疲れすぎて思考がバグってしまった提督と、提督LOVEなのに提督からいっさいアプローチされない艦娘達の勘違いから始まるハグストーリーです。

ようするに艦娘を提督がハグしたいだけのお話です。
似た話を見た時に自分でも書いてみたくなり休憩がてら書いてみました。(勿論、パクりではないですよ?)

需要があれば短編集として続きを書くか考えます笑

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ハグしたい提督とその先にいきたい艦娘

この鎮守府に来て、早3年…。

いつの間にか所属艦娘の錬度は最大、大規模侵攻の際には真っ先に呼ばれる程にまで鎮守府は成長した。

そもそも警備府のうちが横須賀や呉みたいな大きな鎮守府より戦果挙げてるんだからそりゃあ注目されるだろう。

そして、21歳で提督になった俺は艦娘達との信頼を深め(勿論、清い意味でだ)駆逐艦達からは『お兄ちゃん』と呼ばれる様にまでの関係性を築いている。

 

だが、1つだけ問題が発生してしまった。

今年24歳になった俺は戦いの中忘れていた男の本能を思い出してしまったのだ。

まぁ、簡単に言うと性欲が限界です…。

艦娘は皆可愛いし、スタイルいい娘めちゃめちゃ多い分普段の生活でさえ我慢すること多いのに。

2ヶ月前の大規模侵攻で轟沈艦0で作戦を終えてから皆の態度がより積極的になってしまった。

それこそ、某重巡洋艦が抱きついてきたり、戦艦の娘に急に手を握られたり、駆逐艦は膝に座りたがるようになった。

俺自身、好かれていることは嬉しいのだが、この性欲状態ではいつ暴走してしまってもおかしくない。

そして、1番の問題はその溜まりに溜まった俺の性欲を開放する場所が無いということだ。

女の子はそういうの敏感とか聞いたことがあるし俺の私室でも最近は特に艦娘が訪ねてくる。

しかし、欲情に任せて襲ってしまってはこれまで築いた関係を失ってしまう。

それどころか憲兵さんのお世話になるのが明白だ。

 

なんとか、性欲を減衰させる方法は無いだろうか。

と、提督業務の合間を縫って調べに調べた結果、1つの仮説を見つけた。

 

"異性とハグすると癒し効果がある"

 

これだ、これしかない。

癒されるということはつまり、荒ぶった俺の性欲も減衰するに違いない!

今の鎮守府は俺へのスキンシップが激しい娘が多いし状況としては完璧だろう。

つまり、挨拶みたいにハグすることが定着すれば俺は常に賢者タイムで仕事ができる…?

なんということだ、理想の職場じゃないか!

3日程徹夜して思考が暴走してる気もするがこの際気にしてなどいられない。

とりあえず、誰か抱きしめてみるか…。

 

そう思い執務室を出る。

すると都合よく執務室に向かって歩いてきてる艦娘がいた。

あれは、大淀か。

 

「提督、お疲れ様です。大本営から手紙が来てますよ。」

 

相変わらず真面目な雰囲気ながらもスカートのスリットに目が行ってしまいそうになる。

 

「提督?目の下に隈ができてますよ?だいぶ、お疲れのようですね。」

 

そう言って大淀は俺の肩に手を置き解すように揉んでくれる。

 

「すまないな、大淀。さすがに3日程徹夜しているので少しばかり疲れを見せてしまったようだ。」

 

「3日もですか!?と、とにかく執務室に入りましょう!休んでください!」

 

大淀は肩揉みを中断して俺の背中を押して執務室に入っると俺をソファーに座らせる。

 

「提督…本当にお疲れ様です。お茶でよろしいですか?」

 

大淀の優しさが染みる。俺はこんな優しい娘を俺の性欲の為に抱きしめようとしていたのか。

少し罪悪感が芽生え始めた。

 

「あぁ、それでいいよ。ありがとう」

 

お茶を入れた大淀はテーブルにお茶を置くと俺の横に座った。

 

「提督、肩揉み続けますね。」

 

「ありがたいが、何故?」

 

俺がそう言うと大淀はクスッと笑いながら俺の肩に手を置く。

 

「だって、さっき軽く肩揉んだ時、凄く幸せそうな顔してましたよ?」

 

そこまでか…。我ながら恥ずかしいくらいに疲れているのかもしれない。

 

「じゃあさっそく揉んでいきますね」

 

大淀と向かい合った状態で肩揉みをされているこの状況が本当に心地いい。

しかし、俺の溜まりに溜まった性欲はそう簡単に萎えてくれるわけもなく、肩揉みで近づいたり離れたりする大淀の女性の象徴的なアレをつい目で追ってしまう。

それにスリットから覗く太腿も大変目の毒として俺を刺激する。眼福です…!!

 

「どうですか?」

 

大淀はそんな俺の状態に気づいていないようだ。

優しい笑顔で問いかけてくる。

 

「あぁ、心地いいよ。」

 

確かに心地いいと言った俺の言葉に嘘はない。

しかし色々高まってしまった俺の性欲も限界であることに変わりはない。

むしろ、大淀の色々な所を至近距離で見ているので高まり続けている。

 

「大淀、1つだけ頼みがある。」

 

「??はい、なんですか?」

 

「大淀を抱きしめてもいいだろうか?」

 

気づいた時には口に出していた。

大淀は最初、俺の唐突な質問に疑問符を浮かべていたが言葉の意味を理解しだすと顔を真っ赤に染めながらワタワタしている。

 

「すまない、少し疲れているのかもしれない。忘れてくれ。」

 

ここは撤退あるのみだろう。ここまで恥ずかしがっている女の子を無理に抱きしめるのは俺の良心が痛む。

なんなら後で死にたくなるしな。

 

「………い……せん」

 

大淀が何かを言ったようだが小さすぎて上手く聞き取れなかった。

 

「すまない、もう一度言ってくれるか?」

 

俺がそう言うと大淀は何かを決心した顔でこっちを向く。

 

「かまいません!抱きしめてくだ…さい。」

 

最後の方にいくにつれて声が小さくなり顔を真っ赤に染めていたが確かに許可が出た。

 

「…いいのか?本当に?」

 

「…恥ずかしいので早くしてください…」

 

照れる大淀が可愛くて俺は言われるがまま彼女を抱きしめる。

 

「…はぅ」

 

大淀から小さく声が漏れる。

なんだろう、この幸福感は。全てが満たされていく。

今ならあと4日くらいなら徹夜で仕事できそう。

 

「…提督」

 

大淀が俺の背中に手を回した。

これは最高かもしれない。仮説通り本当に癒される。

大淀と抱き合っているという現状なのに性欲は全然湧いてこない。

なんなら減衰さえしてる気がする。

 

「…なんだ?」

 

「え、と、この後、どうされますか?」

 

大淀はこんな時でも真面目だな。

俺の次の予定を把握しようとしている。

さすが、事務艦として並ぶものがいないだけのことはある。

 

「そうだな、大淀のおかげで精神的な疲れも癒されたし少しばかり仮眠を取るよ」

 

俺は素直に答える。

すると大淀は俺の背中に回された手に少しだけ力を込めた。

 

「…私も、ご一緒、しても?」

 

!?

俺の仮眠に付き添うだと!?

大淀はなんて優しいのだろうか。俺が精神的に疲れているという言葉からこのまま寝た方がいいという結論をだしてくれたのだろう。

 

「大淀、いいのか?」

 

「…はい。」

 

そうして俺達は仮眠室に向かう。

 

「では、提督、その、優しく、お願いします。」

 

「あ、あぁ。」

 

ベッドに先に横になった大淀が俺に手を伸ばす。

その魅惑的な状況に俺は抗うこともせず彼女をまた抱きしめる。

 

「本当に、癒される。」

 

しばらく横になった状態で抱きしめ合っていたが本当に眠気も出てきた。

これは、よく、眠れ…そう、だ。

 

俺は癒しを与えてくれた大淀に感謝しつつ意識を手放した。

 

~艦娘side~

 

「て、提督…?」

 

抱きしめ合って10分くらい経過した。

そろそろ、その、始めてもいいのではないでしょうか?

提督は深く私の肩に顔を埋め深呼吸されている。

きっと、彼も恥ずかしいのだろう。

私だって彼と結ばれることに高鳴った心臓が落ち着いてくれそうにないのだから。

それにしても、提督は匂いフェチだったのでしょうか。

やけに私の、その、匂いを嗅いでいるような感じがします。

 

「提督?あの、少し恥ずかしいです。」

 

もう一度声をかけるも彼は何も言わない。

しかし、抱きしめる力が少しだけ緩んできた。

もしかして私から脱ぐのを待っているとか…?!

彼に求められている状況を理解した私は彼の腕の中で制服のボタンを外していく。

さすがに下着とかは彼に外して欲しいと思い服の前だけを開けた。

 

「提督?ここから先は恥ずかしいのでお願い、します。」

 

恥ずかしさに顔を真っ赤に染めながら彼の顔を覗きこんだ。

 

「…寝てる?」

 

え?え?え?

あれ?どういうことだろうか?

1度冷静になろう。

まず、この鎮守府ではケッコン艦はいないし所属艦は皆、彼に好意を寄せている。

しかし、彼からスキンシップを取ってくれたことは1度もない。

そんな彼から「抱きしめていいか?」と聞かれた。

間違いなく私への好意故だろう。

そして次を聞いた私に「仮眠する」と答えた。

これはお誘いを上手く直線的な言葉を避けて言ってくれたということのはずだ。

 

しかし、提督は本当に寝てる。

もしや、本当に疲れているだけ?

だから抱きしめたいとか、普段言わないことを?

私が深読みしすぎただけ??

 

「~~~~~~~~ッツ」

 

恥ずかしさで死にそうだ。

この後、彼が起きるまで私は彼の腕の中にいる幸福と勘違いの羞恥で悶え続けたのだった。



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