もしもハジメ君の性格がキツく口調が悪かったら(仮) 作:fruit侍
そういえばアンケートで護衛隊側の話も見たいって票あったなと思い出したので、今回は護衛隊の話となります。視点はサブ主人公ポジションの清水君です。
久々で文が短いのは許してください……。
俺たちが最初の迷宮攻略から帰ってきて一週間が経った。
ハジメが世界中で指名手配されたあと、戻ってきた愛ちゃんが俺らを無理矢理戦場に行かせることに抗議してくれたおかげで、志願制になった。
つってもあのエセ勇者が戦うことを促したせいで、真っ先に愛ちゃんの護衛に立候補した俺と戦いから逃げるように護衛に立候補してきたやつ以外は全員迷宮攻略参加となり、愛ちゃんの努力はほぼ無意味となった。
俺は現在図書館で、愛ちゃんが次に行く場所である湖畔の街『ウル』について調べていた。
湖畔の街ウルは北の方に位置し、巨大な湖の近くにあるため稲作が豊富らしい。人間族が持つ数少ない食糧生産地であるが、戦時中の現在は度重なる農作によって土地の栄養が不足し、いつ不作になってもおかしくないとのことだ。
(だから愛ちゃんが呼ばれたってわけか。人間族の領土の北の方にあるから安全だろう、って国の奴らは安直に考えてるんだろうな。全くなんで国の上に立つやつほど無能が多いんだか)
奴らはハジメを無能扱いしていたが、俺は奴らのほうがよっぽど無能であると思う。戦争の際、真っ先に狙われるのは食糧生産地だ。敵の命綱である食糧を奪える上に、国の中枢部ほど防衛設備がしっかりしているわけじゃないから犠牲も少なくできるため、攻めるメリットしかないのだ。
一応護衛は神殿騎士とやらが5人ほどついてるらしいが、もし魔人族が大勢で攻めてきたときにたった5人で守れると思うか? 俺は思わないね。
「あ、清水……」
心の中でそんなことを考えていると、図書館に園部が入ってきた。奴も一応護衛隊のメンバー、というかリーダーだ。こいつは俺みたいに愛ちゃんの重要さに気づいてるわけではなく、ただ戦いから逃げてきただけだ。
「お前も勉強しにきたのか?」
「あ……いや……そうじゃないんだけど……」
「ならなんだ? 悪いがお前に構ってる暇はないんだ。とっとと出てけ」
今更だが、俺も大半のクラスメイトに対していい感情は持っていない。親友を共通の敵としてる奴らにいい感情を持つわけ無いだろ。
「そんな言い方ないでしょ……! 明日、朝早くに出発するから、寝坊しないでよって言いに来ただけよ」
「わざわざ忠告どうも。じゃあどっか行け。俺は忙しいんだよ」
「ああもう……!」
園部は苛ついた様子で図書館を出ていく。
(護衛に立候補しといて、現地の情報すら得ようとしないとはな)
俺は園部含め、俺以外の護衛は役に立たないと確信した。
「クケーッ!」
俺が引き続き調べ物をしようとすると、窓から一匹の鳥系の魔物が入ってきた。俺が左手を伸ばすと、そいつは俺の左手に着地する。
こいつの名前はフォーゲル。闇属性が得意な俺が最初に洗脳した魔物だ。しかしこの前試しに洗脳を解いてみても、ずっと俺のそばを離れなかった。完全に俺に懐いているらしい。
「お帰りフォーゲル。どうだ? ハジメに関する情報は見つかったか?」
「クケケ」
「そうか……長い間ご苦労だったな。もう休んでていいぞ」
俺がそう言うと、フォーゲルは俺の服の中に潜り込む。鳥系で小さい割にスタミナがあるので、こいつは主に情報収集に使っている。今はハジメに関する情報収集を頼んでるってわけだ。未だに成果は得られてないが。
「さて、大体調べ終えたしそろそろ寝るとするかな」
俺は本を元の場所に戻して自分の部屋に戻る。途中、貴族共が話している場面に遭遇したので、咄嗟に認識阻害の魔法を使って聞き耳を立てることにした。
「愛子殿が明日、ウルの街へ行かれるようですな」
「ええ。豊穣の女神とはまさに彼女のこと。彼女のお陰で、人間族の食糧問題は解決したも同然ですからな」
「それはそうと、愛子殿に神の使徒の護衛がつくようですぞ」
「護衛など神殿騎士に任せておけばいいというもの。戦いから逃げた者に護衛は務まりますまい」
(それは俺も入ってんのか? だとしたら心外だな)
俺以外はそうだが、俺は戦いから逃げた訳じゃなく、愛ちゃんの重要性を知ってるから護衛に立候補したんだ。
「それはそうなのですが、その護衛の中に、闇術師というのがいてですな……なんでも、魔物を操ることに特化しているそうで」
「まるで魔人族のようですな。もしや、魔人族の手先だったりするかもしれませんぞ」
「私も同じことを思っておりました。どうやら、かの裏切り者とも交流があったそうですからな」
「それはそれは。闇術師が戻ったら、異端審問にかけるのもありですな」
「まあ、間違いなく黒でしょうがな」
ついでに聞いてくかぐらいの気持ちだったが、とんでもないことを聞いてしまった。
(多分、ここにはもう戻ってくることはねえな)
戻ったら間違いなく冤罪で殺される。俺は向こうに行ったら、戻る日の前日くらいに姿を消すことにした。冤罪で死ぬなんて、真っ平ご免だ。
(クソ! 俺達を陥れようとしたこと、後悔させてやる!)
俺は自分の部屋に戻りながら、いつか報復してやると誓った。
ーーーーーーー翌日ーーーーーーー
「それでは、順番にお乗りください」
俺達は早朝に、馬車に乗り込みウルへと向かった。人数がまあまあだったので、二つの馬車に分かれることとなった。もちろん男女でだ。
「ウルの町ってどんなとこなんだろうな」
「綺麗な人がいればいいけどな」
俺の近くで会話をしているのは、相川と玉井って奴等だ。んなもん調べりゃ分かるだろ。後者に関しては知らねえが。
(馬車の速さは精々2~30km/hってとこか。昨日調べた感じだと着くのは昼過ぎか夕方くらいになりそうだな。やることねえし、寝るとするか)
俺は特にやることもなく暇なので、寝ることにした。丁度昨日も遅くまで調べてたせいで寝不足気味だしな。
……ハジメは生きてっかな。
フォーゲル……ドイツ語で鳥
寝る直前まで親友の心配をする清水君は親友の鑑。
兵器の名前及びオリジナル魔法の案はまだまだ募集中です。
↓↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=259253&uid=215423
皆さんが望むクラスメイト(一部を除く)の今後
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魔人族に着いていって奴隷化
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王都戦争編でハジメ君に一人ずつ処刑される
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迷宮で全滅
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エヒトに強化(建前)されて捨て駒になる