乙女ゲームに登場する文学少女である伯爵令嬢に転生していた..... 作:Brahma
近隣会合がたいへんな状況になったのは会合の二日目だ。理由はお兄様に特定の相手がいないことがわかってきて、わたしのところに他国の女性たちがむらがるようにお兄様のことを聞きに来たのだ。
「お兄様の二コル様に婚約者がいらっしゃらないというのは本当ですか?」
「はい、ただ兄には心に決めた方がいるようです。」
「どのような方が好みなのですか?」
「明るく分け隔てない方です。」
「ご趣味はなんでしょうか?」
「どのようなものをお送りすれば喜んでいただけるでしょうか?」
お兄様の趣味や好みなどを聞かれる。次から次へといらっしゃって、自分がどんな身分の者で結婚すればどのように有利になるかのアピールもわすれない。わたしは、同じことを応えなければならないし、他国の方に失礼はできないから気疲れでへとへとになった。
後でお聞きするとカタリナ様も同じように女性たちにキース様のことで質問攻めにあったようだ。メアリ様も
「昨日の会合は、お父上やパートナーもいらしたので大人しくされていたのでしょうが、今日は女性ばかりの会合なのでタガがはずれてしまったんでしょう。とくにキース様と二コル様は容姿、身分からいっても人気ありますし、実際お二人とも生徒会メンバーを務めた優秀な方ですから。」
とおっしゃる。女性同士は恋バナが好きなのは経験でなんとなくわかる。わたしは、ロマンス小説のほうがおもしろいのでそういう話になってしまうが。
わたしはぐったりしてしまった。
向こうから同じように疲れた様子のカタリナ様がやってくる。
どうやらキース様のことで質問攻めにあったのだろう。
「ソフィア、大丈夫?」
それを言うのが精いっぱいのようだ。
「疲れました....。」
わたしは笑みを浮かべてカタリナ様と握手して自分の部屋に戻る。
しかし、その翌日カタリナ様が行方不明になった、なにか事件に巻き込まれたのではないかという話になった。
「舞踏会で食事をしているところまでは見ているのですが....。」
「どこへいったんだろうな。」
「カタリナ様が行方不明なのですか。」
「そうだ。」
「「わたしたちも探しに行きたいのですが。」」
わたしとメアリ様はなんとかしたいと強く感じた。
「他国がらみかもしれない。あからさまにはできないが人身売買を行っている国もある。」
「「人数がおおいほうが目が行き届くのではないですか?わたしたちにも探しに行かせてください。」」
わたしとメアリ様はこんなかんじでくいさがる。
「不正がばれないよuうに屈強な用心棒を雇っている可能性もある。危険だから待っていてくれ。」
「「じゃあ、せめていっしょに連れて行っていただけませんか。」」
わたしとメアリ様はダメ押しでくいさがる。
「いつも見張れるわけじゃないからな。」
「カタリナもほんの少しの時間で行方不明になったのです。くやんでも悔やみきれない。」
「このうえソフィアやメアリまで行方不明になったら義姉さんが無事だったら悲しむよ。」
「ソフィア、落ち着いて俺たちを信用して待っていてくれ。」
「わかりました。」
後で聞いた話だが当日のうちに人身売買にかかわってマリアさんをさらったルーサブルの中級貴族の客室棟をつきとめてエテエネル国の王子セザール様が皆に知らせて下さったらしい。
ジオルド様とキース様が怒り狂っていたのをアラン様がおちつかせ、その貴族どもは気絶させせられ二コル様も加わってお城の一室に閉じ込められたらしい。
なので
「まあということで、カタリナはとにかく....無事だ。」
とお兄様に含みのある言い方をされた。なにやらうなじをかいている。
翌日で近隣会合は終りだ。
わたしとメアリ様は、カタリナ様にお会いしようとクラエス邸に向かう。
門で使用人におとづれたことを知らせる。
メイドのアンさんがいらっしゃった。
「メアリ様、ソフィア様、お越しいただきありがとうございます。」
「カタリナ様はいらっしゃいますか。」
「はい、こちらです。ご案内します。」
「カタリナ様、メアリ様とソフィア様がいらっしゃいました。」
「開けて、二人をお招きして。」
「はい。」
メアリ様が開口一番、「カタリナ様、もう大丈夫なのですか?」
「けがもないし、大丈夫よ。」
メアリ様はほっとしたご様子だ。
「昨日二コル様から大丈夫だとはお聞きしていたのですが」
と一言いうとわたしのほうに一瞬笑みを向ける。
「どうしてもちゃんとお顔を拝見するまでは心配で心配で...。こんなに早くお伺いしてはご迷惑かもとは思ったのですが....。」
カタリナ様の顔には申し訳ないと書いてある。
「いっぱい心配かけでごめんなさい。それからこんなに心配してくれてありがとう。」
カタリナ様は頭を下げられる。
「いいえ、私はなにもできなくてくやしいです。」
「私も探しに行くのはダメだと言われて待っているしかありませんでした。」
メアリ様はくやしそうだ。
「わたしは、二人が私のためにこんなに心配してくれただけでうれしいの。むしろ二人がわたしのために危険な目にあわないですんでよかったと思うと、探さないで正解よ。」
カタリナ様はわたしとメアリ様の手を取って
「私は本当に素敵な友達をもって幸せよ。二人とも大好き。今日はわざわざ心配してきてくれてありがとう、」
わたしは思わずうなづく。てれと嬉しさでかおがほてって、うれし涙が目ににじむ。メアリ様もそんな感じなようで赤くなっていて、目に光るものがあり、うなづいている。
「あの、それではお互い支度があるのでおいとまします。」
「ええ、ありがとう。」
「それでは、メアリ様、また会合で。」
「ええ、それではまた。」
わたしとメアリ様は軽く挨拶して頷きあって。それぞれの馬車に乗り込む。
最終日は、王族と高位の貴族だけがあつまって挨拶をするので、ソルシェでは、伯爵家は、宰相のアスカルト家だけで侯爵家以上だ。
翌々日は、クラエス邸で会合お疲れ様お茶会が行われる。わたしの世代の元生徒会メンバーが招待されている。
読書が解禁になってわたしはおすすめの本をもっていく。
クラエス邸に着くとジオルド様、アラン様、メアリ様が先についていた。
わたしはうれしくて、メアリ様のあいさつが終わるや否や
「お招きありがとうございます。カタリナ様。また新作の小説をもってまいりました。このお話もとても素晴らしくて...。」
と話しかけた。