疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 皆様お久しぶりです。約1年ぶりの投稿となってしまいました。正直なところ今回の夜戦演習に関しては、作者が納得出来る展開を書く事がなかなか出来ず、少し書いては消しての繰り返しでモチベーションも保てず、ほとんどエタっていました。
 それでも久しぶりに挑戦したら、なんとかキャラが動いてくれたので、ようやく投稿する事が出来ました。
 皆様が忘れた頃の投稿になってしまいましたが、また楽しんで頂ければ幸いです。


238話

 佐世保の香取さんとのやり取りを無事に終えて、ようやく今日の夜戦演習に集中出来る状況が整った。無駄に待たせるのも良く無いのでさっさと始めるとするか。

 

「大淀、演習の準備は出来ているな?」

 

「はい。双方指定位置で待機しておりますし、レーダーによる各艦の位置情報や戦闘中の通信も記録準備出来ております。夜間ですので実際の戦闘映像の記録が出来ない事はご了承下さい。」

 

「ああ、それで充分だ。では旗艦の二人と通信を繋いでくれ。」

 

「はい、どうぞ。」

 

「川内、神通、聞こえるか?」

 

「あ、提督!!聞こえてるよ♪」

 

「はい、聞こえております。」

 

「待たせてしまったが今から演習を始めようと思う。双方全力で挑み、この演習が有意義なものとなるように願っている。以上だ。それでは演習開始!!」

 

「「はい!!」」

 

 軽く声をかけてから演習の開始を宣言する。今回自分は指揮をしないので大淀と曙と共にレーダーと双方の通信を聞きながら観戦する事になる。とは言え戦闘直後の通信は静かなもので、艦隊の動きをレーダーで確認するだけになる。

 

「・・・・・・想定通りの出だしってところか。」

 

「そうですね。双方単縦陣での航行で距離を詰めていますね。神通さんの艦隊は基本に忠実な単縦陣ですが、川内さんの艦隊は旗艦の川内さんが少し距離をとって先行していますね。」

 

「川内さんが囮になって他の皆が敵を叩くいつもの布陣ね。いつもより航行速度が遅いのは戦艦のビスマルクさんが一緒だからかしら?」

 

「夜間の航行速度としては少し速めだと思うが、これでもいつもより遅いのか?」

 

「そうですね。普通の艦隊であれば夜間の索敵が難しく、接敵するまでは警戒を強める為に航行速度を落とすのが常識ではあるのですが・・・」

 

「川内さんが旗艦の時はいつも昼間と変わらないくらいの航行速度で移動してるわ。川内さんが索敵に絶対の自信があるからこそ出来る芸当ね。」

 

 これも夜戦における川内の特異性の恩恵か。夜戦に限るとは言え相変わらず破格の性能だな。指揮官としては物凄く頼りになる部下なのだが、川内の能力に慣れきってしまうと川内が居ない艦隊の指揮で重大なミスを犯しそうで怖くもある。川内が例外中の例外であるという意識は常に保っておかなければな・・・

 

「・・・それに対して神通は少し速度を落として軽く蛇行しながらの航行か。」

 

「そうですね・・・川内さんと索敵能力で張り合うのは無謀だと割り切って、いつでも回避行動に移れるようにしていのだと思われます。」

 

「・・・神通さんとしてはどうやって最初の奇襲による被害を減らすかを考えるしか無いわよね。奇襲を受ける事前提なんて本当に不利な条件ね。」

 

 そんな事を話しているうちにどんどん距離は詰められていき、川内の艦隊は射程圏内に入る前に方向転換をし始め、いとも簡単にT字有利の位置で神通の艦隊が来るのを待ち構える形になる。

 

「まだ接敵前なのに完全に位置を把握している動きだな。」

 

「ええ、川内さんであれば開始位置の時点で神通さんの艦隊を捕捉していても不思議ではありませんから。」

 

「・・・・・・ほんと羨ましい才能ね。」

 

「どこの世界にも天才って奴は居るものだ。羨んだところでどうしようもない。自分達凡才は凡才として努力するしか無い。」

 

「「・・・・・・え?」」

 

「・・・なんだその反応は?私は有能であろうと努力はしているが、自分の事を天才だと思った事など一度もない。」

 

 凡才だろうと努力次第で有能にはなれる。だがどう足掻いても小森のような天才にはなれないのだ・・・だが天才だって何でも出来る訳では無い。一分野で絶対に敵わないならば、他の分野で勝てば良い。勝てない分野であっても天才を参考にする事で、自身の成長に繋げる事も出来る。相手が天才だからと言って勝つ事を諦める理由にはならない。

 

「し、失礼しました!!」

 

「悪かったわね・・・」

 

「まぁ、良い。そろそろ接敵だ。」

 

 夜戦演習の主目的は海外艦の二人を川内の戦い方に慣れさせる事だが・・・天才の川内相手に神通がどこまで喰らいつけるか楽しみだ。

 

―――――――――――――――――――――

 

 悔しいですけれど姉さんは夜戦の天才で、私には姉さんのような才能はありません・・・それでも・・・それでも姉さんに勝ちたい!!勝って姉さんに認められたい!!姉さんの背中を追うだけの守られる存在じゃなくて、姉さんの隣で共に戦う存在になりたい!!感覚だけで生きてる危うい姉さんを支えられる存在になりたい!!

 

「っ!?散開!!砲撃来ます!!」

 

 姉さんの探照灯がこちらを照らしたので、即座に散開の指示を出す。予め指示をしていた策戦通りに各自が散開したところで、遠方から戦艦砲の轟音が鳴り響く。初撃は無事に回避出来ましたが・・・砲撃音が戦艦砲だけと言う事はまだプリンツ・オイゲンさんの射程圏外の距離でしょうか?そうであればまだこちらの砲撃が届く距離ではありませんが・・・姉さんは・・・探照灯を消した!?一旦距離をとるつもりですか!?させません!!

 

「総員単縦陣を形成!!距離を詰めます!!青葉さんは探照灯で索敵を!!」

 

「了解です!!」

 

 たった1回の砲撃では正確な方位と距離はわかりませんが、姉さんの探照灯の位置もあったのでだいたいの目星はつけられました。ここで距離を取られてしまえば、戦艦の射程で一方的に攻撃されてしまいます。距離が遠ければ姉さんの探照灯があったとしても命中精度はあまり高く無いと思われますが、戦艦砲が命中してしまえば簡単に大破・轟沈判定されてしまいます。ビスマルクさんが再装填する前になんとか見つけて距離を詰めなければ!!

 

「っ!?また砲撃音!?」

 

「きゃあ!?し、至近弾ね。あ、暁はこんなの全然怖くなんてないわ!!」

 

 姉さんが探照灯で照らしていないのにプリンツオイゲンさんの砲撃ですか?おそらく青葉さんの探照灯の光を目標にした砲撃でしょうが、精度も甘く敵艦隊の位置をこちらに教えてしまうようなものです。これは思わぬ好機です!!

 

「あ!!敵艦隊発見しました!!」

 

「ありがとうございます!!突撃します、私に続いて!!」

 

「ナイス青葉!!逃げても無駄よ!!」

 

「さあ、青葉も追撃しちゃうぞ!!」

 

 この好機を逃すまいと一気に距離を詰める。姉さんの艦隊は一旦距離を取る為に離脱しようとしているところで見つかってしまい動揺している。そこに衣笠と青葉さんの砲撃がプリンツ・オイゲンさん目掛けて放たれ・・・なっ!?ビスマルクさんがプリンツ・オイゲンさんを庇ってしまいました!?しかも重巡洋艦二人の砲撃が直撃したにも関わらず、何事もなかったかのような立ち姿・・・戦艦の中でも随分と堅牢な方なのですね・・・

 

「構いません!!砲戦を続けて下さい!!駆逐艦も射程距離に入ったら各自撃って下さい!!」

 

 構わず距離を詰めていると姉さんが慌てたようにこちらを探照灯で照らして来る。離脱を諦めて交戦に切り替えたようですがもう遅いです!!距離を詰めながら姉さんの手前に落ちるように砲撃をして、姉さんの進路と探照灯での索敵を妨害する。直接姉さんを狙った砲撃が当たらずとも、妨害くらいはやれます!!

 

「っ!?姉さんからの妨害ですか!?」

 

 姉さんもお返しとばかりにこちらの手前に落ちるように砲撃をしてきましたか・・・ですがこれくらいならすぐに体勢を立て直して・・・そうして敵艦隊を見据えた時には、ビスマルクさんがこちらを真っ直ぐ狙って!?

 

「神通さんは電が護るのです!!はにゃあーっ!?」

 

「電さん!?くっ・・・すみません!!」

 

 私を庇った電さんが戦艦砲の衝撃でふっ飛ばされてしまった。もちろん演習用のペイント弾なので、頑丈な私達が怪我をするような事は無いのですが、私のミスで電さんが戦線離脱してしまいました。ですがここで思考を乱せば電さんの献身を無駄にしてしまいます!!ここは戦場です!!続くプリンツ・オイゲンさんの砲撃をしっかりと回避し、さらに距離を詰める。

 

「逃げても無駄よ!!」

 

「この距離なら良く見えますねぇ。」

 

 今度こそ衣笠さんと青葉さんの砲撃がプリンツ・オイゲンさんへと命中し・・・やりました!?大破判定です!!さらにもう一度姉さんに妨害の砲撃をしたら、姉さんからの反撃の砲撃が命中してしまう・・・が当たりどころは悪く無く小破で済みました。そうしてようやく駆逐艦同士の砲撃戦が始まる距離ですね。

 

「不知火みっけ♪攻撃よ、攻撃!!」

 

「やぁ!!」

 

 陽炎さんと暁さんが砲撃戦を開始しましたが、先程電さんが戦線離脱したので駆逐艦で言えば二人対三人の不利・・・ですがお二人の奮闘のおかげでこちらは陽炎さん暁さん共に小破で済みましたし、相手の不知火さんを中破まで追い込みました。

 

「ほら、もう一発!!」

 

 さらにはプリンツ・オイゲンさんを大破判定にした事で余裕の生まれた衣笠さんの砲撃が雷さんに直撃し、大破判定を勝ち取りました!!これならば雷撃戦でかなりの有利です!!狙うべきは堅牢なビスマルクさん!!ここでビスマルクさんを沈めれば勝機が見えます!!

 

「雷撃用意!!放て!!」

 

 ここまで損害を抑える事に成功したので、5人分の魚雷を放つ事に成功する。対して姉さんの艦隊で雷撃能力を残しているのは姉さんと響さんの二人だけ。これならば!!

 

「くぅっ!!」

 

「青葉さん!?」

 

 雷撃をして方向転換をしたところでビスマルクさんの砲撃が青葉さんを直撃し、一気に大破判定を貰ってしまう。そして探照灯を持っていた青葉さんが戦線離脱した為に戦場が暗い闇に呑まれてしまい・・・・・・姉さんはどこ!?いつの間に探照灯を消して!?

 

「惜しかったね、神通。私の勝ちだね。」

 

 敵艦隊を襲う魚雷の爆音が鳴り響く直前に、確かに姉さんの声が聞こえた。私は直後に砲撃を被弾しバランスを崩してしまい、さらに追い打ちをかけるように魚雷が!?

 

 

 

 

『旗艦神通さんの大破判定を確認しました。川内さんの艦隊の勝利です。これにて夜戦演習を終了します。各艦隊は速やかに鎮守府へと帰還してください。』




 うーん、やっぱり1年も経つと影響を受けたアニメとかで、作風にも影響が出てる気がします。
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