鬼滅の拳   作:絆と愛に飢えるシリアス

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第107話

しのぶside

上弦弐を倒す……これは私達の念願でもあり目標でもあった。確かに上弦弐を倒すことができたが……その勝利の代償はあまりにも……あまりにも酷すぎる結末だった……私は呆然としながら立ち尽くすカナヲをゆっくりと私の肩に寄せて泣き顔を隠してあげた

 

「空兄さん……空兄さん……っ」

 

「カナヲ……」

 

「しのぶ姉さん……っっ……空兄さんが…空兄さんが………居なくなったなんて……嫌だよぉ……!!」

 

この子は本当に空の事を兄のように募っていた……ここにいないアオイも他の子達も……きっとこの事を聞いてしまえばショックを受けてしまうだろう……

 

「……」

 

私達の少し離れたところで、伊之助君は仇敵を討ち取ってもずっと落ち込んでいた。母親を思い出してるのかそれとも空を思い出してるのかわからないけど今はそっとしてあげるのが良い……

 

「……しのぶさん」

 

「…はい、なんでしょう…」

 

「……本当に申し訳ございません……私がもっと治す技術があれば彼は……」

 

「いえ……珠世さんのせいではないです。空も私も鬼殺隊を所属していたときからいつかこうなることも覚悟をしてました……」

 

そう、鬼殺隊はいつ誰か死ぬかわからない日々を送っていた。柱だから生きて帰れるなんて誰もそんな保証はない……だからこそ、あの日から覚悟を決めて生きてきた……

 

「カナヲ、伊之助君……二人とも……立ちましょう」

 

「「!」」

 

「今は泣いてる暇はありません……空が身を呈して守ってくれたこの時間を……この世界を私達が代わりに守りましょう。そして……無惨を必ず殺しましょう」

 

それが、今の私達が空の代わりにできることだ……。いつか空が言っていたけど、残された側は何かを託されて生きている……だったら、私は空の分までこの戦いを生き抜いて生き抜いて……無惨を必ず殺しましょう……

 

「…なぁ…しのぶ……これを持っていって良いか?」

 

「私は……これを……」

 

「それは空の刀と手袋を……そうね……私もこれを持っていきますか……少しお守り代わりとして……ね」

 

空の亡骸を見つめて私は空の心臓や脈を図ってももう息はしてなく、あの笑い顔もあのみんなを安心させる声ももう聞くことができないと思うとそれはものすごく悲しく虚しい……

 

「しのぶさん」

 

「はい」

 

「貴方も重傷です。私は貴方も空さんのように失ってほしくない……だから、きちんと治療をしてから行きませんか?」

 

「……」

 

珠世さんの言葉に私は少し考えました。確かに治療をしてもらったお陰で上弦弐を討ち取ることが出来ましたが、傷は完全になおったわけはない。本来なら私は直ぐ行きたいので治療を断りたい所が、空は私に託してくれた……

 

「……分かりました。カナヲ、伊之助君は先に向かってください……私も少し治療をしてもらってから必ず向かいますので……」

 

「……はい!伊之助、行きましょ」

 

「おう!しのぶが駆けつける間もなく首とってきてやるからな!!」

 

二人はそれぞれの愛刀を納めてこの部屋から出ていった。私は珠世さんに治療されるためにこの部屋で亡骸の空を見ていた

 

「珠世さん……私はあの時、上弦弐の首がはねられてこれでもう終わりだと私は柱であろう者が気を抜いてしまった」

 

「いえ、仕方がありません……しのぶさんも本来あそこまで戦えたのは奇跡です。あの子達の前に弱音をはかなかったのは呼吸がもうキツかったのでしょう…」

 

「あらら……見抜かれてましたか……。えぇ、少なくとも、あの戦いで私もとっくに限界を迎えてました。しかし、諦めたくはないと思い最後までこの刀で振るいましたが…最後の最後で…大切な幼馴染みを失ってしまいました……」

 

「……彼をここでおいとくのは衛生上悪いですよね……」

 

私達がそんななしをしているとドアが空く音とがしたので振り向くと……

 

「はぁはぁはぁ……うそ……ですよね……」

 

「マジかよ……」

 

そこにやって来たのはポニテールしている女性の方で以前私達蝶屋敷に治療を受けていた方と生前彼と親しい友人が駆けつけていた

 

「尾崎さんと……後藤さん……」

 

「っ!蟲柱様!お怪我を……」

 

「私は大丈夫です。そして、この方は珠世さんでお館様のご協力者です」

 

「そうですか……その……」

 

「……えぇ……空の心臓も脈も動いてませんでした……必死に手を尽くしてももう……助かりませんでした」

 

私は目を伏せながらそう答えると後藤さんは少し落ち込んだ声で私に聞いてきた

 

「………差し支えなければ私が無惨の決戦終えるまで遺体を隠しましょうか…」

 

「……そうですね。空の亡骸を必ずあの場所へと……後藤さんお願いしますね。尾崎さんは後藤さんの護衛をお願いします」

 

「はい。私ができることがあるのなら……この人に助けてもらった命で必ずこの人の亡骸を鬼に食われないように……闘います」

 

私は万が一鬼によって空が喰われる可能性がないわけではないので、念のためにこのお二人にお願いをする。そして、私は立ち上がり珠世さんに呼び掛けた

 

「珠世さん……いきましょう。ここにお二人をお願いをするので」

 

「えぇ。恐らくそろそろ効き目の問題も……」

 

「急ぎましょう。託された未来のために私は……戦います」

 

空、本当にごめんなさい。今は泣くことも悲しくことも捨てて……無惨を殺しにいきます。だから私の羽織は上弦弐に破れてしまったけど貴方の羽織を背負って走るわ……共に戦いましょう

 




ここまで読んでいただきありがとうございます。
次回の話は一応予告しますと、細かい部分をかなり飛ばす予定です。
これからも宜しくお願いします!
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