trick and magic or fate   作:島田正二

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今回は、キャスターの真名についての話です。
さて、彼女の真名は一体なんなのか。
真名を第2話で明かすのはどうかと思いますが、大目に見てください。


キャスターの真名

キャスターを召喚したあと、魔力が切れそうになったのもあるが疲れて寝てしまった凛。

彼女は夢を見ていた。

サーヴァントとの魔力のラインが繋がっていると、サーヴァントの過去を夢として見ることがある。

これは恐らく、キャスターの夢だろう。

 

とある屋敷で、あるひとりの男が落ち着かないからか右往左往していた。

髪は長く、女性と見間違うくらいの眉目秀麗だが体つきはガッチリとしている。

 

「光秀さま...落ち着いてくだされ、あの方の御産は無事にすむはずでござりまする」

 

家臣とおぼしき男が、男に話しかける。

 

弥平次(やへいじ)、そうは言いますが彼女ももうあまり若くはありません...三人目ともなると尚更心配なのです」

 

もうしばらく待つと、元気な泣き声が聞こえてきた。

 

「光秀様!無事に子供が産まれました、元気な女の子です!」

 

弥平次と光秀と呼ばれた男は、嬉しそうな顔をしていた。

 

「そうですか!本当に良かった...煕子(ひろこ)は、今どうしていますか?」

 

「まだ赤子と一緒に奥の方にいます、お会いしますか?」

 

首をたてにふり、光秀と弥平次は屋敷の奥にいくと寝所でねていた女性と赤子を見る。

 

「煕子、頑張りましたね...」

 

「えぇ、本当に元気に産まれてきて...良かったです」

 

疲れているがはっきりと答える女性。

光秀は赤子を見ると抱いて高く上げた。

 

「三人目の娘...この子が、大きくなるまでに...この乱世を終わらせねばなりませんね」

 

そこで凛の夢が覚めた。

恐らくあの夢はキャスターが産まれたときのものだろうが、どう考えてもキャスターの外見と釣り合わぬ夢だった。

父も母も、二人とも純粋な日本人であった。

それに光秀と煕子...いつの時代の人物だろうか、キャスターに問い詰めなければならない。

すると、なにかが割れる音が聞こえてくる。

台所にいくと、キャスターが料理しようと思ったのかフライパンなどが散乱し、皿が割れてしまっていた。

 

「すまぬ凛!起きてこぬから、わらわが料理しようと思ったのじゃが上手くいかぬのじゃ!」

 

「全く世話やけるわね...キャスターはちり取りを持ってきて皿を片付けて!料理は私がやるから」

 

今日の朝食は、チャーハンになった。

 

「キャスター...一つ聞きたいことがあるんだけどいいかしら?」

 

「ほむ、どうしたのじゃ凛?」

 

朝食がすんだあと、キャスターに凛は尋ねる。

 

「キャスターは昨晩、私に真名を何て言ったか覚えてる?」

 

「真名はガラシャと言ったが、それがとうかしたかの」

 

「どこの国の英霊なの?昨晩貴方が産まれたときのことが夢で出たけど......ご両親は日本人だった、でも貴方は赤い髪に白い肌、どう考えても似ても似つかないわよ」

 

ここまで言われては仕方ないと白状したのか、少し口を緩めて言う。

 

「やはり、過去を見られては仕方ないか......確かにわらわはガラシャで間違いはないが、これは伴天連(バテレン)の宗教の洗礼名、本当の名前は明智玉......今の時代では細川ガラシャと言えばわかるじゃろうか?」

 

「明智って......あの本能寺の変の明智光秀所縁の?」

 

「そうじゃ、わらわは細川忠興の妻、そして本能寺の変で織田信長公を裏切った明智光秀の娘じゃ、それとこの肌は生まれつきなのじゃ、まあ髪の方は一度染めたことはあるが......」

 

「肌と髪のことはもういいわよ、しかしガラシャが洗礼名だったとはね...でもキリスト教の信者だったならば西洋に近い名前にもなるわね」

 

だがここで一つ疑問が沸いてくる。

この冬木での聖杯戦争、本来ならば東洋出身の英霊や神霊は呼ぶことは不可能なのだ。

前者は、聖杯の概念のある西洋に限り知名度の補正がかかるため公平を期すための縛り。

後者は、サーヴァントは英霊をランサーやセイバーなどのクラス落とし込んでいるとはいえ本来格が高いもの、更には権能を持ったものは本来物質世界では存在できない。

神霊が召喚できるくらいならば、それこそ聖杯は必要ないというレベルのものでもある。

にもかかわらず、東洋の英霊が呼び出された...これについてはガラシャから、聖杯以上の何か強い力から呼び出されたという風に説明をされた。

半信半疑ではあったが、少し納得はした。

 

「まあ、自分のサーヴァントの話を疑うのも変な話よね...まあ改めてよろしくね、キャスター」

 

「よろしく頼むぞ凛!」

 

「さてと...話も終わったし今日は、偵察にいくとしますか!」

 

「ん?凛、今日は学校へいくのではないのか?」

 

キャスターが不思議そうな顔をして言った一言で凛は思い出した、まだ平日で学校だということを。

時間を見るともう8時、今からでても遅刻するのは明白だ。

しかたがないので、学校には体調不良で休むと連絡を入れた。

なんと!?学生のほんぶんは勉強であろう、それをサボるとは何事じゃ!とキャスターから小言を食らったが。




読者と凛には、真名は分かってしまいましたが改めて...
キャスターの真名は細川ガラシャ、細川忠興の妻で明智光秀の三女にしてキリシタンだった女性です。
2008年に出版された戦国無双大全集などから、情報集めたので今一歩古いものです泣
12年前とはかなり古い!(戦国無双の当時の最新作は戦国無双KATANAでした)
ガラシャが光秀の三女となってるのは明智軍記の記述からです。
ちなみに光秀が弥平次と呼んだ家臣は、従兄弟で娘婿だった明智秀満(あけちひでみつ)(三宅弥平次、明智光春とも)、日本史の資料集とかで見かける兎の耳をつけた兜の持ち主。
煕子は光秀の妻、内助の功の逸話と結婚するときの話はかなり知られています。
余談も余談なんですが、明智光秀の家臣の斎藤利三(さいとうとしみつ)の娘にお福という子がいるのですが、そのお福こそが大奥で活躍した春日局(かすがのつぼね)だったりします。
歴史って意外なところで繋がりますよね?

さて今回の話...実はランサーとの戦いまでいくつもりでしたが、キャスターの真名を明かす方を主にしたら泣く泣くこうなりました。
次から少しずつ進んでいきます。
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