ガバ転生メイリンによる「こずみっくいら」再現物語   作:めんりん

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ご報告です。

この度、ドロップ&キック様の作『機動戦士ガンダム進藤』とのコラボ?をさせていただくことになりました。と言っても、私の方はすぐにどうこうという話でもないのですが…。

私の活動報告に詳細についてを投稿しましたので、興味がおありの方は是非そちらまで足を運んでみてくださいませ。






第二十四話 : 予兆

…はぁ…はぁ…。

 

視界がグラつく、頭はガンガンするし体も熱い。気になってアスランさんの様子見にいく途中に体調悪化ぶり返し&ラクス様発見されましたとかタイミング悪過ぎでしょ。

 

おかげで余計なことやっちゃったし。朦朧としてたからついフラガ少佐って言っちゃった、初対面なのに。まあ…どうとでもなるんだけどね、別に。

 

無理せず寝てればよかったんだけど、どうにもあの方とお話ししたせいで色々寝付けなくて体動かしてみたらこれだもん、何やってんだろ私。

 

点滴スタンドに半ばもたれ掛かるようにしてフラフラと歩く。おかしい、彼らの部屋と私の寝てた部屋ってこんなに遠かったかな。数分とかからず辿り着けるはずなのに、今の私にとっては砂漠に映る蜃気楼よりも遥か遠く感じる。

 

やば、そろそろ足に力が入らなくなってきた、意識も…

 

 

「な、何やってんだお前っ!?」

 

 

…ん? だれ…? 肩に背負われた?

 

 

「ああもうっ! だから休んでろって言ったのに」

 

 

耳元でガンガンうるさい。その声、あなたですか、カガリ様。

 

 

「…だい、じょうぶ。はな、し」

 

「ふざけんなバカ。今にも倒れそうなくせして何言ってんだ、ったく」

 

 

うるさいな、いいから離せって言ってるじゃないですか。

 

 

「…一応言っとくと、無駄だからなそれ」

 

 

グイグイと肩を離して押し戻そうとしても、うまく力が入らない。…鬱陶しいな、離せって言ってるのに。

 

 

「いいから、大人しくしろ。部屋までは運んでやるから」

 

 

だから、はな、せ、って。

 

 

「はいはい」

 

 

……っ!!はな、してって言ってるの…っ!!

 

 

「なっ?! おいっ!!」

 

 

渾身の力で彼女を突き飛ばして引き離す。が、まあ既に瀕死みたいな状態だった私がそんなことしてただで済むはずもなく。

 

突き飛ばした勢いのままバランスを崩した私は、そのまま点滴スタンド諸共地面に倒れ込む。派手な金属音と共に点滴スタンドは私の腕に差し込まれていた針を強引に抜き去り離れていく。

 

痛みを感じることすらなく倒れ伏す私の体。ダメ、だ…これ…たて、ない…。私の名前を叫ぶ彼女の声を遠くに感じながら、馬鹿なことした私の意識はそこで途切れた。

 

 

 

* * * *

 

 

キラが私のルージュかっぱらって宇宙にぶっ飛んでいってすぐ。通信越しに見てたアイツとあの子が心配になった私はすぐにアスランの寝てる…はずの部屋に向かった。

 

キラなら大丈夫だ、アイツがいくならきっとラクスだって。

 

問題はこっち。まったくアスランといいこの子…メイリンとか言ったかな。どうしてこうも無茶するんだか。つい最近死にかけたこと忘れてんじゃないだろうな。

 

なんだ、量産機に乗ってガンダム三機に追われながら脱走って。だれが生き残れんだそのぶっ飛んだデスレース。生きてたけど。嬉しいけど。正直生きた心地がしなかった、私がな。

 

 

「…はぁ…はぁ…」

 

 

で、目の前で苦しそうな息を吐きながらベッドで寝てるのがさっき私を全身全霊で突き飛ばしてそのまま倒れた張本人。とりあえず急いでベッドに担ぎ込んで軍医さん呼んだ。

 

新しい点滴スタンドと点滴液を用意してもらって、私が絶賛監視中。またバカなことされたら堪らないからな。てか次は怒る、本気で。

 

 

「…それにしても。随分と様子が変わったな、この子」

 

 

殆ど、っていうか直接話したことなんてないんだけど。ミネルバで見てた限りでも、こんな…うまく言えないけど、こんなワザと人を突き放そうとするような子じゃないはずだ。

 

ユニウスセブンの時にクルーを諭していた時、地球に降りてアスランや他の仲間と射撃訓練してた時。後はブリッジでの管制官としての彼女。私が直接見たこの子のことと言えばこのくらいしかない。

 

けど、だとしてもだ。こんな、こんな無理に他人から距離を置こうとするような子じゃなかった。とりあえず冷たく突き放せば他人と距離が置けると思ってるのがその証拠。

 

多分、人との距離の詰め方は分かってても離し方は分かってないんじゃないかな。何となくだけど。

 

あのデュランダル議長がすぐにでも消そうとした女の子。考え方が少し変わってるとは思ってたけど…一体この子になにがあったんだろう。何がこの子の心をそんなにも頑なに閉ざそうとしてるんだろう。

 

何が彼女をそこまで駆り立てているんだろう。

 

 

「…まぁ、いいか。今は」

 

 

そんなもの、後からいくらでも聞けばいい。覚悟しとけよ、アイツらがこんな態度の女の子を放っておくわけないんだからな。

 

もう少し付き添って、目が覚めそうになかったらアスランにこの子のことを聞きに行こう。どんなの子だったのか、そして何があったのか。

 

………そうすれば、少しは踏ん切りもつくかもしれない。まだどうなるかわかんないけど。左手の薬指に嵌めた指輪を見つめながら、私は未だ苦しそうに呼吸を漏らすこの子の髪をすく。

 

……ちよっと複雑っちゃ複雑なんだが……まあ、こればっかりは…な。

 

 


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