ガバ転生メイリンによる「こずみっくいら」再現物語   作:めんりん

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第三話 : かいひぃっ!

 

 

はーい、皆さんっ! ツインテ系美少女コーディネーター兼ミネルバ新人管制官、メイリン・ホークです☆きゃぴ。

 

と、ふざけてる場合じゃなかったやっべ。アスラン・the・ laから逃げ帰るようにして座り込んだブリッジ内でのマイ座席。そこでボケーっと画面見ながらこの後なんだっけとか考えてたら、反対の席に座る先輩オペレーター♂がなんか言い出した。

 

名前なんだっけ、なんかサイコパスが濁って監視系から執行系になっちゃった人と同じ声の人。と、あれなんか私の方にも通信がががぁぁぁぁっ!? 最高評議会っ!? ざっけんなどこ行きやがったあの不倫艦長っ!!

 

 

決して命令やマニュアルだけではない何かに従って、私は今頃自室でイチャコラしているだろう艦長に容赦なく通信を繋いだ。おら、あくでろや

 

 

『なに?』

 

 

なに? じゃねんだよっ! なにってなにか? さっきまでお楽しみだったナ○のこと言ってんのか?! ああっ!? とりあえず服着てサッサとこっち来んかい!……おっといけない、美少女はこんな汚いことは言いません、なのでスマートに仕事をこなします。

 

 

「最高評議会より、デュランダル議長にチャンネル1です」

 

『すぐに向かうわ』

 

 

さて、とりあえず作戦継続中の艦内で堂々と不倫しやがってる巨乳艦長と赤い彗星議長を待つ間に、えっと、うーん……あ、思い出した。

 

 

「バートさん、なにかあったんですか?」

 

 

その三十秒後、私は保留チャンネルをバートさんにぶん投げて皆んながいるだろう休憩スペースにメロスした。あ、ちゃんと許可はとったかんね?

 

 

* * * *

 

 

メリスは走った、この未曾有のエマージェンシーをお姉ちゃカンティウス達に伝えるために。それはもう床をけり壁を蹴り終いには勢い余って天井を蹴り、あわや目的地で止まれずエア犬かきで無駄な足掻きを敢行する勢いで走ったというか飛んだなむしろ。そして

 

 

「ぐぇっ」

 

 

休憩スペースからニョキッと伸びてきたつい最近見たことある腕に襟首を掴まれ、そのまま直立させられた。ふぅ、あっぶねーたすかっ

 

 

「お前は理由もなく艦内を自制せずに飛び回る趣味があるのか?」

 

 

てねーですね…人ではない何かを見るような目をしたレイレイがいるもん。いやごめんって。だからその目はやめて下さいみんな見てるから。メイリンこわい。

 

 

「メイリン? あんたまた何かやったの?」

 

 

その言い方は色々語弊があるよお姉ちゃん。さも私がいつも何か問題行動や奇行を行う問題児みたいだろうが。いや、まあたしかにハロみたいに艦内跳ね回ってるけどさ。いや、違うから、理由あってのことだから。だからいい加減その目やめろつってんだろレイこら。

 

 

「違うからっ。それよりも大変なの」

 

 

私は出来る限り完結に、わかりやすく事態の詳細を伝えた。クソデカメテオがユニウスセブンになって地球にズッキュンやばたにえん。

 

 

「地球への衝突コースって、本当なのか?」

 

「うん、バートさんがそうだって」

 

 

シンがいつになく真剣な顔つきで聞いてきた。いや、むしろさっきみたいに笑ってる方がレアなのかな。

 

 

「アーモリーでのゴタゴタだって片付いてないのに今度はこれ? ほんとどうなってんのよ」

 

 

ほんとな。誰だよこんなカツカツのスケジュール組んだの。私たち中の人(意味違う)のことも考えろよな。ま、その場合は中だるみのダルンダルンで局にクレーム入ったかもしれんけど。あくしろって。

 

 

「で、今度はそのユニウスセブンをどうすればいいの?」

 

「え、いや、うーん…」

 

「どうしろって言われてもな…」

 

 

お姉ちゃんのはぁ…みたいな言い方に周りの男子達がキョドり始めた。なに、思春期ですかこのやろー。ちがうな、はい。

 

まあ実際どないせって話だよね。だってデカイもん(適当) 普通に考えて「元」人の居住地が宇宙でゴーイングマイウェイしてるから止めろって無理ゲーなっしょ。

 

普通に考えてみ? 東京が落ちてくるから止めてって言われて「はいそうですか」と言えるほど私は

 

 

「砕くしかない」

 

 

…さいですか(呆れ) 何か言い出しそうなレイの元をシレっと離れてお姉ちゃんの隣に座り込む。そのまま肩に頭乗せてぐりぐりしてみた。デコピンされた、ぴえん。

 

 

「軌道の変更など不可能だ。衝突を回避したいのなら、砕くしかない」

 

 

「でもあれデカイぜ? ほぼ半分に割れてるって言っても、最長部は8キロはある」

 

 

嘘やん。エベレストやんそれ。そんなんが落ちんの? 「月光蝶でぇあるぅっ!!」とかでも無理なきがす。サイコフィールドとかないのかな。てか地味にこのガン黒系エンジニア君、杉田ボイスやん。

 

 

「だが衝突すれば地球は壊滅する。そうなれば、なにも残らないぞ。そこに生きるものも」

 

 

レイのその言葉に、みんな押し黙る。…全く関係ないけどさ、そう言うことが言える君はやっぱりあの金髪仮面とはちがうと思う。周りに恵まれれば、君の運命は変わるのかな。

 

最後には死ぬからと思ってたけど、もう十分私はレイに対する情がある。なんとかしたい、そう思わないといえば嘘になる気がする程度には。

 

でも、それはきっと許されない。いつか必ず、彼とは袂を分かたねばならないのだから。私なんかが軽い気持ちで関わってはいけないんだ。

 

 

「でもさ、しょうがないんじゃね?」

 

 

ん、なんですか杉田くん(仮)。そして思い出した、これまた空気悪なるやつやん。ほら、廊下をチラッと見てみるとかのオーブ代表のお姫様とその護衛のアレックス何某さんが。

 

 

「不可抗力っていうかさ。これで地球との色んなゴタゴタも片付いてラッキー、みたいな?」

 

 

ふむ。ふむふむ……いやないですね。だってそれじゃあ議長生きてるし() まあ冗談はさておき。現在、某アレックスさんのような地球在住のコーディネーターもそれなりにいらっしゃるはず。

 

それに、臭いものには蓋、みたいなやり方は好きじゃないです。問題解決のために議論しようとせず、相手を一方的に迫害するのはちょっと個人的にはナンセンスです。まあ、ゲッスいこと企んでる私があーだこーだいえた筋はないけど。

 

ここは一つ注意しときますか。ほら、お姉ちゃんですら何かムッとした顔し出したし。べ、べつに空気が悪くなっていたたまれなくなるのが嫌だとかそんなんじゃないからね!(必死) あとこれ以上友人(お前のことだぞシン)に国際問題起こして欲しくないし汗

 

 

「ていっ」

 

「あだっ」

 

とりあえず不謹慎パーリナイトな発言をした杉田くん、本名ヨウランくんの脳天にチョップをかます。

 

 

「そういうの、冗談でも良くないと思います」

 

「メイリン?」

 

何言ってんだコイツ的なこと言うガン黒くんに、私怒ってます的な顔で向き合います。

 

 

「もし、君の家族が住むプラントに核ミサイルが撃ち込まれて。その時、地球の人たちに不可抗力だ、仕方ない、って言われたらどうしますか?」

 

「っ!? それは…」

 

 

立場を自分に置き換えて、先の発言の至らなさに気づいたみたいですね。流石に根っからの頭パーじゃないみたい。

 

 

「曲がりなりにも私たちは軍人です。力なき人々を守るべき私たちが、今回のような事態に対して、あまり不謹慎なことを言ってはいけないと思います。それにようやく地球とプラントが手を取りあい出した矢先、先のような軽率な発言は控えるべきです。今この艦には、オーブの代表がのられているのですよ」

 

 

原作だとたしか、このあと廊下で立ち聞きしてたカガリ姫が怒鳴り込んでしてシンと険悪な雰囲気になるんだよね。べつにそうなってもよかったんだけどさ。地球育ちの記憶もある私にとっても、この事態に対する彼の発言には少しばかり思うところがあったから。

 

「正論だな」

 

と、レイがまたもや援護射撃してくれました。わたし、嬉しい。

 

「…ああ、そうだな。軽率だった、わるい」

 

「い、いえっ!? 私もつい出過ぎたことをっ!」

 

 

しまった。自分の先天性社交性欠如病のこと忘れてた。人前でこんな小っ恥ずかしいこと言った反動が今になって駆け上がってきた。どうしよう頭から湯気出そう。

 

 

「あう」

 

 

そんな私の湯気噴出口である頭の帽子の上から、手を乗せる人が一人。振り返る先にいるのはやはりお姉ちゃん。あんたかい。

 

 

「まったく…普段から私たちの前以外でもそうならいいのに」

 

「お、お姉ちゃん〜」

 

 

撫で撫でしてくれるのは嬉しいけど、ここ、人前よ。だめだ、恥ずかしさと嬉しさとかで耳まで熱くなってきた私はそのまま床を蹴ってブリッジに駆け戻ることにした。

 

 

* * * *

 

 

 

不味い、と思った。

 

 

今さっきデュランダル議長から伝えられたユニウスセブンの落下軌道と地球への衝突コース。そして、それに関するエンジニアらしき少年の余りに軽率な発言。

 

悪気もなければ本気と言うわけでもないだろう。だがそんなことに気を回してやれるほど、彼女は気が長くはない。

 

 

「カガリっ」

 

 

予想通り、怒り心頭といった様子で休憩室に殴り込もうとする彼女の手を掴んだ、その時だった。

 

 

「そういうの、冗談でも良くないと思います」

 

 

中から、そんな少女の声が聞こえてきたのは。たしか、ブリッジで管制官をしていたはずの少女だ。先程、姉と思しき人物の背中に隠れながら接してきたのを覚えている。

 

少女は軍人の責務と現在の地球とプラントの情勢を交えつつ、今回の事態に対する先の彼の発言を咎め始めた。

 

見たところ、まだアカデミーを卒業して間もない年頃だろう。それでいて、プラントだけに囚われない広い視野での発言と、軍人としての心構え。

 

素直に感心した。ニコルが生きていれば、彼女と似たようなことを言ったかもしれないと思うほどには。

 

ひとしきり場を収めると、人前で褒められたことによる恥ずかしさからか足早にこちらに駆けてくる。廊下で俺たちの姿を見ると、慌てて腰を90度に折って頭を下げた後、そのまま床を蹴っておそらくブリッジに戻っていった。

 

咄嗟に出る挨拶が敬礼ではなくお辞儀なところは、まだまだ軍人としては未熟だが。既存の価値観に囚われない、いい軍人になるだろう。

 

 

「いこう、カガリ」

 

「あ、ああ…」

 

 

言いたいことを全て言われてしまったからか、生返事をする彼女の手を取り、俺たちは与えられた客室へ向かうために床を蹴った。

 

たしか、メイリン、と呼ばれていたか。礼を言う、激情家のこいつが、また余計な傷を負わずに済んだ。

 

俺も、やれることをやらないとな。

 

 

 

 

 

 

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