ガバ転生メイリンによる「こずみっくいら」再現物語   作:めんりん

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最近真面目に前書き書いてるどうした私⇦まあ書くことがあるから書かざるを得ないのですけれど…汗

そろそろ出番が近い上に後から感想欄などで争いが勃発しないよう予め報告させていただきます。

作者は『どちらかと言えばラクス肯定派』です。この考えに賛同できない、理解できない、受け入れられないと言った方は今のうちに読了を控えることをお勧め致します。

先にも申しあげましたが、批判をされても物語の道筋や私自身の考え方を変えるつもりはございません。ラクス否定派ないし彼女の行動が悪、否と考えておられる方は、この前書きを最後に、読了をお辞めになることをお勧めいたします。

そうでない方、中立派、どっちでもええやん派、考えは人それぞれでイイジャナイ派、チャーハンはオカズ派などの方々には、変わらず物語をお楽しみいただければ幸いです。


第二十六話 : 燃ゆるオノゴロ島

 

オノゴロ島沖合。ジブリールを匿っておいてそんな奴いないとかふざけたこと抜かしたオーブを叩くため、俺たちはミネルバの待機ルームで出撃のタイミングを待ってた。

 

この期に及んで舐めたこと言ったこの国を、今度こそ踏み潰してやる。

 

 

「ジブリールはまだ見つからないか。なかなか頑固に抵抗しているようだな、オーブ軍も」

 

 

関係あるか。平和を乱す奴を匿うって言うんなら、まとめて潰す。叩き潰してやる。

 

 

「…ジブリール…ロゴス…今度こそ…っ!!」

 

 

…っ。ああ、そうだ。今度こそ、今度こそ終わりにしてやる。ルナにこんな…こんなことさせる奴らなんて。

 

 

「初手から三機出ることもないだろう、俺がいく」

 

 

…それはちがう、レイ。

 

 

「…いいや、俺がいく」

 

 

オーブを撃つならっ! 俺が撃つっ!! 全部終わりにするんだ、今日、ここで。そうすれば…っ。

 

 

「駄目だ、俺がいく」

 

「レイっ!!」

 

 

どうしてっ!? オーブを撃つなら俺がやる、俺がやらなきゃいけないんだ、だってここは、

 

そう何か言おうとした俺の腕を、レイが引っ張る。そして耳元で小さな声で言ってきた。

 

 

「…いずれお前の力も必要になるかもしれん。その時までルナマリアをあやしておけ」

 

 

っ!? レイ……。

 

 

「いざ出撃の時にお前まで使い物にならんでは困る。初手は俺がいく、いいな?」

 

 

……分かったよ。

 

俺の腕を離し、レイはエレベーターの扉を潜る。…あやしておけ、か。出来れば出撃もして欲しくないんだけどな、ルナは。…ルナにあんな…ヘブンズベースでしたようなこと、もうして欲しくはないから。

 

 

「…レイ」

 

 

考え込もうとした俺の思考を、彼女の声が遮った。

 

 

「気をつけて…ね」

 

 

心配そうに、泣きそうな声で、ルナがそう言った。俺に対するものほどではないにしろ、今のルナは仲間が離れていくと途端にこんな顔をするようになった。…くそっ…なんだってこんな…。いや、原因はわかってる。彼女さえ…メイリンさえいてくれれば、こんなことにはならなかった。

 

俺がちゃんと守れてさえいれば、こんなことには…っ!

 

 

「……ああ。大丈夫だ、ルナマリア」

 

 

その言葉を最後に、レイはレジェンドのコックピットに向かうためにエレベーターの扉を閉める。待機時間が延長された俺は、怒りやら何やらの感情を鎮めようと気持ち乱暴にソファに腰を下ろす。

 

 

「…はぁ、くそっ」

 

 

オーブを撃つなら、俺の手で撃ちたい。その思いはほんとだ、あんな国、今度こそ滅ぼしてやるって何度も心の中で思ってきた。でも、

 

 

「…シン?」

 

 

隣に座って、心配そうに俺の頬に手を当ててくる彼女を見たら、そんな思いも少し揺らいでしまう。

 

 

「…大丈夫、俺はもう少しここにいるから」

 

 

肩に頭を置いてくる彼女に、そっと手を乗せる。…そうだ、守るんだ。この温もりだけは今度こそ。何も守れなかった俺でも、これだけは絶対に。

 

父さん、母さん、マユ、ステラ、そしてメイリン。何も守れなかった、俺に力がなかったから。でもルナだけは…せめてルナだけは、守ってみせる。何が相手だろうと、ルナだけは…。

 

 

* * * *

 

 

「ん…くっ…」

 

 

ロード・ジブリールがオーブにいる。彼の引き渡しを要求するザフト軍に対してオーブ…ユウナ・ロマが出した声明は、要求に対してシラを切るというとんでもないものだった。

 

この状況でそんないい加減な子供騙しがあのデュランダル議長に通用するはずがない。予想通り、オノゴロ島沖合に展開していたザフト軍は攻撃を開始、オーブ軍と熾烈な戦闘を繰り広げていることだろう。

 

カガリとムラサメ隊は先んじてオーブに向かった。俺もいつまでもこのまま何もせずに寝ているわけにはいかない。

 

そう思って、なんとか体を起こそうとしているのだが…。

 

 

「罪な男だなぁ、ボウズ」

 

 

…普段ならカーテンを閉め切ってる隣の彼が、俺に声をかけてくる。

 

 

「あのオーブのお姫様と、なんか訳ありそうな赤い髮の嬢ちゃん。はっ、贅沢な悩みだなおい」

 

 

…何が言いたい…? 

 

 

「まあ、未来ある若者へ少しだけおじさんからのアドバイスをしてやろうかと思ってね。なあに、ただの独り言だ、そう構えなさんな」

 

 

アド…バイス…? 何のことだ?

 

 

「…正直、俺にもなんでこんなこと言ってやろうと思ったのかわからんがな、まあ言わせてくれよ。ただの気まぐれだ」

 

 

……フラガ少佐? 

 

 

「どんなに強がったところで、男が本当の意味で守ってやれる女ってのは…多分、生涯一人きり……だと思うぜ」

 

 

………っ…。それは…、

 

 

「そんだけだ、まあ…どうするかは自分で考えな。…後悔ってのは、後からどれだけしても足りないもんだからな」

 

 

……俺は……。

 

 

「…大丈夫ですか、アスランさん」

 

 

考え込み中途半端に立とうとしていた俺の肩を、部屋に入ってきた彼女が支えてくれる。えんじ色の上着に白い無地のパンツ。髪は……流したままだ。

 

…どうするか、か。…俺は…今の俺は…どう思っているんだろうな。この胸に燻る名前の分からない感情の正体を知らぬまま、支えてくれる彼女に声をかける。

 

 

「…メイリン、もう体はいいのか?」

 

「ええ、もう大丈夫です。ご心配をおかけしました」

 

 

…やはり、言葉に熱を感じない。俺の体を支えてくれる気遣いは感じても、言葉の節々にどこか投げやりで、それでいて他者を突き放そうとも取れるトゲを感じる。用意されていたオーブ軍の上着を着た俺を支え、そのまま立ち上がらせてくれる。

 

 

「なぁ、嬢ちゃん」

 

 

部屋を出ようとする俺たちを、先程俺にアドバイス……をしてくれた少佐と思っている人物が呼び止める。

 

 

「君、一体何者? 俺と会ったことないよな? どうして俺の…こいつらが勝手に呼んでるフラガって名前を知ってんだ?」

 

 

…そうだ。彼女は確かに彼の名を読んだ。しかも階級をつけて『フラガ少佐』と。彼女と少佐に…接点などあるのか?

 

 

「…今、その質問に答える必要性を感じません。自分が何者かすらも分かっていないような今のあなたには、尚のこと」

 

「っ!? 嬢ちゃん……?」

 

 

っ!? なんだ、それは。一体どういう……いや、それよりも、そんなあからさまに人を傷付けるようなことを言うような人間じゃないだろう、君は。どうしたんだ、メイリン。

 

 

「メイリンっ、今のは」

 

「行きましょう、じきにこの艦もオーブに向けて出るはずです」

 

 

驚愕に固まるフラガ少佐に目も向けず、彼女は俺の肩を支えながらCICへの道を歩く。

 

 

「…メイリン、一体どうしたんだ。さっきの少佐への態度といい、カガリを突き飛ばしたこといい…何がそんなに君を」

 

「何もありません。私は私のすべきことをしているだけですから」

 

 

…その君のすべきことと言うのが、ああしてわざと人を遠ざけ仮面を被り続けることだとでも言うのか。

 

 

「メイリン、君は今何を見ている。何を見据えて行動してる。軍から抜ける際に言った"いつかこうなることが分かっていた"とはどういう意味だ?」

 

 

何を目的にしている。君は今は、()()()()()()()

 

 

「…それを今あなたに説明したところで意味はありません。大丈夫ですよ、あなたの大切なものは、何一つ消えたりしませんから」

 

 

…俺の、大切なもの、か。いいや、すでに消えてしまっているものがあるさ。君の言葉を借りるなら、それを今の君に言っても意味がないのかもしれないが。

 

 

「アスラン? もう大丈夫なの?」

 

 

CICについた俺たちを見て、彼女…ミリアリアが声をかけてくる。

 

 

「…大丈夫だ、CICに座るくらいならできる」

 

 

こんな時に、ただ寝ているだけだなんてごめんだからな。

 

 

「メイリン、きみは」

 

「私も行きます。まだやるべきことが残っているので。迷惑にはなりませんから」

 

 

残れ、そう言おうとした俺の言葉を彼女の言葉が遮る。そうして誰の許しを得ることもなく空いた席に俺を下ろし、彼女もまた隣の席に腰掛ける。その横顔が氷のように冷たく感じたのは、きっと気のせいじゃない。

 

別人だ、まるで。ミネルバにいた天真爛漫と無邪気を絵に描いたような彼女とは。何が彼女をこうまでした、ここまで彼女に冷たい目をさせる。

 

俺が連れ出したからなのか。俺が強引に引き裂いたから、君にそんな顔をさせてしまっているのか。命を助けたつもりで、俺は君の心を殺してしまったのか?

 

だがどんなに自問して彼女の横顔を見つめても、彼女は決して俺に顔を向けることはしなかった。どこを見つめるかも分からないその昏い瞳を、俺に向けてくれることはなかった。

 

 

* * * *

 

 

お父様から託された黄金の機体"アカツキ"に乗り、キサカたちムラサメ小隊とオーブに飛び出して来た私は、ガタガタな戦線を立て直すために国防本部へと通信を開いた。

 

国防本部に居座っていたユウナを国家反逆罪で拘束させ、残存兵力を纏めて防衛線をなんとか立て直すことはできた。あとは少しでも戦線を押し返して停戦の、

 

 

『カガリ様! お気をつけ下さい、ザフトの新手が!』

 

 

そうしてモニターに映し出されたのは、とある一機の機体。全体的に暗い灰色の装甲をして、背中に背負った円盤のような機械翼の突起から無数のビームを撒き散らしながら迫るムラサメを事もなさげに撃ち落としている。

 

あれは、ヘブンズベースのっ!!

 

 

「ちぃっ!!」

 

 

今あんなのに来られたら、オーブはひとたまりもない。

 

 

「えぇぇいっ!!!」

 

 

ライフルを乱射しながら、アカツキを奴目掛けて突っ込ませる。アストレイやムラサメじゃこんなの歯が立たない、私がやるしかない。

 

牽制目的で撃った弾を半身を逸らしただけで避けたソイツは、そのまま右手に持ったライフルを私に向けて放つ。けど無駄だ、ビームはこのアカツキには効かない。

 

アカツキの装甲に当たった瞬間、奴の放った弾丸はそのままの軌道を描いて奴の元へと飛来する。が、慌てる様子もなく左手に展開したビームのようなシールドで反射された弾丸を防ぐと、ライフルを背中にマウントし右脚からサーベルを引き抜いて突進してくる。

 

あまりの切り替えの速さと向かってくる速度に距離を取る選択が出来ず、咄嗟にアカツキの左手にあるシールドで繰り出された袈裟斬りを防ぐ。

 

 

『代表自ら出てくるとは、手間が省けて助かりますよ』

 

 

通信越しに聞こえてきた声は、あまりに冷たいものだった。こいつ、ミネルバにいた金髪の、

 

 

『ここであなたを撃てば、オーブを撃てたも同然。のこのこと前線にしゃしゃり出てきたこと、後悔させてやる』

 

「なにをっ!!」

 

 

ライフルをマウントし、腰から引き抜いたサーベルを振るおうとするが、それよりも早く動いた奴の左手がアカツキの右手を押さえつけ動かせない。

 

 

『…綺麗事だけでは、結局何も出来はしない』

 

 

直後、コックピットを蹴飛ばされた私は衝撃に飲まれて機体諸共体勢を崩される。しまった、これじゃ機体の制御が…っ!!

 

 

『…死ね』

 

 

立て直そうとする私目掛けて、殺意を隠そうともせずに奴が迫ってくる。ダメだ、間に合わない。光の刃が目前に迫り、思わず私が目を瞑ったその時、

 

遥か上空から飛来した無数の光の弾丸が、私と奴の間を駆け抜けた。

 

 

『ちぃっ!?』

 

 

直後、凄まじい速度で私の前に降下してきた影が両手に持ったサーベルを振り抜いて今し方私を殺そうとした奴を退ける。

 

多少姿形が変わっていても、見間違えるはずがない。先程の正確無比な射撃と、目の前で絶対的な存在感を放つ、蒼き翼。

 

 

「…キラ?」

 

 

姉である私の機体をかっさらって宇宙に上がったコイツが、新しい力と共に今再び帰ってきた。

 

 

『…フリーダム…っ』

 

 

 

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