このお話に、名前をつけよう。
グランドオーダーだけじゃ、味気ない。
じゃあ後ろに、彼の名前を。
いやいや、流石にそれはやりすぎかな。
それなら、この言葉を冠そう。
彼が時折口にしていた、基盤という意味を指すその言葉。
未来の礎となるこの旅には、相応しいだろう。
そういえば、彼はしばしば、運命という意味でこの言葉を使っていたっけ。
ならばやっぱり、これ以外にはありえない。
だって、彼も私も、運命に導かれたのだから。
これは、私の英雄の話だ。
SAOの原作18巻を読んでいない方はブラウザバックを推奨します。
ネタバレオッケーという方はどうぞお進み下さい
第一部に関するネタバレもあります。忘れてました、すみません。
「……ハズレ、ひいちゃったな」
それが私の聞いた、彼の最初の言葉だった。
人理継続保障機関、通称『カルデア』。
何の知識もなしにそこへ訪れた私は、紆余曲折あって世界を救う人類最後のマスターになった。
訳も解らないままに背負わされた重すぎる使命。
その重圧に何度も押しつぶされそうになる私を支えてくれたのは、Dr.ロマンをはじめとするカルデアスタッフのみんなや、自分を先輩と慕ってくれるマシュ、そして、召喚したサーヴァントたちだ。
その中でも最も付き合いの長い、私が最初に召喚したサーヴァント。
彼の真名は、―――『キリト』。
特異点Fから帰還した私は、所長の死にどうにか心の整理をつけたあと、『システム・フェイト』による英霊召喚を行った。
縁を結んだ英霊が優先的に召喚されるとロマンに聞いていたから、来るのはきっとキャスターさんだと思っていたけど、違った。
光が収まったあと、目の前に立っていたのは一人の少年。
私とそう変わらない身長に、華奢な体躯。純日本人然とした、真っ黒な長めの髪。威圧感のかけらも無い、女の子みたいに柔弱な顔。
あまりの意外さに拍子抜けした私は、彼の真名とクラスを聞き逃してしまった。
だから余計に、ばつの悪そうな苦笑を浮かべながら、自分を
そして、ちゃんと彼の話を聞いていたロマンに真名とクラスを教えてもらった。
全く聞き覚えもない名前だったから、どんな人なんですか、なんて馬鹿正直に尋ねてしまった。
すると彼は、やっぱり苦笑してこう言ったんだ。
「ただの一般人だよ」、と。
その後、慌てた様子のロマンから、彼のデータは人類史に記録されていないと言われた。
でもそれが大変なことなのか私にはよくわからなくて、同年代の友達にするみたいに、「あなたはどんなことをしたの?」って聞いたんだ。
「こことは別の世界で、デスゲームから六千人の人々を解放したよ」
まあ、そんな吃驚仰天の答えが帰ってくるとは思わなかったけどね。ロマンもダ・ヴィンチちゃんも唖然としてて、私もぽけーっと間抜けな顔をしていたと思う。
結局夜も遅かったので、詳しいことは明日にまわされた。彼のデータの解析をする羽目になったロマンは「当分休みは取れないな……」なんてぼやいていたっけ。彼にてきとうな励ましを贈って、その日は眠った。
翌日、第一特異点へのレイシフトが行われた。急だとは思ったけど、早いほうがいいのは確実だったから、彼とマシュを連れて百年戦争まっただ中(のはず)のフランス……、いや、オルレアンへと素直に向かった。
空を覆う光の輪に、蘇った二人のジャンヌ・ダルク。本来の歴史とはかけ離れた世界。
救国の聖女と出会い、共に魔女と呼ばれるもう一方のジャンヌの足跡をたどる私達は、燃え盛る村にたどり着いた。
そこで私は、見てしまった。
死肉を貪る、亜竜の群れを。
奥歯を噛み締め、殲滅に乗り出す二人の後ろで、私は情けなく悲鳴を上げて、マシュとジャンヌに続こうとするキリトにしがみついた。
「大丈夫。この命に変えても、君を守ってみせる」
変声期半ばの、少し高めで優しいその声は、怯える私を落ち着かせてくれた。私が平静を取り戻したことを確認すると、彼はワイバーンの群れへと向かっていった。
大旗が、円盾が、二刀が、次々と振るわれ、恐怖の象徴を私から遠ざけた。みんな、私とそう変わらないくらいの年のはずなのに。臆さず立ち向かう彼らを見て、私も頑張らなくちゃって、そう思えた。
けれど、そのときは気づけなかったのだ。
彼の手が、足が、少しだけ震えていたことに。
最初の挫折は、バーサーク・ランサーとの二度目の交戦のとき。
絶望的なステータスの差。相性有利のはずの彼は、しかし一分と保たなかった。
「この、程度か? 随分とあっけない……」
串刺し公の余裕、というより困惑の声。
彼の急所という急所をすべて貫いて、全身から生える無数の槍。それらが引き抜かれ、直後、べちゃ、という泥の塊を叩きつけたような音が響いた。
広がっていく赤い血溜まりの中心で、ピクリとも動かない彼に、私は無意識に手を伸ばしていた。
「反応……消失…」
自失する私に、ロマンが苦しげに無慈悲な事実を告げる。
「…大丈夫だ、彼の霊基グラフはちゃんと記録している。彼ともう一度会うためにも、なんとしててでもここを切り抜けてくれ!!」
あとに続いた励ましの言葉は、ほとんど耳に入らなかった。ついさっきまで普通に話していた相手が、見るも無残な姿で転がっているのだ。膝の震えも、歯がカチカチなるのも、止められなかった。
呆然とする私の隙を、ランサーが見逃すはずもない。敵がこちらを振り向き、彼の命を奪った槍と同じものが自分めがけて突き出された。それを、私はただ他人事のように見ていることしかできなかった。
ドスッ
そのとき何が起こったのか、全くわからなかった。鼻先数センチで止まった無数の兇器、バーサーク・ランサーの胸から生える、漆黒の刀身。
仮初の命をあっけなく散らしたはずの彼が、夥しい量の鮮血を迸らせ立っていたのだ。
直後、閃光。
彼の剣が霞む速度で閃き、串刺し公の体を刻む。マシュ曰く、二十三連撃、それが僅か数秒の間に振るわれた。
今度こそ力尽きた彼は、ランサーと折り重なるように倒れ、光と消えた。
死に際の彼の姿は、その壮絶な戦いぶりは、私に勇気を与えてくれた。そのおかげでかろうじて特異点を修復した私は、帰還後に興奮した様子のロマンからある事実を伝えられる。
「本当に訳がわからないよ!!彼の霊核は、ランサーに貫かれた時点で完全に損壊していた。本来ならその時点で消滅待ったなしだ! 普通の人間に例えるなら首を切り落とされたようなもんだよ!? や、サーヴァントも首切られたら終わりだけども」
彼はそんな状態であれだけ派手に動き回っていたらしい。しぶといとかそういうレベルじゃないよね……。
ちなみに最後の攻撃、本当は二十七連撃だったとか。途中で限界がきたせいで、中途半端に終わってしまったそうだ。
それから少しして、彼についての詳細が明らかになった。
度を越した生命力は彼の固有スキル、『反逆者』によってなされていたらしい。EXという規格外のランクを誇るそのスキルの効果は、理への反逆。
そもそも彼を一廉の英雄たらしめているのは、デスゲームのクリアではなかった。六千人の解放も、その副産物に過ぎない。彼の成した最たる偉業は、システムという絶対の運命に抗い、それを凌駕したこと。神の打倒すらも超えるその功績でもって、彼は英霊になったのだという。
故に彼は、聖杯が定めたシステムにすら抗う。相性不利だろうが、霊格が消滅しようが、すべて覆す。本人にその意志はないが、やろうと思えば令呪の命令にすら逆らえるらしい。
とはいえ、そのステータスは壊滅的。宝具も剣技の延長で、はっきり言って大したことはない。消費魔力が少ないのが唯一の救いだが、防御宝具なのでさして意味もない。
マシュと戦えば十回中十回負けるだろうし、スキルも一発芸のようなもので、以降は警戒されるからまったく役に立たない、……とここまでの酷評はすべて本人の弁だ。
結局彼は足手まといになるからとその後の人理修復にはほとんど参加せず、たまに微小特異点に顔を出してくれる程度だった。知らないところで手助けはしてくれていたらしいけど。
その代わり、と言ってはなんだが、召喚したサーヴァントの中でも最も生まれた年代が近いため、私とよく話してくれた。
彼がいた世界は私達よりも数年進んでいたらしく、一般に普及している技術に関しては私たちの世界より数段優れていた。プレステが6まであると聞いたときのエルメロイ先生は凄まじい剣幕だったな……。
しばらくしてだいぶ打ち解けたと思う頃には、彼の仲間のことについて話すようになった。奥さんの話とかはぶっちゃけただの惚気で、だけどいろいろな意味で驚きだったから、結構面白くて。
「その人のことを本当に愛してるんだね」って言ったときは、顔を真っ赤にしていて何だか可愛かった。
……彼の背中は、ちっぽけで、狭くて、頼りなくて。
けれど、他の誰よりも、私に勇気をくれた。
「俺にだって世界を救えた。いろいろな人から助けられて。だから、君にだってできるさ。君は俺なんかより、ずっとずっと強いから」
彼の言葉が背中を押してくれた。彼のおかげで踏ん張れた。私にもできるんだって、そう思えたんだ。
でも、結局彼は―――
消えてしまった。
ついに訪れた決戦の時。七つの特異点を修復し、ようやく明らかになった魔術王の居場所。
【冠位時間神殿ソロモン】
そこが彼との別れの場所だった。
何度でも蘇る、常に七十二であり続ける魔神柱を食い止めるために駆けつけてくれた、たくさんのサーヴァントたち。
彼らの奮戦のおかげで、私達はついに魔術王のもとへと辿り着く。
ついに明らかになる、ソロモンの正体。それは彼の王の遺体に巣食った、七十二柱の魔神の集合体にして、意思持つ召喚式。
真名を、【ビーストⅠ】人理焼却式、ゲーティア。
その第三宝具を、マシュは己の宝具で迎え撃った。「人間は無価値」と断じたゲーティアの呼びかけを、彼女は決して屈することなく振り払い、自らを犠牲に防ぎきった。
その盾には、彼女の精神同様傷一つなく、しかし私は、それを受け入れることができなかった。悔しくて、悔しくて、許せなかった。
―――命なんてもういらない。
私は激情に呑まれ、死を覚悟した特攻を選んだ。血が滲む程に拳を握りしめ、彼女の痛みを少しでもその身に刻んでやると。
けれど、そんな私に待ったをかける者がいた。
Dr.ロマン。この一年の間、ずっと私を支え続けてきた、かけがえのない仲間。
そして、ここにいるはずのない人。呆然とする私とゲーティアの前で、彼は自分の正体を明かした。
彼こそが、真なるソロモン。最後の指輪を中指にはめた、全てを見通す王。
存在そのものをかけて、彼はゲーティアの絶対性を打ち砕いた。ただ一筋の光明を、私の前に示してくれた。
だけど、それでも、その光を掴み取る一歩、あと一歩だけが、足りなかった。崩壊を始めたゲーティアが、諦めることなく私の前に立ち塞がる。
届かない、負けたくない、負けられない。その思いに、応えてくれたのは―――
「遅かった…、か。本当に俺は、役立たずだ」
そこに駆けつけたのは、たった一人のサーヴァントだった。
ずたずたになった黒いコートを深紅に染めて、満身創痍の、立っているのも辛いだろうその姿で、それでも彼は、自嘲気味に笑っていた。
そんな彼に、私はこう返す。
「ううん、間に合ってくれた。だから、ありがとう」
彼は少し照れたようにはにかむと、圧し折れた剣を地に落とした。そしてもう一方の剣を掲げて、こう言ったんだ。
「ああ。サーヴァント、セイバー、キリト。遅まきながらも、ここに参上しました」
あの日聞きそびれた、その口上。新たなサーヴァントを召喚する度に、彼のはどんなのだったろう、と思っていた。英雄になんてかけらも見えない彼が、英雄らしく振る舞う瞬間を見てみたいと、そう思っていた。
けれど、もう一回やってくれと頼むのは、なんだか気恥ずかしくて。結局口に出すことすらしなかったそのささやかな願いは、最後の最期でようやく叶った。
―――彼は紛れもない、英雄だった。
その瞬間の、彼の華奢な背中は何よりも大きく、そして頼もしく見えて。
同時に、彼が何をしようとしているのかも、はっきりと分かった。
だって彼は、さっきのロマンと同じ目をしていたんだから。
「ありがとう、マスター。君との日々は、とても楽しかった」
その言葉に、なんとか返事をしようとしたけど、無理だった。溢れる涙が視界を歪め、漏れ出る嗚咽が声を遮る。今まで堪えてきたものが全部、決壊してしまったんだ。
「さよなら……、立香」
その手には、聖杯。願うことなど何一つなく、その用途はただの、足りない魔力を供給するだけのタンクだ。
コートを破り捨て、剣を放り投げ、彼は叫んだ。
「俺でない俺に、力を」
直後、世界が塗り替えられた。
ほんの十数秒。その間に見た全てを、黄金の瞳の彼が振るった、神すら凌駕する力を、私は目に焼き付けた。
戦いが終わり、仮初の世界が消失したあと。崩れ落ちる神殿に立つ彼は、もう限界だった。
光となって消えるのではなく、徐々にひび割れ薄れていくその様子は、それが決して座に還るというような生易しいものでは無いともの語っていた。
「はあ。二番煎じもいいとこだな……」
彼が行ったのは、世界を呼び出すという奇跡。聖杯の魔力ありきのその無茶無謀は、決してサーヴァントの身で許されることではなかった。
代償は、世界からの追放。もともとこの世界の、この世界から届く平行世界の外側にいる彼は、不安定な存在だった。
だから、彼は消える。ロマンと同じように。現世からも、急造された座そのものからも。
「二番煎じ、なんかじゃない……」
私は涙を振り払い、口を開く。彼の言葉を、否定する。
その覚悟は、その思いは、その意志は。決してそんな言葉で切り捨てていいものじゃない。
「君は……、君は」
彼は凡人だ。綺羅星の如き英雄たちとは違い、人々から憧れられる存在ではない。畏怖される存在でもない。
けれど―――
「君は……、私の、英雄」
それでも彼は、ううん、誰もが。誰かにとっての、英雄なんだ。
「―――ッ」
抱きしめた彼の体は、驚くほどに細くて、折れてしまいそうで。肩に感じた暖かさが、数瞬後に熱を奪う。
彼は、泣いているのだ。
消えてしまうのが怖くて。もう一度死を迎えるのが怖くて。
そしてきっと、別れが悲しくて。
「また、会えるかな……」
今まで聞いたことのない、涙混じりのか細い声。
そう、彼だって、怖かったんだ。死体なんて見たことも無かっただろうし、強大な敵は、恐ろしかったんだろう。
それを悟らせないように、私を不安にさせないように、強く振る舞っていただけ。
―――だから、最後くらいは。
私はぎゅっと、ひときわ強く彼を抱きしめて。
「うん、絶対会える」
だって、私は世界を救ったマスターで、そして君は……
「世界の理すら覆す、反逆者なんだから」
―――私が励ましてあげなくちゃね。
彼の体が、解けて消えた。穏やかな消滅は、彼の世界に対する最後の抵抗か。その残滓を、私は愛おしげに見送ると、帰るべき場所へと駆け出す。
その先に彼がいるのだと、そう信じて。
「先輩、手を!!」
ほら。
今この瞬間にも、奇跡は起きているじゃないか。
―――また会おうね、キリト。
クラス:セイバー
真名:キリト/桐ヶ谷和人
出典:???
身長:158cm
体重:36kg
イメージカラー:全てを包み込む夜空のような黒
日本生まれの一般人、であるが十四歳の時に世界初のVRMMORPGにしてデスゲーム、《ソードアート・オンライン》に巻き込まれてしまう。幾多の戦いを経て、二年後に同ゲームをクリア。黒の剣士として歴史に名を残す。
しかし、その程度では英霊にはなりえない。
彼を座に導いた最たる偉業は、システムを意志の力のみで凌駕したことである。
ついで、別側面として異世界アンダーワールドに安寧と繁栄を与えた唯一にして絶対の支配者、星王が存在しているが、上手く分離されていないのかそちらの人格が表面化することもある。
半分引きこもりに近い廃ゲーマー故か、本人が虚弱体質と自称している通り体重がとても軽い。尚、彼は別に少食というわけではなく、むしろよく食べる方らしい。
ちなみに、二十歳以降の記憶は曖昧で、三十より先は完全に存在しない。波乱万丈だった少年期とは違い、穏やかだった余生の記憶は必要ないと判断されたのだろう。
よって彼の精神的な年齢は十六、七歳である。
パラメータ
筋力:D−
耐久:E−
敏捷:D−
魔力:E−−
幸運:C++
宝具:E〜EX
リアルの彼は一般人であるため、身体的にはそれほど強くない。というか弱い。
自分より小柄な婦女子に鍔迫り合いで押し負けた、という逸話もあるほど。
リアルの姿、桐ヶ谷和人としてのステータスは知名度が皆無なのも相まって幸運以外は軒並みE−−−となり、バーチャルの姿、キリトとしてのステータスは、幸運以外はワンランク上昇する。基本的に表示されるのは二つの間をとった状態のため、このようなステータスとなった。
全体的に低く、魔力に至っては最低クラスであるが、幸運は普通。ここぞというときの悪運がとても強い。
まあ、デスゲームを生き残った挙げ句奥さんと娘まで獲得しちゃったんだからそりゃあね……。
保有スキル
二刀流 ランク:C
彼の異名の一つにして切り札。二本の剣から放たれる神速の連撃は、巨大な悪魔すら打倒する。
本来はA相当だが、彼自身がこのスキルを厭うているためランクダウンしている。
反逆者 ランク:EX
救世主? 勇者? 英雄? 違う違う。
システムという絶対の運命、現代の神とも呼ぶべきそれに抗い、そして凌駕した彼には、この称号が何よりも相応しい。
彼の成した偉業を示すスキル。他のどんな英霊にも、彼と同じ奇跡を起こすことは不可能である。
強度
ケイオスタイドを泳ぎきり、ネガ・ジェネシスを走り抜けることすら可能。
鈍感系主人公 ランク:A
彼はその人生で両手の指では数え切れぬほどの女性を虜にしたが、はっきり口に出されるまでただの一度も好意に気づいたことはなかった、Aランク朴念仁である。
ちなみに彼は本妻一筋であり、他の女性とはあくまで友人として接し続けたという。
心せよ、一度気を緩めれば、汝は叶わぬ恋にその身を焦がすことになるであろう。
対魔力 ランク:B
彼自身の魔力に対する耐性はさほど高い訳でもない。
しかし、彼は鍛錬の末に魔術の核を捉え、切り裂くことを可能にした。
彼曰く、「どんな高速魔法も、対物ライフルの弾丸よりは遅い」とのこと。
直感 ランク:C
長年の経験で培われた第六感。
その直感による危機回避能力は、はるか彼方から自身を狙い撃つ超音速の弾丸すら躱すほど。
ソードスキル ランク:A+
かの鋼鉄の城に伝わる剣技。一万人の頂点に立つ彼のそれは、もはや神業とも呼べるものである。
本来は二刀流もこれに含まれるはずだが、彼の意思、というよりは認識の差異により分離している。
コンバート ランク:A
その生涯で数多の仮想世界を渡り歩いたことで獲得したスキル。
サーヴァントとして召喚されている自分を仮想のアバターとみなし、特異点をVRワールドと認識することで自由にレイシフトができる。
宝具
崩れ堕ちし浮遊城(ソードアート・オンライン):E〜A+
彼がその生涯で振るった剣の総体。心意によって自由に呼び出すことが可能である。
ただし、リアルワールドでは性能が大きく弱体化するため、まともに打ち合えば砕かれてしまうほど脆い。
一本ずつの運用も可能だが、彼より弱い英霊などほとんど存在しないため、常に二刀での戦闘を強いられている。
この剣によって彼は最低クラスのサーヴァント、キリトとしての戦闘力を得ており、非装備時は一般人であるマスターにすら力で負ける。
斬撃は最大の防御(オール・ブラスト):D
盾を持たない彼は、攻撃に対して回避する以外の選択肢を持たない。
しかし、どうしても躱せぬのなら。剣にて防御を行うのも、悪くはない。
効果
自身へ向けた攻撃を物量・重量・速度関係なく剣にて迎撃、破壊する。
とはいえ、あくまでも面ではなく線による防御のため、自身を飲み込むほどの規模の攻撃に関しては無意味である。
詠唱
「剣を以て、剣を砕き、剣を以て、魔を滅し、剣を以て、弾を斬る!!
斬撃は最大の防御(オール・ブラスト)!!」
穢れ無きもう一つの現実/護り愛し続ける我が世界(アンダーワールド):EX
人が創り上げた、紛れもないリアル。
異世界とも呼ぶべきかの世界はすでに創造主の手を離れ、彼の庇護のもと凄まじい発展を遂げた。
そこで彼は星王と呼ばれ、神にも等しき力を振るったとされる。
効果
真正の異世界、アンダーワールドを呼び出す。
このとき、キリトは星王の人格へと交代し、知名度補正と本人の強化によって全ステータスがA+++もしくはEXまでランクアップする。
また、他の英霊の知名度は皆無に等しい、どころかこの世界には存在すらしていないため、大きく弱体化することになる。
発動には膨大な魔力が必要、かつ異世界を呼び出すという無茶にもちろん霊基は耐えられず、そもそも世界から弾き出される諸刃の剣。
その他、二刀流がEXまで強化され、神性C(本人の意思により大きくランクダウンしている)、カリスマA+がスキルに追加される。
詠唱
パターン一
「俺でない俺に、力を……」
「理想、夢想、幻想……、否、それは確かに
穢れ無きもう一つの現実(アンダーワールド)!!」
パターン二
「It will be all right……」
「あらゆる可能性は、いまはまだ不確定な光の彼方に、かすかに揺らぎ、たゆたうのみである。
いつかこの身が、電子の海に消え果てる時迄……。
護り愛し続ける我が世界(アンダーワールド)!!」
備考
キリトと星王でそれぞれ詠唱、宝具名が変わる。
記憶解放術(リリースリコレクション):EX
彼の愛剣、夜空の剣によるエネルギー広域吸収と、彼の親友の愛剣、青薔薇の剣によるエネルギー強制放出の同時発動。
そのコンビネーションが生み出すシナジー効果は凄まじいの一言に尽きる。
人間関係
ブーディカ、エミヤ
ガリッガリなのを心配されているため、食堂では彼専用メニューが存在している。本人も舌鼓を打っているが、やはり愛する妻の手料理には劣る模様。といっても、彼自身がそんなことを言うはずもなく、二人が自嘲気味に語っているだけだが。
ちなみにエミヤとは、二刀流、現代の英霊、剣に深い関係を持つ等似通った点が多く、故に自分を彼の下位互換と卑下することがある。
モードレッド
反逆者のスキルを有することから一方的に対抗心を燃やされている。エクスカリバーの模造品を所持していたり、本人が女に甘かったりするため、逆鱗に触れることもしばしば。
マスター
サーヴァントたちの中では最も生きた年代が近いためか、友達のような距離感で気負うことなく接している。これがSAO開始以前であれば、彼の性癖により気まずい関係性になること間違いなしだったろうが。あとたぶん同属性。
仲良くなると奥さんのことについて色々教えてくれる。ぶっちゃけただの惚気。
なお、なんの縁も結んでいないはずの彼が召喚された理由は、運命を背負わされた一般人という共通点が存在していたから。つまり、マスターそのものが触媒となっていた。
その他歴史上の有名人に対しては、あまりの変化に戸惑うこともしばしばだとか。