ソードアート・オンライン 黄金の林檎編   作:べれみが

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第6話

 ピロン、と頭の中に響く受信音。

 

 受信音が聞こえた直後に視界の端にメッセージアイコンが浮かぶ。

 

 誰かからメッセージが届いたようだ。

 

 アイコンをタップするとメッセージの差出人とその内容が表示された。

 

 差出人はクラインさん。

 

 メッセージの内容を要約すると、先日からチャレンジしている葡萄酒をゲットする為のクエストが、思いの外難航しているので集合時間に間に合いそうにない。

 申し訳ないが先に行っててくれないか、との内容だった。

 

 どうやらユウキにもクラインさんと同行しているスリーピングナイツの誰かから連絡が来たようで、話しかけようとしていたわたしと目が合う。

 

 

「アスナにも連絡きた?」

 

「うん、クエスト難航しているみたいだね」

 

「だねぇ。どーしよっか?」

 

「んー……とりあえずキリト君達が来たら聞いてみよう」

 

「オッケ〜」

 

 

 

 それから数分、集合時間が近くなると軽やかな音と共にいくつかログインエフェクトが発生する。

 

 ここをログイン、またはリスポーン地に設定しているのは限られた友人のみ。

 

 したがって誰がログインしたかは予想できる。

 

 まずログインしたのは風妖精族(シルフ)のリーファちゃん、次に工匠妖精族(レプラコーン)のリズと猫妖精族(ケットシー)のシリカちゃん。少し遅れてシノのん。それぞれ種族が違うため(シリカちゃんとシノのんは同じ猫妖精族でも色違い)リビングには色とりどりの妖精たちが一堂に会する。

 

 それぞれと挨拶をしていると、少し遅れてログインするプレイヤーが1人。

 

 そのプレイヤーの髪は影妖精族(スプリガン)特有の艶やかな黒。

 

 そして身に纏う衣装も全てが黒で統一されている少年。

 

 少年はゆっくりと瞼を持ち上げる。

 

 虚ろな焦点が次第に定まると数回瞬きする。

 

 こちらを視界に捉えるとわずかに微笑み口を開く。

 

 

「やぁアスナ」

 

「こんにちはキリト君」

 

「結構揃ってるな。ん? そういやクライン達はまだなのか?」

 

「クラインさん達は昨日の葡萄酒クエで遅れてるから先に行っててってメッセージ来てたよ」

 

「お、了解。んじゃ先に行ってますかね」

 

 

 丁度間が空いたタイミングでわたしの後ろからひょこっと顔を出したユウキがキリト君に声をかける。

 

 

「こんにちはキリト! イグシティには先に行くことにしたの?」

 

「おっすユウキ。まぁな、先に行って色々と散策してようぜ」

 

「いいねぇ! ボクもついてく! アスナもね!」

 

「仕方ないなぁ〜」

 

 

 そう答えながらも内心ではやはり楽しみしている自分がいるんだよなぁ。

 

 するとコソコソ話をするようにキリト君とユウキは近寄り声を潜める。

 

 

「くっくっくっ、どんなゲテモノがあるか楽しみだぜ……」

 

「うっはっはっ、ゲテモノ巡りしちゃおうか……」

 

 

 ……。

 

 前言撤回。

 

 2人のあの会話を聞いてワクワクする人は多分いないと思う。

 

 

「普通に散策するからね、キリト君、ユウキ」

 

 

 分かってるよねオーラを放ちながらニコリと微笑む。

 

 2人はわたしの顔を見るとびくりと肩を震わせて

 

 

「わ、分かってるって冗談だよ」

 

「ウンウン、ウソダヨホントダヨ」

 

 

 目が怒涛の勢いで泳いでいる。

 

 ユウキに至っては嘘がとても下手なので、汗をダラダラと流して発言がカタコトになっている。

 

 そんな姿を見ていると何故か少し可哀想にも見えてきてしまったので

 

 

「……ほどほどにするならいいよ」

 

 

 ついついそんなことを言ってしまう。

 

 するとユウキは満面の笑みを浮かべてガバッと抱きついてくる。

 

 

「やったー! アスナありがと!」

 

 

 こういう所が憎めないんだよなぁ……。

 

 それにしても最近はキリト君の影響を受けてる部分が多い気がする。

 

 確かに同じ片手剣士で同じく黒や闇色が好きで他にも共感している部分が多い。

 

 近頃はなにやら2人でソードスキルの研究をしているし。

 

 べ、別に羨ましいとかそういう事はない。

 

 本当に。うん。

 

 けれど似なくていい部分まで似ている気がする。

 

 例えばゲテモノ関連とか、あとゲテモノ関連とか。

 

 じーっとジト目でキリト君を睨んでいると、その視線から逃げるように移動してみんなに向けて大きめに声をかける。

 

 

「そ、それじゃクライン達は遅れるそうだから一足先にイグシティに行こうぜ」

 

『おーっ!』

 

 

 皆の同意を得たキリト君は頷き、いよいよ出発する。

 

 

 

 アインクラッドからイグシティには直接飛んでいく他に転移門を使って行く方法があるが、こちらの方が断然早い。

 

 主街区に到着して転移門広場までの道のりを歩いていると、ユウキがスキップしながら嬉しそうに口を開いた。

 

 

「あー! ワクワクしてきた!」

 

「初めてのイグシティだもんね」

 

「うん! 最初はどこ行こうかなぁ」

 

 

 顎に人差し指を当てながらこれからの予定を考えている。

 

 

「アスナはどこに行きたい?」

 

 

 突然そう聞かれてしばし考える。

 

 行きたい所はいくつかある。

 

 我が家のインテリアに追加したいものあるし、最近は来客も増えたから食器やカトラリーも新調したいのでそれ関連のお店に行きたい。

 

 装備等は満足しているのでそれ以外で戦闘時に役立ちそうなアイテムを探してもみたいので色んなアイテムショップもまわりたい。

 

 あとは美味しい食べ物屋さんがあれば行ってみたいし、イグシティの観光スポットにも行きたい。

 

 ……すらすらと行きたい所がこんなに出る自分も、かなりこの日を楽しみしていたんだと改めて思う。

 

 これだけ楽しみしていたのは行きたいところがたくさんあるのもそうだけど、やっぱりユウキやキリト君や仲間たちと行けるのが大きな要因だと思う。

 

 それならやっぱり一番に行きたい所は

 

 

「行きたい所は……ユウキが行きたい所に一緒に行きたいかな?」

 

 

 自然とそんな言葉が口から出た。

 

 それを聞いたユウキは少し照れくさそうに

 

 

「おおぉ……う、嬉しいこと言ってくれますな! そして責任重大でもありますな」

 

 

 変な口調になったユウキはむむむ、と唸る。

 

 

「ふふっ、それじゃぁ後は着いてから考えようか」

 

「んー、そうだね!」

 

 そして目の前の転移門をへと足を踏み入れる。

 

 

『転移! イグドラシル・シティ!』

 

 

 目的地を告げると、眩い光と浮遊感が身体を包み込む。




こんばんは、べれみがです!
ここまで読んでいただきありがとうございます!

もしかしたら明日は投稿出来ないかもしれないです、すいません。

来週からはTwitterでも稼働しようと思っていますのでフォローよろしくお願いいたします!

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それでは!
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