乙女ゲームに登場する文学少女である伯爵令嬢に転生していた..... 作:Brahma
一方魔法省では...
「カタリナ様、どうなさったのですか?」
「マリア・キャンベルか」
「はい?カタリナ様?」
「光の魔力を持つお前は目障りだ。わたしからジオルド、キース、アラン、ニコルを奪った。わたしはあなたに復讐しにきたの。」
「カタリナ様、なにかの間違いでは?」
「だまれ!」
「カタリナ嬢、どうしたんだ?」
「サイラス・ランチェスターか。お前も始末してやる。」
カタリナは、自分の影から鎌を取り出す。ウガアといいながらガイ・アンダースンがおそいかかってくる。
サイラスが護身術をつかおうとするが、ガイ・アンダースンはことごとくかわした。カタリナが鎌を振るってくる。
マリアは願いをこめて祈った。光のかすみが二人をおおう。カタリナとガイ・アンダースンの動きが止まる。ガイ・アンダースンはサイラスに急所を打たれてうずくまり、カタリナは鎌を取り落としてそれが消える。
二人を縛りあげたものの、しばらくすると目を覚ましたように二人はうごきはじめ、恐るべき力でなわを引きちぎり、カタリナは再び自分の影から鎌をとりだす。
カタリナは鎌を一回転させると鼠が現れる。すると火の魔法が鼠をおそって焼き尽くした。
「ジオルド様」
「間に合ってよかった。カタリナは?」
「あんなかんじです。」
「そうですか。」
「ジオルド様、マリア・キャンベルがそれほど大切ですか?」
「カタリナ、正気にもどってください。」
「正気?わたしはいつでも正気ですよ。」
鎌を二回転させてその穴からおびただしい鼠が現れて襲ってくる。
マリアが再び祈ると鼠の動きがとまる。リペントはよからぬ考えを起こす者を改心させるだけでなく、魔力のかかった人間や生き物を止める効果があるようだった。
ジオルドは鼠を焼き払うが、ふたたびリペントがきれると鎌を回して鼠が現れる。
「ジオルド、こっちはまかせろ」
「アラン、メアリ」
焼ききれずに生き残った鼠はアランとメアリの水魔法フロッドによって溺死した。それをジオルドが焼却する。
「きりがないな。」
カタリナの鎌がのびてジオルドを襲う。
ジオルドは剣を抜く。
カキーン...カキーン...カキーン...カキーン
しばらく金属音が響き、カタリナの鎌もジオルドを襲うがそれを巧みに避ける。
「さすがジオルド王子」
カタリナの口元がゆがむ。
(これはカタリナではない....。)
ジオルドは気づく。
鎌の動きが激しくなりジオルドの頬や身体に細かな傷がつきはじめる。
(僕の剣筋を読んでいるようだ。おそるべきスピードで習得している。)
「あつ...。」
カタリナはほくそえんだ。ジオルドの剣が鎌に薙ぎ払われた。
次の瞬間、カタリナの鎌が襲いかかる。
ヒュンと風を切る音がする。ジオルドは1回は避けたものの、胸に斜めに1mほどの切り傷をつくり鮮血が飛び散り、傷口から白い服がじわじわ赤黒く染まる。
「うぐ...。」
「ジオルド、どうした。」
アランが叫び、
「ジオルド様!」とマリアがあわてて駆け寄って治癒魔法をかける。
そのマリアの背中をカタリナの鎌がおそいかかって1mほどの切り傷をつくった。
「きゃああああ」
鮮血がとびちる。さすがのマリアも激痛に悲鳴をあげる。ピンクのワンピースの背中が傷口からじわじわと赤黒くそまっていく。
「マリアさん!」
メアリが叫ぶ。
そのすきにジオルドは剣をとろうとするが、鎌がひゅうと音をたて、剣を空中に投げ上げる。落ちてくるところを鎌で真っ二つにされた。そしてなんとジオルドの身体も薙ぎ払うようにつきとばした。
「カタリナ、正気に戻れ!」
アランが水をあびせようとし、ニコルが現れて目くばせする。
二人の魔法が合わさって水の竜巻トルネードがカタリナに襲いかかる。
風音に水が混じり水の竜巻がカタリナに襲い掛かる。
さすがのカタリナも水に溺れて気絶する。
しかし、いつ目をさましてあばれるかわからない。
一方、少女趣味の怪力男には、魔法省の職員がよってたかってサイレンスを唱える。ガイ・アンダースンには、ついにその動きをとめた。
その一晩だけはなんとか二人の動きをとめた。
翌日になってまたカタリナとガイ・アンダースンは動き出す。
「メアリ、アラン様はわたしのもの。」
「カタリナ様、なにをおっしゃるのですか?」
「向かってくるなら殺すだけよ。」
カタリナは「ケルベロス」と叫んだ。
巨大なオオカミが現れた。メアリ、アラン、ニコルがトルネードをつかうが、ケルベロスは難なくすり抜けてメアリにかみつく。カタリナがニコルとアランに鎌を振るう。
ヒュウと風を切る音がしてアラン、次にニコルの腹部に斜めに1mの切り傷をができる。鮮血が飛び散った。倒れた二人を鎌でつぎつぎとつきとばした。
(なんて力だ...。)
しかし、アラン、ニコルを倒すと満足したようにカタリナはガイ・アンダースンと鼠にかまれた職員を引き連れていずこへ姿を消してしまった。
ラーナ・スミス様がアスカルト家におとずれた。
わたしソフィアは驚いた。
「あのカタリナ様が皆さんを襲ったのですか。」
「ああ、ジオルド、アランのみならずお前の兄も大けがをしている。あのまま止めることができなければ、王子二人にけがをさせているから、カタリナは国家反逆罪になりかねない。アスカルト嬢は以前カタリナを救ったのだったな、なにか手がかりになるものや方法に心当たりがないか?」
「カタリナ様が永遠の眠りの魔法、エターナル・スリープをかけられたとき、わたしの心に見慣れないのになぜか懐かしく感じる黒髪の東洋風なのになぜか不思議な格好をした、水兵のえりのついた服をきた少女が窓や脳裏や瞼の裏にうかんでわたしに話しかけてくるのです。その少女のことを思い浮かべて祈っているとカタリナ様が目をさましたのです。」
「そうか、その少女のことを思い浮かべてくれないか。」
「はい。」
「じゃあ私は用があるから行く。たのむぞソフィア」
「はい。」
ラーナ・スミス様はいずこかへ立ち去った。