もしもハジメ君の性格がキツく口調が悪かったら(仮)   作:fruit侍

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今回は少し短いです。それと少々香織アンチが含まれますのでご注意を。

急いで書き上げるとクオリティが低くなるのを何とかしたいなと思う今日この頃。


第六話

翌日。俺は馬車に揺られながら王立図書館からくすねてきた、迷宮のことについて書かれた本を読んでいた。

 

現在俺達が向かっているのは、ホルアドという町だ。迷宮のおかげで発展した町で、迷宮に挑戦する冒険者達の宿場町にもなっている。今日はそこで一夜明かし、明日迷宮に潜るといった感じらしい。

 

だがどうしても着くまで結構時間かかるらしくて、暇潰しくらいにはなるだろ、てことで本を読んでいるのだ。

 

すると少し役に立ちそうな情報が載っていた。

 

俺達が明日行く迷宮の名は、『オルクス大迷宮』という。

 

この本によれば、全百階層からなると言われている。この世界にはオルクス大迷宮を含めた七つの迷宮があり、七大迷宮と呼ばれている。で、オルクス大迷宮の特徴としては、階層が深くなるにつれ強力な魔物が出現するってことだ。

 

まあ実際のところ、迷宮について詳しいことはあまり分かってないらしく、現在確認されてる迷宮は三つしかない。オルクス大迷宮、グリューエン大火山と呼ばれる火山にある迷宮、そして亜人族(獣人と言った方が分かりやすいか?)が住んでいるハルツィナ樹海と呼ばれる樹海が作り出した自然迷宮の三つだ。

 

オルクス大迷宮に関しては、65階層まで調査が行き渡っているらしく、それぞれの階層に出てくる魔物はほとんど網羅されている。その魔物はどんな見た目なのか、どんな戦い方をしてくるのか、何が弱点なのか、こと細かく書かれている。

 

「ハジメ、よく飽きないよな。俺図鑑なんて読んだことないぞ」

 

幸利が横から言ってくる。こいつは幼稚園児から漫画の素晴らしさに目覚めたような奴だからな。図鑑とか読んでないのも、不思議ではない。

 

「どうせあのカス共は、力で押しきればどうとでもなる脳筋みたいな戦い方しかできないだろうからな。俺はあいつらと一緒になりたくないんだよ」

 

「はぁ……気持ちは分かるけど、皆のこと嫌いすぎじゃないかな?」

 

「あいつらも俺のこと嫌ってるし、お互い様だ。ていうかお前らも少しは勉強したらどうだ? 火が効かねえ魔物だったり、物理攻撃が効かねえ魔物とかもいるかもしれねえぞ?」

 

少し盛ったところもあったが、本気っちゃ本気だ。魔物は、大体の場合何かが効かない個体が存在する。それを知ってればいいが、知らなかった時はすっげえ面倒なことになる。俺が今まで遊んできたゲームでも、魔法が効かないという初見殺しみたいなやつがいて、倒すのに相当時間食ったことがある。

 

「確かに何に耐性があるかぐらいは知っといた方がいいかもな……。よし、俺も勉強するよ」

 

「僕も勉強しようかな。僕の戦闘用魔法の大体は火属性だし、火が効かない奴がいたら困るからね」

 

勉強する気になった二人に俺は、まだ読んでいない下層の魔物図鑑を渡す。上層でも魔物がかなり多く、まだ半分も読み終えていない。そこでこいつらが下層の魔物が書かれた本を読めば、お互い情報を共有しあうこともできて、もう一冊読む手間も省ける。正にWin-Winってわけだ。

 

そういうことで、俺らは馬車の中でみっちり勉強した。乗り物の中で書物を読んでしまったので、着いてから俺達全員酔ってしまったことは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「あ"ー……気持ち悪ぃ……」

 

ホルアドに着き、俺は案内された部屋のベッドに飛び込む。酔いはまだ取れそうにない。飯も食えなかったので、明日は思い切り食うとしよう。

 

ふと気づいたが、あいつらは最低でも二人部屋だが、俺だけ一人部屋だ。運がいいな。

 

銃の整備ができるし、弾を好きなだけ作れるし、何よりあいつらと一緒にならなくていいんだ。恵里か幸利なら別にいいが、あいつらと同室で一夜を明かすなんて女子だろうとお断りだ。そんなことになったら窓から飛び降りてやる。

 

明日の迷宮は、20階層まで行くとのことだ。それくらいなら、非戦闘職がいても十分カバーできるとメルドが言っていた。本当余計なお世話だよ。非戦闘職とはいえ、俺も十分に戦えるっつうの。

 

そこまでするなら置いてけよとも言ったが、あのクソ教会とゴミカス王のせいで、俺は強制参加になったらしい。クソ、いつかあいつら、俺の手でぶっ殺してやる。

 

弾を製作しながら魔物図鑑を読んでいた俺だが、今日くらいぐっすり寝ようと思い、魔物図鑑をテーブルの上に置く。というのも、ここ最近銃の製作でずーっとろくに寝れなかったのだ。地球で徹夜は何度か経験してるので、思ったより辛くはなかったが、辛いもんは辛い。特に明日は迷宮という危険地帯に行くのだ。寝不足で死ぬとか冗談でも笑えない。

 

再びベッドにダイブした俺は、すぐに寝れる体制になる。その時、ドアをノックする音が聞こえた。

 

ゴミ山共か? こんな時間に来るなんてあいつらも暇だな。少し早いお披露目だが、ちょっと遊んでやるか。

 

俺はテーブルに置いてあるシュトーレンを手に取り、リロードして構える。そして音もなくドアに近づき、ドアに耳を当てた。

 

すると声が聞こえてきた。

 

「南雲くん、起きてる? 白崎です。ちょっと、いいかな?」

 

……ああ?

 

予想外の答えに、俺は銃を下ろして作っておいたホルスターにしまう。面倒だなと思いながらドアを開けた。

 

「何の用だ白崎。俺はもう寝るから用なら明日に……はあ?」

 

俺は硬直してしまった。なぜなら、純白のネグリジェにカーディガンを羽織っただけの白崎が立っていたからだ。俺が硬直したのは、決して白崎が魅力的だったからじゃない。こんな無防備な姿で歩き回るバカもいるんだな、と呆れたからだ。

 

正気に戻った俺は、勢いよくドアを閉めて鍵をかける。「ええっ!?」と白崎の驚いた声が聞こえ、ガチャガチャとドアノブをいじる音が部屋の中に響く。

 

「待って南雲くん! 話を聞いて!」

 

「何だ? 連絡事項ならそこで言えよ」

 

「違うの! ただ単に、南雲くんと話がしたいの!」

 

「だからここでも別にいいだろ。とっとと話して帰れ」

 

俺がそう言うと、白崎は落ち着きを取り戻したようで、ドアノブの音が止まる。そして白崎は話し始めた。

 

「明日の迷宮だけど……南雲くんには町で待っていて欲しいの。教官達やクラスの皆は私が必ず説得する。だから! お願い!」

 

「何だ? そんなに俺が足手まといか?」

 

「違うの! 足手まといとかそういうのじゃないの!」

 

「じゃあ何だ? 俺がここで待たなきゃならない相応の理由でもあるのか?」

 

俺がそう返すと、白崎が深呼吸する音が聞こえる。

 

「あのね、なんだか凄く嫌な予感がするの。さっき少し眠ったんだけど……夢をみて……南雲くんが居たんだけど……声を掛けても全然気がついてくれなくて……走っても全然追いつけなくて……それで最後は……消えてしまうの……」

 

俺は思った。実にくだらないと。

 

「くだらねえな」

 

「……え?」

 

「実にくだらねえよ。たかが夢程度で、俺の町待機が認められると思うか? もし仮に認められたとしても、あいつらが徹底的に俺を叩くのは目に見えてる。俺がただでさえ居場所が少ねえの知ってるだろ? ここで行かなきゃ、俺は最悪王宮を追い出されるんだよ。……それともそれが目的だったのか?」

 

「違うの!」

 

俺の疑問混じりの声に、白崎は即答する。段々腹が立ってきた。誰も見てる奴はいねえし、少しくらい虐めてやってもいいよな?

 

「ったく、そんなことのためにわざわざ俺を呼びやがって。俺も暇じゃねえんだよ! 明日の準備とかいろいろやってんだ。もう帰りやがれ! 準備の邪魔だ!」

 

「南雲くん! お願いだから「うるせえ! 帰れっつってんだろ! もうそっちから話しかけても、返してやらねえからな!」

 

俺はそれを最後に白崎との会話を一方的に切った。しばらくは、ドアの向こうで泣きながら俺を呼ぶ白崎の声が聞こえたが、諦めたようで声がしなくなった。

 

俺は清々しい表情でベッドにダイブし、今度こそすぐ寝れる体制になる。

 

あー、いい気分だな。スマホがないので、あいつの泣いた顔の写真を撮れなかったのは少し残念だが、とりあえず今日はぐっすり寝れそうだ。




次回から迷宮となりますが、原作と違って一気にベヒモス戦までいきたいと思います。
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