もしもハジメ君の性格がキツく口調が悪かったら(仮)   作:fruit侍

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ハジメ君sideが見たいという方が多かったので、ハジメ君sideです。勇者sideも何気に多かったので、サソリ戦が終わったら、勇者sideを書こうかなーと考えています。

いつもより文字数少なめです。

(多分)オリジナル設定

魔人族の肌の色は褐色で、耳がエルフのように尖っている。


第十三話

熊と戦った階層から更に五十階層は進んだ。俺の体内時計は既に機能してないので、どれくらいの日数が過ぎたのかはわからない。だが驚異的な速度で進んできたのは間違いない。

 

その間にも理不尽としか言いようがない強力な魔物と何度も死闘を演じ、何度も死にかけ、何度も勝利してきた。

 

ちなみに、現在の俺のステータスはこうだ。

 

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:49

 

天職:錬成師

 

筋力:1020

 

体力:1170

 

耐性:980

 

敏捷:1240

 

魔力:1560

 

魔耐:1360

 

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+高速錬成][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・遠見・気配感知・魔力感知・気配遮断・毒耐性・毒生成・麻痺耐性・石化耐性・■■■■・言語理解

 

=====================================

 

 

ここに来るまで、俺は様々な魔物を食った。その影響もあって、ステータスは遂に1000を超え、技能の数もかなり増えた。

 

気になるのは、技能の欄に文字化けしている技能があるということ。熊を食った後に気づいた。レベルやステータスが上がれば読めるようになるやつかと思ったが、どちらも既にかなり上がっているのに読めない。おそらく他の条件を満たせば読めるようになるのだろう。

 

俺は現在、この層で作った拠点にて銃技や蹴り技、錬成の鍛錬を積みながら少し足踏みをしていた。というのも、階下への階段は既に発見しているのだが、この五十層には明らかに異質な場所があったのだ。

 

それは、なんとも不気味な空間だった。

 

脇道の突き当りにある空けた場所には高さ三メートルの装飾された荘厳な両開きの扉が有り、その扉の脇には二対の一つ目巨人の彫刻が半分壁に埋め込まれるように鎮座している。

 

俺はその空間に足を踏み入れた瞬間全身に悪寒が走るのを感じ、一旦引いたのである。もちろん装備を整えるためで避けるつもりは毛頭ない。ようやく現れた〝変化〟なのだ。調べないわけにはいかない。

 

俺は期待と嫌な予感を両方同時に感じていた。あの扉を開けば確実になんらかの厄災と相対することになる。だが、しかし、同時に終わりの見えない迷宮攻略に新たな風が吹くような気もしていた。

 

「さながらパンドラの箱だな。……さて、どんな希望が入っているんだろうな?」

 

自分の今持てる武技と武器、そして技能。それらを一つ一つ確認し、コンディションを万全に整えていく。全ての準備を整え、俺はトイフェルを抜いた。

 

そして、自分に言い聞かせるように宣誓した。

 

「俺は、強くなる。そして、この世界の全てに復讐する。俺を見下し陥れた奴等に地獄を味合わせて、この世界を滅ぼしてやる! ギャーーーハハハハハハハハハハ!!!!!!」

 

もう何度上げたか分からない狂った笑い声を、俺は上げる。

 

 

 

 

 

扉の部屋にやってきた俺は油断なく歩みを進める。特に何事もなく扉の前にまでやって来た。近くで見れば益々、見事な装飾が施されているとわかる。そして、中央に二つ丸いの窪みのある魔法陣が描かれているのがわかった。

 

「これは……なんかはめ込めっつうことか?」

 

並の高校生の何倍も長いゲーム歴を持つ俺は、この魔方陣の意味を推測した。というのも、単に魔方陣の式が分からなかったのだ。

 

俺は王国で銃を作っていた頃、休憩としてこの世界の座学に少し手を出していたのだ。まあ少ししかできなかったが、ある程度魔方陣の式を読み取ることはできる。しかしこの魔方陣は全く分からない。現在の魔方陣よりも遥かに高度なものなのか、何千年単位で古いものなのかすら分からない。

 

というわけで、ここはゲームの知識でいってみるかと記憶の本棚を漁ったところ、こういう窪みがあるものは、『何かをはめ込め』というのがベタだったなと思い出したのだ。

 

「だがこんな綺麗な丸の形なんてここに来るまでにあったか?」

 

仮にそうだったとしても、今の俺にここにはめ込めれる物などない。唯一可能性が微粒子レベルでありそうなのは、ここに来るまでにいくつか持ってきた魔物の魔石だが、綺麗な丸ではないし、何よりサイズが違う。どれもサイズが違う時点で、ここにはめ込むものではないのだろう。なら違うのか。

 

「仕方ない、いつも通り錬成で行くか」

 

一応、扉に手をかけて押したり引いたりしたが、まあ当たり前のようにビクともしない。なので、いつもの如く錬成で強制的に道を作る。俺は右手を扉に触れさせ錬成を開始した。

 

しかし、その途端、

 

 

バチィイ!

 

 

「ッ!?」

 

扉から赤い放電が走り俺の手を弾き飛ばした。俺の手からは煙が吹き上がっている。

 

「何だったんだ一体……」

 

直後に異変が起きた。

 

 

――オォォオオオオオオ!!

 

 

突然、野太い雄叫びが部屋全体に響き渡ったのだ。

 

俺はバックステップで扉から距離をとり、腰を落として手をホルスターのすぐ横に触れさせいつでも抜き撃ち出来るようにスタンバイする。

 

雄叫びが響く中、遂に声の正体が動き出した。

 

「おいおい、ベタにベタを重ねちゃつまらねえだろ」

 

明らかに動きますよーみたいな感じで扉の両側にいた二体の一つ目巨人が周囲の壁をバラバラと砕きつつ現れた。いつの間にか壁と同化していた灰色の肌は暗緑色に変色している。

 

一つ目巨人の容貌はまるっきりファンタジー常連のサイクロプスだ。手にはどこから出したのか四メートルはありそうな大剣を持っている。未だ埋まっている半身を強引に抜き出し、俺の方に視線を向けた。

 

だが向こうの準備が完了する前に、俺は発砲する。

 

 

ドパンッ!

 

 

凄まじい発砲音と共に電磁加速されたタウル鉱石の弾丸が二体のサイクロプスのたった一つの目に突き刺さり、そのまま後頭部を爆ぜさせて貫通し、後ろの壁を粉砕した。

 

撃たれたサイクロプス共はビクンビクンと痙攣したあと、前のめりに倒れ伏した。巨体が倒れた衝撃が部屋全体を揺るがし、埃ほこりがもうもうと舞う。

 

「悪いなぁ……こちとらテメエらみたいな登場をしてくる奴はゲームで嫌というほど見て来てるからな……どうすりゃいいかなんて分かりきってんだよ!」

 

おそらく今までで一番短い戦闘時間だっただろう。なんてったって、こいつらの登場時間が長すぎる。今まで俺が遭遇してきた魔物共は、ほとんど不意打ちが主だった。だがこいつらは、明らかに動きますよーみたいな雰囲気を醸し出しておいて動きだした。魔物との戦闘はほぼ不意打ちから始まっていた俺からして、こいつらはキル数稼ぎのカモだ。

 

「まぁ、いいか。肉は後で取るとして……」

 

俺は、チラリと扉を見て少し思案する。可能性があるとしたら、もうこれしかない。

 

俺は〝風爪〟でサイクロプスを切り裂き体内から魔石を取り出した。この技能は熊のやつだな。中々使い勝手がいい。

 

血濡れを気にするでもなく二つの拳大の魔石を扉まで持って行き、それを窪みに合わせてみる。

 

予想通り、ピッタリとはまり込んだ。直後、魔石から赤黒い魔力光が迸り魔法陣に魔力が注ぎ込まれていく。そして、パキャンという何かが割れるような音が響き、光が収まった。同時に部屋全体に魔力が行き渡っているのか周囲の壁が発光し、久しく見なかった程の明かりに満たされる。

 

俺は少し目を瞬かせ、警戒しながら、そっと扉を開いた。

 

扉の奥は光一つなく真っ暗闇で、大きな空間が広がっているようだ。俺の〝夜目〟と手前の部屋の明りに照らされて少しずつ全容がわかってくる。

 

中は、あのクソ教会の大神殿で見た大理石のように艶やかな石造りで出来ており、幾本もの太い柱が規則正しく奥へ向かって二列に並んでいた。そして部屋の中央付近に巨大な立方体の石が置かれており、部屋に差し込んだ光に反射して、つるりとした光沢を放っている。

 

その立方体を注視していた俺は、何か光るものが立方体の前面の中央辺りから生えているのに気がついた。

 

近くで確認しようと扉を大きく開け固定しようとする。いざと言う時、ホラー映画のように、入った途端バタンと閉められてロックされたら困るからだ。

 

しかし、俺が扉を開けっ放しで固定する前に、それは動いた。

 

「……だれ?」

 

かすれた、弱々しい女の声だ。それもロリ。俺は部屋の中央を凝視する。すると、先程の〝生えている何か〟がユラユラと動き出した。差し込んだ光がその正体を暴く。

 

「人……なのか?」

 

〝生えていた何か〟は人だった。

 

上半身から下と両手を立方体の中に埋めたまま顔だけが出ており、長い金髪が某貞子のように垂れ下がっていた。そして、その髪の隙間から低高度の月を思わせる紅眼の瞳が覗いている。年の頃は十二、三歳くらいだろう。随分やつれているし垂れ下がった髪でわかりづらいが、それでも美しい容姿をしていることがよくわかる。

 

流石に予想外だった俺は硬直し、紅の瞳の女も俺をジッと見つめていた。

 

何故ここに人がいる? 俺の疑問はそこからだった。ここはまだ人類が到達していない未踏の地のはずだ。人がいること自体おかしい。

 

さっきの扉のギミック的に封印されてるのか? だとしたら何故? 強大すぎる力を持つが故か? 何か罪を犯して罰として封印されたのか? だがそれだとしたら何故奴は生きている? さっきから疑問が絶えない。

 

俺は、思考を始めた。

 

奴が生きている以上、何らかの罰として封印されているということはあり得ない。そうだとしたら、飯も水も摂取できないので、とっくに死んでいるはずだ。

 

だとしたら、奴は強大な力を持つが故に封印されている。

 

さっきも言ったが、ここは人類未踏の地。こいつを人類が封印したのだとしたら、記録がどこかに残っているはず。しかし歴代最高到達階層は65階層だ。つまり、こいつは人ではなく、人の形をした何か。

 

別種族という可能性はない。俺が書物で読んだところ、亜人族ならケモ耳が生えているはずだし、魔人族は肌の色が褐色で耳がエルフのように尖っているらしい。だが奴の肌の色は、ここからでも見てわかるほど真っ白。そして耳は普通。よって、魔人族でもない。

 

だとすれば、残るは魔物。

 

魔物は全てが確認されているわけではない。人型の魔物だっているかもしれない。ただ、存在が確認されていない、というだけで。

 

そして俺は、結論を導き出した。

 

奴は、人型の魔物だ。

 

魔物ならば強力な固有魔法を持っているはず。そしてその固有魔法は、効果こそ下がるもの、その魔物の肉を食うことで得ることができる。

 

別の言い方をすれば、魔物から力を奪うことができるのだ。

 

ここに封印されるほどの強力な力。奴は封印されていて身動きが取れない。しかも弱点であろう頭は剥き出し。

 

俺は邪悪な笑みを浮かべた。




サイクロプス、登場から僅か数秒でこの世を去る。原作なら片方即死でもう片方には麻痺手榴弾を使って倒してましたが、隙だらけの敵にそこまで念をいれる必要はないよねってことで両方即死させました。

兵器の新名はまだまだ募集中です。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=259253&uid=215423
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