乙女ゲームに登場する文学少女である伯爵令嬢に転生していた..... 作:Brahma
わたしはサラ。ついにカタリナをとらえた。闇の契約書をもつこの女を洗脳する。
魔法省のあの石のところへ行った。あの空間にはいるには、闇の石にふれる必要があるが、闇の黒い球よりも上位の権威を使わないと闇の契約の書は手に入らない、もしくは闇の契約書の持ち主を従わせられないとのことだった。
最初、あの孤児院の子どもリアムを犠牲にするつもりだったが、仕方がない。
指に傷をつけ、冥界の9神、アシェラ、アーリマン、アポリオン、ベルゼブブ、ラーヴァナ、死の神アープチ、いけにえの神ウィツロポチトリ、トヒール、そして闇の最高神テスカトリポカを呼び出した。
「どうか、闇の契約書をわたしにおひきわたしください。」
「闇の契約書は継承者にしか使えぬ。あのカタリナ・クラエスを黒球が選んだのだからな。しかしわれわれは黒球にお前に闇の契約者を従わせることだできる権威を与えよう。」
「カタリナ様まいりましょうか」
カタリナはうつろな目でうなずく。
魔法省の石碑の闇の石に触れて闇の空間に入る。
「黒球よ。」
「これはこれは、死の神アープチ様、いけにえの神ウィツロポチトリ様、闇の最高神テスカトリポカ様」
「闇の契約者カタリナ・クラエスをこの娘サラにひきわたせ。これは命令だ。」
「わかりました。」
カタリナの青い目が青みがかったどす黒い色に変わった。これでよい。
一週間ほどたってカタリナ様がいきなり魔法省にあらわれた。黒いフードマントをまとっていた。しかし様子がおかしかったという。
魔法省の方々の話はこんなふうだった。
「あらカタリナ嬢おかえりなさい。」
まずガイ・アンダースンさんが声をかけると
「ガイ・アンダースン先輩」
「どうしたの?わたしはローラって呼んでちょうだいといったじゃない。」
するとカタリナ様はアンダースン先輩を見つめて、アンダースン先輩の様子が途端におかしくなったという。ふだんから魔法省の職員からかすかにおかま、変人、キモイと思われている感覚を敏感にかんじとっていたのだろう。そこを闇の魔力で増幅されたのだ。キイイイイと奇声をあげ机やいすを持ち上げては投げ、魔法省の施設や道具を破壊し始めた。少女趣味の格好の怪力男が気が狂ったように暴れるさまは不気味だったという。カタリナ様が自分の陰からとりだしたのは灰色のどくろがついた不気味な鎌だった。その鎌を一回転させると、空中に穴が現れ大量の鼠が現れた。鼠は魔法省の職員に襲いかかる。職員にかみつくとアンダースン先輩のように狂ったような行動をし、鼠がかじった道具も暴走しはじめて、魔法省の施設を破壊しはじめる。魔法省は大混乱におちいった。
しかし魔法省も手をこまねいていたわけではない。魔法道具研究室の部署長ラーナ・スミス様、その正体はスザンナ・ランドール様だが、ジェフリー王子のところへ相談に行った。
「ジェフリー」
「なんだ。スザンナ。ああ、今はラーナ・スミスといったほうがいいのかな。」
「いま魔法省は大混乱に陥っていることは知っているだろう。直接の原因はカタリナだが、カタリナが行方不明にある直前にあのサラという女によって闇につつまれたという事件が起こっている。」
「ほうデーヴィッド・メイスンが前使っていた闇の魔力をもつ少女か。」
「そうだ。」
「実はな、あの少女のバックには大貴族がついているらしい。」
「ああ知っている。」
「わかっていたのか」
「わたしの情報網をなめてもらっては困るな。」
「しかし相手はザクセン侯とならぶ魔法省次官だ。いちおう君の上司ということになるが...。」
「いざとなったら第一王子の婚約者という権限をつかわせてもらうさ、」
「それがそれじゃすまないようなんだ。」
「ああ、それもなんとなくわかっている。」
「やつの裏にはボロンテイクという組織がありその九大企業のうち二大巨頭ピエドラ・フェールとロス・ニーニョスという多国籍の政商が裏にいる。やつらはいくつもの会社をソルシェとルーサブル、エテェネルにおいている。やつらの汚れ仕事を請け負っている連中がエテェネルの国王の改革を妨げ、人身売買を行って大儲けしている連中だ。」
「鉱山労働など資源を搾取し、森林を伐採して、あやしげな薬をつかって大農場で作物を作って売っている連中でもある。毒性の強い薬を使って大農場を支えるには人身売買が必要。やつらの作る作物は全く虫が付かないそうだ」
「虫が食わない作物とは...。」
「要するに毒性が強い薬だからへんな病気になって死ぬことが多いのさ。そのために安い給料で奴隷のように働かせるために人身売買を行う必要がある。犯罪でつかまった者が売られてくることも多い。」
「そういえばソルシェも死刑囚が一定数いるが死体処理の話を聞かないな。」
「やつが握りつぶしているのさ。ピエドラ・フェールとロス・ニーニョスの人身売買組織に横流ししてね。それでやつは報酬をもらっている。」
「でもなんで魔法省の関係者に危害を加えるんだ?」
「魔法省が例の男爵令嬢とのかかわりで人身売買の事件にかかわったろう。だから連中は魔法省に含むところがあるのさ。」
「とりあえずはカタリナをなんとかしないとな。」
「ああ、話が長くなった。」
「実はカタリナ嬢だがほかの世界から来たのではないかと感じている。」
「ほう。」
「カタリナを救い出すのになにか方法がないかと聞いて回ったが、前回カタリナがシリウスの魔法で永遠の眠りにつかされたことがあっただろう。」
「ああ、あのディーク家がらみの事件だな。」
「あの魔法をとくきっかけをつくったのはソフィア・アスカルトだ。そのソフィアが不思議な体験をしたと言ってな。」
「あのとき、ソフィア自身もよく覚えていないものの不思議な夢を見る頻度が多くなったそうだ。そのときにカタリナの過去の姿を見た気がすると言っている。カタリナがずっと眠って起きなかったときに、異世界の少女と思われる不思議な服装をした少女の姿が自分の家の窓に映ったり、その少女の声を聴いたそうだ。言葉がわからないのにその意味がはっきり分かったと言っている。」
「闇の魔力との関連があるのではないのか?」
「それがソフィアにはそういったことがない。闇の魔力では説明がつかないんだ。」
「そうか...。」
ジェフリー様はあごに手を当てて何やら考え込んだ、