ぐだ男君と立香ちゃん   作:雷神デス

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流石に毎日投稿は無理があったぁ!
聖杯戦争TRPGとかいう興味しか無いサイトにハマって投稿が遅れました!
やりたいけど友人は付属してなかったぜ!()
いよいよ第一特異点開幕、飛ばしてる日数はいつか幕話として出すかも?


第一特異点 修復開始

「と、いうわけで。私が開発した立香ちゃん専用のメンタルケアロボット、ぐだ男君だ。立香ちゃんも気に入ってくれたようで何よりだ!」

 

「ちゃんと説明してください、ダヴィンチちゃん」

 

 

 あの後、私が暴れている時にダヴィンチちゃんが部屋を訪ねてきた。まるで悪戯が成功した子供のように笑い、ぐだ男に関する説明をするということで落ち着かされ話を聞いている。

 

 

「ま、ぐだ男君の存在自体は君の様子である程度分かってはいた。冬木での君たちの行動は私も知っていたからね。そこで目線の動きやら誰にも聞こえないような声を聞き取り、思考を重ねた結果……君の隣のそのぬいぐるみの中に入っているぐだ男君の存在に気付いたというわけさ」

 

「……どうやってぐだ男をぬいぐるみ中に入れたんですか?」

 

「それについては少し苦労したんだよね~。ぐだ男君は基本的に何かに干渉することはできない。誰かと意思疎通することもできないし、何かに触れることもできないが……一人だけ例外がいた。それが君だ、藤丸立香。あの時、所長を助けようと謎の力を使ったのはぐだ男君だろう?」

 

「……」

 

 

 殆どのことを見抜かれている。ぐだ男はさっきから黙って成り行きを見守っており、口出しする気配はない。なぜかダヴィンチちゃんの膝の上にいるのが少し腹立たしく思ったが、話を続ける。

 

 

「そして、ぐだ男君は君の体を使うことで外部と接触できるのではないか、という仮定を立て、試しに君が寝ている間に採取させてもらった髪の毛と色々な魔術を込めて作った人形を置いてみれば―――見事、ぐだ男君が人形を使えたという訳さ」

 

「……勝手に髪の毛取ってたんですか」

 

「それに関しては謝ろう。けど、ぐだ男君がどんな存在なのか確認する必要があった。彼が危険な存在であれば、今後の特異点修復にどんな影響を与えるか分からないし」

 

「む……まあ、たしかに」

 

 

 ダヴィンチちゃんからしてみれば、どんな存在かも分からない奴がカルデアの内部に潜んでいられるというのは当然許容できるものでは無いだろう。レフ・ライノールの味方という可能性もあるのだから、正体を突き止めるために手を尽くすのは当然だ。

 

 

「まあ、そんなわけで彼と話をしてみたんだけど……結果は問題無し。ロマニとも相談して、特に干渉することは無くていいっていう判断になった。彼がサーヴァントにすら見えない理由とかは気になるけど、それを解明するためには時間がかかりそうだしね」

 

「それじゃ、メンタルケアロボットっていうのは?」

 

「ぐだ男君がこのカルデアで活動しても他の人に不信感を与えないための言い訳さ。ぐだ男君も体が無いと不便だろうし、君の精神を安定させるためのメンタルケアロボットとしてカルデア職員にはぐだ男君のことを伝えてある。君も堂々とぐだ男君と話したいだろ?これについてはぐだ男君に事情を聴いて、お互いが合意の上で決めたことだ」

 

「……」

 

 

 勝手に色々と話が進んでいたことに少しだけ口を尖らせる。何より腹立たしいのは、ぐだ男が私に相談なくダヴィンチちゃんと話を進めていたことだ。こんな大事な話であれば、私にも相談の一つくらいはするべきだと思う。

 

 

「ま、色々と不満に思う点もあるだろうけど目を瞑ってくれたまえ。ぐだ男君に体が出来たこと自体は、君も嬉しいだろ?」

 

「……まあ、はい」

 

「ならよかった。第一特異点に向かうまでは後3日もある。その間、サーヴァントとコミュニケーションを取るなり休むなりするといい。それじゃ、私は少し用事があるのでここら辺で失礼するよ。じゃあね~」

 

 

 ぐだ男をテーブルの上に置き、帰っていくダヴィンチちゃん。嵐のような人だ。

 さて、本題に入るとしよう。ジトッとぐだ男を見る。ぐだ男は目を逸らす。今回ばかりは流石にそう簡単には許さない、覚悟してもらおうか。

 

 

「えーと、立香。結構怒ってるかい?」

 

「そうだね、かなり」

 

「アハハ……だよねぇ」

 

 

 頭を掻いて困ったように頭を傾けるぐだ男。ぬいぐるみなので非情に可愛らしいが、残念中身はぐだ男である。ぐだ男は観念したかのように口を開いた。

 

 

「色々と隠し事してごめんね」

 

「……それはいつものことだからいいよ。怒ってるのは、私じゃなくてダヴィンチちゃんに相談してたこと。私よりも初対面の人を信頼したんだ?」

 

「だって、立香は魔術についてとかは何も知らないだろ?色々と後ろめたい話もあるし、君にそれを聞かせたくなかった。あとドッキリを仕掛けたかった」

 

「おいこら」

 

 

 溜息をつく。……なぜぐだ男が魔術とかについて詳しく知っているのだとか、所長を助けようとしたあれは何なのかとか、色々聞きたいことはある。

 けど、それを聞いてしまえばきっと私達の関係に何か変化が訪れるだろう。それはいい変化かもしれないし、悪い変化かもしれない。どちらにせよ、私は今のぐだ男との関係をもう少し続けたかった。心地よくてかけがえのないこの関係を。

 

 

「まー、いいや。ただし、今後はちゃんと私にも相談すること!」

 

「うん、相談すべき時はするさ」

 

「ならよし。とりあえず今日は疲れたからもう寝よっか」

 

 

 ぐだ男の手を掴み、一緒に布団の中に潜り込む。しかし、なぜかぐだ男は驚いた顔をしながら抵抗する。さっきも一緒に布団の中にいたろうに、今更何を暴れる必要があるのだろうか?

 

 

「待って立香、この展開はおかしい。さっきはあんなに恥ずかしがって暴れたのに、なんでしれっと一緒に寝ようとしてるの……?」

 

「……?いつも一緒に寝てるじゃん」

 

「実体がある状態と幽霊状態では話が違うと思うんだよね俺は」

 

「今更そんなので恥ずかしがらないよ?さっきは、その。あれだったから恥ずかしがっただけだし、せっかく触れられるようになったんだから。ほら、早く」

 

「女の子がぬいぐるみとは言え男と寝るのはよく無いと思う」

 

「フォウ君に蹴られてようやくネタバレしたスケベ幽霊が何を言うか」

 

 

 ポンポンと私の隣を叩く。微妙に納得していない顔をしたぐだ男を強引に引き寄せ、胸に抱いて寝ることにした。そもそも、私がキスしようとしても微動だにせずいた奴が今更そんなことを言うな。本屋行く時いつもエロ本コーナー覗いてるの知ってるんだぞ私は。

 

 

 

―――

 

 

 

 三日後。ついに、聖杯を巡る旅―――聖杯探索が始まる。

 妙にピチピチなスーツを着て、管制室に向かう。ぬいぐるみ状態のぐだ男も一緒だ。

 女の子はやはりかわいいぬいぐるみには弱いようで、すぐにマシュや他職員に受け入れられた。マシュに抱っこされた時に鼻の下伸ばしてたので少しお仕置きしたり、ノッブやマシュを交えて4人でゲームしたり、ノッブ対ランスロットのシミュレーションを使った模擬戦で白熱した勝負を繰り広げたりと、楽しい3日間を過ごせた。

 

 それも今日で一旦終わりだ。ここから数日間は、あの冬木のような―――危険な冒険が始まるだろう。ランスロットやノッブのような強いサーヴァントでも、相性によっては簡単に負けてしまうらしい。油断していたらすぐにその報いを受けることになるだろう。

 

 

「よし、集まったね皆。それじゃあ、レイシフトについて簡単に説明するよ」

 

 

 ドクターロマンの解説によると、マスターである私とマシュは霊子筐体、通称コフィンという器具に入れられるらしい。そこからコフィンに魔術をかけ生命活動を観測できなくさせ生きているか死んでいるか分からない箱に仕立て上げ、粒子変換で肉体を分解させ、そして―――。

 

 

「カルデアスのデータを元に遥かな過去に跳躍、そこから人理修復を開始する、というわけだ」

 

「……ねぇぐだ男、理解できた?」

 

「理解しようと思わない方がいいよ?細かく覚えると頭がパンクするレベルの超技術の代物なんだから」

 

「まー儂もまったく分からんかったしの。ある程度理解できれば技術を盗みようもあったのじゃが、流石にこれは盗める気がせんわ」

 

 

 ノッブが歯ぎしりしながら悔しがる。話はあんまり理解できなかったが、つまり超危険な試みだから覚悟して臨んでくれ、という感じの説明だった。

 

 

「一応聞くんじゃが、儂らもそのレイシフトとやらは使えるのか?」

 

「問題なく行える。ただ、カルデアの電力にも限りがあるからサーヴァントが増え続けた場合、直接レイシフトするのではなく現地で霊脈を見つけ、霊基サークルを展開してサーヴァントを召喚する、という形になるかな」

 

 

 ノッブの質問に、ドクターロマンに代わりダヴィンチちゃんが説明する。ちなみに事前にぐだ男もレイシフトに同行できるのは確認済みだ。人形持ったままコフィンに入ればいいらしい。雑だな。

 

 

 

「さて、それじゃあいよいよレイシフトを開始するよ!今回レイシフトする場所はフランスだ。立香ちゃん、ぐだ男君。コフィンの中に入った感想はどうだい?」

 

「ちょっと狭いですかね?」

 

「そりゃ結構大きなぬいぐるみと同室だからね」

 

 

 コフィンの数の都合上、ぐだ男は私のコフィンと同室でレイシフトすることになった。それって大丈夫なのだろうかと心配になったが、ダヴィンチちゃんによると「むしろ安全」らしい。何が安全なのかは分からないが、ぐだ男も大して心配してないようだし信じることにする。

 

 

「ハハッ、まあ少し我慢してくれ。カルデアスタッフたちの誇りにかけて、必ずこのレイシフトは成功させる。それじゃ―――始めようか」

 

 

 その声と同時に、コフィンの中に光が溢れ視界がふさがる。ドンドンと自分の体が何かに引き寄せられていくような感覚。あの時と同じだ。

 思わずぐだ男の手を握る。手が震えているのが自分でも自覚できる。ぐだ男は私と違って何の怯えも無く、ただ握られた手をそっと握り返すだけだった。

 

 

『3、2、1……!グランドオーダー、実証を開始する!』

 

 

 

―――

 

 

 

 ブワッ、と視界が開く。目を開けるとそこは森の中のようだった。

 隣では初めて味わった感覚に「ふむ」と手を見て考えるノッブと、唸り声をあげ周囲を警戒するランスロット。レイシフトが成功したことに安心するマシュ。そして、私と手を繋いでいるぐだ男。

 

 

「レイシフト完了みたいだね。流石はカルデアスタッフ」

 

「フォウフォウ」

 

「はい、ぐだ男さんの言う通り無事レイシフトは完了したようです。そして、なぜかフォウさんがいますね……前のレイシフトの時と同じようにコフィンに紛れ込んだのでしょうか?」

 

『あーあー、聞こえるかい?無事レイシフトが完了したようで何よりだ。立香ちゃんたちがいるのはAD1431年ロレーヌ地方のドン・レミ村のようだ。だいぶ田舎だけど、許容範囲内だ』

 

「1431年のフランス……」

 

 

 たしか、百年戦争の最中だったはずだ。この特異点が生まれた原因に関わっているのかもしれない。

 

 

『ひとまず情報収集をしに行こう。適当に現地民と接触して、情報を聞き出してくれないかい?』

 

「分かりましたドクターロマン。皆、行こう!」

 

「はい!」

 

「rrrrrr……」

 

「おう、任せておくのじゃ!この儂がいるからには、特異点の修復など楽勝だよネ!」

 

「なぜかフラグが建てられた気がする!」

 

 

 こうして、第一特異点の修復が始まった。




マシュからぐだ男に対する好感度は立香ちゃんに対する好感度の半分くらい。
性格とかが割と似てるところがあってか、3日の間で一緒にゲームしたりするくらいには仲が良くなったようです(なお全カット)。
何気に立香ちゃんもノッブと仲良くなったり、ランスロットとノッブでマジバトルしたりして友情を深めたけど、それ書いていくと霧が無いのでまたいつか……!()
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