ガバ転生メイリンによる「こずみっくいら」再現物語   作:めんりん

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タイトルが

・きゃぴった平仮名⇨そういうこと

・真面目なひらがな⇨ちょっぴり真面目

・その他⇨?



第九話 : ハイネ・ヴェステンフルス

 

 

『そうか…そんなことがあったのか』

 

 

翌日。ダーダネルス海峡に到着するまであと僅かと言ったところ。私たちパイロットはそれぞれの機体のコックピットで待機してた。

 

通信越しに昨日夜に妹と話したことを件の彼に報告すると、彼は何でもないと言うように笑って言った。

 

 

『わかってる、か。何かこれじゃ、俺が歳下の女の子追い詰めたみたいになっちまった。…悪いな、妹、泣かしちまって』

 

「まあ、仕方ないわよ。私だってこんなの初めて。だからってわけじゃないけど…もう少しだけ待ってあげてくれる? そのうち、さらっと平気な顔して接してくれると思うわ」

 

『ああ、もちろんだ。それに、約束もしてくれたしな、何も気にしてねーよ。んじゃま…お互い、生きて帰ってこようぜ』

 

「ええ、もちろんっ!」

 

 

じゃあな、と言って彼との通信が途絶える。それにしても、約束? そんなこと聞いてないけど…さて、どうなるかな。

 

 

 

 

* * * *

 

 

 

はい、こんにちは。朝起きたらお姉ちゃんに髪を撫で撫でされててちょっぴり嬉しかったメイリン・ホークです。

 

昨日部屋に帰ってギャン泣きした後くらいから記憶があいまいmeまいん。まあ、そんなことは至ってどうでもよくて。え? いま? 

 

 

「"タンホイザー"、軸線よろし!」

 

「よし、起動っ。照準、敵護衛艦群」

 

 

って感じです。もう戦闘真っ只中。アスランさんとシンは既に出撃して飛び回りながらオーブ軍のムラサメと扇風機みたいな羽つけたアストレイの大群と交戦中。

 

で、私たちは現在信用皆無の"タンホイザー"発射態勢。まあ、体勢ってだけで発射は出来ないけどね。理由は後ほど、とりあえず私は今のうちにシレッと対ショック姿勢っと。

 

 

「ーーーーセーフティー解除」

 

 

あー来るかなー…やだなぁ…。体をやや丸め頭を守るような姿勢になりながら心の中でそう溢した。これから来る様々な出来事と犯す罪から、目を背けるように。

 

 

「ぅてぇぇぇっ!」

 

 

パキュン。ええ、撃ちましたよ。ただし引き金を引いたのは天空からの使者であり、撃たれたのはオーブ軍ではなくミネルバのタンホイザーですけどね。

 

直後、発射直前まで充填されていたタンホイザーのエネルギーが行き場を失って暴発、凄まじい轟音と衝撃が私たちとミネルバを襲う。

 

黒煙を吹き上げるミネルバ、突然の衝撃に悲鳴の上がる艦内、そして、蒼穹を突き抜け凄まじい速度で降下してくる影。

 

やがて、その影の姿がはっきりと見えてくる。

 

ガンダムタイプの特長である鋭角的なV字アンテナと輝かしい琥珀色の双眸。白と黒を基調にしながらも、要所に青と赤をアクセントに加えた美しくも幻想的なカラーリング。そして何より、絶対的な存在感を放つ背面の大型ウィングスラスター。

 

 

「…()()()()()…」

 

 

 

蒼き翼を携えた最強のMSが、今戦場への堂々たる降臨を果たした。

 

 

 

* * * *

 

 

と、言うことがあってから数分。ダメージで着水しちゃったミネルバにこれ幸いと地球軍からアーモリー3Gを筆頭にした猛攻が襲いくる。あとオーブ軍。

 

お姉ちゃんとレイ、それから…ヴェステンフルスさんも出撃してそれぞれが迎撃にあたってくれてるけど、それでも数が多い。

 

オーブ軍には、フリーダムと一緒に、あの"アークエンジェル"とカガリ様の駆るストライクルージュが戦場に出てきて、オーブ軍に戦闘を止めるよう呼び掛けてくれたけど、今更そんな理屈が通る道理なし。

 

あのユウナ浪漫性乱に偽物呼ばわりされたカガリ様やアークエンジェルまでもがオーブ軍の攻撃対象になる。

 

そして説得が不可能と見るや、フリーダムはカガリ様を下げ、自ら戦線に躍り出てくる。

 

はっきり言おう、化け物だ。あんなの単機が保有していい戦力じゃない。

 

たった一機で、ただの一度も相手を殺さず、被弾もせず、アークエンジェルを守りながらザフト、連合、オーブ軍の三勢力に対して図抜けた戦果を上げ続けている。

 

一機、また一機と、流れ作業のようにメインカメラやバーニア、主兵装と言った重要部位を撃ち抜かれたまたは切り落とされた機体が急増していく。そんななか、

 

 

『くっそぉっ! 何なんだよこいつはっ!?』

 

「シンっ!? だめっ!」

 

 

縦横無尽に暴れ回るフリーダムに業を煮やしたインパルスがライフルを乱射する。でも、その光の弾丸はただの一発足りたりとも、掠りともせず。逆に、

 

 

『なっ!?』

 

 

一呼吸のうちに距離を詰められ、すり抜けざまに一閃。ただのそれだけで、私が注意を促す暇もなく、今までの活躍が嘘のようにインパルスは一瞬で右腕と主兵装のライフルを失った。

 

そして、インパルスの右腕を切り落としたフリーダムは間髪入れずに海面に腰のレールガンを二発。海中を高速移動するアビスを、海上からの射撃のみで無力化する。しかもVPS装甲の隙間を縫うように背面バーニアのみに当てるといった離れ業。この間、実にわずか十秒弱。

 

無茶苦茶だ。アレにとって、今のインパルスもアビスも全部雑兵でしかない。

 

そして、ついに運命の時が近づいてきた。フリーダムが怪物じみた速度で飛翔する先には、鮮やかなオレンジに染色されたグフと、地に四本の足をつけ睨み合っているガイア。

 

…仕方ないんだよ。こうするしか、私は私の未来を守れないんだから。ごめんね、()()()()()、恨んでくれていいから。

 

こみ上げる罪の意識に、私は思わず目を瞑り、唇から血が出ることも厭わずに強く噛みしめる。

 

そう、仕方ないんだ。そういう運命なんだ。だからーーーっ

 

 

 

『わかった、バッチシ帰ってくるから、そん時は腹割って話しようぜ。約束な?』

 

 

 

『大丈夫よ、何があっても、私はアンタの味方だから』

 

 

だからーーーーーっ!

 

 

 

* * * *

 

 

「ちくしょう、冗談じゃないぜっ!」

 

 

急に出てきて暴れまわってるのがふざけた速度でこっちに突っ込んでくる。

 

それに逆上したらしいガイアが獣じみた動きがヤツに飛びかかるが、逆に居合切りみてぇに抜いたヤツのビームサーベルに前脚を切り飛ばされてそのまま海面に落下していく。

 

そのあまりに傍若無人ぶりな振る舞いに、俺は完全に頭に血が上った。戦場に出てきて戦いをやめろ、無理なら纏めて撃墜ってか? 英雄だかなんだか知らないが、

 

上せてんじゃねぇぞお前。

 

 

「手当たり次第かよっ! この野郎生意気なぁっ!」

 

 

機体の右腕に取り付けられたビームガンをヤツ目掛けて連射する。一発の威力は低いが、ライフルとは弾幕の密度が違う。蜂の巣にしてやる。

 

だが、

 

 

「なにぃっ!?」

 

 

あろうことかヤツはこっちに向かって突っ込んできながら最低限の軌道で全弾躱し切りやがった。しかもすり抜けざまに撃ちまくってた俺の機体のビームガンを右手ごと切り落としていく始末だ。

 

ちくしょうっ! どんな反応速度してやがる!

 

ありえねぇ。この俺が、こんなわけわからんやつにあっさりと。すっかり冷静さを欠いた俺は、周囲への警戒を疎かにしてあの蒼い翼を睨みつけた。

 

 

だが、これがいけなかった。イレギュラーなことに思考を囚われ、周りへの注意を欠いてしまった結果、俺は自分の意思とは関係なくヤツへ迫る凶刃の前にしゃしゃり出ちまったらしい。

 

 

『後ろっ! 避けてっ!』

 

 

「っ!?」

 

 

その声より一瞬遅れて、けたたましく鳴り響く警告音。俺は反射的にバーニアペダルを思いっきり踏み抜いた。直後、急上昇する俺の機体のコクピット、その僅か数メートル下をガイアのビーム刃が通り過ぎていく。

 

 

「うおぁぁぁぁぁっ!?」

 

 

両脚を失ってバランスを崩し、急速に落下していく俺の機体。やべぇ、このままじゃどのみち海面に叩きつけられてお陀仏だ。

 

 

『ハイネっ!』

 

 

だが、すんでの所で吹っ飛んできたアスランのセイバーに左手を掴まれた。あぶねぇ、マジで死ぬとこだった。

 

 

「悪い、助かった」

 

 

そう礼を言ったが、アスランはじっとフリーダムの方をじっと見つめて反応がない。そうか、アレに乗ってんのはお前の知り合いだっけか。

 

 

その後、地球軍、そしてアークエンジェルとあの機体…フリーダムもやることは終わったと言わんばかりに撤退していく。

 

気に入らないことこの上ないが、まああの状態から生き残れたことだけでもとりあえずはよしとしねぇと。

 

それに、

 

 

「…そうか、助けられちまったな」

 

 

俺のことを執拗に避けてた女の子に、一生モンの借りも出来ちまったしな。

 

 

 

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