普段はシャングリラフロンティアというジャンルで二次創作を書いています。
今回は珍しくモブ子ちゃんが出てこない。知らないゴミは出てくるけど。捏造過多なのは相変わらず。
1 コタタマ視点
出そうとした理由は正直覚えていないがとにかく俺はエンフレを出そうとした、はずだった。
出ない。出し方が変わったのかと掲げた拳をギリリと音を立てて握ってみたり「変身…!」のトーンを変えて何回か言ってみたりしたが出ない。ウッディに聞いても分からないと返事が来た。なんというか糞詰まりを起こした時のような嫌な違和感が脳内を支配している感じがある。いや俺のエンフレはうんこではないが。そうだな、プレーリードッグが巣穴から出てこないもどかしさ、これが正しい。
「崖っぷち~立ち止まったってことは覚悟は出来たってことだよなぁ?」
うるせぇ!!俺は今プレーリードッグをどうにかして穴から出そうとしてんだよ!!俺はイラつくままに斧を知らないゴミへと振り下ろした。が受け止められる。
「反応してくれて嬉しいぜ崖っぷち~。でもダメだないつもそんな動きじゃあこっちもマンネリ化しちまうよぉ…。ということで今度はこっちの番だ。しっかり受け入れてくれよ?」
そう言いながら知らないゴミはメイスを振り回し始めた。そのタイミングで俺は思い出す。そういえばこいつが俺を見て気持ち悪い顔でメイスをコーティングするが如く舐め回し始めたから思わずエンフレで踏み潰そうとしたんだったわ。ということはこのメイスでぶん殴られたら俺と知らないゴミは全身で間接キスをする事になる。死ぬのはこのゲームではもはや日常なので特に何ともないがさすがに知らないゴミと間接キスは避けたい。というかメイス舐め回すって何なの?味によって今日のメイスの調子でも分かるの?いや分かんねえだろ、というかメイスの調子って何?むしろ舐めたら錆びない?このゲームが錆まで実装しているかはともかく。クラフト技能で作った物が実際の金属ではないかもしれないというのはあって当然の疑問だろう。
そうこうしているうちに知らないゴミのメイスが俺の目の前に迫る。さすがに唇は死守したかったので頭のてっぺんをメイスに向けるために目線を地面に向けたその瞬間
「オゴッ…!!?」
知らないゴミが血を吐きながら吹き飛ばされた。そして吹き飛ばしたのは…
「その汚い目でコタタマを見ないでほしいな」
アットムくんだった。でもアットムくん確かにあいつは種族ゴミだけど他にもっと汚い所ない?メイスとか。
「お前がアットムか…。俺と崖っぷちの絆を引き裂こうとするんじゃねえよ~!」
いや気持ち悪い言い回しするなよ。妄言を吐きながら知らないゴミはアットムくんに突進していく。命の火が周囲を囲んでいる。アットムくんの一撃を受けて即死しないとは凄まじいタフネスだ。
「コタタマとお前に絆なんてないよ。」
そうだそうだと俺はアットムくんの後ろという安全圏から同意する。それらを聞いた知らないゴミはさらに激昂して力ずくでメイスをアットムくんに振り下ろし…
「ガフッ…」
アットムくんにとどめをさされ今度こそ息絶えた。
「コタタマ大丈夫だった?」
うんと俺は頷く。
「良かった。でも心配だから今日は先生の所まで一緒に帰ろう。」
そう言ってアットムくんは右手を差し出す。刺客がまだいるかもしれないと警戒しているんだろう。俺も左手を出してアットムくんの右手と絡ませる。これこそが俺とアットムくんの絆だ。
しかしどうして急にエンフレ出せなくなったんだ?死んだら元に戻るかもしれないと思ったがさすがに心配しているアットムくんの目の前で死ぬ訳にはいかない。俺は帰ったら藁人形に五寸釘を刺そうと思った。
これはとあるVRMMOの物語。
私も知りませんよ?気軽にエンドフレームになりすぎて整備不良でも起こしたのでは?
GunS Guilds Online
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ここから先は誰も知らない物語。
2 目口視点
呼ばれてるなと俺は日課となっていたプレーリードッグの着ぐるみを作る手を止めた。関係ないがプレーリードッグって意外と細長いんだよな。俺の身体はカービィのようにまん丸愛され体型なのでフィットする着ぐるみが作りづらい。
話を戻す。どうやら「俺」がエンドフレーム、つまり俺の姿になりたいようだ。最近ポンポン呼び出されるから着ぐるみが作りづらいんだよなあ…しかもロストするとプライベートルームも消えるのか着ぐるみも消滅するのでその都度作り直しだ。そろそろ「俺」に慰謝料を請求するべきではないかと思えてきた。
しかし俺に拒否権はない。いつもなら死出の門が開いて強制的に送り出されるのだが…開かない?
呼び声は相変わらず聞こえる。どうやら「俺」はなんとか変身しようとしているらしい。いやお前そのポーズなら声は地の底から出せよ。やっぱり歌声は独特だけどてつをのあの「変…!!(ギリィ)身…!!」があってこそのブラックだよな。
開かないので諦めて着ぐるみ制作に戻ろうとすると天井から命の火とも違う光が降り注ぎ人影が降りてきた。
まさかその顔はアットムくん…?どうしてここに?
「うんちょっと無理をして来ちゃった。最近コタタマ、すぐロストしちゃうから止めたほうがいいかなって。」
なるほど。でもアットムくん心配しなくても大丈夫だよ。ウッディのおかげでロストしても記憶は戻るし。今やデメリットはレベルが1になるくらいしか残っていない。
「ウッディ…?あぁその君に寄生してる奴のこと?そんなのを頼りにしてるの?」
天使なアットムくんは羽のようになっている無数の凹凸の少ない手、ティナンの手だ、のいくつかを使って俺の身体の身体に優しく触れた。
「それは今は従っているかもしれないけどギルドだよ?今度こそ取り返しのつかないことになるかもしれない。」
手がウッディをつまむ。少し力を入れたら潰してしまいそうだ。
やめてくれアットムくん。確かにウッディからもそう言われてるけどその時はその時じゃないか。
そんな俺の嘆願を聞いてアットムくんは悲しそうに微笑んでその手をウッディから離した。
「君はいつも言うことなんか聞いてくれない。でも仕方ないよね。それがコタタマだもの。でもこれだけは聞いて。「コタタマ」には聞こえないかもしれないしロストしたら君も忘れちゃうかもだけど。」
僕はコタタマを愛してる。
そう言って天使みたいな見た目のアットムくんはポカンとしている俺を置いてプライベートルームから退出した。