に考えるものの、全然ピンとこなかった。
「ダメだ……全然わからん」
ただでさえ暑い季節。
その上、考え事なんてあまりするタイプでもない。
俺は簡単に白旗を上げてしまう。
どこか涼しい場所なんてあったかな……。
そんなことを考えていると、ふと鳴瀬神社を思い出す。
そういえば、加藤家で寝泊まりするようになるまで識はあそこで野宿してたんだっけか。もしかしたら案外涼しいのかもしれない。
(行ってみるか)
特に行くあてもないので俺は鳴瀬神社に行ってみることにした。
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鳴瀬神社には前に識と来たことがあったので迷うことなく来ることができた。入り口まできたところで俺は神社の参拝方法を思い出す。
「えっと、まずは右側から入るんだっけ……、そのあとは手水舎で手と口を清めて、3礼3拍1礼っと」
識と一緒に参拝した時のことを思い出しながら手を合わせて願いごとをする。
(……識と再会できますように)
願いごとを終え手の中のハマグリを見る。
何回見返しても識のハマグリが戻ってくる気配はない。
俺は不安な気持ちでいっぱいになった。
「……羽依里?」
思いがけない人物に声をかけられて俺は一瞬誰かわからなかった。
「……しろは、か。珍しいな、こんなところで会うなんて」
「羽依里に会えるかなってそんな気がしたから」
「俺を待ってたのか?」
「うん」
「蒼から識さんと羽依里のことを聞いたから。鳴瀬家は神山家と親交のあった一族だし」
その後、しろははどうして俺を待っていたか話してくれた。
しろはが言うには、鳴瀬家、空門家、そして加藤家では神山識のことを後世に語り継いできたらしい。現代ではその風習は無くなってしまっていたけど、蒼が今回のことをしろはに話したことで、しろはは鳴瀬家として何かできないかと考えたらしい。
「で、俺を待っていたと……」
「うん」
「もし俺が来なかったらどうするつもりだったんだ?」
「……どうしよう」
案外、しろはって天然なんだろうか……?
そんなことを思ったが、俺自身誰かと話をしたいというのは本当だったので、今は素直に話し相手ができたことに感謝することにした。
「ま、こうやって会えたから結果オーライだな」
「……そうだね」
またしても会話が途切れてしまう。
男子校だった俺はこういう時どうしていいか困ってしまう。
「困ったな……」
つい心の声が漏れてしまった。
「何か悩み事?私で良ければ……聞くけど」
「あー……まぁ、そんなところ」
「識さんのこと?」
「……うん」
どうやらしろはは俺の力になろうとしてくれているらしい。俺はどこまで話していいか一瞬逡巡する。だけど、何でだろう……しろはになら話してもいい、そう思えた。
「なぁ、しろは。これから俺が話すこと笑わないで聞いて欲しいんだけどさ」
俺はそう断りを入れて昨日のことを話し始める。
そして、今俺が不安でいっぱいな事も。
「……でさ、ハマグリも無くなってるのに識とこの先本当に会えるのかって。俺、不安で仕方ないんだ」
「うん」
そういって、しろはは一瞬考える素振りを見せるが、すぐに続きを話し始める。
「私は……識さんと会えると思う」
「二枚貝ってね、別々に分かれてしまっても互いが互いを引き合うって言われてるの。だから、羽依里と識さんは会えた。そして、その先を望んだのなら……。もう一度会いたいと思ったならハマグリが離れ離れになる必要があったんじゃないかって」
(……そんな考え方もあるか)
俺は素直に感心する。
「しろはは凄いな。俺、そんな風に考えることできてなかった。そう考えたら凄く気持ちが楽になったよ」
「んーん、力になれたなら良かった」
またしても2人とも黙ってしまうが、今度はこの沈黙が嫌ではなかった。きっと、この距離感がしろはとちょうどいい距離感なんだと俺は理解する。その後、俺はしろはに丁寧にお礼をして家に帰ることにした。
「……識、また会えるよな」
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翌朝、鏡子さんが俺を起こしにきてくれた。
「羽依里君おはよう。ごめんね朝早くから」
「鏡子さんおはようございます。いえいえ大丈夫ですよ。それより何かあったんですか?」
「んー、特にたいしたものではないのかもしれないんだけど、これが蔵の中からでてきてね」
そういって鏡子さんは蔵の中で見つけたと言うものを見せてくれる。
「……おむすびのポーチ?」
「なんかね、今朝蔵の奥から出てきたんだけど、羽依里君に教えてあげないといけない気がして……ごめんね、わけわからないよね」
そういって鏡子さんは申し訳なさそうに俺に朝起こした理由を話してくれた。
「そんなことありませんよ。教えてくれてありがとうございます」
識が帰ってきた。
俺の直感がそう告げている。
鏡子さんにお礼をいって出かける準備を手早く終わらせる。
もちろん、識の大好きなおむすびも忘れない。
俺ははやる気持ちを抑え付け家をでた。
それから俺は1日中、識を探して周った。
日が落ちてひぐらしが鳴き始める頃、俺は識と初めて会った草むらに腰かけていた。
「もうすぐ俺は俺帰らないといけないけど、また絶対この島に戻ってるくるから。俺いつまでも待ってるから」
それだけ呟いてそろそろ帰ろうかと思った矢先、一陣の風が吹いた。
……背後から懐かしい気配を感じる。
「おいおい、僕は追いかけるのは得意だけど、探すのは苦手なんだ。見つけるのに時間かかっちゃったじゃないか」
……懐かしい声がする。
それは聞きたくて仕方なかった声。
俺は恐る恐る後ろを振り返る。
「……ただいま羽依里くん」
んへへと笑う少女の手にはハマグリがしっかりと握られていた。
【Fin】
皆様初めまして。琥珀@識推しです。
サマポケRBを全攻略するにあたり、どうしても識に幸せになってほしい、そんな気持ちで本SSを書かせていただきましたが、いかがだったでしょうか。
執筆そのものは識の誕生日(7/4)より開始しておりましたが、SS中の設定などで迷いに迷って1ヶ月近くかかってしまいました。
長文の投稿は本SSが初めてということで、細かいところでミスなどがあるかもしれませんが、そのあたりは優しい目で見ていただけると嬉しく思います。
今後は何か書きたいと思った時に投稿する感じになると思いますが、ひとまず、後書きはここまでとさせて頂きます。
閲覧ありがとうございました。