参加条件:炎上汚染都市 冬木をクリア
序盤クリアが条件ですが、色々好き勝手やっていますし、カルデアはノウムですしマシュはギャラハッドの能力を使用できます。
サンタになった猫にほっこりしたい方はお楽しみください!
イメージとしては、コラボイベント終了後のトンチキです。
深く考えないでください!
深く考えないでください!(マジで)
Prologue~サンタクロースの謎
吐く息は白く、吸う息は鋭く冷たく乾燥している。冬の到来は寒さで何度も身震いしてしまうけれど、徐々に胸が高鳴るということを知っている。
街中にイルミネーションが飾られ始めると、鮮明な色彩に目移りしてしまう。
店内でジングル・ベルを始めとした季節の唄が流れると、足取りが軽くなる。
サンタクロースへのプレゼントのリクエストに頭を悩ませ、パーティーの円卓を埋め尽くすご馳走は何かとお腹が空いてくる。
生クリームで贅沢にデコレーションしたケーキのように真っ白な雪が空から落ちて来るのを、その雪空を走るトナカイとソリを探して、彼と会いたいがために眠い目をこすりながらベッドの中で待ち構えていても……結局は会えないのだ。
枕元に下げた靴下の中のプレゼントを開けるその指先には、ワクワクとドキドキが詰まっている。
今年も、クリスマスがやって来る―――
***
床に肉球が触れればヒヤっとした。冷たい冬の廊下は自然と速足になってしまう。
こんな季節は、温かいヒーターの前に柔らかいクッションを準備して、最高のポジションを占領するのが至福である。更にちゅーるが欲しいと思うのは贅沢すぎますかね?
「うう~猫には辛い季節がやってきました。あれ?
猫が冬だと断じて暖を求めたならば、季節は既に冬なのである。
先日、召喚に応じたサーヴァント。アヴェンジャー、黒猫プルートーは『ノウム・カルデア』内の廊下をトコトコと速足で歩いていた。
ただ目的もなく歩いている訳ではなく、探し物をしている。召喚されてから知ったことであるが、カルデア内の部屋のどこかに、全猫憧れの
どこにあるのかは分からないが、是非とも体感してみたい。猫のみならず、人間やその他動物たちまでも魅了する冬の
「猫カフェのエース接待モードでお願いすれば、端っこにでも入れてもらえるかもしれませんね。どこにあるかは、やっぱり分かりませんけど」
「ジングルベール、ジングルベール、鈴が鳴るーへいよー」
「おや、この歌は?」
棒読みの歌に妙な合いの手が入る。蝶のように軽快なステップを踏み、蜂のように鋭い拳のシャドーボクシングをしながらカルデアの廊下を走り込むその人の背にはサンド……否、サンタバッグがある。
いつもと異なる
「施しさん、施しさん。何をしているのですか?」
「む、お前は確か……アヴェンジャーの猫か」
「はい、猫です。いつもと何かが違いますね。そのフード、温かそうです」
「猫の目から見ても分るだろう。今のオレは槍を置き、この拳一つで聖夜を切り開くセイバー……つまりは、サンタだ」
猫だから言っていることがよく分からなかったが、今のカルナはいつものランサークラスではない。セイバーであり、サンタなのである。
「サンタ……サンタって、もっと赤くて、もじゃもじゃのヒゲがありませでしたっけ?」
「お前の知るサンタとは差異があるだろうが、オレも立派なサンタサーヴァントだ」
「サンタサーヴァント……ああ、
「そうだ。オレたちサンタは、クリスマスにプレゼントを配る使命を帯びている。しかし、オレは古きサンタだ。サンタは毎年、次の新たなサンタを指名し、クリスマス聖杯とサンタパワーを新たなサンタへ授けなければならない」
「ボクが猫だからでしょうか。よく流れが分かりません」
「こればかりは身体で覚えるしかない。頭で考えるよりも、踏み込んで拳を突き出すのだ。オレは次のサンタとしてアルジュナを指名した。オルタではない、アーチャーのアルジュナだ」
「弟さんですね」
「あいつならば、オレよりも素晴らしいサンタになれるはずだと睨んだ。だが……」
おまえの次に私がサンタさんになったのならば、「カルナに対抗したんだね」とか「インドでお揃いだね」と、「はいはい、宿痾宿痾」とか色々言われてしまうだろう!
「「おまえの施しなど受けん!」……と、けんもほろろに断られてしまった」
「結構似ている物真似ですね」
「サンタの宛てがなくなり、途方に暮れながらロードワークをしていたところ、お前と遭遇したのだ。しかし、猫……猫か……」
「はい、猫です」
どこからどう見ても猫です。と、プルートーは小さく「ニャア」と鳴いた。
プルートーを見下ろすサンタカルナは、フードの下からでも変わらぬ鋭い視線で何やら考え込むと、小さく頷いてから黒猫と視線を合わせてこう告げたのだ。
「黒猫よ、次のサンタはお前だ」
「えーー?」
サンタクロースとは、老年の男性ではないのだろうか。というツッコミさえもどこかへ殴り飛ばされ、そもそもヒトでもない指名が行われてしまったのだ。
「サンタと猫って何か関連性があるんですか?」
「マスターの国では、贈呈物は“クロネコ”が運ぶと言っていた。飛脚やその他とシェアを争いながらプレゼントを届けるために走り回っているらしい。プレゼントを運ぶ者、すなわちサンタだ」
「知りませんでした。猫の手でどうやって運ぶんでしょう?」
「猫の手でも何かを成せる。オレでもサンタになれたのだ。猫よ、黒猫……お前も何者かに、サンタになれるはずだ」
サンタカルナがフードコートの中から取り出したのは、歴代のサンタサーヴァントたちが継承してきた黄金の杯。カルデアのサンタの証であるクリスマス聖杯だ。
クリスマス聖杯と、先代サンタの持つサンタパワーを譲渡することにより、その者が新たなサンタサーヴァントに霊基を変化させる。カルナからプルートーへ継承されたサンタパワーは、小さな黒猫の
被害者であり復讐者。犯人を告発する権能を中枢に刻む黒猫プルートーは本来、アヴェンジャークラスでしか召喚されない。それも、かつての亜種特異点で縁を結んだサーヴァントたちと同じく、その身は反英霊ではなく幻霊に近い。
だが、サンタパワーはそんなこともお構いなしだ。クリスマスと言う聖夜の奇跡は、憎悪と憤怒で形成された被害者すら塗り替えるのだ。
プルートーの首から外れることのない白い縄は、クリスマスツリーを飾るキラキラしたモール飾りに変化し、更にはチカチカ光るオーナメント飾りが巻き付いた。胸元には猫に鈴……ではなく、クリスマスのベルが出現し、最後は頭にサンタ帽子が出現した。
虚の右目を隠すように斜めに被った帽子はサンタの証。これにて、プルートーの霊基はライダーへとチェンジした。黒猫プルートー〔サンタ〕が爆誕したのだった。
「見事なサンタだ、見事だ黒猫」
「ボクの
「ふむ……妙案が思いつかん」
本来、どうしようもない切羽詰まった状況下で妥協して借りる猫の手しかない。肉球の手ではサンタバッグを持てないではないか。オマケに、ライダーにクラスチェンジしたのに乗り物すらない。
サンタパワーを譲り受けたが、新たなサンタを導く役目を担うためにカルナの霊基はサンタのままである。だが、そもそもヒトですらないサンタをどうやって導けばよいのだろうか。流石のサンタカルナも首を傾げた。
「では、我らがマスターに助力を願おう。この時間ならば、管制室にいるはずだ」
「では、行きましょ……」
サンタプルートーが一歩踏み出すと、いつもは軽やかなはずの足取りがよろよろとふらついてしまう。首のオーナメント付きモールで上手くバランスが取れない。小さな黒猫の身体はサンタの装備を持て余していたのだ。
「ぶっちゃけ重いです」
「では、乗るがいい黒猫。ああ、良い負荷だ。良い負荷だ」
「わーい、騎乗スキル習得しました~」
サンタプルートーはサンタカルナが脱いだフードの中に入り、2騎のサンタはロードワークの如く管制室を目指す。
サンタのステップが近付くと同時に、カルデアにも――立香の元にもクリスマスの足音が近付いて来た。
「もうクリスマスの時期だね」
「今年は誰がサンタクロースになるのでしょう」
立香とマシュが穏やかな会話をしている場面を殴り飛ばすかのように、管制室の扉が殴り開かれた。
「動くな! サンタクロースだ!」
「ニャーーン!」
「昨年ぶり! 押し込み強盗!」
黒猫のデリバリー・メリー・クリスマス!
~雪国のプレゼント・ファクトリー
クーリスマスが今年もやーってくるー♪(フライング!)