転生したらまたしても猫娘だった件   作:炎の剣製

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更新します。
前の話でランガのくだりを修正しました。
他の牙狼族は名付けしてませんでしたね。


NO.009 リムルの目覚めと進捗

リムルがスリープモードになってから三日経過した。

その間にゴブリン達と牙狼族達は見事に進化していた。

そして進化の際に『世界の言葉』を聞いた時に出久はというと、

 

「なるほど……世界の声だったんだね。この声」

【そうみたいだね、イズク】

「はい。その様子ですとイズク様は初めて聞いたわけではないのですね?」

「はい。…………それよりリグルドさんもよぼよぼだったのに、随分とまぁ……」

 

リグルドはまるでオールマイトか!と言いたいくらいに筋骨隆々な姿に進化していた。

 

「そういうイズク様はそんなに進化しなかった御様子ですね」

 

そうなのである。

少し背が高くはなったが、それでも出久の身長は小学生高学年くらいの身長のままである。

昨日まで同じくらいの身長だったゴブリン達とは差が出来てしまった。

 

「まぁ、種族が猫人族から聖猫人族には進化したみたいなんだけどね」

「そのようですね。イズク様の聖なる気配が昨日より確実に増えていますからな。それに、とても可愛らしいですぞ」

「あはは……。ありがと」

 

出久はもう少し諦め気味になっていた。

いっその事、完全擬態で本当に成長してしまおうかとも思ったほどには。

そんな事を感じつつ、リムルが配置されていた小屋の中に入っていくとそこではハルナが面倒を見ていた。

 

「ハルナさん。リムルさんの様子はどう?」

「あ、イズク様! はい、そろそろ起きる頃だと思うのですが……」

「そうみたいだね。でも、なんでみんなは僕の事をリムルさんと一緒に様付けするの?なんかむず痒いっていうか……」

 

そう出久がハルナに問うと、ハルナは当然と言わんばかりに、

 

「イズク様はリムル様と魔力のやり取りをして同格の存在となりました。ですからイズク様も私達のもう一人の主なのです」

「魔力のやり取り……」

【まさか、繋がっちゃったかな……?】

 

それで思い出すのはランガに名付けをする前にリムルに魔素を送り込んだ時である。

それで世界の声はリムルと出久は同格の存在だとゴブリンや牙狼族の一同に教えたらしい。

 

「そんな事になっていたんだね……」

「はい。ですからイズク様はリムル様と同等の存在なのです。それに私個人としましてもイズク様は容姿がとても可愛らしいので愛らしく感じています」

「そ、そう……」

 

出久はハルナの嘘偽りない言葉に恥ずかしくなって顔を赤くしながらも猫耳はふにゃっと垂れて尻尾は嬉しいのかぶんぶんと揺れていて、それでハルナの琴線に触れたのか、

 

「あぁ……イズク様。本当に可愛らしい」

「は、ハルナさん……?」

【なんか様子がおかしくなってるね。新しいスキルのせいかな?】

 

なにか、危険な雰囲気になってない?と思う出久とフォウだったが、その時にタイミングよくリムルが目を覚まして、

 

「俺、復活!!」

「リムル様!」

「リムルさん! なんかいろいろとちょうどよかった!」

 

リムルの目覚めに出久は助かったという気持ちになっていた。

そんなリムルはというと、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんか、目を覚ましたはいいんだけど……すっこし成長しているとはいえイズクの事はなんとか確認できた。

でも、その隣にいる可愛らしい女性は誰だろう……?

 

「リムル様。お目ざめしたのですね。今リグルド様をお呼びしますね」

 

そんな事を言って謎の女性は小屋の外へと出ていった。

 

「そのさ? イズク、いまの女性って誰……?」

「困惑するのはわかるよ。でも、あの子はハルナさんだよ」

「ハルナだって!?」

 

イズクの言葉に少し信じられないといった感じの俺がその場にいましたとさ。

それでイズクが短く要約して教えてくれた。

名付けで進化したのだと。

だからかぁ……。名付けは大変な行為ってそういう事だったんだな。

今度から気を付けないとな。

またスリープモードになるのは勘弁だから。

 

そしてハルナが出て行って少しして、

 

「リムル様! お目覚めになりましたか!」

 

そんな豪快な叫びとともにリグルドが、リグ、ルド……?なんだこの筋骨隆々の魔人は!?

名付ける前はよぼよぼのじいさんだったよね!?

 

「これも進化って事で受け止めてね。リムルさん」

「お、おう……」

 

どこか達観しているようなイズクの言葉に俺もなんとか現実を受け止める。

さらに次の瞬間には小屋が崩れてとってもでっかい狼が中に入ってきた。

 

「我が主! ご快復心よりおめでとうございます!」

「お前……もしかして、ランガか?」

「はっ!」

 

なんかボスより大きくなっていない!?

それに後からやってきた他の狼達も毛並みが変わって進化しているのを伺える。

あれ? ランガにしか名前つけてないよね?

それでのちほどにランガに理由を聞くと、牙狼族は『全にして個』らしく、ランガが進化したと同時に名前を与えていないけど他の奴らも進化したらしいと……。

それで種族も『嵐牙狼族<テンペストウルフ>』に進化したらしい。

名付けってすげー……。

しかも、

 

「そして、我がもう一人の主であるイズク様より力も授かりました。リムル様の嵐に加え、炎、氷、雷の属性も宿しました!」

「なんと!」

「そういう事らしいんだ」

 

それで理由を聞いてみると、あの時ランガの名付けの時にイズクの魔力も拝借したから、そのはずみで俺とイズクのなにかしらの回路が繋がったらしく下手したら俺はイズクの魔力も今後も何度か拝借できるようになったらしい。

 

【告。個体名:イズクとの接続を確認。同格の存在となりました】

 

なるほどなるほど……。

もしかして、俺もイズクの力を使えたり?いや、そんなうまい話はさすがにないか。

 

「それと僕もなんか猫人族から聖猫人族に進化したらしいんだ」

「ほうほう? あまり胸は成長していないような……あいたっ!?」

「さすがにセクハラだよ……?」

「すみません……」

 

素直に謝っておいたが、そうか。

だから聖なる気配がさらに増してんだな。

 

「それになんかユニークスキル『信仰の加護』なんてものまでついちゃったんだ」

「それは!?」

 

どうも、生前からの功績がついにスキルとして形になってしまったらしい。

なんかイズクも俺同様にゴブリン達に信仰されてしまっているらしくて、外界に対して聖なる守護の力を信仰する者たちに授けるスキルらしくて、信仰している限りそれだけで聖なる守りが約束されているとかなんとか……。

世界の声ってなんかイズクに対して贔屓してんじゃね?と勘ぐってしまうほどだ。

 

「ま、いっか。なんとなくだけどイズクだからで納得できてしまうんだよな」

「そうですな」

「その通りですね。我が主!」

「なんか、恥ずかしくなってくるね……」

 

それで顔を赤くして俯くイズクはそれはなんというかずるいほどに可愛い。

もしかして魅了のスキルとかも付属されてるんじゃね?と思う。

俺も少し危うくなるからな。

魅了されない様に気を付けないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから宴が開かれて、リムルが音頭を取る事になっていたので、

 

「えー……それではみんなの進化と戦が無事に終わったのを祝って―――かんぱーーーー…………い?」

 

リムルが過去の様にしてしまっていたが、当然リグルド達は理解ができないためにハテナ顔になっていた。

 

「リムル様『かんぱい』とはいったい……?」

「あ、ああ。知らなかったか」

「まぁそれはそうだと思うけどね……」

 

それからリムルは乾杯について詳しく説明していき、なんとか理解できたのかリグルド達も「かんぱい!」とコップを掲げて叫んでいた。

ちなみに、なぜかこの場に似合わない少し高級そうなコップだったためにリムルはすぐに出久の方へと向いた。

 

「あはは。少し創造しちゃいました」

「なるほど……」

 

創造だなんてなんでもありだな、とリムルは思った。

そんな事を思っていながらも宴も終わって、これからの方針を考えるリムルであった。

 

「(やっぱり家とかもぼろぼろだよな。装備も刃こぼれだらけだし……村の発展のためには知識を持つものがいたほうがいいよな。課題は山積みだな)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから翌日。

リムルは出久と話し合ってみんなを広場に集めていた。

わざとらしくリムルはちょび髭を付けて、いまだに騒いでいるみんなが静かになるまで黙っていた。

そしてやっと静かになったと思ったら、

 

「えー……いまみんなが静かになるまで5分かかりました」

「ぷふっ……」

 

出久はそれで恩師であった相澤消太の事を思い出していた。

だけどやっぱりみんなはそんなリムルのジョークも分からずにまたしても首を傾げていた。

リムルはネタが通じないと実感すると、すぐにちょび髭を外して、

 

「えー、見ての通り俺達は大所帯になった。それでこれからトラブルを起こさない様にルールを決めようと思う」

 

 

 

その1:仲間内で争わない

その2:進化して強くなったかと言って他種族を見下さない

その3:人間を襲わない

 

 

リムルが提示したこの三つの条件に、しかしそこで出久は「待った」をかけた。

 

「リムルさん。もう一ついいかな?」

「聞こうか」

「その4に、『もし人間に襲われそうになったら抵抗も止む無し』を追加してもいいかな」

「ふむ。いいな! それも採用!」

 

そしてこの四つのルールが提示された。

それで早速リグルが「なぜ人間を襲ってはいけないのですか?」とリムルに聞く。

それでリグルドが鋭い顔になっていたがなんとかあやしつつ、

 

「それは俺が人間が好きだからだ!」

「なるほど。理解しました!」

「ほんとにー?」

「はい! それでルール4も生きてくるのですよね。もし人間が襲ってきたら抵抗して逃げるか無力化するという感じでしょうか?」

「その通りだ。頭いいな、リグル」

「ありがとうございます!」

「確かに魔物は強いけどな。人間は集団で生活している。彼らだって襲われたら抵抗もする。そんなのどっちにしても損しかないだろ? だからなるべく手出しはせずに仲良くしていくのもありだと思うんだ」

 

そうリムルが説明すると、みんなは納得したのか「わかりましたー!」と声を上げていた。

 

「それと、リグルド」

「はっ! なんでしょうか、リムル様?」

「君をゴブリン・ロードに任命する。村をうまく治めてくれ」

 

瞬間、リグルドに雷でも落ちたかのように固まってしまい、次の瞬間には、

 

「ははぁ!身命を賭してその役目、果たさせていただきます!」

「うむ。頼む」

「ねぇ、リムルさん。それって体のいい丸投げじゃ……」

「それじゃみんな! 頼むね」

 

出久の質問にリムルはあえて反応せずに言い切っていた。

 

「後が怖いよ……?」

「うっす!」

 

それから村づくりを始めたのはいいのだが、やはり技術がないために張りぼて小屋くらいしかできないために、どこかで技術者を雇わないとなと思っていたところに、リグルドが何度か取引をしたことがある者がいると話したので、聞いてみるとなんとその者たちとはファンタジー世界ではそれは有名な種族。

そう……ドワーフ族という単語が出たために、

 

「それじゃ俺が直接交渉に行ってみるよ。イズクもいくか?」

「そうだね。僕もドワーフには興味あるし」

「わかった。リグルド、物々交換するための準備を頼む」

「はっ!昼までに用意いたします!」

 

それでリムルと出久はドワーフ族が住むというドワルゴンという国に向かう事になったのであった。

 

 

 

 

 




イズク。ユニークスキル『信仰の加護』を獲得。
魅了も付属している疑惑が発生しました。

次回はドワルゴン編になります。




それでは、ご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。
贅沢は言いません。ですので厳しい意見でも構いませんので感想を下さればそれだけやる気に繋がりますのでよろしくお願いします。
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