乙女ゲームに登場する文学少女である伯爵令嬢に転生していた..... 作:Brahma
カタリナ様は弁明される。
「でもね。すぐに、マリアが魔法で助けてくれて、なんともなかったのよ。マリアが『光の契約の書』で新しい魔法を覚えて、それがすごくて。」
とお話を変える。わたしは、マリアさんの魔法についてお聞きしたいとは思ったものの危険なことははなさらないでくださいという気持ちも強くある。
「義姉さんのいう危険と僕たちが考える危険の間には大きな隔たりがあるね。」
「そうですね。カタリナのいう危険の度合いは、僕たちよりもだいぶ高い位置にあるようです。」
皆さんが頷いている。ジオルド様が勝手に動き回れないように閉じ込めたほうがいいと言い出し、キース様がそれに同意し、家族でどうにかしますとおっしゃりはじめた。
「そこは婚約者である僕が責任を持って対処しますので。なんでしたらもうカタリナはお城へ連れていきましょうか?」
ああついに来たかという感じだ。
「義姉さんのことは家族で何とかしますので。お城にはいかせませんので。」
「キース様、よろしければ私たちも協力しますわ。ねえ。アラン様。」
「ああ。」
さすがメアリ様、そう、ジオルド様の思い通りにはさせない。
「なら、私たちも。ねえ、お兄様。」
「そうだな。」
「あなたたちは関係ないでしょう。これは僕とカタリナの結婚の話ですよ。」
「いえ、ジオルド様、そんなお話はしていませんから。」
カタリナ様は逃げようとされるが、ドアを開けたところで
「義姉さん、まだ話は終わっていないよ。」
「カタリナ、どこへ行くつもりですか?」
そのときマリアさんが上司への報告から戻ってきた。
「カタリナ様、ラーナ様とサイラス様がお待ちです。」
カタリナ様はほっとしたように
「では、わたしも報告へ行ってきます。」
と部屋を出ていかれた。
「マリアさん、お帰りなさい。どうだったのですか、詳しいお話を聞かせてください。」
マリアさんはうなづくとお話をはじめた。
「わたしは、カタリナ様の居場所や敵のアジトを知っているという男がお金を無心して、ラーナ様になかなかお話にならないので、試しに『光の契約の書』にかかれた魔法リペント(悔い改め)を使ったら、アジトとカタリナ様たちの居場所をすらすらと話し始めたんです。」
「カタリナが、マリアの魔法がすごいって話してましたが、その魔法ですか。」
「恐らくそういうことだと思います。よからぬことを考えている者の気持ちをただす魔法なので。」
「それはすごいですね。」
「でも効果は一時的でしばらくすると元に戻ってしまうのです。ただそのおかげで場所が分かったのでそこへかけつけました。アジトの路地にはガラの悪い男たちいたので、ラーナ様とレジーナ様がそこにいる男のうち何人かを捕まえて白状させたところ、子どもをつれだそうとする男と女がいるのでそれをおさえておけと指示されているとのことでした。その特徴は青い髪に瞳、茶色の髪に水色の瞳と言うことでソラさんとカタリナ様がいるということが分かったのですが、なにしろ人数が多いのでラーナ様とレジーナ様が魔法と護身術で倒してもきりがないという状態でした。わたしは、またリペントを使おうと強く想いをこめました。すると光の霧があたり一面にひろがり、男たちは大人しくなったのです。そのわきをとおりすぎてカタリナ様を見つけました。とても安心しました。」
「大人しくなった男たちは、ラーナ様達が捕えました。そこへエテェネルの王子セザール様と部下の方たちが応援に来て下さり、すべて男たちは縛り上げられて連行されました。子どもたちも無事に保護されました。」
皆さんから安堵の息がもれる。
「ところがソラさんがアジトの建物の中に知り合いがいるので行かせてくださいとおっしゃったので、ラーナ様はすこしお考えになられた後、無茶をしないようにと条件をつけて許可されました。そのときカタリナ様が『わたしも行かせてください』とおっしゃられ、ソラさんが待っているようにおっしゃられましたが、ソラさんのお知り合いのアルノーさんが心配だ、ポチちゃんもいるから大丈夫だとおっしゃられたのでしぶしぶご承知され、カタリナ様もアジトへ行くことになり...。」
「え、それって...。」
「義姉さん....」
わたしは複雑な気分になったが、カタリナ様には危険にとびこんでほしくないという皆さんの気持もわかるし、わたし自身もそうだ。
「ただ、わたしも光の魔力があるので行かせてくださいと申し上げたのです。だからカタリナ様をお守りしたい、お守りできるということで...。」
「でもカタリナ自身が自分で自分を守れないんだろう。」
「魔法省の方々やセザール様とその部下の方々もいましたので...。」
「マリアさんも義姉さんのことを大切に思ってくれるのはうれしいけど無茶しないで。」
「それからアルノーさんが敵を倒していたので、無事に連れ出すことができました。保護した子どもたちの中に男爵令嬢もいましたのでどうにか事件は解決しました。」
皆さんは顔を見合わせる。
「どうしましょうか。」
「出張はさせないようにしましょうか。」
「そうですね。ラーナ様にどうしても出張しなければならない場合は外へ出なくていいように考えてもらいましょう。」
「出張したらカタリナは余計なことに首を突っ込みたくなるようなら、お城へ来てもらったほうがいいですね。」
「いいえ、それは家族の役割ですので。義姉さんにはお妃はつとまりませんから。」
それなりに具体的な行動制限案は出るものの、そのたびジオルド様とキース様の言い争いになってえんえんと続く。
メアリ様はそれとなくカタリナ様と一緒に居られる案を出しはじめ、わたしは、それとなくお兄様とカタリナ様をくっつけるような案を出す。
マリアさんはそれとなく職場がいっしょなのでわたしもカタリナ様と一緒にいるようにしますと言えば、義姉さんのまねしてマリアさんまで無茶しないで、とキース様にとめられるなど話はどうどうめぐりだ。
わたし、佐々木敦子はfortune LoverⅡにはあまり出てこなかった闇の魔力が気になる。Ⅱのカタリナは、謎の女と言うことでどうやって闇の魔力を手に入れたのはほとんど明かされていない。
わたしは、人身売買組織の裏で暗躍する貴族、そしてサラという少女、カタリナを害そうとする闇の魔力をみはろうと考えた。