今回、遅くなったのには理由がありまして…前話投稿後、執筆が全く進まなくなってしまい、投稿意欲も、創作意欲も湧かずに文が書けない状態が続きました。
頂いた感想などは、全て目に通してありますが、返信も全くできなくて申し訳ありませんでした。
このような未熟者の作品ではありますが、これから月2くらいを頻度に投稿していこうと思いますので、よろしくお願いします。
開かないはずの石室を抜け、ひたひたと素足を晒しながら通路を歩いていく。
そしてなにかの気配と、暗闇で満ちた廊下から赤い瞳がこちらを覗いていた。
それを見た瞬間に、瞳の主に向かって飛びかかり、虚空からナニカが集まるようにして構成された黒剣を叩きつけようとする。
それを予知していたかのように、容易く弾き、腕力にものを言わせて吹き飛ばすスカジ。自らが吹き飛ばされた事を見て笑みを浮かべる大男。
スカジは大振りに構えると、黒刃一閃。
当たれば筋肉で護られた胴を容易く両断するであろう横薙ぎの一閃を男は黒剣で防ぐ。
切りつけ、防がれ、攻防が終わる気配は微塵もない。
『
「なんて言ってるのか、分からないけど、あなた強いわね。」
彼らみたいと呟いた彼女に対して、その大男はもう夢中だった。
矮小な人は、ちょっとの事で死んでしまう。
その矮小な存在が、こうも弾き反撃してくるのだから。
ロドスの地下3階の廊下に剣戟が木霊する。
それが後に七不思議のひとつに数えられることになる。
剣戟の音は、夜が開けるまで響き続けた。
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「ふわぁぁ…」
欠伸をしながら、端末を操作し、食堂目指して廊下を歩いていく。
(やばい…完全に寝坊した腹減った…)
自分直属の部隊のために、ほぼ徹夜でとあるレポートを作成していたために朝の10時まで寝てしまった…
レポート作成のために、クロージャと呼ばれていた子から変換プラグを作ってもらったのは正解だった。
そのおかげで、端末内のデータ…もといSCiPに関する情報をそのままレポートとして作ることが出来た。
(作ったはずのない物まで作られてたけど…寝ぼけて書いたんかな…)
「接触禁止マニュアルは作成されてたし、明日の朝会に職員全員に渡せば良いか…」
「あら、ザイじゃない。」
「おはようございます、スカジさん。」
………?
メモ帳を開きながら、どこかうつらうつらしている。
「スカジさん、もしかしてあまり寝れてないんじゃ…」
「えぇ、昨日の夜はずっと模擬戦に付き合ってたから寝れてないよの…少し手こずったけど。」
(スカジさんが手こずったって…相手は誰だろう…)
思い当たる節を探したが……
相手になるようなオペレーターが思いつかない。
「あなたも疲れてるみたいだけど…たまにはしっかり休みなさい?」
「……わかってます、けど、今立ち止まってなんか居られないんです。今が1番重要な時期なんで。」
「…そう…。」
あかん、空気が死んだ。
「そういえば!?」
昨日の夜に騒音騒ぎがあったと話を切り出そうとしたが、食堂入って目の前の光景に認識が追いつかなかった。
視線の先には、全身にタトゥーが入った大男が、これまた豪快にピザを貪っていた。ペロリと平らげるとコーラをがぶ飲みして、またもう1枚食べ始める。
「スゥーーーー(クソデカため息)なんでお前までここに居るんだよアベルゥ!!」
『
「日本語で話せよ。お前日本語喋れるだろ?」
「まだ日本語は慣れていないんだがな…」
発音を思い出すかのようにして喋る大男、そいつをスカジさんは訝しげな目で見つめて居た。
「ザイ、結局このアベルって人なんなの?」
「端的に言うとソイツもSCiPですよ。不死身で死んでも生き返るんです。」
お構い無しに今度はシーフードピザを取り出したアベルを指しつつ、同じテーブルの空いている席に座る。
「お前もこっちに来たのか。全く、ここで暴れるなよ。」
「問題ない、そこの女。スカジと言ったか?後でまた手合わせ願いたい。」
面倒くさそうな顔をするスカジさんに大声で笑うアベル。
この2人は会わせたらダメな組み合わせだったのかもしれない。
頭痛の種が増えた事に悩みつつ、朝食をとることにした。
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SCiPに関する報告書 製作者 SCiP管理責任者 ザイ
この世界で見つかるSCiPについて、情報の出処は明かせませんが、どうやら私が元いた前世界から流出しているようです。
それまで普通だった物を上書きし、発生する事も確認されました。
それについては、ゼロから作るアップルパイのレポートを参照してください。
それと関係各所への連絡を徹底してください。
手遅れになる前に、SCiPは回収し、収容します。
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申請書
1.SCiPの安全な確保の為、光学操作系のアーツが使用可能なオペレーターを編成予定の私の部隊に編入させてください。
目視で効果を発揮してしまうSCiPへのカウンターとしてです。
申請は許可されました。重装オペレーターの二アールを異動させます。
2.補助オペレーターのスズランを同じく我々の部隊に編入する許可を。SCiPが敵対的だった際に、鎮圧するのに効果的なアーツ能力を行使可能なためです。
彼女の護衛として、SCiPのアベルを配置させます。
申請は許可されました。 後日、SCiPのアベルに関するレポートを提出するように。
3.限定的なSCiPに使用許可を申請します。
申請は限定的に許可されました。
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先日求められたレポートです。要確認のほど、よろしくお願いします。
《SCP-076- "Able" ("アベル") Object Class: Keter》 に関するレポート
SCP-076(以降アベルと表記する)は、現在ロドスアイランド最下層に収容されている立方体の石室(SCP-076-1)の内部に存在する棺内に安置された男性の遺体(SCP-076-2)です。
なお、石室の扉は鍵で封印されており、外側から開けることは不可能です。
SCP-076-2は基本的に不死身です。
殺害しても、棺内で復活するため恒常的な監視が必要となります。
当SCiPは、前世界では人類に対して敵対的でしたが、現世界においては、オペレーター《スカジ》との戦闘で殺人欲求は抑制されているようです。
現在、ザイとの契約により確保、収容部隊である設立予定の特殊行動部隊に編入予定。
設立予定の特殊行動部隊は、前世界における関係者と精神汚染に著しく耐性のあるオペレーターによって構成されています。
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『スカジの手帳』
使い古された、いつから使っているのか、スカジも忘れている。
元々誰かから譲り受けた物のようだが…
【古き人は世界を繰り返した…何故だ…?】