とある雇われ職員の記録   作:trois

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どうも皆さん、troisです。
ようやく検査結果出たので、書き上げました。
ちなみに陰性だった事をここに記します…

それとこの場を借りて感謝を。
『書記長は同士』様、アドバイス等のご意見ありがとうございました!
その他大勢の、評価してくださった読者の皆さん。
これからも、「とある雇われ職員の記録」をお楽しみください。


依頼 世界を越えて

「これから朝会を始める。まず最初に、新しいオペレーターの紹介だ。」

壇上に上がり、1回会釈をして自己紹介する。

「今日からここで働かせていただくザイと言います。よろしくお願いします。」

 

ケルシー女医が全員を軽く眺めて、手元の資料を読み上げる。

「続けて全員に覚えてもらう事がある。トランスポーターの各位は知っているかもしれないが、ここ最近報告が相次いでる特異性を持った物を以降『SCiP』と呼称し、発見した場合は報告、可能なら回収して欲しい。だが絶対にそれに触るな。見て異常性が確認された場合は、目視も避けるように。」

 

 

「ここまで何か質問は?…ん、ノイルホーン、なんだ。」

仮面を被った若い男が手を挙げたのを見て、ケルシーさんが問いかける。

 

「発見し回収したとして、回収した物はどうするんです?」

 

ケルシー女医がちらりと目配せしてきたので、頷き代わりに答える。

「ケルシー女医に変わり、私が回答させて頂きます。それらの回収されたSCiPですが、私が適切に管理し保管します。恐らく、この世界でそのノウハウを持っているのは私のみですので。」

 

それを聞いたノイルホーンは仮面の上からでもわかる訝しげな表情をする。いや、ノイルホーンだけでは無く、数人のオペレーターが何を言っているのか分からないとでも言うような顔で、こちらを見ていた。

「あなた一人でそれを管理するんすか?それにノウハウと言っても、つい最近存在が確認されたばかりの代物だろ?なんで知ってるんですかね?」

 

(ここら辺でネタばらしとしようか)

「それは…本来であれば、私の所属していた組織が管理しているはずの物でした。ですが……皆さんはパラレルワールドという概念を知っていますか?分からない人に向けて解説させてもらうと、パラレルワールドとは、その世界と似ているが、微妙な差異がある世界が無数に存在しているという考えです。」

 

「それが何の関係があるんです?」

 

「端的に言えば、私はこの世界とは異なる世界からやってきました。そして、この世界に『SCiP』をばらまいてしまった原因でもあります。」

 

その言葉を発した瞬間、数人から殺気が放たれる。とは言っても、その程度じゃ何も感じないが…気の良いもんじゃない。

 

「私はそのパラレルワールドで、とある組織の回収部隊に所属していました。その組織を『SCP財団』と言います。その組織は、『SCiP』を回収し保管、もしくは秘匿する秘密結社でした。そこで、俺は色々なSCPを回収していたのですが、ある時厄介な代物が流れ着きました。」

 

蘇るは苦い記憶。仲間が切り刻まれ、潰され、溶かされ、吸い尽くされ、へし折られ、貫かれても、先に進み続けたあの場所。巨大な1つの墓標。異世界からの厄介物。

 

「それが…良く似た世界からのSCP収容施設の『SCPー1730』、通称サイトー13が私たちの世界に現れたんです。その施設は何かが起こった後で、特別収容プロトコルが半壊して、中では多くのオブジェクトがひしめき、サイトー13を飛び出して世界を恐怖に染め上げる1歩手前だったんです。」

 

若干の焦りが見え隠れしたホスト風のオペレーターが質問を投げかけてきた。

「待ってくれ、そのSCiPって言うのはヤバいモノもあるのか?」

 

「えぇ。回収された、もしくは発見されたSCiPには、ランク付けがなされます。そのランクは大まかに分けて3段階。」

 

危険な物から順に

 

Keter 財団職員および全人類に対する敵対的な脅威であり、現時点での財団の技術では完全な収容が困難もしくは不可能なもの。

 

Euclid 性質が十分に解明されていないもの、知性や自律性を持ち本質的に挙動が予測不能なもの。

 

Safe 現時点で確実な収容方法が確立されているか、故意に活性化しないかぎりは異常性を発現しない。

 

「収容されていたKeterには、下手すればKークラスシナリオを引き起こす可能性のある物もありました。」

 

 

「そのKークラスシナリオって…」

 

 

「人類、または世界の終焉です。幸い、サイトー13に収容されたままで済みましたが…問題はここからです。」

 

俺が、あの世界で消えるきっかけ。いや、それが俺のtaleの始まりか。

「このサイトー13が私の世界に来たのは、スレッシャーという大規模装置が原因でした。そしてそれを起動したまでは覚えているんです。気づけばこの世界に私は存在していました。」

 

「私がスレッシャーを起動してしまったがために、この世界にオブジェクトがばらまかれてしまった…んだと思います」

 

「…つまり、汝は自らの尻拭いを手伝って欲しいと。そういう事か?」

(なんだこのイケメン……って見てる場合じゃ無かった。)

 

「えぇ、その認識で構いません。さっきの答えを聞いてもいいですか?ケルシー女医、これは俺から…いや、最後の財団職員としてのロドスアイランドへの依頼です。」

 

覚悟は決まった。だけど一人じゃ守りきれない。なら、誰かに手伝ってもらえば良い。

(目の前は真っ暗。財団のような情報収集力もない。人員も足りない。()()()()()()()。それくらいで、自分の責任を投げ出すつもりは甚だ無い。この程度なら、まだ恵まれている。)

誰も死なせない。もう二度と、目の前で誰かが死ぬのはもう嫌だ。

 

「目的はSCPオブジェクトの共同回収、及び保管場所の提供。見返りは、世界の安寧、鉱石病治療の為の協力研究。それに伴う限定的なSCiPの使用許可です。」

 

 

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