赤原の守護者と禁忌教典   作:石橋航

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第5巻
システィーナの婚約者


「───さあ、理解できたかな?」

「……っ!」

 

 そこは、漆黒が永久に支配する空間だった。

 ジメジメと、とてもじゃないが人間が心地良いと感じる場所ではないそこに、二人の影が蠟燭に照らされて揺蕩っていた。

 その中の一人、フロックコートを纏った青年が山高帽を被り直す。

 

「君の婚約者は、既に君を想ってなどいない」

「そんなことはあり得ません!! 私の、私のシスティーナは……!」

 

 影の口元が三日月に歪む彼を見ても、もう一人の青年は頭を抱えて現実から目を背けるばかりであった。

 纏う服装は高尚な代物ばかり。なのに、纏っている本人の頬は青白く鈍い輝きを放っている。

 とてもじゃないが、所有者とは言えない様相だった。

 如何にも高級な旅装用コートを揺らして、青年はフロックコートの襟を掴む。

 

「そんなことが、あるわけ───っ!」

「残念ながら、君の婚約者はとある男に恋焦がれている」

 

 しかし、フロックコートの青年は微動だにせず滔々と話を続けた。

 

「確かに幼少期に抱いた想いに誤りはなかったのかもしれない。ただ、年月は想いすらも置き忘れてしまうものさ」

「認めません、私は、そんなことは絶対に認めません───ッ!!」

 

 その圧力に屈したのか、フロックコートの青年は宥めるように両手を見せた。

 そして、ニヤリと口を開く。

 

「その気持ちは僕にもよく分かるよ、レオス。だからこそ、復讐が必要だろう? 君の婚約者を横取りした、ロクでもない男にね」

 

 双眸を血走らせながら、高級な衣類に身を包む男───レオスは悪魔の言葉に首肯する。

 

「それで良い。では、復讐を遂げる君に教えてあげようじゃないか。君の婚約者たるシスティーナ=フィーベルの恋慕を略奪した男の名を───」

 

 するとフロックコートの青年は山高帽を脱ぐと、両手を広げて声高々に宣言する。

 

「奴の名は───シロウ=エミヤ。それこそ君が復讐を遂げるべき相手さ」

「シロウ=エミヤ……!」

「そうとも。そして、幸運にも世界は君の味方をしてくれている。シロウ=エミヤは現在、アルザーノ帝国魔術学院で魔術講師として働いている。これこそ、天からの福音とは思わないかい?」

 

 そしてレオスはフロックコートの襟から手を放す。

 解放された彼の目は、清々しく、そして同時に底なし沼の如く混沌としていた。

 

「───ええ、思います」

「結構。それでは君もアルザーノ帝国魔術学院へ向かうと良い。ただし、くれぐれもシロウ=エミヤの対応には警戒が必要だ。なんせ、僕ですら彼の相手は手こずるからね」

 

 そんな忠告も聞く耳を持たず、レオスはその場を去っていった。

 そして、暗澹たる場所に残ったのはフロックコートの青年ただ一人。

 彼は脱いでいた山高帽を被り直し、その下で笑みを浮かべる。

 

「さあ、久方振りに相対しようじゃないかエミヤ。幾度も僕の計算を裏切り、そしてセラすらも生還させて見せた君の活躍が今から楽しみだよ───」

 

 青年は閉ざされた天井を仰いだ。

 闇夜が連綿と続くその空間に、果たして彼は何を見たのか。

 

「奇跡の具現者、シロウ=エミヤ。果たして君は、何者なんだい───?」

 

 誰にも届かないその問いは、風と共に去ってゆく。

 そして、青年もまた前を向いて動き出した。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 以前エミヤ達を襲った遠征学修の一件から幾ばくか。

 現在は平穏な日々を過ごしていた。

 

「ふむ、早く来すぎてしまったか」

 

 そう言って時計を見てみれば授業開始まで幾らか時間がある。

 普段であれば授業の準備や学院のメンテナンス作業、教室の清掃なんかを行っていたりしているのだが、既に全て済ませてしまっている。

 もう一度念入りにやっても構わないのだが、エミヤは教卓の後ろに座り込み瞑想する。

 

 ───さて、ここ最近入ってきた情報を纏めるか。

 

 そう考えたエミヤは伝手を利用して収集できた情報を脳裏に書き上げた。

 要注意人物は誰か、軍を取り巻く状況について、そして『禁忌経典』についても。

 だが、この日ばかりはゆっくりできなかったようだ。

 

「───先生、エミヤ先生!! あ、やっぱり居た!」

 

 教室の扉から顔を見せたのはカッシュだった。

 彼はエミヤを見つけると嬉しそうに駆け寄ってくる。

 すると後ろから続々と男子生徒が続いてきた。居ないのは、ギイブル辺りか。

 

「君達、何かあったのかね?」

 

 エミヤがそう問うとカッシュは教卓に身を乗り出す。

 

「実はさ先生、今中庭にシスティーナの婚約者が現れたんだよ!」

「ほう、そうか」

 

 短く答えたエミヤにカッシュ達は不満げな様子を見せる。

 

「む。もしかして先生は興味無い感じですか?」

 

 カッシュの疑問にエミヤは肩を竦める。

 

「別に無いとまでは断言しないさ。しかし、突然婚約者が現れたという方が驚きだ。学院の人間ではないのだろう?」

「ええ、確か来賓だとか」

「であれば、余計な詮索は両者にとって迷惑だろう。学院の人間であってもだがね。システィーナにはシスティーナの恋路、将来がある。なのにも拘らず、我々第三者が茶々を入れるのは、果たしてどうなのだろうな?」

 

 それを聞いて男子生徒達は静かになる。

 

「確かに、俺達間違ってたかもしれません……」

「システィーナの婚約者だからと言って盛り上がってたかも」

「性格はキツイけど、外見は美人だし、あんなイケメンが相手でも不思議じゃないか」

 

 内容は多々あれど、全員が反省を見せた。

 

「結構。それでは、授業の準備を───」

「すみません。この教室に、エミヤ先生はいらっしゃいますか?」

 

 声を遮るように、突然の声が教室に響き渡った。

 音源を探る様に目を向ければ、廊下に居たのは見覚えのない青年。

 彼は背景に大人数の野次馬と、傍らにシスティーナを連れて教室を一瞥した。

 カッシュ達が驚きこちらを見ている光景を尻目に返答する。

 

「私がエミヤですが、何か用事でしょうか?」

 

 一目見て理解した。

 彼こそ今の今まで盛り上がっていたシスティーナの婚約者だろう。

 立ち上がり、エミヤは丁寧な口調で彼の元へと歩む。来賓なのは先ほどの会話で入手済み。

 すると相手は笑みを浮かべながら手を差し伸ばした。

 

「お会いできるのを楽しみにしておりました、エミヤ先生。貴方の卓越した手腕は、我がクライトス魔術学院でも噂となっていますから」

「クライトス魔術学院……? では、貴方が臨時講師の───」

「はい。クライトス魔術学院から参りましたレオス=クライトスです」

 

 エミヤは差し出された手を掴む。

 互いに握手をして自己紹介を終了させた。

 一見すればなんてことの無い日常の一ページだろう。

 しかし、エミヤはその瞳に疑念の色を彩らせる。

 レオス=クライトス。

 とある講師が倒れたことにより、提携を結んでいるクライトス魔術学院から彼が派遣されたというのはセリカから聞かされていた。

 それでも脳裏に過ぎるのは彼に関する、子細に残された疑惑の情報だった。

 そして、相手も笑顔の裏に何かを隠している。

 笑顔を表情に張り付けて体裁だけは保っているようだが、双眸だけはこちらを精悍に睥睨する。

 

「ご丁寧に感謝します。して、今回は如何なる要件で?」

「ええ、それはですね───」

 

 するとレオスはエミヤの手を離し後ろを見た。

 そこには彼についてきていた野次馬のほかに、リィエルとルミアに心配そうな目を向けられているシスティーナが居る。

 

「貴方は、私のシスティーナの担任の先生ですからね。やはり、紹介すべきかと思いまして」

「れ、レオス……! 私は……!」

 

 赤面したシスティーナの声を遮り、レオスは傍らに来たシスティーナの背中を押す。

 

「そしてこちらは、私の婚約者(フィアンセ)であるシスティーナです」

 

 その声音が全員の耳に届くと同時に、教室が沸き上がる。

 廊下で伸びている野次馬は当然の事、同じ教室に居るカッシュ達も大盛り上がりだ。

 誰もがそれを言祝ぐ中心で、システィーナは顔を上げられず耳を紅くして下を向いていた。

 

「え、ええっと、実はですね、先生……!」

 

 それでも説明はすべきと考えたのか、真っ赤な顔でシスティーナはエミヤに言葉を紡ぐ。

 ただエミヤはそれを遮った。

 

「説明は不要だシスティーナ」

 

 行動の意図を理解したエミヤは首肯する。

 

「私は君達を祝福しよう。おめでとう、システィーナ」

 

 目を細めて、輝かしいものを見るかのような目を向けるエミヤ。

 これで説明責任は全うされた。

 多くの生徒は突然訪れた祝福の非日常に歓喜し、一部の女子生徒はレオスの美貌を前にシスティーナへ怨嗟を向けるも、当人たちが纏う祝福の空間には全く意味を成さない。

 そう、当人たちが、斯様な雰囲気を纏えば、意味を成さないはずなのだが───。

 

「む。どうした、システィーナ?」

 

 エミヤの問いかけが届いたのは、システィーナだけだった。

 それでも彼女は、思いが通じたかのように顔を上げる。

 

「実は……一つ、レオスに言いたいことがあって……」

 

 彼女の声が届いたのか、周囲の喧騒は静寂を迎えた。

 言葉を切ったシスティーナはレオスに向き直る。

 レオスもまた、彼女を受け入れるようにシスティーナを正面から見る。

 これから何が起こるのか、各々想像を膨らませていたのだが、次の瞬間思いもよらぬ光景に目を疑う。

 

「───ごめんなさい、レオス。私はまだ、誰とも結婚をするつもりはないの」

 

 システィーナが頭を下げた。

 その言葉を皮切りにどよめきが漂う。

 ただ、レオスはため息をつき少し怒気を強めて彼女に詰め寄った。

 

「まだ、机上の空論に固執しているのですか、システィーナ……!」

「私、お祖父様と約束したの。メルガリウスの天空城の謎を解くって。お祖父様が憧れた天空の城に、必ず辿り着くって。そのために、私はまだまだ魔術の勉強をしなければいけない……だから、まだ誰かと家庭を築く気にはなれないの……レオス、貴方の気持ちは嬉しいけど私は……」

 

 その夢はエミヤも幾度とシスティーナの口から聞いていた。

 荒唐無稽な夢と自虐する彼女を前に、世界の謎を解明するのが彼女の夢であれば応援すると、そう言ったのを覚えている。

 しかし、レオスは一度エミヤは冷徹な瞳で一瞥した後、システィーナに笑みを浮かべる。

 

「───魔導考古学。貴女が志望するのは、究極的には古代文明の謎を解き明かし、古代の魔術を現代に再現させることを狙いとする魔術分野、でしたね。確かに、それを成し遂げられれば魔術史に残る偉業となるでしょう。高尚な分野だとも理解していますが……システィーナ、貴女だって知っているはずだ。それを成し遂げられた者は、現代に至るまで誰一人として居なかったんですよ?」

 

 あくまで諭すように、レオスはその夢を一蹴する。

 

「聡明な貴女であれば理解できるはずです、その分野に未来は無いなんてこと。時代は既に軍用魔術研究の時代なのですから。昨今、隣国レザリアとの国際緊張が高まる中、次世代の軍用魔術研究・開発の重要性が高まっています。必要なのは過去の産物では、無いんですよ」

 

 システィーナは拳を握りしめて静かに彼の言葉を聞いていた。

 確かにレオスの言葉は事実だ。

 彼女が志望する分野は、現代において重要視されているとは言えない。

 それでも、志望する理由があるから彼女は胸を張って鍛錬を続けるのだ。

 しかし、冗談話を聞いているかのような笑みを浮かべると、レオスはエミヤに向き直る。

 

「───貴方もそう思うでしょう、エミヤ先生?」

 

 エミヤに主導権が流れた時、システィーナは心配そうな目で見上げた。

 

 ───貴方も、と。

 

 腕を組みながら、目を瞑って考える素振りを見せた後、エミヤは答える。 

 

「確かに、昨今において軍用魔術以上に重要視されている分野は無いと私も考えています。それは、魔術講師の端くれとして魔術論文などを一見すれば至極当然の事実です」

「ええ、そうでしょう!」

 

 システィーナの顔が沈むのが見えた。

 ただしエミヤは、彼女を見ずにレオスを見る。

 勝ち誇ったかのような顔を見せる、彼を。

 

「───ただし」

 

 エミヤの言葉を聞いた瞬間、システィーナの顔が上がる。

 

「如何に重要視されている分野があったとはいえ、他の分野を蔑ろにしても良いとは感じないな。確かに魔導考古学は荒唐無稽な、机上の空論かもしれない。しかし、人間とは───斯様な夢を現実にした時にこそ、成長するものではないのかね?」

 

 丁寧な鍍金が剥がれ、ニヒルに口元を歪ませる。

 

「レオス先生、君はこう言ったな? 過去の産物は求められていない、と」

「……その言葉に、誤りがあると考えですか、エミヤ先生?」

「無論。案外、過去の産物こそが未来を切り拓く鍵となり得るものという事例を幾度も見てきているのでね。そして、過去の歴史を蔑ろにする者の結末も重々に理解している」

 

 そこに来て初めて、レオスの慇懃な鍍金も剥がれた。

 舐めた口調と表情をする彼を前に、レオスは怒気を呼吸と共に吐き出した。

 

「───私が彼女の未来を案じて何が悪い!?」

「悪いとは言っていない。ただ、未来の選択肢を潰す君の発言に苦言を呈している」

 

 不俱戴天の敵を見るかのように、精悍な相貌をするレオス。

 そしてそれを正面から受け止めるエミヤ。

 その場に居る誰もが、この二人に割り込むことは出来なかった。

 

「君達の馴れ初めは知らないが、今の彼女を見ている私には断言出来る。彼女は自らの手で未来を選択できるとね」

「故に彼女の意思を尊重すると? 今しか見ていないからこそ貴方は言えるんです。私は───!」

「───待ちたまえ!」

 

 突然の声にエミヤとレオスの声が止まった。

 その先に居たのはハーレイ。

 エミヤの同僚にして、度々付き合いのある魔術講師だった。

 

「シロウ=エミヤ、今は何時と考えている!?」

 

 矛先はエミヤのみ。

 彼は鋭い目つきでエミヤを指差した。

 とはいえ、流石に来賓のレオスに口答えなどできないだろう。

 レオスに口答えしていたエミヤの方が可笑しいのだ。

 

「……忠告、感謝する」

 

 両手を上げるエミヤを見てハーレイは鼻を鳴す。

 

 ───助け舟を出してくれたのだ。

 

 こちらはクライトス魔術学院へ補充教員を要請した側である。

 それがこちらの教員と揉め事を起こしたとなれば、一大事。

 アルザーノ帝国魔術学院の名誉を汚す行いに直結する。

 エミヤは英霊であるが、同時にこの異世界の社会に溶け込み過ぎた。

 勝手な行動を許される立場では、もうないのだ。

 

 反省の意味を汲み取ったのか、ハーレイは廊下で佇んでいた生徒達に目を向ける。

 

「諸君らも教室に戻りたまえ。そして、レオス先生はこちらに」

 

 野次馬を追い払うとハーレイはレオスを呼んだ。

 彼は一言ハーレイに謝罪すると、最後にエミヤを睨む。

 

「───システィーナは私の婚約者です。エミヤ先生、貴方には負けませんから……!」

 

 そう宣言して、彼は廊下の向こうへと消えてしまった。

 

「レオス=クライトス、か……」

 

 小さくその名前を反芻する。

 色々と調べている過程で手に入れた、不穏な噂が漂うその名前。

 優先順位は低いと思っていたのだが、少し調べる必要がありそうだ。

 今後、システィーナとの関係がどうなるかは分からないが、アルザーノ帝国魔術学院に入っている以上警戒は必要だ。

 エミヤがこの学院に赴任したばかりの時に引き起こされた襲撃者事件のような惨状を、再発させないために。

 

「あの……エミヤ先生」

 

 突然の声にエミヤは目を動かす。

 するとシスティーナがもじもじと指先をクルクルさせながらエミヤを見上げていた。

 

「ありがとう、ございました。私あの……嬉しかったです……!」

「なに、別に気にする必要は無い。私は君の教師だからな。いつだって君の味方だ」

 

 エミヤの言葉に暫く瞠目していた。

 そして、システィーナは少し残念そうにため息をつく。

 

「そ、そうですよね……。先生は、先生だから、私の味方をしてくれたんですよね……。ホント、何考えてるのよ私……!」

 

 頬をペチペチと叩く。

 それは、赤面していた頬を誤魔化すように、念入りに。

 感情で彩られた紅き頬を、物理的に塗りつぶすように。

 それでもと顔を上げると、彼女は笑顔を見せた。

 

「それでも……それだったとしても、私は嬉しかったです。ありがとうございました!」

 

 一言お礼を述べるとシスティーナはそれだけです、と言ってルミアとリィエルの元へ戻っていった。

 時間を見れば時間開始数分前、エミヤは授業を始める準備を完了させようと荷物をあさる。

 

「先生。俺の勘違いかもしれないですけど、なんか今良い雰囲気じゃなかったですか?」

「む。誰と誰がだ?」

 

 まだ近くに居たカッシュの言葉に疑問符を浮かべる。

 本当に意味が解ってないんだな、と苦笑いを浮かべるとカッシュは話題を変えた。

 

「そういえば、先生さっき宣戦布告されてましたけど、システィーナの取り合いって意味ですかね?」

 

 違う。カッシュは未だにその話題を引き摺っていた。

 しかし、相手はエミヤだ。一筋縄ではいかない。

 

「残念ながら、その意味で私の宣戦布告してきたのであれば、彼の独り相撲になってしまうな」

 

 そしてエミヤは話の続きをしようとするカッシュに戻るよう促し、授業を始める。

 途中で切り上げられたことに不満げなカッシュ。

 何故かショックを受けているシスティーナと、苦笑いを浮かべるルミア、準備だけは完璧なリィエル。

 我関せずを貫き通し淡々と授業の準備を整えていたギイブル。

 他にも、各々が別の視点から非日常を経験したにも関わらず、授業開始を告げるエミヤの声を聞き、思考を切り替える。

 まるでそれは、日常の一ページのように───。

 誰一人として、この平穏が崩されるだなんて予期していなかったのである。

 




 さほど間を開けずに五巻の初めを投稿です。全体で何話になるかは分かりませんが、焦らずゆっくりと執筆を続けていきたいと思います。
 そして、多くの温かい感想をありがとうございました。数ヶ月間音沙汰も無かったというのに、再び受け入れて頂けた事に感謝の言葉が止まりません。どれだけ遅くても完結を目標に頑張っていきますので、再びよろしくお願いします。
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