アーチャー・カーマと■■■■■■■の聖杯戦争へ 作:ルシエド
要望があったのでこっちに置いておきます。
執筆前に書いたものを微細に調整して書き直したものなので、私の見落としによって本編との齟齬が残ってる場合もありますが、その場合はこっそり直しておきます。すみません。
本編は余分なこと全部省いてました。
色々描写しなかったのは意図的なものです。
この物語は『彼』と『彼女』が全てです。
なのでこういう裏設定の開示を無粋だと思う方も居ると思います。
そういう方は見ないでブラバしてくださいませ。
【セイバー】
筋力C
耐久B
敏捷B
魔力B
幸運E
宝具C
『秩序・悪』
・創作のかませ犬の始祖 ブリアン・ド・ギルベール
スコットランドの創作『アイヴァンホー』の敵役。
アイヴァンホーは架空の人間を本当の歴史の登場人物のように扱う創作手法の元祖とも言われており、ギルガメッシュの『全ての宝具の原典』とは似て非なり、これは『サーヴァント達の作られた物語群の原典』である。
主人公ウィルフレッドは実在に見せかけた創作の主人公、というものの元祖。
ヒロインの一人レベッカは、このジャンルにおける主人公とお姫様の愛に割って入れなかった負けヒロイン、サブヒロインの元祖。
ギルベールは話の最初に登場し、主人公に負け、主人公に粘着し、レベッカに恋をするが振り向いてもらえず、身勝手な想いで主人公やヒロインを追い込む性格が悪い噛ませ犬の元祖。
ギルベールが己の恋心ゆえにヒロインを拐う展開は、後世の作品に真似されたとも。
伝承に抱かれたイメージに沿い、ギルベールの属性は悪の騎士である。
ヒロインに愛を拒絶された男であり、ヒロインを誘拐し監禁した者であり、ヒロインを助けに来た主人公との決闘に敗北し死んだ者でもある。
本人は望まずとも、彼は結果として敵の男女の愛を加速させる。
『真の邪悪』ではなく、『プライドの高い噛ませ犬のイケメン』の祖に近い。
聖堂騎士団の一員であるギルベールは、聖十字の剣を使う。
聖杯戦争に巻き込まれた一般人を殺すのを嫌がる普通の英雄ではなく、一般人に手を出すことに割と迷いがない外道のセイバー。
【ライダー】
筋力B
耐久A
敏捷D
魔力E
幸運B
宝具B
『混沌・中庸』
・南蛮の王 兀突骨
三国志演義に登場する架空の王。
だが、日本では長らく実在の王だと思う者が多かった。
身長288.2cmの大男で、全身に鱗が生えており、その体を藤を編んだ鎧で隠していたという。
巨大な象に乗って蜀を大敗させ、蜀を大いに苦戦させた。
刀も矢も通じなかったという伝承に基づき、物理攻撃のほとんどに対し無敵に近い耐久力を保有している。
蛮族ゆえに強いが、蛮族故に単純で、魅了のような精神干渉に弱い。
また諸葛亮孔明に焼き殺された伝承もあるため、カーマに対し絶望的に相性が悪い。
毒の水も平気で飲み、生きた毒蛇をそのまま喰らうため、毒を使うサーヴァントにも強い。
水の中でも自由自在に動き回ったとされる伝承から、水属性のサーヴァントと水場で戦ってもかなりの優位性を保つことができる。
宝具によって召喚される巨大な戦象は一騎当千。
その強さはインドの神々同様、サンスクリット語の讃歌で讃えられる凄まじきものだった。
兀突骨の用いる戦象は、ダレイオス3世がイスカンダル大王に対し切札として投入した戦象の同種族であり、対軍宝具として非常に強力。
象はローマ軍を蹴散らしたという逸話からローマ属性に対し強いが、象をたやすく処理したというカエサルにはめっぽう弱く、彼がセイバーとして召喚されていれば苦戦は免れないだろう。
【バーサーカー】
筋力B
耐久B
敏捷B
魔力EX
幸運D
宝具EX
『秩序・中庸』
・悪魔を縛る王 タフムーラス
ペルシアの叙事詩シャー・ナーメに登場する、古代イラン三代目の王。
悪魔を束縛し使役する凄まじき王と呼ばれ、アンリマユを縛り付け乗り回し、世界の全てを三十年もの間支配してしまったという。
本人がデタラメに強く、支配していた悪魔達が逃げ出し反乱を起こしたところ、タフムーラスに全員ボコボコにされてまた支配され、悪魔達は命乞いをして悪魔の秘術を余すことなくタフムーラスへと教えたという。
最後には愛する王妃の前では弱さを見せてしまい、アンリマユによって殺されてしまったため、いかなる悪魔にも勝利できるがアンリマユにだけは勝利できない。
このタフムーラスは『悪魔憑き』としての存在であり、一見して分からないが肉体は悪魔化し、精神は悪魔によって完全に汚染されている。
精神は汚染され、狂化が進んでいる王からは、生前の呪術や秘術の多くが失われている。
だが悪魔の軍団を殺そうとする必要すらなく一方的に叩きのめした強さは健在であり、悪魔への抵抗力を持つため未だ多くの呪術を使うことができる。
本物の悪魔との融合により肉体は真性悪魔化しており、神代クラスの神秘を内包しているため、基本スペックが非常に高いだけでなく、並大抵の神秘はまず通用しない。
宇宙の始まりの存在として召喚された者の攻撃であれば、問題なく通用する。
タフムーラスがかつて従え、今は彼と融合している悪魔の多くは、人間が名付ける前から存在した悪魔達……真性悪魔である。
カーマがかつて矢を射掛けた理由であり、シヴァとパールヴァティーの間に生まれた子にしか倒せない悪魔であり、神々がまるで歯が立たなかった魔神ターラカもまた真性悪魔である。
カーマは真性悪魔には大分恨みがある。
キャスターで召喚された時が一番強く、バーサーカーで召喚された時が一番弱いタフムーラスであれば、サーヴァントの霊基であるカーマでも楽々打ち倒すことが可能であった。
【ランサー】
筋力A
耐久A
敏捷A+
魔力A+
幸運A
宝具A+
『中立・中庸』
・ディンカの祖 アイウェル
大河の精霊の子、ディンカ族の司祭階級の権勢を裏付ける祖たる英雄。
南スーダンのナイル川流域、バハル・アル・ガザール地方にて信仰されていた。
敵を倒した偉業ではなく人智を超えた力によって崇められ、特権階級の権勢を保証する祖神。
「アイウェルの子孫である」という事実が、王権神授に等しい効果を持っていた。
水辺においては無敵に近く、宝具の開帳によって空想具現化を行使できる。
星の触覚であり真祖吸血鬼より遥かに純度が高い水の精霊、かつ人間の枠に存在するサーヴァントであり、全てのステータスがA以上というトップサーヴァント。
水辺では更にステータスが上昇する。
『水』そのものの精霊であるため、本人は人間として妥当な長さの人生経験しかないものの、非常に強固な水の神秘を持っている。
地球には最初、水が無かった。
水が生まれたのは木星ができてから、木星の重力の影響で宇宙の氷が地球にどんどん隕石として降り注いで来てからである。
そうしてマグマの海だった地球は冷え、いつしか始まりの水『海』ができた。
アイウェルの神秘の源流はそこにある。
この概念よりも古いとされる概念を持ったサーヴァントというのはほぼ居ないため、万能の空想具現化もあり、アイウェルはほとんどのサーヴァントに対して相性良く戦える。
ほとんど、というところに、誰も突けないはずの付け入る隙があった。
親父殿が触媒で召喚した切札の中の切札。
地球に流れ着いた、宇宙の始まりの水の一片。
【アサシン】
筋力E++
耐久E++
敏捷E++
魔力E++
幸運E++
宝具EX
『混沌・悪』
・連続殺人鬼 ヘンリー・リー・ルーカス
アメリカを恐怖と驚愕に陥れた連続殺人鬼。
14歳で初めての殺人を行い、親も殺し、最終的に360人ほどの人間を殺したとされる。
ベトナム戦争の泥沼化で刑務所予算が削減され、多くの犯罪者が仮釈放された時期に釈放された人間の一人であり、釈放されてすぐ刑務所の近くで女を殺した筋金入り。
何百人と殺しても中々見つからず捕まらなかったため、アサシンのクラスに適合した。
「毒殺以外の全ての殺人を行った」と語り、「女は存在する必要がない、だから見つけたら殺す」と語っており、非常に多彩な殺人手段と、女性特攻特性を持つ。
ただし「俺にとって殺人は呼吸と同じだった」と語っており、それがサーヴァント化した際にスキル化してしまっているため、毎日一人は殺さなければならない。
夜に強力で善良なサーヴァントが夜廻りしている聖杯戦争などでは、獲物を確保しようとしたらすぐに殺されてしまうというネックがある。
強力で善良なサーヴァントが夜に街を見回っている聖杯戦争では、マスターである魔術師が街の外から殺してもバレないホームレスなどを集める必要があるだろう。
売春婦の子であり、親に幼少期から激しい虐待を繰り返され、「お前は悪魔から生まれた子」「お前は悪魔だ」「お前はこの世に地獄をもたらすため生まれてきた」と言われてきた。
そして逮捕裁判後は、世の中のほぼ全ての人から悪魔と言われてきた。
死後も未だに、彼は悪魔と罵られている。
―――ゆえに。無辜の怪物スキルによって、本当に悪魔化が進んでいる。
皮肉にも悪魔化によって生前の虚言癖や殺人衝動、支離滅裂な精神破綻は改善されており、真性悪魔には程遠いもどきの悪魔として、夜にて人を殺すことに特化した技能を見せつける。
後付けの悪魔。
ある意味、後付けで悪魔と記載されるようになったカーマの同種。
『親に生を否定された子』として、カーマのマスターに思うところがあったようだ。
ヘンリーは生前に逮捕された後、「母は、俺が何かを愛するということを許さなかった」と供述している。
【キャスター】
筋力C
耐久D
敏捷C
魔力A++
幸運B
宝具A
『秩序・善』
・宝石の聖女王 ヤドヴィガ・アンデガヴェンスカ
ポーランド女王にして、国民のほとんどに聖女として崇められた列聖の守護聖人。
10歳にして王となり、ポーランドに全盛期をもたらした王の中の王である。
最も有名な伝説『ヤドヴィガの足』にて、女王の足から無数の宝石が現れたとされる。
この逸話はあまりにも有名で、この時に女王の足跡が残った床は切り取られ、今でも教会に飾られており、多くの人間が拝礼に訪れたという。
歴史には記されていないが、古代メソポタミアに発生した宝石信仰を祖とする宝石魔術の継承者であり、エーデルフェルト家の宝石魔術の遠い祖の一つ。
14世紀の女王であるヤドヴィガが昇華させた宝石魔術の基礎理論は、14世紀以降のルネサンス期に魔術師として起家したというエーデルフェルトに余すことなく継承された。
聖人の奇跡によって無限に魔力の詰まった宝石を生み出すことができたヤドヴィカは、その魔力を用いて魔術と奇跡を併用し、10歳に即位してから暗殺者のことごとくを返り討ちにしてきた―――世界初の魔法少女であった。
だが、歴史書には真実が記されなかったため、『聖女』『魔法少女』の呼称の内、前者だけが残ったという。
三位一体、神霊にして聖霊であるキリストに選ばれた魔法少女。ゆえにキャスター。
高い魔術の火力に加え、信仰の加護スキルによる肉体と精神の絶対性、不可能を可能とする奇蹟スキル、HPの自動回復を行う聖人スキルなどを保有している。
また、キリストが度々彼女に語りかけ助言していたという逸話から、最高クラスの直感に匹敵するランクの啓示スキルも保有する。
ヤドヴィガは慈善事業の功績が大いに讃えられた王でもあり、教育や病院などに力を入れ、誰よりも国民に優しい王だったため、誰よりも愛された女王であった。
頑迷な貴族達もヤドヴィガに最初反抗したが、彼女の柔らかな姿勢と言葉にほだされ、やがては彼女を好きになったという。
幸福に恵まれない者が彼女と出会い、彼女の祝福と言葉を受けたなら、その者はいわゆる『守護聖人の加護』を受け、いつか幸せになれるかもしれない。
未来は確定されないが、優しき女王は悲しき命を祝福し、その幸福を願うだろう。
【アーチャー】
筋力C
耐久A+
敏捷A
魔力A+
幸運EX
宝具EX
『混沌・悪』
・愛を得た者 カーマ
語る必要はない。
この物語で描かれたものが、アーチャーとしての彼女の全てである。