ガバ転生メイリンによる「こずみっくいら」再現物語   作:めんりん

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今日からは翌日、隔日、3日のランダムガチャです。3日以上開ける時は活動報告か前書きで報告いたします。


第二十三話 : 仮面

 

 

寝て起きたらアークエンジェルでしたはいまる。ヴェステンフルスさんに蹴っ飛ばされてパンパンされたと思ったら普通に生きてた私ですよ。アスランさんがあの時身を挺して私を庇ってくれたのも大きな要因だと思われます。

 

ヴェステンフルスさんの事だから意識的か無意識かは分からないけど、多分コックピットは避けたんでしょうね。じゃなきゃ生きて私とアスランさんがこの艦にいるわけがない。

 

ま、ここまで来ると私のやるべきことなんて殆どないんだけど。せいぜい怪我してるアスランさんをもうそろそろ大気圏外からそれはそれは凄まじい速度で降下してくるジャスティスのコックピットまで肩貸してよいしょするくらい。

 

その時に一つ二つ忠告を入れて、後は最後の方にミーア•キャンベルをラクス様の盾にして見殺せば、大方の仕事は終了。なんなら「これ罠だから行かなくてよくね」まである。

 

……唯一気がかりがあるとすれば、お姉ちゃん達の精神状況。

 

特にお姉ちゃんは、原作とは比にならないくらいに荒れてると思う。シンが寄り添ってくれてるといいんだけど。レイは…多分、原作みたいに戻ってるんじゃないかな。

 

私という邪魔者も消えたことだし、議長の言いたい放題やりたい放題。次に会う時は…多分彼は私が一緒に過ごしてきた彼じゃないだろうね。

 

今更もうどうにもならないし、どうする気もないけれど。

 

余計なことをした、だからあんな結末を招いた。彼との一件でよく思い出した、私は無力だ。力もなく声もない、ただのモブ。そんな私が誰かの運命をどうこうなんて烏滸がましいことなんだと。

 

だからもう、何も望まない、ひたすらに私が知る結末を目指すだけ。たとえそれがオーブでジブリールとか言うロゴスの中枢にしては小物臭いゲスを取り逃し、レクイエムによってプラントに甚大な被害と死者が出ると分かっていても。慈悲も哀れみも抱く必要はないし、今更抱く権利もない。

 

私にできることはただの道案内であって救済ではない。破壊される運命にある砂時計に住む方々とその家族友人恋人その他には申し訳ないが、どうすることもできない。恨むだけ恨んでくれて構わない、けれど結果は変わらないし、変えるつもりもない。

 

何とか重い体を起こしてみたものの、原作でも私がここの人たちと仲良くしてる描写とかなかったと思うしできることもないしと言うことで、大人しくしていようかなと思う。

 

もうすぐ、この物語も終末を迎える。私の長い長い戦いも、じきに終わる。なんなら出番まで仮病使ってこのまま不貞寝しててもいいんじゃないかな。

 

 

「ああ、起きてたか。どうだ? 体の方は」

 

 

…ダメか。てかなんでこの人がここに来るの? 原作にあったかなこんなの。

 

 

「…だいぶ良くなりました、ありがとうございます」

 

 

オーブ国家元首様、カガリ・ユラ・アスハ。ある意味あなたは私をぶって良いかもしれませんね、将来的に。…あ、違うや、そも議長倒せればハッピーなんだから私別に、

 

 

「そうか。良かった、アスランも随分と心配してたぞ」

 

 

…そうですか。私より先に目覚めて話が出来てるなら、怪我の方も想定通りみたいですね、安心しました。

 

 

「…あのさ、聞いていいか?…何があったのか…とか」

 

 

…あなたに話しても、あらゆる意味で時間の無駄なんですが。

 

 

「…大したことはありません。議長にとって、私は邪魔だった。それだけの話ですよ」

 

 

少なくても、自分の根底みたいなところをこんな乳臭い小娘に否定されて、しかもそれが自分の手駒の在り方を狂わせる不穏分子だったなら。

 

それだけで私を消す理由くらいにはなるんじゃないかな。私からすれば結果オーライだから別になんでもいいけどさ。

 

 

「そ、そんな理由でっ」

 

「構いませんよ、別に。やることは変わりませんので」

 

 

どのみち私とアスランさんは脱走して瀕死になってこの艦に来る予定だった。元から決まっていた予定調和、今更理由がどうこうとか関係ない。

 

 

「だって、それじゃお前はっ。そんな理由でっ、もうプラントにも戻れないじゃないか、そんなのっ!」

 

 

……ああもう、うるっさいなぁ…っ!

 

 

「だから、それがどうしたのですか?」

 

 

戻るつもりもなにも、議長さえ倒せばいいんだから。そのためになるべくしてなったんだから。何も知らない外野がごちゃごちゃ言わないで欲しい。

 

 

「…どうしたって…お前っ」

 

「…もう、いいですか。少し疲れました」

 

 

あなたはさっさとアカツキに乗ってシンに負けてジブリールとやらを取り逃してくれればいいんですよ。それで世界は救われます、あなたの国もね。

 

 

「あ、ああ…すまない。また来るよ、ゆっくりしていてくれ」

 

 

だから来なくていいですって。何なんだこの人、別に喋ったこともないのに。微笑んで部屋を出ていく彼女の背中に、私は聞こえないように呟いた。

 

 

「…めんどくさ」

 

 

…一応、アスランさんの様子は後で見に行ってみよう。ないとは思うけど、万が一原作よりひどい、とかじゃ困るし。

 

 

 

* * * *

 

 

 

「…ぐっ!? は、あっ…っ!?」

 

 

エターナルがザフトに発見された。エターナル…おそらくそこには、()()()っ。

 

 

「…キ、ラ…いけ、ラク、スを…」

 

 

何か伝えなくては。アイツに…キラに。彼女を…ラクスをっ!!

 

 

「おいおい、何やってんだ」

 

 

隣のベッドの住人に訝しげな声をかけられたが、説明している時間も、余力もない。起きろ、起きろっ! 今ここでラクスを失えば、

 

俺が鉛のように重たい体をなんとか起こそうと足掻いていると、扉から見知った赤髪の少女が姿を見せた。普段のような二つ結びではなく、あの時と同じように長い髪を背中に流したままの姿で。

 

点滴スタンドを持ち歩いているということは、彼女もまだ回復していない証拠だ、なのになぜ。

 

 

「メ、メイリン…っ!? 君、起きて、」

 

「…大丈夫です、落ち着いて」

 

 

僅かに荒い呼吸と苦しそうな声で、彼女は体を起こそうとする俺を手で制し、ベッドに横たえさせる。

 

 

「フラガ少佐、ブリッジへ通信を開いてください」

 

「はぁ?」

 

 

…どうして? 彼女が彼の名を…?

 

 

「おい嬢ちゃん、いきなりやってきて」

 

「早くっ!」

 

 

彼女の刺すような声に、彼は何なんだとぼやきながらもベッド横に備え付けられたモニターにブリッジへの通信画面を開いてくれる。

 

 

「おい、なんか横のやつと嬢ちゃんがうるさいんだけど」

 

『え?』

 

「キラいけ、ラクスをってさ」

 

 

…そうだ、ラクスを、

 

 

「ラクスを、守るんだ…彼女、を…ぜったい、に」

 

「…………」

 

 

頼む、いけ、キラ。ラクスを守れ、彼女を死なせるな、絶対にっ!! でないと、

 

 

「彼女を失ったら全て終わり、だそうだぜ?」

 

 

すみません、ありがとうございます、フラガ少佐。

 

 

『カガリ、ルージュ貸してっ!! それからブースターをっ!!』

 

 

そうだ、いけ、キラ。彼女を守ってくれ。そうしないと、きっと取り返しのつかないことになる。

 

 

『ありがとう、アスランっ!!』

 

 

…いいから、早くいけ。頼んだぞ、キラ。

 

 

『…ブリッジの通信コードは覚えてるのね』

 

「え?」

 

 

ラミアス艦長のその声を最後に、通信が切断される。よかった、なんとか伝えることができて。…大丈夫だ、アイツがいくならきっと。

 

 

「ありがとう、ございますフラガ少佐。…それとメイリンも。もう歩いて平気なのか?」

 

 

人伝にしか聞いていなかったから、心配だった。熱が酷かったと聞いていたが。

 

 

「…ええ、アスランさんのおかげです。…戻りますね、あなたもゆっくり休んでください。…じきにまた、戦いになります」

 

 

…まて、それはいったい、

 

 

「まてまて嬢ちゃん。なんでそこの坊主も君も俺のこと少佐って呼ぶの? 俺はネオ・ロアノークた、い、さ」

 

 

…ええ?

 

 

「…それもじきに、分かる時が来ますよ」

 

「…メイリン?」

 

 

おかしい。体調が悪そうなのは分かるが…それだけでこうも違って見えるものなのか? 違って聞こえるものなのか?

 

 

「失礼します」

 

「あ、おいこら」

 

 

振り返ることなく、彼女は俺たちの部屋を後にする。なんだ、あれは。普段の無邪気で天真爛漫を絵に描いたようでもなく、いつかに俺を諭した時のようでもなく。

 

 

「…メイリン…」

 

 

…一体、彼女に何があったんだ。一体何が、彼女をあんな底冷えするような冷たい仮面を被った姿にした。決して心当たりがないわけではない、だがあれは…。

 

尽きぬ疑念が渦巻く胸を握りしめ、俺はただ彼女が出て行った扉を見続けた。彼女は言った、いずれ戦いになると、分かる時が来ると。

 

 

『いつかはこうなるって、分かってましたから』

 

 

…メイリン…君は一体…何を見つめているんだ。その小さな背中に、何を背負い込もうとしている。

 

 

 

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