「……ハッ?!?」
「あ、起きた」
目が覚めた瞬間、状況は一変していた。
まず、シャルルはISを解いていた。
一夏も……いや、こいつは片腕だけ展開され雪片弐型を構えていた。
「……状況は?」
「ラウラが……」
ラウラの方を見る。
……そこには、出来の悪い粘土細工の様なものが佇んでいた。
「オイオイなんだあの……ちょっと出来の良い粘土細工」
「ラウラだよ」
「嘘だろ……何があったんだよ」
「ボクがラウラを落としたと思ったらああなってね……隣に居た君を攻撃した後今に至るって感じかな」
「……で?アイツは何する気なんだ」
「見ての通り……かな」
「お前は?」
「一夏にエネルギーを渡しちゃってね」
「……ったく。男のケツ叩くのが上手い女だ」
「な、なんでさ……!」
「よっこい……しょ」
幸い、俺のISは解除させられていないようだ。
ならば、やることはひとつだ。
「……那由太?何するつもり?」
「あの馬鹿を助ける」
「もうエネルギーもギリギリじゃ……」
「……手はある。一夏!俺が動きを止める!決めろよ!」
「那由太!?……ああ!」
アーマーを呼び出す。
今回使用するのは……最もパワーのある形態。
「コアチェンジ、ドッキングゴー!」
オレンジ色のアーマーを身に纏う。
常時発揮される超パワー、そして固い装甲を貫くための攻撃力を備えたアーマー。
「サタニクスガンダム!」
サターンアーマー。
瞬間的なパワーはマーズアーマーに劣るが、常時発揮できる馬力は総合的に見て上である。
しかし、
(やはり、消耗が早い……!)
今まで装備したアーマーの中で、段違いにエネルギーの消費が早い。
おそらく2分ももたない。
「だが、それが止まって良い理由にならない……!」
踵のローラーをアクティブ。
走り出し、一夏を追い抜いてラウラのISだったものに肉薄する。
「くっ……!?」
相手の武器はひとつだけ。
雪片弐型に似ている。
それを目にも止まらない速さで振られる。
(恐ろしい程正確な太刀筋……だが!)
正確過ぎる。
いっそ機械的な動き。
そして、一夏の太刀筋にそっくりだ。
散々チャンバラした身としては、なんとか付いていけると言った所。
しかし、そんなものに付き合う必要は無い。
「ブレーカードリル!」
右肩に装備されていたドリルを腕部に接続。
続いて甲高い音を立てて回転。
「この……!大人しくしやがれ!」
刀をドリルで弾く。
ラウラの態勢が大きく崩れた。
「ヴァイスプライヤー!」
ドリルを腕部からパージし投げつけ、左肩の大型ペンチを反対側の腕に接続。
「何がどうなってるか知らんが……一夏に、助けて貰え!」
飛んできたドリルを鬱陶しく弾いたラウラは、そのまま刀を持っていた腕を挟まれる。
「動くな……!」
そのまま背後に回り、空いている腕でもう片方の腕を抑える。
「行け!一夏ァ!!」
「応!!」
突っ込んできた一夏が、雪片弐型を一閃。
泥人形モドキとなっていたISを切り裂き……吐き出されたラウラを受け止めていた。
かくいう俺はヴァイスプライヤごと叩き切られ、零落白夜によって完全にシールドエネルギーが底を尽いたので遂にISが解除されてアリーナの床を転がる羽目になった。
「痛ってぇ!」
……結局、トーナメントは中止になったのだった。