鹵獲したグレードアトラスターの改造計画を考えるのだが果たして……。
今回、最新話(106話)にてグレードアトラスターが鹵獲されたことから、その改造案として個人的な案を書いてみました。
原作が必ずこのようになるという訳ではありませんので、その事についてはあらかじめご承知ください。
それではご覧ください。
日本国 東京 防衛省
東京都の霞が関にある防衛省。その中にある技術研究本部の会議室には技官を中心とした多くの人々が集まっており、とても重大な会議が開かれようとしていた。
本来は広く感じる会議室は、多くの出席者が居た事から狭く感じる。全員が集まったのを確認した後、会議は開かれた。
「それではこれより、鹵獲したグレードアトラスターの改造についての会議を行います」
重大な会議。それは鹵獲したグレードアトラスターについてだった。
「現在、艦内の調査と幾つかの装備などの撤去を行っています」
司会役の部下が資料を出席者たちに配る。配られた資料にはこう書かれていた。
1.グレードアトラスターの損害について
・上部構造物は多数の砲弾や対艦ミサイルが命中した為に、装甲化された司令塔以外のほとんどの部分が破壊された。特に艦橋は昼戦及び夜戦艦橋の両方とも崩壊している。
・船体に関してはバイタルパート区画以外に命中した弾により破壊された部分があるものの、それは全体の1割程度である。
バイタルパート区画に命中した弾による貫通弾はないものの、命中と爆発時の衝撃によって幾つかのリベットが緩んだり破損しているものが多数見受けられた。
・他に第1主砲塔も対艦ミサイルの命中によって故障している事が判明した。
2.グレードアトラスターの武装や装備の撤去について
・舷側に搭載されていた対空砲と高角砲は全体の半分ほどが取り外されており、使用可能なものは試験の為に厳重に保管されている。
・副砲や主砲は改造時の戦闘能力に大きな影響を与える可能性がある為、撤去は行われていない。
・艦内に残っていた偵察、観測用と思われる水上機が発見されており、破損したものや無事なものを合わせて5機ほど発見されている。現在、すべての機体の解析が行われている。
・損害の激しい上部構造物は調査が終わった場所から解体が行われており、全体の3分の1が解体済みである。
その文と同時に写真や図、グラフなども載っており出席者たちは、それらを食い入るように眺めていた。
「これは……」
一人の技官が資料に載っていた写真を見て呟く。大和型戦艦に似たグレードアトラスターの内部から見つけられた2機の水上機が零式水上偵察機と零式観測機に似ていたからだ。
「この水上機がやけに綺麗に見えるのだが……。この2機に関する情報は無いか?」
隣にいたもう一人の技官が尋ねる。
「現時点では写真以外はありません。ただ見てわかる通り、綺麗な機体が多かったのはレーダーを使った射撃管制をしていた事によって滅多に使用されなかったのが主な要因だと考えられます」
「なるほど……」
やけに綺麗に見えていたが、余り使用していないのならば辻褄が合う。
続いて別の男が手を挙げる。
「このグレードアトラスターについてなのだが、上部構造物の解体作業はどれ程掛かりそうなのだ?」
尋ねられた技官は手元の資料を見る。
「そうですね……。現時点では1か月から2か月ほどに解体が終わるものと考えられています」
実際にどれだけ掛かるかはハッキリと断言はしなかったものの、大まかな予想を伝える。それを聞いた一人の男は手を顎の下に当てる。
「ふむ……。つまり1、2か月ほどでグレードアトラスターの改造案を決めないとならないのか?」
「それに関しては、上から1か月ほどで決めるように指示が出ています」
全員が不快な顔をする。旧式の戦艦の改造案を1か月で決めるのは流石に難題であった。
「ほかに何か質問は無いでしょうか?」
グレードアトラスターについての質問が続く。本題の改造を行うまでに船体や武装の状態の確認の為の質問が続いた。
出席者からの質問の嵐が終った後、司会役の男が話し出す。
「それでは、本題の改造案に移りたいと思います。それでは順番によろしくお願いします」
事前に割り振られた順番に合わせて発表が始まる。
「まず最初に、弾道ミサイル戦艦案です」
資料を配っていく。資料にはこう書かれていた。
1.概要
・将来的に復活する可能性の高い魔法帝国への報復手段のであるSLBMの技術的試験に使う。
・グレードアトラスターの装甲の厚さを生かして、敵の攻撃に対する高い生存性を利用する事によって原子力潜水艦のバックアップとしての任務を行う。
・従来の護衛艦よりも他国に対して高い抑止力としての役割の任務を果たす事ができる可能性も高くなると考えられる。
2.主な改造内容
・第3主砲塔を撤去してパーベット部にSLBM発射管を挿入する。
・他に副砲塔を撤去してバイタルパート区画の穴を塞ぐ。撤去した部分にはVLSを挿入する予定。
・後部の水上機格納庫をヘリの格納庫にして、ヘリ甲板とはエレベーターで接続する。
・機関に使われている蒸気ボイラーはディーゼルエンジンに換装して燃費の面や人員の削減を行う。
・司令塔区画を設けてそこには、より厚い装甲を施す。
・舷側には速射砲や短魚雷発射管やSSMやCIWS等の設置を行い、不要な装備は全て撤去する。なお、前部の2基の主砲塔は残す予定。
・その他、船内の改造を行う事によって、ダメージコントロール能力を高めて生存性を高めると共に人員削減を行う。
なかなか斬新で魔改造の本気さが感じられる提案が出される。全員が資料内の内容に釘付けになる。
「続いて、揚陸指揮艦案です」
再び資料が配られた。
1.概要
・現在の異世界において大規模な軍事作戦を行う機会が増え、特に陸海空の全ての部隊の連携が必要な揚陸戦が起きる可能性が従来より高くなった。そして、その任務を達成する為に必要となる揚陸指揮艦の任務を行う船が必要と考えられる。
・また、揚陸戦以外にも海戦時における艦隊旗艦としても活動する能力を持った艦艇としての役割を待たせる。
・高い防御力から司令要員の安全性を確保できると共に大きな船体からも十分な指揮能力を持たせる事が可能である。
2.主な改造内容
・第1、第2主砲塔及び第1副砲塔を撤去し、主砲塔のあった甲板上に通信設備を設置する。
・第3主砲塔及び第2副砲塔も撤去し、甲板上にヘリ甲板と格納庫を設置して多数のヘリコプターを搭載できるように改修する。
・舷側部分にCIWSや短魚雷発射管など個艦防衛程度の武装を行う。
・機関は蒸気ボイラーからディーゼルエンジンかガスタービンエンジンのどちらかに換装する。
・船体を改造する際、船体各所の自動化によって人員削減を行うと同時に、装甲や隔壁も更に追加する。
これもまた斬新な魔改造案に全員が驚く。
「続いて、対地砲艦案です」
資料が配られ説明が始まる。
1.概要
・異世界において敵の地上戦力が非常に多いため、陸自だけで対応するのは非常に難しいと考えられる事から海上から地上への攻撃の行える艦艇に改装する。
・主砲での艦砲射撃以外にも最深部への攻撃の為の巡航ミサイルの搭載も将来的に考えている。
・また、格下の戦力の相手に対ても効率よく対処できるように考えている。
2.主な改造内容
・故障している第1主砲塔を修理し、全部の主砲塔が使えるようにする。
・一方で前後の副砲塔は撤去を行い、代わりにVLS等の装備を挿入し個艦防空ミサイルや巡航ミサイル等を発射できるようにする。
・艦尾にヘリ甲板を設置してエレベーターを艦内の格納庫に搭載することによって、対潜哨戒などの通常任務が行える他に、弾着観測なども可能な様にする。
・舷側にもSSMやCIWSや速射砲や短魚雷発射管などの武装を搭載し、通常の護衛艦程度の戦闘能力を有する。
・主砲管制用のFCSを搭載し非常時の艦橋側と砲塔側の測距儀も残す。
・機関をディーゼルエンジンかガスタービンエンジンに換装し、同時に船体の改造を行う事によって生存性を高める予定。
今までの案と比べた場合、そこまで驚くようなものでは無かったものの大きな魔改造には変わりはない。
感覚がマヒしていくのを全員が感じる。だが、これで終わりでは無かった。
「他にも案がありますので続けます」
他にも案が次々と出されていく。奇抜な案から比較的まともな案まで様々なものが発表される。
「以上の案で全部となります。それでは一旦休憩を入れて15分後に会議を再開します」
一度休憩が入る。全ての案を聞き終わった彼らの顔は、正気が失われた顔をしていた。
15分の休憩が終わり改造案の選択などが始まる。しかし、案は一向に決まる様子は無く、会議は迷走を始める。
迷走を始めた会議は結局、まとまる事は無く翌日に持ち越される。しかし、翌日の会議においても案は決まる事は無く、また次の日へと持ち越される。
会議においての案はなかなか決まらない。誰もかもがどの案にするかについて悩み、終わりの見えない会議で精神を削られていく事となっていった。
いかがでしたでしょうか?
作者の考えた案として「弾道ミサイル戦艦」「揚陸指揮艦」「対地砲艦」案を考えました。
個人的に一番良さそうと考えたのは「弾道ミサイル戦艦」です。
皆様はどれが良いでしょうか?
今後の活動について、作者の活動報告の欄も見てくれれば幸いです。