乙女ゲームに登場する文学少女である伯爵令嬢に転生していた.....   作:Brahma

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第33話 カタリナ様、再び孤児院へ

カタリナ様が

「?これはなじみのある味ですね。」

というと

「あら、よくわかりましたね。ここにいる子どもたちが、皆さんと一緒に来られたマリアさんと一緒につくったものなんですよ。」と孤児院の職員の方が紹介する。

カタリナ様は自分が褒められたかのように微笑んでいる。やがて厨房から食堂にマリアさんが現れ、

「今日のお菓子はここにいる子どもたちとわたしで作りました。どうでしたか?」

「とてもおいしかったです!」

という子どもたちの元気なお返事。マリアさんは、子どもたちをよく観察していて

「この子は混ぜるのがとても上手で」「この子はとても手際が良くて」「この子は飾り付けがうまくて」「この子はよく気が付いてくれて」「この子はアイディアが面白くて」とそれぞれ子どもたちをほめる。子どもたちの瞳はきらきらして誇らしげだ。

焼き菓子の形はさまざまで動物や花の形などさまざまでドライフルーツチップも入れられている。しかし基調は、しつこくない絶妙なマリアさんらしいふんわりとした優しい甘さだ。カタリナ様がおっしゃるように何個食べても飽きないのはすごい。

おやつを食べた子どもたちもお菓子を作った小さなお兄さんお姉さんをあこがれの視線でみつめる。

マリアさんが席に近づくとカタリナ様は、

「お菓子とてもおいしかったし、子どもたちの顔をキラキラしている。そんな表情を子どもたちから引き出せるなんてマリア、本当にすごいね。」

マリアさんは首を横に振って

「すごいのは子どもたちです。皆がとても熱心につくっていたからです。」

マリアさんが料理の話を、カタリナ様は遊んだ話を話していて、子どもたちの夕食をつくるために買い出しに行こうという話になった。

カタリナ様はサイラス様に声をかけて説得したようだ。

こんどこそわたしはご一緒したいと思った。

メアリ様と顔を見合わせ、うなづくと、

「「わたしたちも買い出しにいきたいのですが?」」

と伝える。ジオルド様やキース様も買出しを手伝わせてくださいという。

するとマギー院長が今度は、

「買出しにそんな人数は必要ありません。皆さんはごゆっくりなさってください。」

ときっぱりした口調でおっしゃったので、あきらめざるをえなかった。

裁縫を教え、子ども向け物語を子どもたちに話してしているうちに、買出しに行っていたサイラス様、カタリナ様、マリアさんが帰ってきた。どうやら孤児院を抜け出したリアム君を連れ帰ったようだった。

 

子ども向け物語は、前世の「おやゆび姫」「一寸法師」「赤ずきん」「鼠草子」「竹取物語」「シンデレラ」「人魚姫」「浦島太郎」「桃太郎」のような話があってなかなか興味深いとわたし佐々木敦子は感じている。

 

夕食を孤児院でごちそうになって、ジオルド様やキース様が勉強を教えて好評だった話、わたしとメアリ様はお裁縫の話をした。わたしは妹だったので「お姉ちゃん」と呼ばれたことは新鮮だった。カタリナ様はアラン様とおにごっこなどをして、途中からお兄様も加わって遊んだ話をされる。サイラス様はマリアさんと買い出しに行ったとき旅芸人が来ていて町が混んでいた話をされた。いつか見に行ってみたいと感じた。わたしとお兄様は迎えのアスカルト家の馬車で帰った。

 

数日後、またサイラス様とカタリナ様はあの孤児院にいったらしい。ただジオルド様やキース様もついていったらしい。その日に事件が起こった。

後から聞いた話だけどまとめてみるとこういうことだったらしい。

リアム君が孤児院をぬけだし、カタリナ様がそれを追いかけた。リアム君をつかまえてなぐさめて帰ろうとしたときだった。フードを被った女が「楽しそうね、」と声をかけてきた。

フードを被った女はカタリナ様に近づき、フードを頭から外すと「久しぶりね。カタリナ・クラエス」と含み笑いをしながら再び声をかけてきた。カタリナ様はキース様の誘拐事件にもかかわったサラという闇の魔力を持つ危険な女であること悟り、リアム君をかばって「何か用ですか?」と問い返した。

「そっちの子どもに用があったんだけどね。」とリアム君を指したのですぐにリアム君に孤児院まで戻ってサイラス様を呼んでくるようにと小声で伝えて、リアム君を孤児院に向かわせた。

「そんな怖い顔をしなくてもあの子には何もしないわよ。」

「どういう意味?」

「あの子の目からよどみが消えたから。あなたのせいよ。それに『闇の契約の書』もあなたが横取りした。」

女は含み笑いをしながら目をつり上げる。

「なぜ『闇の契約の書』のことを知っているの?」

「あらわたしは何でも知っているのよ。あなたが闇魔法の訓練をしていることもね。」

カタリナ様は危険をかんじて孤児院へ向かって走り出す。

「あらあらまだお話の途中なのに。たくさん邪魔してくれたからお仕置きしなきゃね。」

その女は闇を作り出してそれはだんだん広がってカタリナ様をおいかけてくる。

道の向こうから見知った人物が2名「カタリナ~」「義姉さん~」と叫びながら走ってくる。

「わたしよ~」

そのとき耳元に「捕まえた。」と軽口のようなサラのささやきが聞こえて闇につつまれた。それから意識がなくなったのだという。

 

一方、ジオルド様とキース様がかけつけたときは闇にカタリナ様が飲み込まれるように見えたという。最初声は聞こえたがそのうち返事がなくなったとのことだった。また、孤児院の町の近くにいたマリアさんに闇の魔法が絡んだ案件でカタリナ様が闇に飲み込まれたとの連絡が風の魔法道具の通話機で魔法省から連絡がいった。

マリアさんがかけつけたがサイラス様、ジオルド様、キース様は苦りきった顔で首をふるばかりだった。

その日、カタリナ様は魔法省にも自宅にも帰ってこなかったのだ。

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