魔導書使いの妖精さん   作:島夢

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8話 

「なにか…来る…」

 

 

やばいな、この感覚…

エルザにもわかるのかエルザは震えている

というか、こいつは桁がいくつか違う…

 

 

「ノア、確か転送魔法…あったよな?ずらかるぞ」

 

 

こういうときマジ便利なノアちゃん!

転送魔法なんてあるんですよねぇ!

 

 

【マスター…あの魔法は…】

 

 

ノアが何か言いかけるが俺はそれをさえぎって言う

 

 

「ああ、わかってる………ノア、悪いな」

 

【はい…わかりました、では発動しますspaceJump(空間を飛ぶ)

 

 

いやな気配が動き出した…

こっちに向かってくる

この魔法には欠陥がある

 

 

まず一つ…使うときには意外と時間がかかる

 

もう一つ…これが致命的な欠陥

 

この魔法は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一日に一度しか発動できず、さらに人を飛ばすとき一人までしか飛ばせない

 

 

…一人…それはつまり、エルザか俺…どっちかが残るってこと…

 

でもまぁ

 

 

「流石にこんな危ない場所に女の子置いていけるほど…度胸があるわけじゃねんだよな…」

 

 

俺は右手をエルザに向ける

エルザの周りに魔方陣が展開され、その魔方陣はどんどん輝きを増していく

 

 

「エルザ、これはでぇぇっかい貸しだぜ?いつか返せよ?」

 

 

俺は多分、すげぇ穏やかな笑顔でそういった

エルザはその瞬間なにかに気づいたように真剣な顔をして叫ぶ

 

 

「ま、待てノゾム!どちらも逃げれる方法があるはずだ!」

 

 

エルザはなんとか動こうとするが、spaceJumpをかけている途中は魔法陣の中からも外からも攻撃が通用しない、しかも魔法陣中ではほとんど動けない

だから魔法陣からエルザが出るのは難しいだろう

 

 

「じゃあな、ギルドのみんなによろしくな、ちょっと行って来る」

 

 

エルザは左目から涙を流してる

 

必死だなぁ…

まあ、でっかい貸しとかいっといてなんだけどさ、俺はエルザに救われたから…

これでおあいこだな…

これは俺のほんのささやかなお礼

俺に出来るのはこれだけ

俺はやっぱりエルザに恋してたのかなぁ~

というか、まだ恋かもわかんねぇレベルだぞ?

 

出会ってまだたった一年だけどさ…

エルザに救われて半年以上…

エルザに言われたあれは救われた

 

 

俺の初恋の人への贈り物、初恋は実らないってジンクスがあるらしいが、実らないどころか死ぬかもしれないってどういうことだよ…

でもさ、形に残らないな…この贈り物

んじゃぁ、形に残るようにしようかな

 

 

「泣くなよ、美人が台無しだぜ?この指輪やるから、泣くなよ」

 

 

俺が前世からずっとつけてた指輪

死んだおばあちゃんからの最後のプレゼントだったもの

そんなものそう簡単にあげるなって?

 

だってばあちゃん、これ渡したときに

 

『女の子が泣いてたら、何が何でも助けてあげるのよ?

そういうイイ男になりなさい、何人好きな女の子ができても気にしないの、その女の子にちゃんと好きな人が何人かできたって伝えて、それでも愛してもらえるくらいイイ男になりなさい』って言ってたからな

 

 

しかも死ぬときの遺言にも同じようなこと言ってた

まあ、大好きなおばあちゃんだったけどな、あの人にはいつまでたっても勝てる気がしないな

おっと、エルザに一つ言い忘れてた

 

 

「ああ、あと言い忘れてた、お前のことかなり好きだったぜ?一人の男としてな」

 

 

俺がそう言い終わった瞬間エルザは消える

転送した場所はフェアリーテイルのギルド

これってさ、死亡フラグって奴なのかな…

ここで死ぬか…

それもいいかもな

どうせ二度目の人生だ

でもまぁ

 

 

「さてと…生き残るために頑張るか!なあ、ノア」

 

【はい、マスター】

 

 

俺は前を向く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間…黒…

 

 

 

 

その体はただ黒くて、黒くて、黒くて

 

 

 

 

圧倒的な存在感があって

 

 

 

 

そもそも存在そのものの格が違う

 

 

 

ほんの一年前までぬくぬくと平和に過ごしてきた俺にはそう感じた

 

 

「はっ…マジで格が違うな…竜かよ…」

 

 

俺が転生するときにでも神様に精神を強化してもらったのか、なぜか落ち着いてる

こんな化け物と相対しても落ち着いていられる

 

逃げる?

 

いや、無理だな

 

背を向けた瞬間死ぬ

 

 

『グガァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 

 

耳をつんざくような轟音

 

この竜は…人類の敵かな?

なぜかそう思う

人にとって天敵であるような生物だ

 

そもそも人が勝てるような生物かよ…

 

 

「うるせぇよ…」

 

 

ああ、うるせぇ…

耳が壊れそうだ

 

最後かもしれないってときに聞く声がこれかよ…

まったく…反吐が出る

 

 

「だから…俺はここで死にたくない」

 

 

最後の光景が黒い竜で、最後に聞いたものが竜の雄たけびとか…

いやだなぁ…だから俺は…

 

 

「ここで死なない…行くぜクソ駄竜、そう簡単に俺がくたばると思うなよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ゴアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』




ちょっと待て、緊張感崩したくないけどノゾムくんのおばあちゃんすごいこといってたぞ?
うぅむ…いいおばあちゃんだ



感想、指摘待ってます!

次回も頑張って編みます!
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