Vの者!~挨拶はこんばん山月!~   作:サニキ リオ

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【魔友林獅子】またまたコラボ! 何か許可取れちゃいました!

「袁傪のみなさん、こんばん山月! 今日はなんとまたまたコラボやっていきますよ!」

 

[こんばん山月!]

[こんばん山月!]

[こんばん山月!]

[コラボ助かる]

[事務所側優秀すぎない?]

[普通こんなに連続でコラボとか無理だろwww]

 

 連日の他企業のVtuberや個人勢とのコラボが行われることで、袁傪達をはじめ多くの視聴者は驚いていた。

 

「あー、夢美はちょっと寝てるんで今日は欠席です」

 

[レオ君の隣で?]

 

「違いますよ!」

 

[草]

[寝てる間しか動けないじゃなかったのか]

[今はノンレム睡眠なんだろう]

 

 レオは夢美の家庭事情を自分からは暴露するつもりはなかったため、夢美は寝ていてこれなかったということにした。

 気を取り直すと、レオは早速Thiscodeで通話を繋げた三人に挨拶するように促す。

 

「それでは、みなさん自己紹介をお願いします」

『おはっぽー。にじライブの焼き林檎こと白雪林檎だよー』

 

[何気にレオンゴは初めてでは?]

[大体バラレオかバランゴだったもんな]

[どの道てぇてぇ]

 

 レオと林檎という組み合わせは三期生の中でも珍しかったため、意外な組み合わせを喜ぶコメントもちらほらと見受けられる。

 林檎の復帰後から三期生の組み合わせはさらに人気が出ていた。そのことを理解していたレオも、近いうちに三人での歌ってみた動画を出すことを提案するつもりでいた。

 

『魔王軍の諸君! 並びに、袁傪、小人、友達の諸君! このサタン・ルシファナが降臨してやったぞ! あと、忠告しておくが音量はしっかり下げておけ』

 

[魔王様がここまで生配信するなんて珍しいな]

[よっぱどレオ君のこと気に入ったんだろうなぁ]

[注意喚起助かる]

 

 動画投稿が基本的な活動であるサタンがこうも頻繁に生放送を行うことに、魔王軍の者達は感動していた。生配信では、彼の動画では見られない素の部分が結構見れるため、サタンの生配信は人気なのだ。

 

 

 

 

『みんな、やっっほー! 但野友世だよ! 今日はよっろしくねー!』

 

 

 

 

[鼓膜オワタ]

[俺達が音量下げることを見越して自分の声量を上げるなw]

[鼓膜変えなきゃ……]

 

 友世のパワフルな挨拶で、いつものようにコメント欄には鼓膜をやられた者達が現れる。

 レオ達三人は友世の挨拶の瞬間だけミュートにしていたので、彼らの鼓膜は無事である。

 

「自己紹介も済んだことですし、さっそく今日の内容を説明したいんですが、ここで白雪が言いたいことがあるそうです」

『やー、私も人狼ちょっとやりたいと思ってさー。一戦だけやらせてくんない?』

『ふははっ、受けてたとうじゃないか!』

 

 林檎の提案をサタンは二つ返事で受け入れた。

 

『魔王様やる気だね!』

『スマブラでボコされた屈辱、ここで晴らしてやろう!』

『何度でも返り討ちにしてやんよー』

 

[マジ?]

[魔王様をボコすって白雪やばくね?]

[そうなると白雪はゲームもピアノもプロレベルってことになるが……]

[というか、二人共面識あったのか]

 

 サタンのゲームの腕前がプロレベルなのは周知の事実だ。そんな彼に勝利できる林檎の腕前の高さにコメント欄がざわつき始める。

 

「とりあえず、みなさんブラウザ版のワンナイト立ち上げてくださいねー」

 

 レオはサタンが日頃からゲームの腕について言及されたくないことを感じ取っていたため、流れを変えるためにゲームの開始を促した。

 それから、全ての役職が決まりゲームが始まった。

 

「じゃあ、占い師の人は一斉に名乗り出ましょうか」

 

 話し合いを進めるため、レオは手始めにそう言うと、

 

「俺が――」

『私が――』

『吾輩が――』

『アタシが――』

 

「『『『占い師だ!』』』」

 

[これは草]

[どうしてこうなった]

[全員対抗という奇跡www]

 

 全員が占い師を名乗り出た。

 

『待て! 吾輩は貴様ら全員が人外なのを知っているぞ! 選ばれなかったカードを見たからな!』

 

「『『あっ』』」

 

 本物の占い師らしきサタンの言葉によって全員が察する。これ全部バレてるやつだ、と。

 

『選ばれなかったのは人狼と村人――つまり、俺以外は人狼、怪盗、吊人だ!』

 

[四面楚歌で草]

[厄介なパターンだな]

[怪盗が誰かで、どっちと交換しているかが重要だ]

 

 吊人がいて、さらには怪盗がいるせいで下手に投票することもできない。状況が膠着しそうだと考えた怪盗――林檎は自分から名乗り出ることにした。

 

『怪盗は私だよー。さーて、どっちと交換したでしょうねー!』

『ぐっ、そうきたか』

『ほれほれ、当ててみなよー。魔王様なら楽勝でしょー?』

『過去一腹立つ声だな……!』

 

[この二人仲良いなwww]

[待て、魔王様には脳筋サラマンダーがいるだろ]

[魔王様、赤毛なら誰でもいいのか!]

 

 サタンは普段、魔王軍四天王という四人のVtuberと共に配信をすることが多い。

 中でも四天王の一人サラ・マンドラとは、その掛け合いの面白さから、人気の組み合わせだった。

 

「これもう俺達の出番ないですね」

『さすがにこれはアタシも予想外だよ!』

 

[二人共すっかり傍観者になってるw]

[こんな状況、普通ないからな]

[四人でやると、こんなことも起きるのか……]

 

 すっかり場をサタンと林檎に支配されてしまったレオと友世は暇そうにしていた。

 

『ふっ、こうして名乗り出たのは処刑されるリスクを高めに来たということだ!』

『あははー、バレたかー。そだよー、私吊人―』

『と、見せかけて人狼と交換したのだろう! ふはははっ、貴様の考えそうなことだ!』

『チッ』

 

 サタンの高笑いと林檎の舌打ちによって、短めに設定していた話し合いの時間が終わる。

 投票の結果、処刑されたのは林檎だった。

 

『さあ、勝ったのは――何ィィィ!?』

『はーい、吊人と交換した私の勝ちー! 何で負けたか明日までに考えておいてくださーい』

『クソがぁぁぁぁぁ!』

 

[魔王様大絶叫で草]

[この笑顔、殴りたい]

[最高に腹立つw]

[だがそれがいい]

 

 林檎は吊人である友世と交換していた。深読みしたサタンは惜しくも勝利を逃したのであった。

 

「それじゃ、マリカやっていきますか」

『そだね!』

 

[二人共スルーwww]

[レオ友という新たな可能性]

[カプ厨節操なしかよ]

 

 レオはゲーム機の方で大人気のレースゲームを起動すると、さっそくネットに繋げて部屋を作った。

 

『マリカで私に勝てると思ってんのかねー』

「白雪はうまい癖に運もいいからな」

『ま、運も実力のうちってねー』

 

 林檎はFPSや某狩猟ゲーム以外にもレースゲームが得意だった。

 特に長年愛され続けているこのゲームに関して、取得するアイテムもことごとく良い物を引き当てるため、敵なしだった。

 

『ふっ、その威勢がいつまで続くかな?』

 

[おっ、魔王様が本気出すか]

[いくら白雪でも魔王様にマリカは……]

 

 何となく結果がわかっている魔王軍側の視聴者は同情の籠ったコメントを書き込む。

 何を隠そうサタンは、メインで実況しているゲームであるモンスターの育成ゲームよりも、このレースゲームの方が得意だったのだ。

 案の定、レースが開始してから独走状態だった林檎を狙い撃ちするかのようにサタンは攻撃し始めた。

 

『はぁぁぁ!? 私のサンダー返せよ!』

『ああ、返してやるとも』

『ぎゃぁぁぁ! 飛んでるときに撃つなよ!』

「いやぁ、平和ですね」

『二人共微笑ましいね!』

 

[コテンパンにやられてて草]

[魔王様の逆襲]

[同時上映レオ友の夏休み]

[二人共ドライブ感覚になってて草]

 

 レオと友世は林檎とサタンに大差をつけられていたが、どこか楽しそうに会話していた。

 それからレースはサタン、林檎、友世、レオの順にゴールしたことで、サタンは心底楽しそうに勝利宣言をした。

 

『ふはははっ! 俺の勝ちだな! 何で負けたか明日までに考えておけよ?』

『ぐぐ、ぐぎぎぎっ……!』

 

[これは素晴らしい林虐]

[かつてないほど悔しがってるw]

[助かる]

 

 林檎は基本的に負けず嫌いである。音楽が絡むとその性格は顕著になるが、自信のあるゲームで負けたときもかなり悔しがるのだ。

 

『もっかい!』

『何度でも返り討ちにしてやるとも!』

 

 結局、このコラボ配信上で林檎がサタンに勝つことはなかった。

 配信時間も二時間を超えたことで、レオはそろそろ配信を終わることにした。

 

「はい、それでは名残惜しいですがそろそろお開きの時間となります。三人共、今日はありがとうございました」

『いや、こちらこそコラボできて楽しかったぞ。焼き林檎へのリベンジも叶ったしな』

『くっそー……次は負けないかんねー』

『今日は楽しかったよ! またコラボしようね!』

「ええ、是非! それではみなさん、おつ山月!」

 

『『『おつ山月!』』』

 

[おつ山月!]

[おつ山月!]

[おつ山月!]

[魔王様が生配信を定期的にやるだけでも嬉しい]

[いろんな可能性が生まれたコラボだった]

[珍しく友ちんが大人しかったけどな]

 

 こうして配信を終えたレオは配信を切り、軽い挨拶をして通話も切った――友世を除いて。

 

「今日はありがとうございました。それとすみません、窮屈な思いさせちゃって」

『いいっていいって! 個人勢のアタシなら目立たなくても事務所から文句言われないもんね! こういう役回りも慣れっこだって!』

「本当に助かりました。白雪とサタン君の組み合わせは絶対ウケがいいと思っていたので、それをうまく引き立てられて良かったです」

 

 レオはこのコラボ配信が始まる前、友世に予め林檎とサタンが目立つように立ち回ってほしいと打診していたのだ。

 

『企業にとらわれないコラボが増えればもっとこの界隈も楽しくなるからね! 個人勢のアタシとしてはこういう流れ作っときたいし、先への投資って感じだね!』

 

 友世は元々ユーチューバーから時代の流れに乗ってVtuberになったため、いまだに企業には所属しない個人のVtuberとして活動を行っている。

 ある意味、彼女はユーチューバーとしての地盤があったため人気Vtuberになれたわけだが、他の企業所属のVtuberとコラボする機会はあまりなかった。

 個人勢は個人勢でコラボ、企業は同じ企業内でコラボ。

 この常識を打ち破り、もっとたくさんの人達とVtuberという文化を盛り上げたい。友世は常日頃からそう願っていた。

 定期的に個人勢のVtuberを紹介したり、友世はある意味個人勢のVtuberにとって太陽のような存在だった。

 

『やっぱりみんなでわいわいするのは最高だからね!』

「ええ、俺もそう思います」

 

 二人は笑い合いながら、通話を繋げたままにして今後のコラボでの企画などについてしばし談笑するのであった。

 




レオ友って呼び方だと結局袁傪(レオ=李徴、李徴の友達=袁傪)なんだよなぁ
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