転生したらまたしても猫娘だった件   作:炎の剣製

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更新します。


NO.005 ゴブリンの村とスライム

 

 

「(ふむ。でも、魔物の村を捜索と言ってもまず村がどこにあるのわからないんだよね)」

 

出久はこの広大なジュラの森の中をひたすら歩きまわっていた。

道中でなぜか襲ってくるトカゲやら蛇やらクモやらの巨大なモンスターがいたが穏便に『全言語理解&服従』を使い、怯えさせて退散してもらった。

オーラを駄々洩れにさせれば近寄ってこないだろうが、トレイニーの言いつけであまり力は出しすぎないようにと言われているので出久は素直にその約束を守っていた。

 

しばらくするとなにやら貧相ではあるが小さい村のようなものが見えてきた。

そこではなにやらゴブリンらしき者たちが一か所に集まって誰かにお辞儀をしている姿が見えた。

 

『ねぇフォウ。なんかあのゴブリン達、見間違いでなければスライムにお辞儀していない?』

【そうだね、イズク。少し魔力の気配を解いて話しかけてみる?】

 

フォウの提案で出久は魔力を少しだけ滲みださせると途端にゴブリン達はこっちへと振り向いてきた。

 

「グガッ! 何者だ!!」

「まさかもう牙狼族が来たのか!?」

 

と、もう大騒ぎになっていた。

 

「なんかタイミング悪かったかな……?」

【うん。少し勘違いしているみたいかもね】

 

それで出久はまたしても『全言語理解&服従』を使用しようとしたが、それより前に、

 

「落ち着け! お前たちはこの俺が守るっていったろ! 任せろって!」

 

そんなどこか中性的な声が聞こえてきたので、とりあえず出久は構えを解きつつも、

 

「あのー、すみません……なにかお取込み中でしたか?」

 

と、下手に出てなんとか話し合いに持って行こうとしていた。

ただ。

 

「猫娘!? かあいいなー……」

 

ゴブリンの群れの中から出てきたスライムの一声がそんな反応だったために出久は「うーん?」と首を傾げる事態になっていたとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺、スライムのリムル。

なんやかんやあってって言ってもいろいろあったんだけど、この世界に転生してきて暴風竜ヴェルドラとも友達になったあとに、ヴェルドラの封印を解除するためにヴェルドラを胃袋に捕食したあとにスキルを磨いて、封印の洞窟を出た後にこうしてゴブリン達の事を守るって約束したばかりなのに、なんの気配もなく突然小学生くらいの子供の猫娘が現れたので興奮していた。

だってさー、つぶらな瞳に少し素朴っぽい感じの顔立ち、それでも可愛くて猫耳がチャーミングであり、二股に分かれた尻尾もゆらゆら揺れていてカワイイ!

っていうかさ、大賢者。

なんでこんな子が近くにいるのに知らせてくれないのさー?

 

【告。敵意が感じられなかったために知らせるほどでもないと】

 

そーかい。

ま、敵意がないなら好都合だな。

この子もはぐれちゃったのかな?

できればゴブリン達と一緒に保護したいと思うんだけど。

 

【解。魔素量がかなり強力と見られます】

 

そうなの?

ま、いいけどさ。

それじゃ話しかけてみるか!

 

「あのー……」

 

おっと!

俺としたことがあちらから先に振られてしまうとは。

それじゃ改めて、

 

「俺、スライムのリムル。悪いスライムじゃないよ?」

「ぷふっ……」

 

おや? なにやら意外な反応。

ここで笑いが起こるという事はなにやら知ったようなフレーズでも知っているのかな?

 

「笑うことないじゃないさー」

「あ、ごめん! なんか言い草がちょっとユーモアあって面白いなって。それと自己紹介してもらって悪いと思うんだけど僕、まだこの世界では名前はないんだ。

だから今は『イズク』って名乗ってるの」

「イズクちゃんね。わかった! よろしくな!」

 

それにしても、イズク、ね……。

なんか日本人みたいな名前だな。

あとで二人っきりで話し合ってみるのもいいかもしれない。

もしかしたら俺と同じで転生者かもしんないしね。

 

「うん。ところでなにやらお取込み中だったみたいだけど、よかったら聞かせてくれないかな。なにか手伝えるかもしれない」

「そうだなー……村長。どうする?」

 

村長を呼ぶと俺の近くまで寄ってきて、

 

「リムル様、構いませんぞ……。もう敵意がないのは分かり切っておりますから。イズク殿、よろしくお願いしますぞ」

「うん。村長さん」

 

それから俺とイズクちゃんは村を案内されているんだけど、どうやら怪我人がいっぱいいるらしくて……話によると牙狼族にやられたらしく、唯一ネームドのリグルという奴もやられてしまったらしい。

どうやらそいつのおかげでなんとか村を防衛できていたとかで……。

うーん、死んじゃったのか。

それじゃ今生きている奴らだけでも治してやるか!

 

そう提案しようと思ったんだけど、

 

「あ、それじゃ僕が癒そうか?」

 

なに……?

イズクちゃん、癒しのスキルでも持っているのかい?

でも、まだどうか分からないから。

 

「待った、イズクちゃん。まずは俺の方から試してもいいか?」

「試すって?」

 

首を傾げるイズクちゃんはやはり可愛いなぁ……。

っと、呆けている場合じゃないな。

俺はすぐさまスライムボディを使って怪我人の一人に覆いかぶさって体の中に入れて回復薬をぶっかけた後に外に放り出す。

すると思った通りに怪我人であるゴブリンは目を回してはいるが完全回復していた。

 

「わぁ……。すごい回復力だね。なにをしたの?」

「フフフ。まだまだ内緒さ。でもこれで俺も試すことができたんで、お次はイズクちゃんの力を見せておくれよ」

「うん。いいよ」

 

それでイズクちゃんは足とか腕とか欠損している子達の方へと向かっていった。

あれ……俺の回復薬でも治るのかな?欠損再生って高等なもんじゃね?

だけど、そんな俺の不安とは裏腹にイズクちゃんから優しい光が溢れてきて体の傷はもちろん欠損していた腕もまるで逆再生かの如く生えてきた。

すごっ!?

これもスキルなのか!?

 

「あ、あれ? 腕が!!」

「よかったね」

「ありがとうございます!」

 

すごいなぁ……。

こんな高等なスキルを使ったっていうのに全然疲れている様子じゃない。

 

【告。治癒のスキルを使ったと同時に彼女の魔素量が上昇しました】

 

はっ!?

そんな簡単に魔素量って増やせるの!?

普通使ったら減るもんじゃないのかなぁ……。

なにか、特殊なユニークスキル持ちなのかな?

あとでどんなスキルか聞いてみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから出久は治癒を続けていき、全員癒し終わる頃になにやら先ほどリムルが命令しておいたのか木で作られた柵のようなものが村の入り口に作られていた。

 

「これだけで平気かな?」

【少し不安だよねー】

 

出久とフォウは対策的に不安を感じていたのだが、

 

「だいじょーうぶ!えい!」

 

するとリムルがなにやら糸のようなものを出して柵に絡めていく。

 

【糸のようだね。しかも粘着性やら鋼製やら二種類の糸みたい】

 

フォウのその知らせに出久はなるほどと、相槌を打った。

とりあえず創造はしないですみそうだなと感じていた。

あまり力は見せない様にと言われているから今は様子見だねと出久は一歩下がって見ていた。

 

「リムルさん。この糸、どうやってるの?」

「うん。洞窟で蜘蛛から奪ったんだ」

「奪った?」

「うん。俺のスキルでね」

 

それを聞いて出久は少し微妙な気分になっていた。

奪うというとどうしてもオールフォーワンを連想してしまうからだ。

 

【イズク……このリムルっていうスライム。少し当分の間観察している方がいいと思う。まだ善性なのか悪性なのか判断しずらいから】

『そうだね……悪に染まっているとしたら退治しないとだしね』

 

リムルとしては別になんてことないのだが、こうして出久達からは少しばかり警戒されるようになっていた。

そもそも奪うと言ったら問答無用のイメージがあるために、出久としてはあまり容認できない感じだろう。

 

 

 

 

リムルと出久。

二人の思惑はこうして少しズレつつも時間は流れていき、夜になって狼のような遠吠えが響いてきた。

 

「さて、迎え撃つぞ!」

「「「「「おー!!」」」」」

 

出久、リムル……両名にとってこの世界に来て初めての集団での戦いが幕を開けようとしていた。

 

 




奪うと言ったらどうしても出久は連想しちゃいますよね。


あと、リムルは思っている事をそのまま。
出久は地の文章で行こうかなと思うんですけど、どうでしょうか?




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