乙女ゲームに登場する文学少女である伯爵令嬢に転生していた.....   作:Brahma

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第38話 ポチの活躍再び

カタリナ様の影から、子犬が現れたかと思うとオオカミのようになる。

「ポチ!」

そしてさらに巨大化して雄たけびをあげた。

 

ウワオオオ~~~ン

 

巨大化は70mに達するほどになってとまる。

(ここは危険、はなれて)

ポチちゃんの声がわたしにも聞こえた。

ポチちゃんは、ドラゴン・ゴリラに向かっていく。

ドラゴン・ゴリラが口から火炎を吐こうとする。

魔法省の職員たちがいっせいに水魔法フロッドを詠唱する。

火炎がポチちゃんにむかうがフロッドは数十人にも及ぶ呪文であるため、なんとか抑えられている。

ドラゴン・ゴリラはいきりたってその巨大な尾を職員たちへむけてむちのようにしならせる。

その尾が職員たちにおそいかかってまめつぶをはじきとばすようになぎはらった。

そして返す刀とばかりにポチちゃんをなぎ倒す。

そうしてからまた火炎を吐こうととする。しかしそのすきはポチちゃんにとって十分だった。ポチちゃんは火炎を吐こうとするドラゴン・ゴリラの首筋にガブリとはげしくかみついて押し倒す。

身体を震わせて起き上がろうとするドラゴン・ゴリラ。

そのとき土属性の魔法が詠唱され、ドラゴン・ゴリラは地面に縛り付けられ数十体ものアーセン・ゴーレムがその足元におそいかかる。

水属性の職員たちは、氷の槍、アイスランサーを一斉にはなつ。

火属性の職員たちは、アイスランサーが攻撃しない場所にファイア・ボルテックスを投げつける。

火属性の職員と風属性の職員が同時に詠唱した。ファイアー・ホイールウィンド、大規模火災のときにおこる火災旋風をドラゴン・ゴリラに浴びせようとする。

ポチちゃんはそれを察して絶妙なタイミングで口をはなした。

火災旋風がドラゴン・ゴリラを襲うがやけただれつつも地面にしばられつつもドラゴン・ゴリラもがいている。

もう一度、ポチちゃんがドラゴン・ゴリラに立ち向かおうとする。

ドラゴン・ゴリラは尾をふって再びポチちゃんを押し倒そうとするが、ポチちゃんはそれをよける。しかしドラゴン・ゴリラはよけたところへ尾を向けてポチちゃんを再び押し倒す。

とどめとばかりに火炎を吐こうとする。しかし、ポチちゃんは体制を立て直して吐かれた火炎をよけ、その首筋にかみつく。

ドラゴン・ゴリラは振り落とそうとするが深々と突き刺さった牙は抜けない。

そのときドラゴン・ゴリラの顔に不気味な笑みがうかんだ。

その腹と背中のひれが光り始める。

「離れろ!やつは、自爆するもつもりだ。」

ラーナ様が叫ぶ。

ポチちゃんは首筋にかみついて離れない。もし離したら自分をはじめ魔法省職員たちが焼き殺されることがみえるからだ。

「ポチ!もういいから離して。」

カタリナ様が叫ぶ。

(離さないよ。離したら終わりになる。)

「でも、でもポチが焼かれてしまう。」

(ううん、大丈夫だよ。)

だんだんドラゴンゴリラを包む光はおおきくなっていく。

そして轟音が起こって激しい閃光が周囲をつつむ。

太陽が落ちてきたかのような激しい光で何も見えない。

その場にいた半分以上が失明した。そしてもう半分が目に障害を負うことになった。

やがて閃光がなくなってあたりは普通に風景がみえるが、そこにはポチちゃんの姿もドラゴン・ゴリラの姿もなかった。

「ポチ...。」

カタリナ様はがくっと頭をたれた。

どのくらい時間が経ったろうか。

「ワン、ワン」

子犬の吠え声がする。すると黒い子犬が吠えている。

「ポチ!」

カタリナ様は歓喜に包まれる。

「ぶじに帰ってきたのね。」

「クルルル...。」

ポチちゃんはカタリナ様に甘える。

よかった...

「どうやら解決したようだな。」

ラーナ様がつぶやく。

今度はつかまっても気丈にふるまっていたサラががくっと首をたれる。

「ヴラド様...。」

押し殺したようにつぶやいて連行されていった。

「カ、カタリナ、さま?」

マリアさんが起き上がる。

「マリア、ごめんなさい」

カタリナ様は泣いてマリアさんをだきしめて何度も謝った。

「いえ、カタリナ様、正気に戻られたのですね。」

今度はマリアさんがうれし泣きをしてカタリナ様を抱きしめる腕に力が入る。

「わ、わたしの処分はどうなるのでしょうか?」

カタリナ様が不安顔でたずねる。

「そうだな、御前会議で検討することになるだろう。」

ラーナ様がお答えになった。

 

 

わたし佐々木敦子は思う。カタリナ、内野さんは破滅してしまうのだろうか...

前世の女子高生の時とほとんど変わらない年齢で...

しかし一方でそうならない気もしていた。

原因がはっきりしているからだ。

 

 

さて、御前会議が開かれ、カタリナ様は呼びだされたという。

「カタリナ・クラエス。ガイ・アンダースン、お前たちが魔法省で行った行為は万死に値するものだ。しかしどうしてそうなったかは原因がはっきりしている。犯罪者が使ったナイフは処刑されない。同じようにお前たちは意図してしたわけでないから有罪にしないことにする。さいわいけが人は多いが死人は数人程度で原因は火、水、アーセンゴーレム、鼠がらみでカタリナ嬢の鎌で死者が出ているわけではない。しかし魔法省の損害は、十数億単位にのぼるものだ。お前たちを操った者を処刑する必要がある。すなわち、あのサラという少女を処刑にしない限りお前たちを不問にするわけにいかない。」

サラの処刑は、闇の魔法という禁忌にからむこと、貴族社会の矛盾を暴露することになるため、魔法省の敷地内で行われた。最初にトゲのついた鞭を39回打ってから石打にされた。ヴラド公爵への忠義については称賛され、彼女は満足した笑みを浮かべたという。ヴラド公爵の財産は没収され、けがを負った魔法省職員や死亡した職員の遺族へ慰問金、そして魔法省の施設道具の修繕料に充てられた。ヴラド公爵家は取り潰され、親族は庶民に落とされた。

カタリナ様は魔法省に無事戻ることになったが、クラエス家からも数千万の弁償金

が払われた。

さて、事件が落着すると、ラーナ様がカタリナ様、マリアさん、そしてわたしソフィアを呼び出し、事情をお聞きになることになった。

 

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