転生したらまたしても猫娘だった件   作:炎の剣製

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更新します。


NO.010 ドワルゴンに向かう道中

 

 

 

リムルがランガの上に乗って、リグルやゴブタなど計五組の人数含めてドワーフ王国に出発した。

それでイズクはいまどうしているのかって?

なんと嵐牙狼族達と同スピードの走りを見せながら並走していた。

 

《おーい? イズクー。そんなペースで大丈夫かー? スタミナ切れとか起こしていないかー?》

 

と、リムルが牙狼族のボスを捕食したことにより覚えたスキル『思念伝達』を使ってイズクに話しかけてくる。

そんなリムルの心配な声に対してイズクはというと、

 

《大丈夫だよ。なんか前世からの努力とかは引き継がれているみたいでこのくらいの走りなら平気みたい。それに進化してから活力がみなぎっているっていうか……》

《あー……ランガ達もそんな事言ってたな》

《うん。それに生前は山岳救助チームに入って人助けとかもよくやってたからこのくらいの森の移動ならまぁそんなに苦じゃないかな?》

《なんでもやってたんだなー……》

 

それでイズクは思い出す。

ワイルドワイルドプッシーキャッツのもとで本格的に訓練をさせてもらって、夏の炎天下、冬の雪山、湿地帯のぬまぬま、岩山のごてごて……およそ普通の人が訓練するのにはふさわしくない場所で様々な訓練をしていたことを……。

跳んで跳ねて転がって……、個性『許容量キャパ限界を無くす』と『オートヒール』がなかったらおそらく死に絶えていたのではないかと思う程の過酷なもの。

 

《無限成長でスタミナも体力も自力が上がっていくからお得ってわけか》

《そうだね》

《いいなー……羨ましい。俺もそういうの欲しいよ》

《欲しいからって僕を捕食しないようにね?》

《……心にとどめておきます……》

 

なにやらリムルの反応が少し遅れたことに対してイズクはすこしばかり恐怖を感じていた。

まさかね……という疑問がぬぐえないが、リムルもそこまで愚かではないだろうとイズクも納得していた。

 

【イズクー。私がリムルが変な動きをしない様に見張ってるね。そんなことはないと思うけど捕食されるのはヤダもんね】

『そうだね』

 

フォウともそんな会話をしながらも走るスピードは緩めないイズクであった。

そんな時にリムルがある事を聞いてくる。

 

《そういえばさ。今俺って結構暇を持て余しているからイズクにいくつか移動しながらも聞いておきたかったんだけど……》

《なにー?》

《さらっとだけど、イズクの過去は聞いたじゃん? でも、なんか気になるっていうか、なんだっけ? 『猫又の怪』だっけ? なんかそれ聞き覚えがあるんだよな》

《え? そうなの……?》

 

リムルの思わずの言葉にイズクは一瞬スピードが落ちるがすぐさまに元に戻る。

それでリムルに詳しく聞いていくと、

 

《なんか俺が死ぬ前にもそんな都市伝説がたまにテレビの特番とかでやっていたことがあったんだよ……》

《それって……》

 

それでイズクは目を見張りながらもとある考えをしていた。

それから考えうる可能性としては、

 

【まさかリムルの世界はイズク達の世界の過去なのかな……?】

 

フォウのその予測にたいして、イズクが出した考えは『わからない』であった。

 

《俺はもうこうして転生してきちまったから元の世界に関してはどうこう言えないんだけどさ。多分だけど俺の世界とイズクの世界は繋がってるんじゃないかなって……。

それを確かめるすべはいまんところ、他の異世界人と出会うくらいしかないと思うんだけど、多分だけどイズクは時間軸事巻き戻しでこの世界に転生してきたんじゃないかって思うんだ》

 

リムルの考えは案外的外れでもないかもしれない。

イズクとフォウは思わずその考えに賛同するかもしれないくらい説得力があった。

 

《フォウが『猫又の怪』で活躍していたのは超常が起きる前からだからあり得ない話じゃないのかな……? でも、だとするとリムルさんの世界はいずれ超常によって生活が激変する未来が約束されているのか、はたまた超常は起きない並行世界という可能性も捨てきれないね》

《そうだな。まぁ俺もイズクももうこうして前の世界とはもう関わりはないんだから本当にただの暇つぶしな考えだな》

《そうだね……いまはこれからをどうするか考えていかないといけないしね》

《だな。そう考えると俺達って結構運がいいのかもしれないな》

《というと……?》

《だってさ。ヴェルドラでさえ俺のような転生をしたものは見たことがないって言っていたのに、すぐにイズクに出会えたんだからさ》

 

リムルのその多少気持ちが弾んでいるかのような言葉に、イズクも納得できたのか、

 

《この出会いにもなにかの縁があるのかもね。大事にしないとね》

《おう。そうだな》

 

そんな話をしていたら、フォウがイズクにとある話をしてきた。

 

【イズクー。なんかまた無意識なんだろうけど妖術でスキル『思念伝達』とスキル『分割思考』を覚えたみたいだよ。きっとリムルと会話をしながらも意識を割いて走っていたから最適化するかのようにイズクが願ったんだね】

《えっ……なんか軽い感じに言っているけど相当なものじゃない?》

【イズクも自分で言っていたじゃない? その場その場で妖術は増やしていこうって……。なにごとも自分の発言には自覚を持たないとね♪】

 

どこか楽しそうなフォウの言葉にイズクは無意識とはいえそんなにポンポンとスキルを作ってよいものかと悩んでいた。

そして会話が途切れたのを不思議がってかリムルがまた会話をしてきて《どうした……?》って聞いてきたのでイズクは苦笑いを浮かべながらもさきほどのフォウが教えてくれた内容をリムルに話すと、《やっぱり羨ましい……》とこぼしていたとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんかイズクって無意識とはいえ結構自分を最適化していくのに余念が尽きない性格なのかもしれないな。

無意識に『妖術』を使って、新たに『思念伝達』に『分割思考』とか覚えて、なんていうか本当にその場その場で増やしているよなって感じ。

生前の功績とかでここまで融通が効いてくると羨ましいを通り越して呆れてしまうかもしれない。

『妖術』と『無限成長』がいい具合に連動していて成長し続けるっていうのは、いったいどこまで成長するのか考えただけですわ恐ろしい……。

だってさ?『妖術』を無意識に使ったって事はその分の新たにスキルを覚えるための魔素も使用したわけだからさらに魔素量が増えたわけだろ?

大賢者。そこんところどうなってる?イズクの魔素量はやっぱ増えてんの?

 

【解。個体名:イズクの魔素量は使用分の魔素量のぶんが倍に膨れ上がりもとの魔素量に足されました】

 

やっぱなぁ……。

イズクは確実に総合的に強くなっていっている。

生前の経験もあるから戦闘経験値に関しても事欠かさないだろうし、ホントどうなってんの? この娘……。

これであとは身体的成長も全盛期になれば向かうところ敵なしなんじゃね?

イズクと会話する前にリグルと話していた魔王とやらとも張り合えるくらいになったらすごいよなぁ……。

 

そんな事を思っていた時であった。

 

「我が主イズク! そろそろ夜も更けてまいりました。ここいらで休憩と野営の準備をいたしましょう」

「わかった!」

 

ランガがそう言ってイズクの事を止めていた。

うん。休憩もいいよね。

それに明日はイズクをランガに乗せて休ませるか。別に急激な成長速度が怖いって訳ではないぞ?うん。

 

その夜の事であった。

 

ドワーフ王国に行ったことがあるというゴブタにどういう国なのか聞いてみたら、

 

「はい!ええっとですね。ドワーフ王国は正式名としましては『武装国家ドワルゴン』っていうっす」

 

なんでも天然の大洞窟を改造した美のある都らしい。

それに聞くとドワーフ以外にも人間……そしてなんとエルフとかもいるって話じゃないか!

俄然やる気が出てきた。

でも、そんな俺の考えが見透かされていたのかイズクが、

 

「リムルさん。顔がにやけている気がするよ……?スライム顔だからよくわからないけど……」

「そ、そんなことないよー?それより俺達魔物がそんなところに入っても大丈夫なのか?」

「そこは心配いりません。ドワルゴンは中立の自由貿易国家……ですので王国内での争いは王の名に於いて禁じられています」

 

リグルの会話を聞きながらもエルフの事を考えていたが、次の言葉である『噂ではこの千年、ドワーフ王率いる軍は不敗を誇っている』という内容に目が飛び出そうになった。

それはイズクも同様のようで、

 

「そんなに不敗を保っているのはすごいね。相当の実力者だらけなんだね」

「おそらくですが……それだけの権力も持ち合わせていますので陥落は絶対とは言いませんがしないでしょう」

「だろうね」

 

それでうんうんと頷いているイズク。

多分だけどどの程度の戦力があるのか考えているのかなって俺は感じた。

イズクって治癒という能力があるけど、その反面能力的に前線部隊タイプだもんなー。

 

「それじゃとにかく、こちらから手を出さなければ大丈夫かな?」

「ええ。トラブルなんて起きませんよ」

 

と、リグルが言い切っているよそに、ゴブタが小さい声で「前に行った時は門の前で絡まれた」というのは聞き逃さなかったぞ。

 

「ゴブタ君。それはフラグだよ」

「フラグ……? それってなんすか? イズク様?」

「あっ……えっと、あはは。聞かなかったことにしておいて」

 

イズクは正直だなぁ。

まぁ俺も脳内でツッコミは入れていたけど。

このフラグが回収されない事を切に祈りたいものだね……。

まぁ、こういう時に限って効果は発揮するというのがフラグだから今のうちに諦めておくのもいいかもな。

 

 

 

 

そして一同はもう一走りして丸三日経過してようやく武装国家ドワルゴンの洞窟がある山脈へと到着したのであった。

 

 




普通の喋りは「」
思念伝達は《》
フォウと大賢者は【】
イズクがフォウと話すときは『』

にします。
それと今話からイズクの地の文は出久ではなくイズクに固定します。




それでは、ご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。
贅沢は言いません。ですので厳しい意見でも構いませんので感想を下さればそれだけやる気に繋がりますのでよろしくお願いします。
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