俺は昨日の討伐を終えてから速攻で関西からお館様のいるお屋敷に直行した。鬼はもちろん他の柱や隊士に会わないように気にかけながらお館様のほうへと歩いた
「お館様に会うのは4年ぶりか。柱会合もないし、誰も会わないことを見越して事前に連絡したからな」
俺は黒いマントを羽織ながら、お館様に渡すお土産を持ちながら着く。柱会合は九人の柱がお館様を元にする会議で俺は柱の件を何度も断っている
「カアカア!ソレハ、オマエガ逃ゲテイルカラヤロ!!コノヘタレ」
「喧しい!?なんで、鳥にそんなのことを言われんとダメやねん?!」
「図星、図星!!」
「久しぶりの台詞がそれとか本当にそれなめてるの!?」
俺と鳥はそんなやり取りをしながら、お館様の屋敷の前で合図があるまで回りを見ていた。この場所に来るのは二年ぶりだし、物凄く懐かしいよな……
「お館様の御成りー」
俺はその言葉を聞いてすぐに膝をついて顔をひれ伏した。お館様とはこの鬼殺隊のトップで今代のお館様の名前は産屋敷耀哉様で第97代目のお方だ
「やぁ、久しぶりだね。空」
「は!お館様におかれましてはご壮健で何よりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます」
「ありがとう。急に来てくれてすまないね、空」
俺は顔をあげながらお館様の言葉に返事していた。お館様の顔色とか変化あるのは鬼無辻の呪いのせいでその呪いのため代々のお館様は若くして亡くなっている
「君は鬼殺隊が居たときに柱を蹴る代わりに裏切り者の粛清として裏方の仕事をしていたのを私は覚えてるよ。すまなかったね、君にそんな事を起こったとはいえ、そんな役目を押し付けて……」
「いえ、柱にならない代わりにそれをすると言い出したのは俺です。事実私が鬼殺隊でいたときは表には出さないものの二人の人間を殺してます」
そう、俺は鬼殺隊で二人の人間を殺しているがこれはいずれも鬼殺隊の隊士としてはやってはいけないものを粛清した
「あの者達は守るべき者たちを守らずに鬼に売り、自らの地位だけしか考えなかった愚か者です。これを鬼殺隊が知れば亀裂は避けられないためそうするしかありませんでした」
「うん。でも、その結果君に辛い思いをさせたね」
「いえ、鬼を倒すのも仲間の不始末をするのも俺の役目です。それとお館様にお聞きしたいことがあるのですが……」
「うん。人を襲わない鬼の件とはいったいどういう事でしょうか?」
そう、これはいったいどういうことなのか下手したら鬼殺隊の基盤を揺るがしかねない事実ということだ
「鴉が見ていたのを私に情報が入ることは知ってるよね?」
「はい。しかし、にわかに信じがたいですがお館様のお言葉となれば信じないわけにはいきません。では、監視をすればよろしいのですか?」
「いや、それはもう少し先になってから柱達に認めてもらおうと思っていてね」
「柱達にですか!?」
お館様のお言葉に俺は驚き、柱はお館様を除き鬼殺隊のトップであり、九人の柱がいる。今はいったいどんな柱がいるのかは俺は知らないが俺が知る限りの柱は変わってないはずだ
「お言葉ですが、柱に認めてもらうとなると相当な鬼嫌いの風柱や蛇柱を筆頭に否定されるかと思います」
「うん、そうかもしれないね。けれど、私は彼らが認めてくれると信じているよ」
「あの鬼嫌いの風柱が果たして認めるのか……?お館様、現在の柱を教えてくれませんか?鬼殺隊を抜けている身としての意見はおこがましいですが……」
「4年前に一人だけ入れ替わったよ」
4年前に柱が入れ替わったとなれば………恐らく俺の予想が間違えなければ俺のせいで……
「君が抜けた直後かな。花柱胡蝶カナエと入れ替わり胡蝶しのぶが蟲柱として戦っているよ」
「そう……ですか」
「空、私も聞きたいことがあるのだがいいかね?」
「はっ!なんなりと!!」
「君の目的は見つかったかい?」
「皮肉なことに奴は隠れるのがうまいのかそれともそれはトップと同じで逃げたり隠れるのがうまいのかもしれません」
そう、俺はある目的を掲げていたからこそ鬼殺隊を抜けるとお館様に申し出たがお館様はいつかのために今は休業として扱っておくと言われた
「お館様、ご無礼を承知に言わせてください。俺を鬼殺隊として復帰することを許可ください」
俺はお館様に恥もプライドも捨ててお館様に土下座をしながら鬼殺隊の復帰をお願いした
「関西で二年、そしてそれ以前にも二年間西の方……あらゆる情報や手がかりを探しましたが……正直限界もあります。しかし、気持ちの片隅ではもっと離れた場所で探しにいけば出てくるのではと思いながらもそれでは時間がかかると判断しました」
「ひとつ聞くよ。それでは、君の目的もたどり着かない可能性もあるのでは?」
「確かにまだ時間をかけて探せば何らかの手がかりも見つかると思われます。しかし、お館様の送られたその人を襲わない鬼が出たことで恐らく俺の予想ですが鬼殺隊としてこれから大きな流れになるだろうと考えると闇雲に探すのは厳しいと判断しました」
「そして、鬼殺隊で復帰して所属するほうが君の目的も達すると判断したんだね」
お館様の言葉に俺は頷き、俺はこれまで悩んでいた判断を今下した。本音を言えば、まだ探すつもりだったが4年かけてもその手がかりは見つからなかった
「うん、分かった。鬼殺隊で階級甲の夛田空の復帰を認めるよ」
「ありがとうございます」
「で、その流れで柱にならないのかな?」
「それは丁寧にお断りさせていただきます……。未熟者としていまはこの地位で都合がいいです」
俺の言葉にお館様は残念そうにみていたが、柱は9人いるし、今の俺はまだその位置すらも立つ資格はない
「お館様、もうひとつよろしいですか?」
「うん、なにかな?」
「俺が復帰したことを彼らにはこれまで通りに隠していただければ幸いです。そして、もしも鬼殺隊で誰かがあれを遭遇した場合は必ず教えてください」
「うん、分かったよ。けれど、怪我したら蝶屋敷にいくことを勧めるよ」
「あはは…怪我しないように気を付けます。あと、これはお土産ですので奥様やお子さんとよかったらどうぞ」
「ありがとう」
俺はお館様にこれまでのお詫びと突然の来訪をかねてお土産を渡した。そして、お館様とのお話を終えて去ろうとするとお館様は俺を呼び止めた
「空」
「はっ、なんでしょうか?」
「あまり自分を責めないで前を見て生きてほしい。また時間ができたら来てほしい」
「……ありがとうございます。では失礼します」
俺はお館様にお断りを入れてお館様の屋敷をあとにした。お館様のお言葉は俺にとってもありがたい言葉だが………
「今の俺は鬼殺隊に復帰しただけの人間だ。余計なことを考えずに目的を少しでも近づけよう」
願わくば俺がこの手で仕留める日が来ることを思いながら俺は歩いた
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