もしもハジメ君の性格がキツく口調が悪かったら(仮) 作:fruit侍
何も言いません。言い訳もしません。
ただ、これだけは言わせてほしい。
お 待 た せ し て 大 変 申 し 訳 あ り ま せ ん ! !
音もなく出現した七つ目の銀色に輝く頭は、静かに殺意を俺に向けてきている。その視線から感じられる殺気は、先程の頭達と比べ物にならない。思わず硬直してしまうほどだ。
だが銀頭は、俺からスっと視線を逸らすとユエをその鋭い眼光で射抜き予備動作もなく極光を放った。先ほどのギーベリもかくやという極光は瞬く間にユエに迫る。ユエは魔力枯渇で動けない。
「ユエッ!!!」
俺はリロードしていない、錘にしかならないギーベリを投げ捨て、身体強化など使えるもの全てを使いユエの方へ飛び出した。
そしてユエを巻き添えにしながら極光を回避する。がしかし、若干遅かったようで、俺の下半身が極光に飲み込まれる。
「がああああああああああああああッ!!」
今までの比にならないほどの痛みが俺の下半身を襲う。その痛みに耐えきれず、俺の意識は吹き飛んだ。
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極光が収まり、私はハジメに体を抱き抱えられるようにして倒れていた。そして全身に走る鈍い痛みを堪えながらゆっくりと体を起こす。
「ハ、ハジメ?」
「……」
ハジメは何も答えない。
「ハジメ!」
ハジメの体をよく見てみると、下半身が焼け爛れていた。一部骨が露出しており、誰が見ても歩くのは不可能だと分かる。
その時、あの銀頭が攻撃を再開し始めた。先程の極光とは違い無数の光弾による弾幕攻撃だ。
私はハジメから持たされていた神水を飲み、身体強化でハジメを抱えて柱の影に跳ぶ。柱に光弾が撃ち込まれ、どんどん削り取っていく。この感じだと1分ももたないだろう。
私は急いで神水をハジメの下半身に降り掛け、もう一本も飲ませようとする。しかし意識がないせいか、ハジメはむせて吐き出してしまう。私は自分の口に神水を含むと、そのままハジメに口付けをし、むせるハジメを押さえつけて無理やり飲ませた。
しかし、神水は止血の効果はあったものの、中々傷を修復してくれない。いつもなら直ぐに修復が始まるのに、何かに阻害されているかの様に遅々としている。
「どうして!?」
柱はもうほとんど砕かれ、ハジメが動けるようになるまではとても持ちそうにない。周りが光弾によって破壊されていく中、私は決断した。もうこうするしかない……!
意識が戻らないハジメにそっと口付けをし、ハジメの銃を手に取って立ち上がる。使い方は、隣でずっと見てたから分かる。
「……今度は私が助ける……」
そう言って、私は柱を飛び出した。先程神水を飲んだおかげで魔力は回復して十分に動ける。そして頼れるのは身体強化を施した吸血鬼の肉体と、心もとない〝自動再生〟の固有魔法、そしてハジメの銃だけだ。
柱から飛び出た私を狙って、銀頭は光弾を連射してくる。私はできるだけ避けながら、避けられないものは魔法で相殺し、銀頭に徐々に近づいていく。ハジメは言っていた。この武器も狙う敵が遠すぎると、当たっても威力が落ちてしまう。
ある程度銀頭に近づいてくると、弾幕の密度が高まり徐々に近づけなくなっていく。もう既に避けるので精一杯だ。
近づかなければ攻撃を当てることができるとは私には思えなかった。そのため、どうにか隙を探って接近する必要がある。しかし、光弾は勢いが弱まる気配がない。
「当たって……!」
私は苦し紛れではあるが引き金を引いた。雷系統の魔法を使い、ハジメがやっていたように何とか加速させることができた。そして運良く、弾丸は弾幕の隙間を縫うように銀頭のこめかみ辺りに着弾した。
しかし、
「えっ」
思わず声を出してしまった。
確かにハジメほどの威力はないかもしれないけど、それなりの威力を持った一撃だったはずなのに、銀頭は浅く傷ついただけで大したダメージを受けた様子がなかったのだ。
もしかして、勝てない?
そう思ってしまった瞬間、絶望を感じた。しかし私の敗北はハジメの死を意味する。何がなんでも、負けられない……! 私は攻撃を諦め、回避に徹した。
だが元来、私は体術を始めとした近接戦は不得意だ。
致命的な一撃は受けていないものの、既に体のあちこちに光弾が掠っている。これくらいの傷ならすぐ再生するはずなのだが、何故かすぐに治らない。それで気づいた。この光弾及びさっきの極光には、回復を阻害する何かしらの効果が付与されている。だからハジメに神水を飲ませても、すぐには治らなかったのだ。
そして先程から身体強化や光弾を相殺するための魔法に加えて、再生にも魔力を割かれてしまっているため、魔力の消費が著しい。おそらく今は半分も残っていないだろう。
今の私の魔力では最上級魔法はおろか、緋槍レベルの魔法を数発放つこともできない。かといってこのまま回避を続けても魔力を消費するだけ。
勝ち目は、ない。
その言葉が脳裏に過った瞬間、腹部を思いっきり殴られたような衝撃に襲われる。
「ッッッ!!!?」
私の小さな体ではその衝撃を受け止めきれず、派手に吹っ飛ばされる。自分に何が起こったのか、すぐに理解した。
光弾を腹部にまともに食らってしまったのだ。その証拠に私の腹は、焼けたような痕が残っている。
「クルゥアアン!」
銀頭が勝ち誇ったように雄叫びを挙げる。そして私に目掛けて極光を放ってきた。
ああ、ここで終わりなんだ。
私はどう足掻いても無駄だと諦め、目を瞑りハジメに心の中で謝る。
助けれなくて……ごめんなさい……。
「菫コ縺ョ繝ヲ繧ィ縺ォ菴輔@縺ヲ繧薙□!!!!!!」
突然、私の後ろからこの世のものとは思えない叫び声が聞こえてきたかと思えば、私に迫っていた極光と後ろから飛んできた赤黒い光が衝突し衝撃波を生み出す。
「うぐぅっ!?」
残っていた柱まで飛ばされた私は、何が起こったのか確認するために、柱の陰から先程私がいた場所の後方を覗き込む。
「えっ?」
そこで私はとんでもないものを見た。
そこには黒色をした悪魔のような見た目の人型がいた。あの銀頭と同じくらいの背の高さをしていて、血のように赤い目は直視しただけで震えが止まらなくなるほどの憎しみと殺意を感じる。
「グゥ……!!」
あの銀頭ですら、その殺意だけで怯んでいる。
しかし人型を敵だと認識すると、極光を放つ。人型は迎撃することも、避けることもしなかった。
「……」
極光が晴れると、そこには無傷の人型がいた。あの極光で傷一つつかないなんて……!
「クルァ……!?」
銀頭は自らの攻撃が全く効いていないことに驚いているようだ。
「縺上◆縺ー繧翫d縺後l!!!!!!」
そして再度おぞましい叫び声をあげた後、あの赤黒い光を銀頭に向かって放った。銀頭は迎撃しようと極光を放ったが、赤黒い光の勢いは全く止められずそのまま呑まれた。
そして赤黒い光が収まって残ったのは、赤黒い光が直撃しなかった銀頭の首の付け根の部分のみだった。
「……終わった……の……?」
私達を追い詰めた銀頭の呆気ない幕切れに、私は現実味を感じられなくて思わず呟いてしまう。
あの人型のことを思い出した私はすぐさま人型の方へ目線を向ける。目線の先には、あの人型が最初見た時の場所から微動だにせず佇んでいた。しかし突然前方に倒れこみ、人型の体は散り散りになって霧散していく。
そして先程まで人型がいたところには、ハジメが倒れていた。
「ハジメッ!!!」
倒れているハジメの姿を見た瞬間、私は駆け出していた。足が縺れ転びそうになるが、なんとか堪えてハジメの元へ向かう。
そしてハジメの元にたどり着き、ハジメが生きていることを確認する。
「よかった、生きて……ッ……!?」
しかしそこで見た光景に私は思わず絶句した。
ハジメがこの迷宮に来たときに失ったと言っていた左手の薬指と親指が、
しかしその二本の指は爪と指の区別がつかないほど全てが真っ黒で、明らかに人のものではなかった。
そしてハジメの顔には、右目を中心にして黒色が侵食している。眉毛と鼻の横辺りまでが黒くなっていて、明らかに異常だ。
どれも、この階層に来たときにはなかったものだ。
(あの人型がハジメ……そして戻ったら、あちこちが黒くなってる……指にいたっては再生してる……ハジメに、一体何が起こってるの……?)
死闘を制し、ハジメと無事に生き残った私だが、その心には喜びや安堵ではなく、焦燥感が渦巻いていた。
リアルが忙しかったのもありますが、この展開をどう文章に起こすかでめちゃめちゃ悩んでました。結果短いしクッソ微妙になった。
大学つらたん
兵器の名前及びオリジナル魔法の案はまだまだ募集中です。
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皆さんが望むクラスメイト(一部を除く)の今後
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魔人族に着いていって奴隷化
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王都戦争編でハジメ君に一人ずつ処刑される
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迷宮で全滅
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エヒトに強化(建前)されて捨て駒になる