ガバ転生メイリンによる「こずみっくいら」再現物語   作:めんりん

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第七話 : 不穏

 

 

ディオキアなう。

 

あ、どうもこんにちはメイリン・ホークですよきゃぴ。

 

え? なんで今日は挨拶が普通なのかって? ……疲れたんですよいろいろあって(ため息)

 

そしてこれから起こる怒涛のイベに備えて体力を温存してるという意味合いもあります。

 

今我らが不運戦艦ミネルバがプカプカしてるのは、黒海沿岸都市 ディオキアのザフト軍基地です。まあそれはいいんすわ、ここめっちゃ綺麗な街だし。日本人が想像しそうなザ海が綺麗な街みたいで。

 

基地から基地にキングクリムゾンしてる間にあった出来事思い出すとそんな猪口才な感想なんてあっちゅう間に消し飛ぶけど。

 

とりあえずアスラン…えっと、ザラ隊長が合流したら不倫艦長がFAITHになったり色々した後。マハ何とか基地とかいう砂漠ほどではないけど砂しかねー場所に行けと言われ。

 

そこに行くまでになんかウインダム30機+α(テメーらのことだぞアーモリー3Gども)の大群にタコ殴りにされかけたり。

 

たどり着いた先にいるのはまたもやミネルバの最強武装「タンホイザー」を陽電子リフレクターでペカーしてくる妖怪アラクネみたいな化け物MA。この砲台まともに効いたの物言わぬ隕石だけじゃね今んとこ。

 

その怪物MAが敵基地に続く一本道の前にデデーンと置かれてる地球軍の陽電子砲「ローエングリン」の子守してっから何とかせぇと言われた。

 

はぁ……帰りたい() しかもシンが呼ばれて飛び出てバビューンするまで敵の注意を引けとかも言われた。アホやん。おかげでローエングリン撃たれたし、ミネルバに。避けたけどね、ナイス操舵。

 

まあそんなこんなで。またもや命辛々の戦場をはしごしてここまで来たって話。しかもこの後にシンがステラに出会ったり、西川パイセンがミネルバに加わったりするんしょ? 勘弁してよ…ストレスでハゲそう。

 

せめて静かな場所でゆっくりココアでも飲もうかと思ったら、今度は基地に着くなりラクス様(偽)による慰問ライブやってっし。

 

しずかなー♪このよるにぃ♪、って全然静かじゃねぇわ。

 

うるっさいし騒ぐなら他所でやれまじで。こちとらオペレートとこれからの重っくるしいイベに想いを馳せてクタクタなんだよ。

 

もういっそブリッジに戻ろうかとか思った。多分一番静かっしょあそこ。人も少ないからココア飲みながら仕事しても許される気がする、というか許してくださいお願いします何でもしますから。 

 

と、言うことがあって私は今ミネルバ直下付近のライブ会場端っこにいます。

 

は?なんで?とか思うじゃん? お姉ちゃん見つけたから甘え倒してやろうと思ったらザラ隊長と外行くって言うからついて来た(アホ)

 

原作だとその性格故に積極的にアタックを仕掛ける姉を私が色んな顔芸しながら悔しがったりしてたはずで。それでも姉に負けじと外まで付いてくんだけど。

 

今の私はお姉ちゃん成分を摂取するためにくっついてきたのであってザラ隊長にはあまり用はありません。何なら雰囲気的にお姉ちゃんとザラ隊長サンドイッチしてるけど本音的にはお姉ちゃんの隣行きたいもん(

 

ごめんね空気が読めない妹で。でもほんとに今お姉ちゃんに甘えたい欲が爆発してるから許して(平常運転)

 

 

「ご存知なかったんですか? ここにいらっしゃること」

 

 

お姉ちゃんが気持ちテンション高めで話しかける。乙女だねー、うん。

 

 

「え、あ、いや…まあ…」

 

 

いや誤魔化すの下手くそか。よくそんなんで今までやってこれたなおい。私みたいな特殊個体じゃなくても何か勘付くぞこんなん。

 

 

「まあ、ちゃんと連絡取り合ってる状況じゃなかったですものね」

 

「あ、ああ、うん…」

 

 

何なんだろ、素直なんねこの人。絶対嘘とかつけないタイプだ。にしてもお姉ちゃんニッコニコしてんなー恋してんなー。私もしたいなぁ…いやまあ今はいいけどねうん。

 

ま、それはそれとして。

 

 

「…やっぱし。いるよねぇ…」

 

 

ま、あの真っピンクに染色されたきゃぴってるザクを運搬してる時点で見えてたけど。私の視界の先にいるのはノリノリでアイドルしてるラクス様二号ではなく。

 

オレンジに塗装された見たことあるし見たくなかったしけどもう少ししたらおんなじやつに乗って海にエクスプロードダイビングしなきゃならん例のアレ。

 

『グフイグナイテッド』、西川専用機。もしかしたら来ねーんじゃねーかなとか、最悪どっか違うとこで死んでたりしてくれねーかなとか思ってたけど、まあ世の中そう甘くないっすよね。

 

会いたくない。あのオレンジのグフのパイロットには切実に会いたくない。会うと私はこれから犯す自らの罪を否応なく自覚せねばならないから。

 

 

「…はぁ…どうしきゃっ!?」

 

 

多分作業を終えて急いでたらしいメカニックの誰かが私にぶつかって来た。そのせいで必然的にザラ隊長に抱き付く形に。しまった、原作だとわざとやったことが偶然起きてもうた。なんだこの細かすぎる歴史の修正力は()

 

 

「大丈夫か?」

 

 

むっ…わざとではないとはいえ私のお胸様でラッキースケベっぽいもの食らって無反応だと。くっ…これが経験の差か(なにが)

 

 

「す、すみませんっ! ぶつかられちゃって…」

 

 

慌てて離れようとするも、何故か肩を優しく抱かれてしまう私。why? なにあなたも不倫ですか隊長。

 

 

「こ、ここは危ないな。違う場所に行こうか」

 

 

なるほ、まあすすんでみたいものでもないでしょうしね。と言うことでシレッとミネルバ指差したらそっちまでガードしながら付き添いしてくれた。

 

役得っちゃ役得なんだけどさ、これ、後でお姉ちゃんに甘えられなくないい? チラッと振り向いた先にむくれてるお姉ちゃん見てそう確信した。はぁ……ついてね、今日。

 

 

* * * *

 

 

日を跨いで翌日。不倫艦長から上陸許可も出たし適当に散歩でも行こうかなと思っていた今日この頃。

 

夜くらいなら部屋に帰ってくるかなとずーーっとお姉ちゃん待ってたら端末に

 

 

「議長の計らいで高級ホテルでシンたちと一泊してくる」

 

 

みたいな連絡きててガン萎え不可避だった。一応はレイだけは帰って来てたけど。甘えたい時に甘えられずに欲求不満になった私はチョコレート棒やけ食いして不貞寝しましたよ。

 

ホテルにお泊まりってことはまだ暫くは帰ってこないだろうし、今から合流するのも流石に面倒だし。諦めて一人でお出かけするつもりで私服に着替えてミネルバの外に出た時。

 

 

「「あっ」」

 

 

ちょうど帰って来たらしいザラ隊長と鉢合わせして二人して間抜けな声が出た。おっと、いかんいかん。

 

 

「お、おかえりなさい、ザラ隊長」

 

 

若干どもりながらと敬礼と挨拶は忘れない私。うん、やっとこさ最近敬礼が自然と出るようになって来たかも。

 

 

「あ、ああ…ただいま」

 

 

ん? どしたん。めっさ疲れとるやん。何か帰艦した直後よりもずっとぐったりしてる。

 

 

「君はその…ルナマリアの妹、だったよな?」

 

「ええ、まあ。そうですけども」

 

 

急にどしたの。あ、もしかしてアレか。

 

 

「すまないが…少し時間、あるだろうか」

 

 

多分これ、お姉ちゃんが悪いやつなので。話くらい聞いてあげようか。仕方ない、お出かけは諦めるとしよう。

 

 

「構いません、艦内でよろしいですか?」

 

「そうだな、そうしてくれると助かる」

 

 

ぬ。そうすると着替えないと。休憩室でこの後待ち合わせることにした私は、このタンクトップにパーカーとショーパンという女子力のかけらも無い服装から軍服にファームチェンジするために自室に向かった。

 

さて、どんな話が出てくるのやら。

 

 

* * * *

 

 

「実はな、俺の不手際でその…ルナマリアをひどく怒らせてしまって…」

 

 

ですよねーはい。たしかこれ原作の朝チュン修羅場シーンだったような。まあ怒るよね、朝っぱらに意中の男性の部屋から半裸の女性出てきたら。いやどっちかと言うと怒る方も怒る方な気がしないでもないけど。

 

まあ人だもの。理屈でわかってても感情的になっちゃうことだってあるさ。それを持続させるお姉ちゃんもお姉ちゃんだけどね、はぁ。

 

 

「出かけたいようだったから、俺が船に戻るから行ってこいって言ったら…さらに機嫌を損ねてしまって」

 

 

……。あ、さいですか。なんだこれ、どこのラブコメだよ。ガンダム要素ないやん。まあこれはこの人が鈍すぎるだけな気もするけどさ。

 

 

「シンに加えてルナマリアまでもあの態度では今後に支障が出る。なんとかしたいのだが…生憎とこの手のことはさっぱりでな。妹の君なら、何かいい方法が思いつくんじゃないかと思って…」

 

 

ええ、ありますね。とりあえず私ではなくお姉ちゃん誘って出かけてりゃそれで解決したんじゃね? とか。今この瞬間にも火に油を注いでいることに気づいてねーなこの人。

 

 

「はぁ…今日の夜にでもお姉ちゃんをご飯に誘ってみてください。艦内でも外でもいいです。拗ねてたら多少強引でも構いませんので」

 

「そんなことで…いいのか?」

 

「そんなことで、いいんです」

 

 

『そんなこと』にすら気づいてねーのはアンタくらいだよまったく。ほんとに戦闘以外じゃ朴念仁もいいとこですね。まあ、不器用で真っ直ぐだ、とも言えますけどね。

 

 

「分かった、そうしよう。わざわざすまないな。君には世話になりっぱなしだ」

 

「いえ、とんでもないです。こちらこそお姉ちゃんがすみません」

 

 

まあこれに関してはお姉ちゃんの方が悪いと思うので。それに、近いうちにあなたには命がけで私を守ってもらうことになると思うので、売れる恩はなるたけ売っておきますよ。

 

さて、やることないし部屋に戻るか、それとももう少しこのひととの仲をほぐそうかなぁとか思った矢先。

 

 

「お、アスラン。さっきぶりだな」

 

 

「っ!?」

 

 

うそだ。なぜこの人物がいる。着任はまだ少し先のはずだ。まだ少し猶予があったはずだ。唐突に響いたどっかの革命的なボイスに、私は戦慄した。

 

 

「ヴェステンフルス隊長、いらしてたんですか」

 

「んだそりゃ、ハイネでいいっての。面倒ごとは先に済ましておく方なんでな」

 

 

そう言って、()は私たちの方へゆっくり歩いてくる。やめろ、来るな。私は、あなたに合わせる顔なんて持ち合わせていない。

 

だが、そんな甘えが許されるはずもなく。

 

 

「ハイネ・ヴェステンフルスだ。着任はもう少し先になるが、まあ世話になるぜ。よろしくな」

 

 

逃げるな、と言うことか。己の罪から目を背けるなと。ああ、そうだ、その通りだ。

 

ハイネ・ヴェステンフルス。それが私が()()()、彼の名前だ。

 

 

 

 

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