金欠な大学生で、ネカマを公言しているプレイヤーである主人公は、バイトが終わった疲れからかひょんな事で相方のプレイヤーと衝突してしまう。
衝突の責任を負った主人公に、相方が出した示談の条件とは………。

(本編は、予告なくあらすじと変わる場合がございます。ご了承ください)

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あらすじ…だったら書くなって話だよね
なんかネカマとTSの組み合わせって珍しいかなって思って書いたけど案外普通にあって、びっくりしてます

(ネカマ復讐物では多分)ないです。



ネカマな俺がTSして無事お嫁さんに就職した件

 皆は、NotMOというゲームを知っているだろうか。

 通称、ノトモと呼ばれるそのゲームはMMORPGゲームの中でも最強に知名度・クオリティ・ゲームバランスが良いとされてるゲームだ。

 そして俺はノトモでは、Rheiという名前でゲームをしている。

 少し勘づいた人も居るかもしれないが…そう。俺は女の子のキャラでゲームをしている。

 一般的にネカマと呼ばれるソレなのだが、ちょっと待って欲しい。

 俺はネカマであることを公言しているし…お金も貰ってない。俺はただ、女の子のキャラが使いたいだけなのだ。

 だってそうだろう?ホモでもないのに、どうしてイケメンだとか親父だとかを使ってゲームしなきゃなんないんだ?

 

 あ、因みにこのゲームの唯一の批判点はそこそこ容量が重い(それでもコスパはかなり良いらしい)ことと、アバターでショタが作れない事らしい。でもロリは作れる、何でだ?

 さて、なんで俺がこんな話をなんでいつまでも話しているかを説明しよう。

 始まりはいつも仲良くしてる、俺が始めた頃からのフレンドKateからのDMだった。

 色々な問題がある為、任意の相手にしか送れない画像DMを送ろうとして来たのだ。なんか嫌な予感というか、何かがあるなという当たり前の事を思ったが、まあ仲良い人だしの一点で俺はそれを許可してしまった。

 送られてきたのは、1枚のカードだった。

 俺がyPhone7を使っていると昔言ったのが悪かったのだろうか。それとも、画像DMを許可したのが悪かったのだろうか。

 そのカードは、yTunesカードというネットで使うことの出来るカードだった。その額は、5万。

 

 決して少なくはないその額が、他ならぬKateから送られたのが信じられなかった。

 誕生日でも無ければ、俺に関する記念日とかでもない普通の日。俺はそんな日に、DMでとんでもない物を送られてしまったのだ。

 Kateは、俺がノトムの一番のフレンドは?と聞かれて真っ先に答えるほど仲の良いフレンドだ。その仲の良い理由は、同じネカマ仲間。これが上げられる。

 俺がショートカットの快活そうなオレンジ色の女の子のキャラRheiを使っているのと同じように、Kateもまた、ワイルドロングの茶髪のロリキャラを使っているのだ。

 今までも俺に邪なDMを送ってきたり、貢物の見返りとして邪なお願いをしてこようとして来た奴らは居た。

 けどそいつらは、俺がネカマだと伝えたり、激しく拒否すれば身を引くような奴らばっかりだった。

 こうしてKateみたいに、本当に俺にお金を渡そうとしてくるのは初めてだった。

『これ、あげるよRhei』

 Kateが個人チャットで喋った。何を要求されるんだろうか…5万なんて返せないぞ……?

「なんでこんな?なにがあった?」

 返答に悩んだ末、俺はKateになにがあったのかチャットで聞いてみてる事にした。理由を探らねば…。

『何も無いよ?…ううん、強いて言えば何も無いから……かな?』

 ……何だそれ…?そんな、何も無いみたいな理由で突発的にこんな事をして来たのか?やっぱり何かあったんじゃないか?

 俺が続けてチャットでそういう風に返しても、Kateは飄々と受け答えし、全く聞き入れようとしない。仕方なく俺は、Kateにチャットで注意をする事にした。

「あのさ…こういうの辞めろよな、マジで……俺こんなのされたらビックリするからさ………あんまり続けると、お前のこと嫌いになっちゃいそうだぞ?」

 俺がそうチャットで注意すると、Kateからの反応が無くなった。分かってくれたのか?と俺は思い、安堵する。

 良かった…こんなん続けられたら怖くなってた…。

 

 けど、俺の安堵は直ぐに消えることになった。

『受け取ってくれないの?』

 全然分かってない。そういう話じゃないだろ!

「受け取る受け取らないとかじゃなくてだな…」

『でもRheiが受け取ってくれないと、カードはただの紙切れだよ。僕はyPhoneじゃないし』

 そうだった。KateはyPhoneじゃないから、yTunesカードは使えないのか………Kateは馬鹿なのか?

「………ああもう…分かったよ……受け取れば良いんだろ?受け取れば…」

 正直、金欠の大学生としては俺だけにしか使う事が出来ない5万円をみすみすドブに捨てるような真似は出来ない。Kateのお金を使うのは悪いけど、一人暮らしでバイトも詰め詰めにしてオンラインゲームもして大学も行って…だとどうしてもバイトと仕送りだけではキツい所がある。

 もうKateにはやらないように言ったから、一時の臨時収入として…Kateとのフレンド関係が少し悪くなるかもしれないという少しの懸念を免罪符にして……俺はKateからお金を受け取ってしまった。

 ネカマじゃないと公言しているワケではないが、ゲームではリアルマネーの取引はあんまり宜しくない。親しい仲だとしても、友達に無償で送るお金なんてあっていい筈がないと思う。

 俺はその日、やってはいけないことをしてしまったという重圧と娯楽の為だけの5万円が手に入ったというドキドキ感。それと、Kateへの不安感で気絶するように眠りに落ちた。

 

 

 朝起きると、ベッドに大量の汗が出ていた。

 身体中に変な汗が出ている。きっと、例の5万円のせいだろう。

 ノトモに接続しながら、着替えをしていた俺は自分の顔が真っ青になっているのに気付いた。

 顔は死にそうなのに、体はむしろ生き生きとしている気がする。日頃の不安感を一気に全部出せたからだろうか。

 ノトモにはまだKateはインしていないようだった。Kateとの個人チャットに入ると、昨日のチャットログが残っていた。2日前の他愛もないやり取りから、昨日いきなり送られてきたカードの画像が輝いている。

 震える手で、カードの番号を写してしまう。ああ、俺は最低だ…。

 きっとこのお金でゲームを買ったら、課金をしたら、罪悪感で押し潰されてしまうんだろうな…。

 そう考えると途端に昨日の夜、寝る前に考えていた少しのドキドキ感は、不安のドキドキへと変化したような気がした。

 やっぱりこういうお金を貰うのはダメだ。決意を新たに、俺は朝のクエスト巡りを10分程度で終わらせ、ノトモを閉じる。

 Kateとの個人チャットは、俺のチャットを最後に終わっていた。

 

 

 大学も終わり、バイトに行く前にTweeterを覗くとTLにKateの呟きが出ていた。

『今日も一日、頑張るぞいっ』

 数時間前の呟きだ。いつもと変わらなくて安心する。

 バイトに着き、数時間バイトをしてから休憩に入る。またTweeterを覗くと、今度は推しの事について呟いているらしい。

 暫くフォローしてる人達の呟きを流し見していたが、その内の1人の、好きな子を堕とす最強の裏ワザを一人だけに教えます、という如何にもな宣伝文句に目が止まる。

 んな馬鹿な、と思っていると表からヘルプが呼ばれる。スマホをバッグに入れ、駆け足でヘルプに戻った。

 

 

 バイトも終わり、クタクタな状態で満員電車に乗り込む。

 今日は何かと人が多くて、いつもの数倍は忙しかった気がする。

 電車から降り、改札を抜けた俺はスマホを取り出してTweeterでも見ようとする。と、何やら通知が来ていたのでソレをタップする。

 どうやらKateからのDMのようだ。

 確認すると、今回でホントに反省したという旨のDMと、その埋め合わせを今度はリアルで会ってしたいという話だった。

 一瞬、ホントにコイツ反省してんのか?と思ったが、お金を渡す等の話はしてないし、これからも関係を深めていきたいという純粋な心が伝わってくるDMだった。

 埋め合わせ云々は意味が分からなかったが、そういうのはDMや通話するより、リアルで直接指摘する方が伝わるだろう。

 Kateとは自慢じゃないが、もうかれこれ1年半くらいは続いている仲だ。たまにゲームの個人チャットとかで暴走したりしてるが、通話とかだと普通の気の良い奴って感じだ。

 何回かリアルでも会っているし、別に危険性も無いだろう。

 俺はそんな風に思いながら、リアルで2週間後くらいに会う約束をした。それが間違いだったと思い知らされる事を知らずに…。

 

 

 2週間後。渋谷のハチ公前で待ち合わせを決めてた俺は、待ち合わせの時間ギリギリにハチ公前に辿り着いた。

 直前までKateへのサプライズを準備して居たせいで、遅刻ギリギリになってしまったのだ。息を切らしてると、いつもの茶色のベレー帽に黒のオシャレな紐がめっちゃ着いてる服装のKateを見つけた。

「ケイ」

 俺が息を整えてからそう言うと、Kateが…いや、ケイがこっちを振り向いた。

「レイ!ギリギリだったね」

 俺たちが呼び合っている名前は、本名じゃない。ゲームのキャラ名のKate(ケイト)とRhei(レイ)がたまたま本名っぽかったので、お互いが分かるようにその名前で呼び合うことにしていたのだ。本名バレも含んでいるが。

「それじゃ、行こっかレイ」

 ケイが俺にそう言って、手を差し出してくる。俺としては手を繋ぐのは恥ずかしいが、ケイは手を繋いで歩くと安心するらしい。ので俺は、いつもリアルで会うと手を繋いでいるようにしている。

「うーん…レイの手はいつ触ってもすべすべだなぁ…」

「はいはい、ケイの手の方がすべすべしてるよ」

 俺がそう返すと、ケイが不満そうに頬を膨らました。

 男のケイがしても、普通なら気持ち悪いはずのそれは、果たしてとても様になっていた。初めて会った時は、もう少し大人っぽかったはずなんだけどな…。

 しかし直ぐにケイは、何かを思い出したような顔をすると、頬を戻して上機嫌に歩き出した。

「?どうしたんだ」

「ううん??べっつにー???」

 こういう時のケイは絶対に何かある。が、大抵はサプライズに関する事なので敢えて指摘しないで置く。どうしたのか聞いたのは、本当になにかあったらいけないと思ったからだ。

 その後は、何事もなかったように平和で楽しい時間が流れ…ケイ主導の下、渋谷散歩はカフェに落ち着いた。

 カフェでケイは、バッグからプレゼントの袋を取り出した。

「…今回は、ほんっとにーごめん!レイがああいうの好きじゃないって知ってたのにあんな事しちゃって!」

「もーいいって。この前も言ったけど、普通にしてくれればそれで」

 本当にケイは変なとこで真面目なのだ。性癖は斜塔並にねじ曲がっているが。

「ううん、僕の気持ちが収まらない……だから、はいこれ」

 渡され、袋から取り出すとお守りが入っていた。

「?なんだこれ?お守り?」

「これはね…えーと、運気アップのお守りなんだって!これを握ってお願いごとをすると叶うんだって」

 へー。意外だな、ケイがそういうの渡してくるなんて。でもまあ、前に渡してきたサプライズよりかはマシだな、身に付けられるし。

 …っと、そうだった。俺もプレゼントがあるんだった。

 

「あ、そうそう。はい」

 ずいっ、とケイの前にこちらもバッグからプレゼントを取り出して渡す。

「…へ?」

「これ……俺からもサプライズ」

 俺がそう言うと、ケイはパッと顔色が嬉しそうになった。

「プレゼント………今開けてもいい?」

「いいよ?俺も開けちゃったしな」

 ケイが開けていくのを見ながら内心ニヤニヤしながら見た。

 一種の意趣返しだコラ。

 ケイがプレゼントを開けて取り出すと、不思議な顔をした。

「…………え、なにこれ……?」

 プレゼントは、中に白い粉が入っている謎の瓶だった。

「それはな、何でも好きな子を堕とす不思議な粉なんだそうだ。高くて、5万円もしたんだぞ」

 俺がそう言うと、ケイはぽかんと口を開けた。そうだろうそうだろう。

「お前が、埋め合わせとか訳分かんない事を言ってたから俺もちょっと考えてな。良い奴とかになって返されたら、お前も俺に心臓の悪い事をまたするだろ?だから、変な奴と5万円を敢えて変えたってワケよ」

 遅刻ギリギリになったのは、色々な理由で瓶が届くのが送れて包装したのがついさっきだったという理由だ。

「これに懲りたら、また普通に遊ぼうぜ」

 俺はそこまで言い切り、カッコよくトイレに向かった。決まったな…これでケイも、俺にお金を渡すのは怖くて出来ないだろ。

 

 トイレから戻り、会計した後も普通に散歩しようとしていたのだがケイの様子がやっぱりおかしくなっていた。流石にやり過ぎたか?と俺が思っていると、唐突に雨が降り出した。

 仕方ないのでどこか雨宿りする場所を探そうとしたのだが、何やら体が熱い。慣れないことをしたせいで、体にストレスでも溜まったのだろうか。

 あんな意趣返しをされたのに、ケイは俺の体を支えてホテルに入ってくれた。椅子で座って待っていると、ケイが優しく俺の顔の汗を吹いて世話してくれた。

 ホテルの従業員さんにも、丁寧に説明してくれてたらしく、いつの間にか俺はホテルのベッドで寝かされていた。ベッドから起き上がると、体に違和感を感じた。多分、熱とかを引き起こした何かしらの影響だろう。

 起き上がった俺を見つけて、テーブルにお守りを置いたケイに俺は少し感動を覚えた。

 もしかして、俺にあげようとしてたお守りを自分で使ったのか?だとしたら良い傾向だな、なんて感動だ。

 数秒後にそれは間違ってないけど、間違っていた事に気付いた。

「…ああ、起きたんだね…僕の可愛いレイ……ううん、優」

「………ぁぇ?」

 僕の可愛いレイ?え?ていうか、優って俺の本名…え?ていうか、俺の声ってこんなに高かったっけ?

 頭の中がハテナで埋め尽くされる。身動ぎしようとしたが、それは失敗に終わる。

「……ん?」

 俺は体に違和感があると思った。だけどそれは違和感じゃなかった。

 異物感だ。

 ベッドの端に、左手が拘束されている。

 いや、それだけじゃない。脚も固定されてるし、少しの自由しかない。

「気付いた?そう、優のことベッドに縛り付けさせて貰ったの。ごめんね?痛かったら言ってね?」

 意味が分からなかった。目の前にいるこの男が、ケイだって信じられなかった。笑顔を浮かべてはいるが、ケイの目は全然笑ってなかった。

「な、ケイ……?優って、俺の本名…ていうか、なんでこれ、手錠…」

「手錠は借りたの。ここ、SM系の道具も取り扱ってるラブホで良かったよ。本名はね、優本人の口から教えて貰ったよ?」

 ラブホ…?ホテルっていうか、ラブホだったのかここ……ていうか、手錠も置いてあるとかどんだけだよ…俺の口から名前教えて貰ったってどういう事だ?え?マジで意味が分からん。全部何もかも分からん。

「混乱してるみたいだね、優。これなーんだ?」

 ケイがそういう風におちゃらけて見せて来たのは、俺が渡した粉だった。いやいや、それはギャグと言うかなんというか…。

「優には教えてなかったけど、僕って日本では有名な陰陽師の分家の子なんだ。だから真っ先に気づいたよ?これが本物の霊力の篭った粉だって」

 なんだそれ?そんな馬鹿みたいな話があるワケ…。

「あるんだよ、優?現に体を見てみて?さっきは気付かなかったと思うけど…」

「体……?」

 そう呟くと、耳がおかしくなったのかと思うほど自分で聞こえる声が高く聞こえた。今度こそ嫌な予感がして、体を無理やり見て絶望した。

「…なんだ、これ……?」

 バスローブの下に何も着ていない…いや、着せられていないことでより今の自分の状態が分かった。俺の胸は膨らみ、跨ぐらにあるはずの感触は存在しない。少し顔を動かすと、いつもよりも髪がサラサラしている気がした。

「…………誘ってるの?」

 ケイにそう呟かれ、は?って思うのと同じくらいに俺の体は再びベッドに沈んだ。

 ベッドのスプリングに跳ね返される体が、ケイの体に押さえつけられ柔らかな悲鳴が反響する。いや、これは俺の悲鳴か。

「ケイ…どうしてこんな事をするんだよ…っ」

 もうどうしたら良いのか分からず、俺は必死になってケイをどかそうとするがケイを全く引き剥がせない。

 それどころか、より強く俺は押さえつけられてしまう。ケイの匂いが俺の鼻に入り込み、呼吸する度に気持ちがどんどん落ち着かせられてしまうようだった。

「優……優こそ、どうしてそんなに可愛い顔をいつも晒してくるの?誘ってるんだよね?僕、いつも優に…レイにドギマギさせられてるのに、毎回優は何もしてこないんだもん……」

 そう言うケイの表情に、理性はほんの欠片しか見て取れなかった。頼むから思いとどまってくれよ…。

 

「ケイ…頼むから止まってくれ……俺は、お前と決別したくない…」

 そうケイに言うと、ケイは少しだけ表情に落ち着きを持たせた。

 そして俺に、絶望の言葉を投げかけた。

「優………観念して、僕のお嫁さんになるか、拒否して、僕のお人形さんになるか。どっちがいいか教えて?」

 ケイの表情は、俺がどうするか分かっているような顔だった。或いは、迷子になってしまったような子供のような顔で…。

 そうだ…俺に拒否権はない……。俺がケイを拒否してしまったら…きっとケイは、独りぼっちになってしまう。

 前にケイが話してくれた内容で、自分は家族からも友達からも孤立しているという話があった。

 イジメではなく、自然とそうなったのだと。そんな時、テレビでやっていたゲームを1つしてみると意外と楽しく、それ以来ゲームをやっていたのだと。

 俺はその中で、一番仲良くなったゲーム友達なのだとも。

 どうしてこうなったのだろう。俺は、押さえつけられた状態で拘束されていない右手を必死に上げた。そして、ケイの顔を撫でた。

 ケイは弾かれたように俺の方を見てから、右手を見た。

「ごめんな……俺はケイのお嫁さんになれない…」

 その言葉を聞いたケイは、深く絶望したような…そして、深く心を閉ざしたような顔をした。

 瞬間、俺の中で体と心が激しくせめぎあった。心から言いようのない気持ちと、体から溢れる形容しがたい欲望が溶けだした。俺はその2つが溶け合った物が喉から溢れるのを止めることが出来なかった。

「でも………リアルのケイのお嫁さんにはなれる……だから、名前を教えて…?」

 そうだ。俺はリアルのケイの名前を知らない。

 俺たちが、リアルでなにか起きた時の為に残しておいた防波堤。それを今、俺は自ら壊した。壊してしまった。

「奏汰。僕は奏汰だ」

 ケイが…奏汰が、反射的に自分の名前を言った。その顔は見えない。

 けど…………。

 

「奏汰………俺を、奏汰のお嫁さんにして下さい……」

 震えた口が、奏汰の口に塞がれる。目を閉じた俺には、奏汰が泣きながら喜んでいる姿が見えた………。




2人は幸せなキスをして終了
ここまで読んでくださってありがとうございました

初めて長く書いたのですが拙作すぎてエタりたい…
まあ、書き終わったんだけど……


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