スリザード・クラブ (蛇寮非魔法族出身者の会)   作:非魔法族

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第4話 休暇 (4)談話室は清純の場

「……『穢れた血』か。今頃になってのこのこ顔を出すとは、良いご身分だな」

 

 談話室の空気を汲みあげるように、声が低く響いた。シムの心臓が跳ねる。セラはシムに目配せをすると、声を無視して歩き出した。しかしすぐに、上級生がにやにやしながら数人立ちはだかり、行く手を阻む。女子寮へ続く扉も男子寮へ続く扉も遥か遠い。背後を見やると、談話室の入口も既に、何気なく移動した上級生で塞がれている。

 セラはわざとらしく溜息をつくと、声の主に顔を向けた。周りを囲む上級生ともども、数歩そちらへと近づく。

 

「これは失礼しました、ミスター・ヴァルカン・フリント。私の黄色い声援で、キャプテン・マーカス・フリントやスリザリンチームの士気が上がるとは思いもしなかったもので」

 

 何メートルも先、談話室の入口左手方向の一段と高い場所。ひときわ豪奢(ごうしゃ)な机を前にして、一人の大柄な男が、足を組んで両腕を肘掛にもたれさせ、傲然と坐していた。

 スリザリン七年生のヴァルカン・フリント――古い純血の家であるフリント家の人間で、クィディッチチームのキャプテンの従兄(いとこ)。シムが入学式に初めて話した上級生であり、シムに初めて「穢れた血」という侮辱を叩きつけ、スリザリンの洗礼を浴びせた純血主義者。

 シムはあの日以来この男と話す機会はなかったが、彼の恵まれた体躯(たいく)と残忍な人相は――仮に彼が非魔法族であったとしても非魔法界の学校で支配者として君臨しているであろうことが想像できる――遠目で目にするだけで、背筋が冷たくなるものだった。

 

「もしそうだったのでしたら、心より、お詫び申し上げます」

 

 ヴァルカン・フリントは、セラの慇懃無礼(いんぎんぶれい)な言い回しに、憮然として言い放つ。

 

「勝手に泥まみれの口を開くな。誰が発言を許可した」

 

「黙っていたままでは許されないのなら、何か発言すべきなのかと思いましたが、それすらも許されないとは――魔法使いは色々な物理法則を無視するだけでなく、排中律も無視できるのですね。勉強になりました」

 

 セラは皮肉たっぷりに答えた。フリントの殺気が増す。

 

「発言の許しを乞えと言ったのだ。マグルは英語を教わらずに育つのか?少しは身分をわきまえろ」

 

 そして目を細め、嫌味を愉快そうな声に乗せる。

 

「……一年生の頃はあんなに怯えてコソコソ背中を丸めていたというのに。随分と偉そうに増長したではないか」

 

 セラは変わらず飄々としている。

 

「たしかに一年生の頃の私は七年生のシーナ・シンクレアとソフィア・ソールズベリーの背中に隠れて生きていたけれど――しかしミスター・フリントこそ、彼女達に近づこうとはしていなかったのでは?……まさかフリント家の名を背負うお方が、いくら三学年上とはいえ、非魔法族出身のあの二人に、コソコソ怯えていたわけはないと思いますが」

 

「あのような穢れた野蛮な雌犬どもの名前を二度と出すな」

 

 ヴァルカン・フリントは顔を歪めて吐き捨てた。セラの発言を受けて、下級生達は何のことか分からない様子でいたが、上級生の何人かはビクリと動きを止める。

 

「スリザリンの純血達が、あの下賤な輩に怯えるわけがなかろう。常に片時も離れずくっついているわ、猿のようにすぐに杖を振り回すわで、油断も隙も――いや、ひたすら野蛮だったというだけだ。……奴らに美点があるとすれば、魔法族の高貴な血に、あの穢れた血を混じらせることも無いだろうというくらいのものか。あの様子では二人でいつ式でも挙げるのかと不思議に思ったくらいだ。端から嫁の貰い手もあるまいが」

 

 フリントは呵々と嘲笑し、周囲もそれに同調した。

 

「劣等種は劣等種同士で身を寄せ合うのが世の節理だが――しかしお前もお前だ。身分を偽って、従順な半純血の女として振舞って、蛇に取り入ろうともしないとは。狡知と野心の寮の、素質の欠片もないと言わざるを得んな」

 

「高貴な家名に恥じないだけの、中身を備えておられない方々に媚びて、人生を無駄にするつもりは無い。生憎と、利己や合理を尊ぶ寮にいるもので」

 

 セラは冷たい声で侮辱を返す。

 

「ふん。それで行き着く先がその小童のお守か。――お前はさぞ楽しいだろう。この独りぼっちのママに、寝小便の面倒を見てもらうというのは」

 

 フリントは今度はシムの方を見て嘲る。恥辱と怒りと恐怖でシムは顔に血が上るのを感じた。

 

「彼の価値を見出せないのであれば――資産のある家に育った人間は審美眼が養われるものだという私の認識は、どうやら見直す余地がありそうですね」

 

 セラに庇われ、いたたまれなさに、シムの視線は談話室を素早く走った。遠く、下級生が多く(つど)っている区画には、子分や取り巻きを(はべ)らせた一年の王者ドラコ・マルフォイが、この愉快な催しを見てせせら笑っている。目を逸らす。どうやらこちらに興味がある一年生ばかりではなく、リリア・ムーンはぼーっとした様子で暖炉を見つめているし、ブレーズ・ザビニは双子のカロー姉妹と忍び笑いで歓談をすることに忙しく、トレイシー・デイビスは三人の背後でハート型の赤い煙を打ち上げて忍び笑いをしており、ミリセント・ブルストロードは巨大な黒い猫と戯れており(格闘しているようにも見える)、寡黙なセオドール・ノットや令嬢ダフネ・グリーングラスは勉強に没頭している。さらに遠くに視線を移す。右の奥で、五年の監督生のジェマ・ファーレイらしき人影が、大きな机を占有して山と本を積んで読みふけっている。――ジェマは数少ない友好的な上級生だが、仮にこちらの状況を認識していたとしても、彼女の助力は望めまい。この状況で堂々とセラとシムを庇いだてするほど無鉄砲であれば、スリザリン監督生を務めるに値しないし、そもそもスリザリンに組分けされているはずがない。

 

「なんで――なんで、そんなに僕達を忌み嫌うんですか」

 

 シムの口から、思わず言葉が漏れる。自分の耳に台詞が届き、馬鹿なことを口走ってしまったと後悔する。しかし予想に反して、フリントは笑いを引っ込めた。

 

「なんで?……言うに事欠いて、なんで、だと?『穢れた血』の罪業を、説明されなければ分からないだと!?よくもぬけぬけと――」

 

 フリントの声が轟く。

 

「――これまで、我ら純血の家が。この英国で何世紀にもわたり。野蛮なマグルどもの群れに、貴重な子を迫害される憂き目にも遭いながら、崇高な魔道を継承し、社会を築き、繁栄させていった」

 

 二人に向ける瞳が、憤怒で燃え上がる。

 

「にもかかわらず。お前達『穢れた血』は――汚泥と血にまみれたマグルの世界から、恥じらいもせず、のこのこやってくるお前達は!魔法族の整えた庭を土足で踏み荒らし、杖の秘技を我が物顔で享受し。そして何も我ら魔法族に還元することなく、穢れた血でもって魔法族の清浄な血を弱める!穢れた血を殖やす!――今の我らの誰が、サラザールやマーリンと肩を並べよう?我ら魔法族は、このままではいずれ――いずれマグルと同じところにさえ――!」

 

 そして彼はセラに、太い人差し指を突き付ける。

 

「そのくせ、お前は――お前は――。サラザールの寮にありながら――その身に流れる穢れた血を、蛮族の血を、隠すでも恥じるでもなく、誇るだと?あまつさえマグルどもの低俗な文化を、優れていると崇めるだと?その杖を振り回しながら?――サラザールの教えを――魔法族の誇りを――どこまで辱めれば気が済むというのだ」

 

 これほどの憎悪に満ちた声を向けられながら、セラは無表情を保っていた。

 

「さらにそのうえ、『穢れた血』どもは、自分の身分に大人しく甘んじるでなく、声高に権利を求める。……このホグワーツでの教育を許されておいて、これ以上、何を望む?なぜ魔法族と同じだけの富や名声を望む?純血の敷いた秩序を、どこまで壊せば気が済む?『穢れた血』ばかりが護られ、純血はどんどん脇に追いやられ、打ち捨てられる。――あの、魔法力が莫大なだけで、魔法族の秩序を何一つ考えない、半純血で、ホグワーツもウィゼンガモットも国際魔法使い連盟も仕切る、痴呆の独裁者の、アルバス・ダンブルドアと、その信者どものせいで!」

 

 声がますます激しさを増し、鼻息荒く、その忌むべき名を吐き捨てる。

 

「……たしかに先の戦争で、英国の魔法族の貴重な血が多く流れてしまったのは事実だが――たしかにスリザリンは革命に加担した者も多いが――しかしそれは、ボケ老人の独裁と、純血スリザリンの迫害を許容できることにはならない」

 

 一転して静かな口調になり、フリントは長い演説を終え、息を吐いた。

 彼の眼は、()()()()()()抑圧された被害者なのだと疑っていない目だった。差別をする側の強者が往々にして用いる、強弁あるいは信念。

 シムは初めて、スリザリン寮に巣食う病理の、その根深さを垣間見た気がした。

 

 シムやセラのような「マグル生まれ」の人数は、他寮を含めてもごく少数にとどまるが、さりとて二世紀以上も遡れるほどの「純血」家系に連なる者も、ごくわずかである。

 半世紀前の書物「純血一族一覧」の匿名の偏者が「間違いなく純血」とみなした家の名も――ブラック家やマルフォイ家やフリント家やカロー家やオリバンダー家など――併せて28しかない。そのリストには「純血」を自称する家の多くが記載されなかった反面、マグルの血を誇るウィーズリー家すら含まれる始末だった。英国中の家と姻戚関係を持つあの家を仮に省いたのならば、恐らくは編者みずからの「純血」の正当性すら損なわれてしまうから。

 しかし、現在の魔法界では必ずしも、そのわずかな「純血」の旧家を支配階級とした、ピラミッド構造になっているわけではない。

 たとえ純血の家の多くが、莫大な資産を蓄え広い人脈を備え、貴重な魔導書や魔法具を所有し、行政たる魔法省を裏から牛耳り、司法たるウィゼンガモットの票の大半を握っているにせよ――それでも「純血が偉い」という価値観は、魔法界で支配的というわけではない。「マグル生まれは唾棄すべき存在」という価値観は、なおさら、受け入れられていない。スリザリンを除く三寮で――とりわけグリフィンドール寮で――「穢れた血」などという最大級の差別用語を一度でも放ったならば、激しく糾弾されることは必至で、それだけでコミュニティでの立場が危うくなる(もっとも、「穢れた血(mud blood)」の語が忌避される一方で、「純血(pure blood)」の語は、積極的に用いられなくともさして忌避されないというのは、少し奇妙だともシムは感じていた)。

 純血主義の御旗(みはた)の下に、虐殺と拷問で英国中を恐怖に陥れた「例のあの人」が敗れ去った後の世ならば。あるいはマグルの擁護者にして今世紀最大最強の魔法戦士アルバス・ダンブルドアが一世紀にわたって英国に君臨しているのならば。純血至上主義を忌避する風潮が加速するのは、至極当然のことである。

 

「そうはいっても――好きで魔法使いになったわけではないし、好きでこっちの世界に来たわけじゃないし、しょうがないでしょう。どうすれば良いというのですか?」

 

 シムの口から、またも弱々しく言葉がこぼれる。

 

「だから、身分をわきまえろと言っているのだ。純血に敬意を払い、身を粉にして黙って魔法界に仕えろ、ということだ」

 

「マグル生まれは、異文化から連れてこられる便利な奴隷でもなんでもないですよ……古代ローマでもあるまいし」

 

「ホグワーツで同じ空気を吸いたいというのならばだ。本来『穢れた血』は魔法界に来るべきではない。最大限の譲歩だ」

 

「魔法界にいるべきでないと言われても……そもそも、非魔法界から来る人がいなくても、魔法界は人口を保てるんですか。三親等までに限ってすら、マグルやスクイブが一切いない人なんて魔法界にどれだけ――」

 

 セラに制止されなかったこともありつい思ったことを口に出してしまったが、シムは明らかに言葉が過ぎたことに気づいた。口をつぐむが、遅すぎた。殺気と怒声がシムに浴びせられ、息が詰まる。フリントが息を吸って口を開く前に、とっさにセラが声を張った。

 

「もちろん、私達がいなくとも、あるいはいない方が、少数の純血の皆様で、楽しく元気に魔法界を営んでいけるでしょう。魔法界の問題を全部解決できる、シンプルでベストな方法ですね!魔法界の過去を知り未来を憂う純血の皆様は、さすが聡明でおられる」

 

 セラはやんわりと、周囲の注目をシムから自分の方へと向ける。そのうえで、首を傾げて、ゆっくりと口を開く。

 

「ですが――仮に私達が皆、ホグワーツから出たとしたら、魔法界からいなくなったとしたら――。この中の本当に全員が、本心から喜ぶのでしょうか?困る人も少なくないのではないでしょうか?『魔法族の血が濃い』ということしか、心の拠り所がない人は」

 

 セラの放った台詞は禁句だった。談話室が静まり返る。

 純血主義者は、ひとくちに「純血主義者」と括れるようなものでもない。マグル生まれは杖を持つ資格が無いと主張する者ばかりではなく、マグル生まれはヒエラルキー最下層の身分を甘受していればそれで良いという者もいる。後者は言うに及ばず、仮に前者であっても。差別対象(マグル生まれ)がいなくなれば、それのお陰で、自尊心を維持することができ鬱憤を解消できていたと、気づかされるかもしれない。マグルの片親・祖父母・叔父叔母・曾祖父母を持つ者であれば、自らのカーストが一段下がる、直接的な害も生じる。

 そのことに気づいている者も気づいていない者も、気づかないふりをしている者も、セラの罵倒にプライドをいたく刺激される者は、当然多い。先ほどまでとは度合の違う怒気が、ふつふつと立ち昇り、沸点に達しようとし――。

 

 

 

「ミスター・ヴァルカン・フリント」

 

 とても柔らかで、しかしひどく冷たい、真冬のそよ風を思わせる声が響いた。談話室の怒気の一切が、急速に冷めてゆく。

 

 

 ヴァルカン・フリントの発言を邪魔できる者は、スリザリン寮にそう多くない。その声の方向に向かって談話室の注目が集まり、声の主を見とめてすぐに緊張が走る。セラの顔にも初めて――ほんの一瞬だがはっきりと――緊迫の感情が現れたことにシムは気づいた。

 談話室の中央の一番奥、最上級生の女子が数人座る高雅なテーブルで。艶やかな金髪の魔女が、白い手で紅茶のカップを置いて、フリントを澄んだ碧眼で射すくめていた。彼女の背後の椅子には、生徒がひとり侍女の如く、無表情で静かに控えている。最上級生は抑揚を調整した声で穏やかに続ける。

 

「あなた、いつまでそちらに構っているのかしら?困っているでしょう?早く寝床に通してあげなさい。談話室の秩序を、和やかな雰囲気を乱していますわ」

 

 (よわい)十八とは思えないほどに完成された気品と色香。魔女を見てシムの首筋の毛がぞわりと逆立つ。

 彼女の右胸には、銀色の蛇が絡みつく緑色の「監督生()」バッジが留まっている。そしてそのすぐ上にはもう一つ、漆黒のバッジに銀色で刻まれた「首席(HG)」の字が燦然と輝いている。

 スリザリン七年の女子監督生にして、本年度のホグワーツ女子首席(Head Girl)、フレヤ・ロウル。「間違いなく純血」とされる英国魔法界屈指の名家たる、ロウル家とグリーングラス家の血を引く令嬢。スリザリンの寮対抗杯六年連続優勝の一因とも(ささや)かれる、品行方正な模範生。

 

 そのような彼女なら、自寮の最上級生が自寮の下級生に嫌味をぶつけている状況を、自寮の下級生が矢面に立たされている状況を、傍観するはずがなく、注意するだろう。

 ……などという見方は楽観的にすぎると、シムは分かっていた。

 直接話したことは一度もなくとも、シムはこの生徒の名をしっかり把握していた。なぜなら――

 

「そもそも、談話室は()()()()の健全な社交の場だということをお忘れですか?――それともまさか、それ(it)を好いているのですか?不器用な求愛行動ですか?」

 

 ――セラが()()()()()()()と端的に忠告していたスリザリン生だからだ。マグルやマグル生まれを、そもそも同じヒトだと考えていない。そのうえ彼女の父親ソーフィン・ロウルは、ルシウス・マルフォイなどと同じく、「死喰い人(デスイーター)の嫌疑が濃厚だった」うちの一人であるらしい。

 ロウルと視線が一瞬交錯し、その澄んだ青い瞳に、侮蔑の色が一切込められてないのを見て取って、シムは改めて空恐ろしさを覚える。ただのモノを見るとき、人はわざわざ軽蔑の顔つきをしない。

 

「私、年頃の殿方の欲求不満がいかほどのものなのかについては存じ上げませんが――外見がヒトの女性のようでさえあれば、中身がヒトでなくても何でもお構いなしなのですか?」

 

 相も変わらず上品な口調で、まったく上品でないセリフを、いたって純粋を装った表情で、首を傾げて投げつける。フリントの額に青筋が浮かぶ。

 

「純血が『穢れた血』を好くだと?正気か?恋愛などが『穢れた血』に相応しいわけがないだろう。相応しいのは精々――。なぜ分かり切った問いをする?――はたしてお前の方が俺を好いているからではないかと、周囲に疑われたいのか?」

 

 表情を徐々に平静に戻したフリントが軽口を返したことで、談話室の空気がさらに冷えてゆく。ロウルの背後に控える侍女が、無表情のままフリントをじっと見つめる。わざわざフレヤ・ロウルの機嫌を、あるいは侍女の機嫌を損ねたいと思うスリザリン生はまずいない。寮点を減らすという間接的な形でさえそれが躊躇われるのであれば、直接に挑発するのはなおのこと。

 

「『フレヤ・ロウルが()()()()()()()()()()好いていて、(him)と仲睦まじげに会話をしているそれ(it)に嫉妬している』ですか?いったい誰がそんなことを疑うと思いますか?『ザ・クィブラー』ですら――たとえマルフォイ卿が『説得』を試みたとしても――掲載を躊躇う内容でしょう」

 

 しかしロウルは穏やかに微笑んで煽りを返した。

 

「私は母から、人を見た目で判断してはいけないと教育を受けてきましたが。しかしそうはいっても……トロールのような見た目をしている方は、やはり頭脳もトロール並になってしまうのでしょうか?」

 

 一切の(てら)いのない罵倒に、フリントの周囲がロウルに殺気立った視線を送るが、ロウルは意にも介さず紅茶を(すす)る。有象無象の彼らの存在など、純血のホグワーツ首席にとって何一つ脅威たり得ない。

 

「――そうであれば残念ですが、いくら血が清らかといえど、フリント家の継嗣といえど、偉大なる我らがサラザールの寮に相応しいとは言えませんわ。『純血』のヒトたるもの、常に強く賢くなくては」

 

 フリントは首を静かに横に振る。

 

「お前に言われるまでもなく、何がサラザールに相応しくて何が相応しくないかは知っている。俺もこれ以上、サラザールに相応しくない奴らと同じ空気を吸いたくないところだが――その前に相応しくない所業に然るべき処分を下してからでないとな」

 

 セラとシムの方を向いて、にやりと笑みを浮かべる。

 

「お前達、門限を過ぎただろう?」

 

「……え?」

 

 それまで黙って成り行きを見守っていたシムは、思わず戸惑いの声を上げた。

 

「…………私達は、二分も前に談話室に到着したはずですが。こうやってお喋りしていたから、もちろん今は十分を過ぎているけれど」

 

 セラも、談話室の時計(数字も針もない代わりに盤を巡るいくつもの丸い星が時刻を示しており、シムは最近ようやくスムーズに解読できるようになった)と腕時計とを見比べてフリントに言った。ホグワーツでも機能する、入学時に買ってもらった、家計を鑑みれば十一歳への子への贈り物としては恐らく不釣り合いな、彼女の機械式の腕時計は、非常に正確だ。

 

「いや、お前達が入ってきた頃には、既に門限を二分過ぎていた。――そうだろう?」

 

 残酷な表情でフリントは周囲を見回す。次々と同意の声が上がる。

 

「……」

 

 セラは呆れと諦めの入り混じった表情で黙り込む。どう反論したところで聞き入れられるわけが無いだろう。そもそもシムの方も、自分達が本当に遅れていないかどうか、確信が持てなくなってきた。

 

「それに、どうせお前達は校則を二つ三つ破っていたはずだ。遅くまで何を戯れてたか知らんが――今日はこそこそ校内で悪事を働くにはうってつけの日だ」

 

 フリントは断言して嘲笑った。これは「開心術」などではなく単なるかまかけだ。シムは動揺しないように努めた。たしかに校則を堂々と破っていたのは揺るぎのない事実である。

 

「……門限破りにしろ何にしろ、証拠も事実もないのは置いておくとして。それで私達をどうしたい?寮点を減らして、寮監の研究室に連れて行く?」

 

 セラは平然と皮肉る。

 

「寮監はさぞ喜ばれるでしょうね。たかだか二分かそこら遅れた自寮の生徒を、うやむやにせずきちんと報告する、スリザリン生達のパーフェクトでパーシーな規律正しさに」

 

 スリザリン生は通常、自寮で減点し合ったり、自寮の生徒の規則破りをわざわざ教師に報告するような、自寮の得にならないことはしない。寮監の方も、自寮の生徒が多少門限に遅れた程度で、夜の貴重な時間を潰されることなど望んでいないであろうことを、スリザリン生は皆知っている(もちろん、門限破りを()()()()()バレて寮点を損なうような真似を寮監は決して喜ばないということも、グリフィンドール生の見ていない場では寮監に甘やかされることを全く期待すべきでないということも、スリザリン生は肝に銘じている)

 

「いや、わざわざスネイプ教授の手を煩わせるまでもない。スリザリン生の手で罰則を与えれば良い」

 

 彼の目的は要するに、寮生の鬱憤を晴らすための私刑(リンチ)なのだとシムは気づいた。校則破りの理由は何でも良いし、事実はなくても良いのだ。

 セラは露骨に息を吐いて、肩をすくめる。

 

「罰則って書き取り罰則かなんかですか?『次からは門限を守ります』を百回書けば満足ですか?」

 

「そうだな……」

 

 彼は杖を抜いて、シムが警戒する前に、振り終える。談話室の隅で、一人の下級生の男子――生まれだか経済力だか魔法力だかの理由で恐らく寮内の立場が低い――が飲んでいたカップが浮遊し、二人の前で中身のコーヒーをぶちまけた。「盾の呪文」が織り込まれた帽子によって、熱い飛沫(しぶき)は一滴もシムのローブにかからず、床に(したた)り落ちる。カップを元のテーブルに戻すと、フリントは平然と言った。

 

「すまない、手が滑った。……ところでスネイプ教授やフィルチは、よく、グリフィンドールの馬鹿どもに、マグル式の掃除の罰則を課していたな?お前はマグルの血を恥もせず誇っているようだが、それならその尊いマグルのやり方で、掃除をしてみたらどうだ?談話室中を、這いつくばって、綺麗に磨きあげろ。皆が心から声援を送ってくれるだろう」

 

 フリントは杖を振って、汚らしいボロ雑巾を二つ、二人の前に落とした。笑いが起こる(なおスネイプは、「魔法を使わず掃除をする」などというスリザリン生にとって極めて屈辱じみた罰則を、スリザリン生に課すことは通常ない)。

 

 セラは黙ったまま杖を抜き、ボロ雑巾とコーヒーの汚れを消した。そして杖を談話室の隅から隅まで、撫ぜるように掃くと、床の埃という埃がそわそわ地面を流れ、フリントの足下に集まった。毎晩、屋敷妖精(ハウスエルフ)が綺麗に掃除しているため、埃はさしたる量ではなかった。

 

「どうせご存知ないでしょうが、実は今はマグルも、わざわざ這いつくばらなくても、けっこう簡単に掃除を終えられるんですよ。――それはさておき、然るべき正式な手順を踏んだ罰則ならいくらでも受けるけど。失礼ながら、ミスター・フリントはそもそも監督生じゃないだろう?罰則を与える権限は無いはずだ」

 

 フリントが眉をひそめる。セラの指摘の通り、ヴァルカン・フリントは、五年以上の各学年男女二名が選ばれる「監督生」の役には就いていなかった。スリザリンでは監督生の権力が他寮より強い傾向にあるといえど――たとえばグリフィンドール寮では誰も監督生パーシー・ウィーズリーに(うやうや)しく(ひざまず)こうとはしない――それはもともと強い権力を持つ者が監督生になるからであって、「監督生」という役自体の重みは他寮より遥かに軽い(フリントが監督生でない理由は、本人が語る通り監督生の雑務に追われるのを嫌って寮監に頼んだからなのか、あるいは単に成績がフォウリーよりずっと劣っていたからなのかは判然としないが、いずれにせよ七年男子の監督生はフォウリー家の次男が務めており、フォウリーは寮内の自治にほとんど興味がない)。

 

「それに、監督生だって、寮監に報告しなければ罰則を与えられないはずだし、罰も書き取りが精々のはず。談話室を磨きあげなければならない義務は私達にはない」

 

 セラは冷静に指摘を続ける。

 生徒を統率する監督生には、「生徒の寮点を減ずる」権利のほか、校則を破り秩序を乱す生徒に「罰則を課す」権利もたしかに認められている。はるか昔の時代には、同時代のマグルのパブリックスクールよろしく、監督生が専横的な体制を敷き、厳しい上下関係のもと、下級生に自らの気分で体罰を与えるようなケースも少なくなかったという。

 とはいえ、アルバス・ダンブルドアの治世下の現在のホグワーツでは、監督生の権限は大幅に制限されている。罰則を課すためには、事前にその生徒が所属する寮監に書類を送らなければならないし、与えられる罰則も限定される(教師は、「掃除」「自らの仕事の手伝い」などの幅広い罰則を生徒に課すことができるが、体罰を課すことはやはり現在のホグワーツでは認められていない)。手続きを無視して勝手に罰則を与えれば、当然厳しい処分が下る。そのため現在のホグワーツでは、監督生がわざわざ生徒に罰則を課そうとすることは滅多にない。

 

「ああ、そうだな。俺は監督生ではない」

 

 フリントは素直に頷いて、セラの指摘の前半部分を認め――

 

「しかしだからこそ、わざわざ掃除などという軽い罰で、寮生の不満を和らげてやろうとしたのに、断るとは。よほど重い罰がお望みらしい」

 

 ――そしてセラの指摘の後半を無視した。フリントが口元を吊り上げるのに呼応して、取り巻きの上級生達も残忍に笑って、わざとらしく大声をあげる。

 

「十年以上昔は、生意気な下級生には『逆さ吊り』の呪いで礼儀を教えこんだらしい」「爺ちゃんは管理人に『寝れない土牢』に叩き込まれたのが今でもトラウマだって言ってたぜ」「フィルチの部屋にある『傷つかない(ムチ)』も一世紀前は現役だったって聞くがな」「そんなものここに無いだろ。ここで出来るのは精々、『レタス喰い虫(フローバーワーム)ダービー』くらいだ」「『くらげ足(ロコモーター・ウィーブル)』やら『足縛り(ロコモーター・モルティス)』やらをかけて『鬼火の呪い』に追わせて、どっちが速く()えるか賭けるゲームな」「この前のハッフルパフ二年は『足縛り』の方が勝ったっけか」「あれはお前の『くらげ足』が下手だったからだ」

 

 シムの顔から血が引き始めたが、セラが相変わらず呆れ顔のまま手をローブの裾に近づけるのを見て、ふと冷静になった。そうだ、彼らはこちらが怯えるのを見て楽しみたいだけだ。まさか本当にここでそんな(いじ)めを始めようとするはずがない。仮に本気だったとしても、セラが大人しくしてるはずはなく、入口近くの上級生を吹き飛ばして談話室から出ようとするだろう。自分はその際にセラをうまく掩護(えんご)すれば良いだけだ――できるかは分からないが。いや、たしかセラは「守護霊(パトローナス)」とかいう魔法を使って伝言を先生のもとに飛ばせるはずだから、最悪の場合はそうすれば状況は解決する。

 シムは心を落ち着け、顔を引き締める。しかし、フリントは満足げな顔のまま取り巻きの声を手で制すると、談話室を見回しながら言う。

 

「……ただ残念なことに、そこの『穢れた血』の言う通り、俺達は罰則の中身を決めることもできなければ、罰則を与えることもできない」

 

 そして一点を向き、口元を歪める。

 

「――では、幸運にもその両方の権利を持っておられる、偉大なるスリザリン寮の監督生にして、()えあるホグワーツ首席女子の、ミス・フレヤ・ロウルに、ご判断を仰ぐことにしよう。こいつらに相応しい罰は何か?」

 

 フリントはわざとらしくロウルに(こうべ)を垂れた。ロウルは紅茶を飲み干し、カップをソーサーに置く。陶器が触れあって音が鳴ると同時に、侍女が静かに立ち上がって杖を振り、一切の危なげない制御でポットを飛ばし、飛沫の一滴も散らすことなく、主人のカップに紅茶を注ぐ。座り直す前に、主人の舌が好む温度に調節することも、この侍女は忘れない。

 

「罰則ねえ――そうね――」

 

 ミルクを垂らして紅茶を優雅にかきまぜながら、ロウルは首を傾げた。生粋の純血主義者であるはずの彼女の声は、しかし、さして乗り気ではない。

 シムはすぐに気づいた。スリザリン監督生が()()()()()()()()。仮に自らの名と責任において、ロウルがシムとセラに不条理な私刑(リンチ)を課したとしたら。たとえ「マグル生まれへの虐め」であれ、スリザリン生の大半が目撃者であるこの場では、スリザリン生に後で教師に密告されるリスクは決してゼロではない。ゼロでないどころか、フリント達の笑みを見れば、「『穢れた血』虐めで憂さを晴らすことも、ロウルの首席バッジを失わせることもできる」一挙両得の機会を、逃すはずがないことは明らかだ。

 その計算が働かなくとも――シムはロウルの評判を改めて思い出した――そもそもフレヤ・ロウルは()()()()で知られる。それは教師の目が届かない場であっても同じだ。彼女は決して、虐めや脅迫や暴行を、自らの手で行うこともしないし、取り巻きに命じて行わせることもしない。そんな粗野なことをしなければ周囲に格を示せないような、器ではない。仮に自らの障害を排除する必要が生じたとすれば、背後に控える侍女が、(あるじ)の命令を待たずにそれを済ませる。

 

 しかし、では逆に、仮にロウルが、今の異様な談話室の空気のもとで、「罰則を勝手に下す権限は監督生にもない」と正論を言ってフリントを退(しりぞ)けたとしたら。まったく大きな痛手にはなりえないが、しかしそれでも純血主義者達の多少の失望を買うことは避けられないだろう。寮生達の鬱憤の始末を煽るだけ煽ったフリントは、その始末をロウルにつけさせることができる。

 

 シムは、それこそがフリントの狙いだと悟る。どうやらフリントにとって、シムとセラの存在は、もはや憂さ晴らしの道具ですらなく、自らを侮辱したロウルへのささやかな意趣返しのための道具に過ぎないらしい。たとえお互い魔法が使えなかったとしても、今の自分では到底、スリザリンの上級生達と渡り合えないだろう。

 

 であればロウルはどうするか。当然、フリントに提示された選択肢のどちらにも取り合わなければ良い。彼女は、談話室の右奥――とあるスリザリン生専用の机に向けて、冷たい声を優しくかける。ロウルの視線にあわせて、背後の侍女が杖をまっすぐ向け、ロウルの静かな声は減衰されることなく、談話室の端まで届いた。

 

「ねえジェマ、聞こえているでしょう?宿題で忙しいかもしれないけれど、少しよろしいかしら?新米監督生としてのあなたの意見を聞いてみたいわ。じきに卒業する七年生が、いつまでもスリザリン寮を仕切るのはよろしくないですもの」

 

 監督生の一人でもあり、強い力を持つスリザリン生の一人でもあり、純血主義にさほど関心を寄せないスリザリン生の一人でもあり、身分差を甘受して生きて行くことを内心でよしとしない一部のスリザリン生の支持を集める生徒でもあり、カースト外のセラとシムに陰で協力してくれる生徒でもある、五年のジェマ・ファーレイに、代わりに事態の収拾を任せることは、このスリザリン最上級生にとって、至って自然な選択である。

 

 

 

 




毎度感想やここすき機能などありがとうございます…!

・モブスリザリン上級生を出そうとすると、原作ネームドキャラはクィディッチ選手しかいないので、オリキャラばかりになるのは勘弁。貴重なマーカスフリントは七年にもなって三年ドラコと一緒に吸魂鬼コスプレ試合妨害するレベルの精神年齢ではあるので…。

・原作でのスリザリン像はドラコ・マルフォイを中心に画一化して描かれていますが、「純血」「穢れた血」の概念やマグルについてスリザリン生がどのようなスタンスをとっていたかは、バリエーションやグラデーションがあっても当然おかしくないでしょうし、ホラス・スラグホーンが「血を裏切る」レッテルを貼られておらず死喰い人加入前のマルフォイ家と繋がりがあったことからも、ホラスのようなスタンスは決して異端思想ではなかったともうかがえます(スラグホーン家が「間違いなく純血」とされ、ホラスが多数の有力者とパイプを持ち、ホラス自身が極めて有能な魔法使いであったこと、マグルの血に対して親よりリベラルであったこと(原作者エッセイ)を踏まえれば、ホラスは一般的なスリザリンのサンプルとはもちろんいえないでしょうけれど)。
とはいえ本性を表す前のヴォルデモートの主張に少なからずの「純血」家系が賛同を示したことは確かですし、ドラコのスタンスが(彼がスリザリン全体に極めて強い影響力を持ってたにせよ)ごく少数派であったともやはり考えにくい気はします。

・ソーフィン・ロウル:六巻初出の「ブロンドの大柄な死喰い人」。アズカバン収監組かアズカバン逃れ組かは不明。「アバダケダブラを乱射できる」「ハグリッドに無言呪文一発でシレンシオを通せる」パワーを持つものの、ハリー捕縛失敗でヴォルデモートの激しい怒りを買ったり仲間を流れ弾で殺したりで、見せ場が無いままフェードアウト。「呪いの子」との整合性を取るのは大変なので、エフェーミア・ラウル(デルフィーニの養母)は親戚かなんかという感じで。

・ホグワーツの人数について:
原作七巻の間でも描写が一巻していない(確固に設定して柔軟性を損なう意義が薄いからか、一巻執筆後に方針転換したのもあるからか)ため、「①:一学年あたり40人(各寮10人ずつ)」か「②:全校で数百~千人」だと解するのが主流の印象がありますが、この二次創作では、他の多くの二次創作と同じく「全校で千人近く、スリザリン寮は二百人ちょい」のイメージ。多い方が楽しそうなので。

(①の長所(②の短所):ローリング氏の初期構想と合致(The Orginal Forty)・同寮同級生同性の生徒は五名を超えて登場していない・「クィディッチ初回授業の箒の本数」など一巻の描写に合致・「組分けの時間」「大広間のテーブルの長さ」「談話室のサイズ」を現実的に考慮すると妥当(後二つに関しては魔法でどうにでもなると解せるが)etc

①の短所(②の長所):ホグワーツも英国魔法界もあまりにこじんまりとしすぎで寂しい・グリフィンドール単独の授業だと三人組がこそこそ私語をできるような人数ではない・「ハリーが名前すら知らないグリフィンドール生」が何年経ってもそこそこ多い(ハリーの性格的には不自然とはいえないが、「70人しかいない和気藹々としたグリフィンドール寮で名前すら知らない」というのは少々淡白?)・「三巻クィディッチ決勝戦でのスリザリンの観客席の人数(二百人)」などの説明に合致しないetc)


・監督生と罰則について、五巻ロンハーの「態度が悪いやつには罰則を与えることができるからゴイルに難癖付けるのが待ちきれないぜ」「立場を濫用しちゃダメ」「分かってるよマルフォイは絶対濫用しないもんな」、ドラコとハリーの「君と違って僕は監督生だから罰則を与える権限がある」「そうだけど君は僕と違って卑劣なやつだから帰れ」、ハーマイオニーの「マルフォイは監督生だから、あなたをもっと苦しい目に遭わせることだってできる」的な会話からは、原作ホグワーツでは割と気軽に罰則を与えられるような雰囲気もうかがえます。
 とはいえ、学生生活の描写が詳細な割には「監督生が下級生に罰則を与える」シーンは一切なく(もちろん話の筋に絡まないからでしょうが)、アンブリッジの「尋問官親衛隊」においてすら同様(これに関しては、罰を与える愉しみをアンブリッジが独占したかったからとも解せますが)。「監督生」自体が物語において英国の全寮制学校生活のいちフレーバー以上の重みがなく、下級生にとってそこまで大きな存在でもなさそうという印象もあります(パーシーひとりで空回ってたグリフィンドール寮の状況しか読者には分からないので、他の寮の状況には妄想の余地がありますが)。

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